『逆光』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
太陽があなたの顔を塗りつぶす
どんな顔してわたしを見てるの
逆光で見えない君の姿を
少しでも覚えておこうと
目に焼き付けた。
「逆光」
偶然って本当にあるんだろうか
Nさんは、左手の皺を見つめながら言った
さあ…どうでしょう
僕はテキトーに相槌を打った
話し始めると長いんだ、このひと。
俺さ、小さい頃からなんだけど
俺に酷いことをしたヤツラを
思いっきり憎むとさ、
そいつらに不幸が起きるんだ。
この前もさ…
僕はテキトーに相槌を打ちながら
文字の羅列を
パソコンに打ち込んでいた
なあ、聞いてる!?
気づいたら
Nさんがこちらを見ている
お前さあ、調子乗ってるよね
俺より偉くなるんだって?
偉そうにしてんじゃねぇぞ
先週決まったことだけれど
作業を淡々とこなす僕は
無駄口ばかりのNさんより
昇進することになってしまったのだ
Nさんの表情は
逆光で見えなかった
その日
家に帰ると
大事に飼っていたインコが死んでいた
あのとき
Nさんは
どんな表情をしていたんだろう
今日は暑い。太陽が朝から元気よく照らして、濃い影を落とす。カメラを構えてみたが、あまりに強い逆光のせいで
画面が真っ暗だ。だから足元に視線を落としてみたら、今まで目に止まらなかった新しい発見があったり。
そういう生き方っていいよな、なんて思う冬の夜。
逆光
インスタに載せる写真は全て
この携帯で撮っている
写真は上手くないし、毎日コンスタントに撮っているわけでもない
でもその中から気に入った写真を
たまーに載せる
夜景はどう撮ればいいのかわからないし
技などは何一つ使えない
ただ押すだけだ、
それでも好きな写真が撮れるし
たとえ逆光だったとしても
いい写真の時があるんだよ!
逆光
─ どうして君はいつも逆光になる場所を選ぶの?
─ 自分が嫌いだから
─ 君は素敵だよ
─ そんな事を言っても届かないよ
─ 少しでも出てみない?
─ 君まで傷つけてしまうかも
─ 大丈夫、守ってあげるよ
きっと皆も受け入れてくれる
そっと手を差しのべる
君(自分)の居場所を作るために
テーマ:逆光 #73
夢に見た二人は僕の両親の可能性があることを知る真。それにはりかいできないことかあったーー
「もし、それが本当に両親だとしたら僕なんで覚えていないんだ?」
僕が疑問に思ったのはそこだ。
両親だけじゃない。勝瑠だってそうだ。兄弟ならわかるはずだ。
『それは僕にもわからない。ただ、僕たちは船の事件があったとき別々になった。僕は兄さんを探したよ。でも見つからなくて。でも、なんとなく感じていたんだ。兄さんが時止めの能力を使っていたから』
僕はわからなくなった。本当に勝瑠のことを信じていいのか、を。
シャドウは何も言わなかった。いつもはうるさいくらいに喋るのに。
『急ぎの用があるから、長い間一緒に行動できないことを許してください』
勝瑠はそう言って人混みに紛れた。
僕とシャドウは沈黙のまま歩き始めた。
『話がある』
いつになく真面目な声で言ったシャドウの雰囲気に、僕は静かに頷くしかできなかった。
「何」
僕が人気のない公園のベンチに座るとシャドウは
『俺は、真を知ってる』
そういった。
「ん? あぁ」
『きっとお前が思っているより知ってるんだ。俺は真のことを』
「何が言いたい」
『俺はお前の両親、勝瑠のことを知っている』
「は?」
僕はなにか思うよりも先に口がそう言っていた。
『俺は真がなぜ、両親や勝瑠のことを知らないかも知っている』
「なんで…」
『これは言わないでおこうと思っていたことだ』
「なんでだよ!」
『お前のためにならない』
「そんなのわかんねぇじゃねぇか!」
何に怒っているのかわからない。
シャドウに? 自分に?
ただ、シャドウに当たってしまっていることはわかっていた。でも頭に血が上っていて止まることができない。
シャドウも何も言わなくなった。
「ごめん」
僕は少し経ってそれを自覚すると言った。
『いや、俺が言わなかったのが悪い』
「僕もなんにも聞かなかったから…」
シャドウは僕を見た。
『逆光だ』
逆光? 僕は急に言ったシャドウの言葉に理解ができなかった。
『逆光って、自分が光の方向にいるとき起こる現象だ』
「それは知っているけど…」
『真は今、未来という光を背に受けている状態だ』
「つまり?」
『本来は真は光の方へ行くはずなんだ』
未来へ、ということだろうか。
『今、真は過去にいる』
「過去?」
『そう、お前は過去へ進もうとしている』
両親を失った過去ということか…?
『俺も真も本当は現代よりも未来にいるはずなんだ。勝瑠も』
その時、勝瑠の能力を思い出した。タイムリープ…。
過去に行けたのなら、未来へ行くことも可能なんじゃないかって。
つまり、勝瑠は何らかのトラブルが起き、未来から僕たち家族とシャドウを過去へ。そして、そこで両親を亡くした。
僕と勝瑠、シャドウはそのまま未来へ行き、今日に至る。だから勝瑠は僕たちの住んでいた世界がこの現代の先にある未来だということを知っているんじゃないか、と。
だとしたら、さっきの男たちは時使いの僕たちを捕まえに来た奴ら、と考えるのが妥当だろうか。
なんとなくふわっとだが状況を掴めたような、そんな気がした。
『逆光』
全てがまぶしくて
目が開けられない
ひとつひとつの物語は
うまく完結していて
私の心をどんどん暗くする
逆光に包まれた人々は
皆、大きな口をあけて笑い
影が落ちて残る
刺す光を味方につけたら
少しは違うのだろうか
私は心細く肩を抱く
雪が降り頻る中、彼女は僕に「1枚だけ撮ってよ」とスマートフォンを手渡す。
こんな寒いのに写真は撮るんだな、と感心したもんだ。カメラモードにし、レンズを彼女に向け、カシャッとシャッターを切りスマートフォンを彼女に返す。申し訳ないがカメラに興味は無いんだ。
「ねぇ、これ少しブレてるよ」
「1枚と言ったのは君だろ?」
「もうっ!いじわるっ」
分かってはいた。ブレたのも彼女がいじけるのも。いじけた姿が愛らしくつい意地悪をしたくなる。僕は彼女の少し膨れた白い頬をつついていた。
「あ、見て。雪が降ってるのに晴れてる。狐の嫁入りかな?」
「狐は雨天時だけだね。今の場合は『たぬきの嫁入り』と言うらしいよ」
【逆光】 #5
映りが悪いなら自分が動けばいいのに
そんな単純なことさえも
忘れてしまうのは
「君」という逆光が
眩しくて
美しすぎたからでしょう
雲に夕日が反射して
吸い込まれそうな空
静かな波の海辺
裸足で立つ君
君にカメラをむける僕
逆光で影になる君の姿と夕焼けをずっと眺めていたかった。
美しくて。
「北村!」
くたびれたスニーカーを履いて、昇降口を出て行こうとする彼の背中に声をかける。
「おう、吉本」
「そんなさっさと帰ろうとしないでよっ」
明日なんでしょ?引っ越し。
あたしがそう言うと、北村は軽く頷いた。
「そー。だから早く家帰って荷造りしねーと」
「まだ終わってないんだ」
「あはは。まーな」
「……北村。ほんとに、ありがとね。北村が協力してくれなかったらあたし、松木先輩とは付き合えなかっただろうし……」
普段はお調子者の北村だけど、意外に面倒見のいいところがあって、彼のそんなところにあたしは助けられた。
松木先輩に好みの女の子のタイプを聞いてもらったり、デートの機会を計らってもらったり、そんな風にして松木先輩との仲を取り持ってもらった。
「……ほんとに感謝してるの。引っ越しちゃってもさ、会えない距離じゃないし、放課後にスタバとか奢らせてよ」
「いーよ別に」
北村はカラカラと笑うと、そのままさっさと歩き出した。
お別れって、こんなあっけないものなんだな。
ずんずん進んで行く北村に、あたしはもう一度だけ声をかけた。
「北村もさ、彼女とかできたら教えてね!そしたらあたしたちと北村たちとで、ダブルデートしよ!」
***
北村が実は、あたしが松木先輩を好きになるずっと前から、あたしに片想いしていたということを聞いたのは、彼と最後に話した次の日だった。
「絶対言うなって言われてたけど、まぁもう転校しちゃったしいいよね」と、くすくす笑いながらクラスの女の子が教えてくれた。
北村に最後に言葉をかけた時、振り向いた彼がどんな表情をしていたのか。
夕日の影に邪魔されたせいで、あたしには一生分からない。
#逆光
嫌いな人…
逆光のように真っ黒に見える
まぁ~ いいけどね〜
自分に関係のない人だから
逆光は都合がいい
見たくないものに蓋ができる〜(。•̀ᴗ-)✧
🌈黒猫のつぶやき🌈
今のスマホは逆光でもキレイに撮れる
見えちゃうよ〜(´ε`;)ウーン…
お題:逆光
蝉の鳴くうだるような夏の日のこと。
僕はデジカメを持った彼女と共に歩いていた。
僕らが通う大学から少ししたところに、大きな池のある公園がある。
そこは桜の名所なのだが、夏場はその木が木陰を作るため理想的な散歩コースなのだ。
そんなこんなで池の周りを歩いているが、彼女は一向に写真を撮らない。
デジカメを握りしめたまま僕と並んで歩くだけだった。
そろそろ3周目かなぁ。
僕は隣を見て言った。
「どうしたの?写真、撮らないの?」
「……うーん、あのさ。実はカメラ触ったことないの。」
首に下げたデジカメを撫でながら彼女は言った。
「でもせっかく祐介に貰ったなら、素敵な写真が撮りたいなって。それでパソコンで調べたの。」
写真の撮り方。
彼女は呟いた。
曰く調べた時に出てきた見本の写真たちに圧倒されたとのこと。
自信を無くしてしまったらしい。
「なんか、言葉にしづらいんだけど……すごく綺麗だった。」
日差しの元で足を止め、彼女は言う。
太陽が肌をジリジリと焼いた。
「まあ、あんまり考えずに撮ったらいいよ。」
「それができればね……。」
彼女が天を仰ぐ。
どんな表情をしてるのだろう。
「ほら、思い出でも撮れればって思って買ったやつだからさ。それ。僕たちが振り返って見れればいいんだよ。」
家電量販店の型落ち値引き品をプレゼントした罪悪感から、僕は早口でそう言った。
すると、空を見ていた彼女が突然こっちを見た。
握りしめたカメラをこちらに向け唐突にシャッターを切る。
パシャリ。
なぜか焚かれたフラッシュが少し眩しい。
太陽を背にしてるからだろうか。
カメラずらして顔を覗かせた彼女が少し悪戯っぽく笑う。
「なら、いろいろ撮ろうかな。最初の1枚、見せてあげる。」
カメラを操作している彼女は輝いて見えた。
そんな彼女の表情を見ると、余計に罪悪感が増す。
今度はちゃんと準備しよう。
「うーん……。」
しばらくカメラをいじっていた彼女は、スッとカメラを握り直した。
「見せてくれるんじゃなかったの?」
彼女は少し悩んだ後そっぽを向いた。
「もう少しいいの撮れたらにする。」
彼女は衝撃で倒れた
視界には、夏の青空と眩しい太陽だけ
心配そうに覗き込む彼
照りつける太陽を遮る彼の笑顔が、彼女の視界に入ったその時
彼女の中で、時の流れが止まった。
道を走る自動車の音、蝉の鳴き声、空に響く飛行機音までもが薄れていた…
逆光の中の彼を見つめた彼女の目から、涙が溢れた。
~公園で追いかけっこをしていたカップルの彼女の方が、遊具に頭をぶつけてスッ転んだ。それまでふざけていた彼氏は、驚くも笑いながら仰向けに倒れた彼女に大丈夫かと駆け寄る。
突然の衝撃に放心した彼女は、彼の顔を見て数秒後、おでこの強烈な痛みでヒンヒンと泣き出した~
おでこの痛烈な衝撃とともに見た逆光の中の彼の笑顔は、彼女の時の流れを止めてしまうほどに美しかった。
逆光の中に見た貴方の優しい笑顔を忘れない。
-逆光-
逆光
あまりに眩しすぎたから
こんなにもあなたが好きなのに
背を向けることしか出来なくて
逆光
たぶん見る方向の違いだろう
こちら側からはいつも逆光で
見るもの全てが眩しく目映い
みんなから見たら単なる影で
そこにいても気づかれぬ存在
こんな生きづらい世界なんて
口にしたところで変化はなく
より影っぽい人を見つけては
目映いつもりになって悲しむ
世の中の摂理とはそんなもの
そう思って諦めかけていた夜
月を見上げて少しわかったよ
影にもなるし目映くもなると
私の光の照らし方をさがして
私自身が動くことの意味深さ
ここで止まっていたらなにも
変わらない自分に気がついて
自分の足で歩いて光を照らす
光をいつも逆光と思ってきた
私の気持ちがすでに負けてた
今はもう大丈夫だから目映く
光も影も全てに気づける私に
「ねぇ、お願いがあるんだけど」
彼女が俺に声をかける。
俺はカメラを片手に、自分の彼女を被写体にしていたが、レンズの前にかけよってきた。
「何?」
「ここから撮って?」
そういうと、彼女は波打ち際に立つ。
夕焼けが海に向かって落ちている。空が赤々と燃えているようだ。だがしかし、
「それだと逆光になって、お前の顔が映らなくなるよ」
「いいの!」
彼女はバシャバシャと海辺へと入る。
「ほらー! 撮ってー?」
大声で俺に頼む。
あまり乗り気ではなかったが、カメラを構える。
波がキラキラと輝いている。本来なら同じくらい彼女も可愛いのに、やはり逆光で表情はわからない。
黒いシルエットが、夕日に照らされている。大きな赤く燃えた空に輝いている海、そこに彼女の黒いシルエットが、両手を広げている。
表情は見えないはずなのに、なんでだろう、楽しそうにしている彼女が見えた気がした。
自然と逆光と人物は、こんなに広大な画になるのか。
俺はシャッターを切ったあと、しばらく圧巻で呆けてしまった。
【逆光】
『逆光写真』
光を集めて放って 僕の居場所を知らせたい 写真ので中は窮屈で作り笑顔が行進してる 天使と呼ばれて浮かれてしまい 取り巻きは山蛭のように吸いついてくる 枯葉に映る僕の素顔が見えるひと そんなひとに僕は会いたい
写真撮ったよね、笑
この前
その時の写真今もよく見るんだよね笑
見てたら気づいたんだ笑
逆光でちょっと事故画だった笑
そんな思い出も今じゃ話せないな