目の眩むもの、なんだろう。
金? 名声? 賞賛? ……否ではないが、もっと単純な話があった。
「まぶし……」
身支度を済ませて外に出て、思う。日の向きがどうしても、エントランスを出る私の目に刺さるのだ。季節が変わるまでの辛抱といえど、毎朝目が痛むのには辟易しかけている。でもそれを些末にしてしまう程度に、立地はよかった。
歩きだす。目につくもの全てが、逆光で沈んでいる。朝とは明るいものでなかったか? という感覚を、この時期ばかりは忘れそうになるのだ。
とはいえ、こうでない季節に巡ればまた忘れ、同じようなことを繰り返す。「習慣」や「当たり前」はこのように脆いのだろうな、と考えるのも、また忘れるのかもしれない。
1/25/2023, 4:51:02 AM