逆光』の作文集

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逆光』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

1/26/2026, 5:30:47 AM

突然の光に目が眩む。
強い光に、目を開けていられない。目を閉じ、光から顔を背けた。
光から離れたいが、目が開けられないため動けない。早く光が消えることを願いながら、身を縮めていた。

「大丈夫?」

ふと声がした。閉じた瞼の向こうの光が、少しだけ和らいだ気がして薄目を開ける。
光が消えた訳ではない。ただ、光を背に誰かが立っていたから、和らいだように感じられただけだった。
誰だろうか。逆光で陰になり、その姿は輪郭しか分からない。けれども先程かけられた声は柔らかく、悪い人ではなさそうだった。

「おいで。もう大丈夫だよ」

そう言って手を差し出される。
大きな手だ。けれどその手も影になって、誰のものなのかは分からない。
一緒に行ってもいいのだろうか。動けないでいれば、影はゆっくりと近づいてくる。
顔が見えない。真っ黒で、どんな表情をしているのかが分からない。

「怖がらなくてもいい。一緒に外に行こう」

優しい声。見えない表情。
悩んで、ゆっくりと手を伸ばした。ここにいることと、目の前の誰かと共に行くこと。
どちらを選んでも、行く先はそれ程変わらないだろう。

「安心して、もう怖くないよ。よく頑張ったね」

伸ばした手を取り、真っ黒な誰かに抱き上げられる。
褒めるように、背を撫でられる。
近くで見る、誰かの顔。

優しい微笑みに安堵の息を吐き、一筋涙を溢した。



「大丈夫?」

ぼんやりと外を眺めていたら、心配そうに眉を顰めた友人に顔を覗き込まれた。
今朝見た夢と同じ言葉に、目を瞬く。何が、と言いかけて、苦笑する。
何でもないと首を振れば、どこか納得がいっていない表情をしながらも、友人はそれ以上何も言うことはなかった。

「何かあった?」

逆に問いかければ、友人は小さく息を吐く。どこか呆れたように、前の席に座って顔を寄せる。

「最近ぼんやりしているけど、悩み事でもあるのかなって思っただけ」

そう言って、頬を膨らませながら顔を背ける。その幼い子供のような仕草に、小さく笑みが溢れ落ちた。

「心配してくれてありがとう。何ていうか、最近変な夢を見ている気がして」

今朝見た夢の内容を思い浮かべながら告げる。途端に不機嫌さがなくなり、心配そうに友人はこちらを見つめた。
相変わらず、友人は優しい。心配される気恥ずかしさと嬉しさに、少しだけ落ち着かなくなりながら、大丈夫だと笑って見せる。

「目が覚めたらほとんど覚えてないんだ。ただ起きた時に、変な夢を見たなあって思うから、それがちょっと気になって」
「そうなの?覚えてたら話を聞いてあげられるのに」

眉を寄せる友人が、もう一度気にしないでほしいと笑う。
日が暮れ始めた外に視線を向け、近づいてくる見慣れた影に席を立った。
夕日を背にしているため、逆光で陰になってよく見えない。けれど自分が父のことを見間違えるはずはなかった。

「お迎えが来たから帰るね」

鞄を掴んで外に向かう自分を見ながら、友人は小さく笑い声を上げた。どこかからかい交じりの顔をして、こちらに手を振ってくれる。

「本当にお父さんのことが好きだよね。ばいばい、また明日」
「また明日!」

頬が赤くなるのを感じながら、手を振り返すこともなく外へ出る。
玄関で靴を履き替えて、ちょうど玄関先まで来た父に抱きついた。

「おかえりっ!」
「ただいま。元気にしてたかな」

優しく微笑む父に、笑顔で頷いた。手を繋いで、急ぐように家へと帰る。

「今日は美味しいものでも食べにいこうか」
「やった!私、ハンバーグが食べたい」

嬉しくなって繋いだ手を大きく振る。今日あったことを話せば、父は笑いながらしっかりと聞いてくれている。そんなささいなことが幸せで堪らない。

途中、友人の父とすれ違った。小さく息を呑んで作った笑顔を浮かべるこの人のことは、少しだけ苦手だった。

「こんばんは」
「こんばんは」

挨拶をされて会釈をする。挨拶を返す父の手を引いて早く帰りたがる自分に父は苦笑し、友人の父に会釈をした。
父は何も聞かない。ただ優しく頭を撫でてくれる。温かな手に擦り寄りながら自分も父に何も言わず、聞かなかった。
友人の父を見る時の、どこか悲しそうな、苦しそうな表情の理由を。

「早く行こう!」

代わりに笑顔を浮かべ父の手を引く。

「帰りにお線香と、あとお母さんのお花も買わないといけないんだよ。だから早く!」

そう言って急かせば父も笑って、手を繋いで歩き出した。





「ごめん。ごめんね」

泣きながら自分を抱きしめる目の前の青年を見ながら、ぼんやりと時間が過ぎるのを待っていた。
悲しい声も涙もはっきりと見えるのに何も感じない。何もかもが嘘のようで、信じられない。
いつまでこのやり取りが続くのだろうか。いつになったら、彼の元へと行けるのだろうか。

「無事でよかった」

嘘つき。手を離したというのに、白々しい。
青年が何かを言うたびに、気持ちが冷めていくのを感じる。早く離れてしまいたい。
それを伝えることすら億劫で、余計に面倒なことになると理解して、内心で溜息を吐いた。

ふと、背後から光が差し込むのを感じた。
身じろいで後ろを振り返る。遠くに光を背に立つ彼の姿を見て、絡みつく腕を解いて走り出した。

「待って!」

後ろから呼び止める声は聞こえるものの、引き留められる気配はない。
結局は形だけなのだろう。一瞬だけ表情が歪むが、さらに速度を上げて彼の腕に飛び込んだ。

「後悔は、しない?」

逆光で見えない彼の顔。けれど柔らかな声音が、心から心配してくれているのだと伝えている。見えなくても、自分のことを案じてくれるのが分かる。
青年とは大違いだ。首を振って強くしがみつけば、優しく頭を撫でられた。

「お兄ちゃん、きらい。みんな、だいきらい」
「分かった。何も言わないよ」

苦笑して、彼が手を差し伸べる。
笑顔でその手を取って、彼に寄り添いながら歩き出した。

一度だけ後ろを振り返る。無言で佇む青年に向けて、声には出さずさようならと呟いた。
青年からは逆光になって見えてないだろう。でもそれでいい。
伝わっても、伝わらなくても変わらない。
光に向かって歩いていく足は止まらないのだから。



「夢……?」

不思議な夢を見た。
体を起こして、まだ消えない夢の内容に首を傾げる。今までは目が覚めた瞬間から忘れてしまっていたというのに、何故こんなにもしっかりと覚えているのだろうか。

「変な夢」

夢を覚えていることもそうだが、内容も変だった。見知らぬ青年に泣き疲れ、その手を振り解いて誰かの元へ走っていく。その誰かも、逆光で顔が見えなかった。
それでも、その誰かを良く知っている気がした。そしてあの青年。彼もどこかで見たような覚えがある。だいぶ若いが、友人の父に似ていなかっただろうか。

「でもまあ、夢だしな」

小さく笑って、ベッドを抜け出した。
夢を真剣に考えていることがおかしくて堪らない。現実ではないのだから、あまり真剣に考えなくてもいいだろう。

笑いながら準備を整える。
今日は自分が料理当番の日だ。パンをトースターにかけて、卵を焼かなくてはいけない。
時計を見れば、いつもより早い時間だった。この時間なら、父へ弁当も作れるかもしれない。
冷蔵庫の中身を思い出しながら、部屋を出る。優しい父のために何かができるこの瞬間が、とても嬉しい。

「そういえば」

ふと思い出す。
夢の中で誰かに抱き付いたこと。繋いだ手の温もり。

「案外、お父さんだったりして」

そうだったらいい。夢でも父に会えるなんて、なんて幸運なのだろう。
気分よく、台所に向かう。

今日はいい日になりそうだ。
そんなことを思いながら鼻歌を歌いつつ、朝食を作り始める。
今日見た夢の名残など、パンと一緒に焦げてどこかに消えてしまっていた。



20260124 『逆光』

1/25/2026, 10:03:33 AM

雨が降ってきていたのに洗濯物が出たままだった。だからお母さんは仕事から帰ってきて、怒りながらご飯の支度をしている。そしてなんで今更出すのと懇談会の紙を机のうえに叩きつける。時間がない時間がないって、いつも言うから、僕はじっとしている。
僕はお母さんが忙しそうでなかなかいえなかった。
病気になったら仕事を休まないといけないって怒ってて。算数のノートがもうないって言ったら、そんな時間はないって怒ってる。
僕がいけないんだ。ごめんなさい。褒められたくて掃除をしたけど、うまく出来なくてかえっていけないことをしたみたい。こっそりご飯を作ろうとおもったんだけど、余計なことしてって言われちゃった。ごめんなさい。僕は、僕は。前みたいに笑ってお母さんと色々喋りたかっただけなんだ。

1/25/2026, 9:59:35 AM

逆光(2回目)


舞台装置が音を立てた

きっと女優が下りたんだ

スポットライトは白いのに

赤いドレスは色褪せない

2度目の舞台

2度目の逆光

いつか立ったはずの晴れ舞台

いつか目にしたはずの鴉の逆光

乱反射した光彩陸離の瞼

手術でしか見られないオーロラ

腕すら伸ばすことを許さない

圧倒的な火

幕が降りても舞台は暗くならない

拍手喝采を浴びながら、彼女は自分をBrushする

眩しすぎて意味がわからないんだ

あなたの事も、自分の言っていることも

教えたがりの逆光が

今日も後ろを照らすんだ

1/25/2026, 9:59:21 AM

突然駆け出したくなるくらい
突然わくわくしてしまうの
突然見たくなるくらい
突然どきどきしてしまうの
突然声が聞きたくて
突然突然電話をしたの
ずっとずっとずっと静かで
誰にも誰にも繋がらないの

‹君に会いたくて›


ガラスケースの中、一冊の本があった。
古い古い本で、誰にも触れられないよう
厳重に守られていた。
だから怪盗になろうと思った。
最後の日の記録を見たくて。
君の答えをどうしても
どうしても知りたかったから。

‹閉ざされた日記›


「木枯らしってその内
 夏の季語になりそうね」
「暑過ぎ立枯れ注意ってか
 やかましいわ」

‹木枯らし›


絵具を混ぜていました
赤をピンクを
黄をオレンジを
緑に青に紫に
虹の色を作りたくて
混ぜました一つ残らず
白も黒もはだ色も
黄緑水色灰色も
全部全部混ぜました
そうしてできた酷く濁った
そんな色が好きでした

‹美しい›

1/25/2026, 9:58:55 AM

撮ったばかりの画面のなかで、金色にたなびく穂が彼女の向こうに陽を受けて輝いていた。逆光だと変に目を合わせすぎずに被写体に向き合える気がする。
「今みたいな景色ってさ」
 空を見上げ髪を押さえて君が言う。
「朝がくるのか夜になるのかわかんないね」
 いつのまにか夜の紺が色を深め、昼の名残の桃色が彼女の指の先で境目を溶け合わせている。
「好きなんだよなあ」
 輪郭を際立たせた幻想的な写真から目を上げる。街灯がパッと点いて逆光ではない世界で君と目が合う。

『逆光』

1/25/2026, 9:54:48 AM

「逆光」


自分の姿を力強く照らす光がある。
自分を「愛している」と強く言ってくれる貴方がいる。
眩しく輝いていて支えてくれる光があるから歩いていれる。
泣いても、影になって見えないから。
自分の弱さを隠してくれるから。自分の弱さも出していれる。
逆光が自分を隠してくれるのなら。
まだ、まだ少しだけ。
歩いていれる。多分ね。
自分の命を歌えるのなら、誰かを照らしたいって思ってしまうんだ。
悲しい歌。楽しい歌。なにもない歌。
過去の自分を救うように、ただひたすらに自分を肯定する。
そしていつか誰かを救えたらって勝手ながら
思うんだ。
自分で自分を守れるようになるにはまだまだ時間がかかりそうだけど。
貴方が私を隠してくれるのなら。
もう少し。まだ歩いていれるんだ。多分ね。



もう少し貴方の胸の中で泣き疲れて眠る日々を。

私に頂戴。

1/25/2026, 9:41:23 AM

128.『美しい』『木枯らし』『閉ざされた日記』


 近所の骨とう品屋で日記帳を買った。
 その気品ある装丁は、少しも古さを感じられず、まるで新品のように美しい。
 この日記帳に書き込めば、木枯らしが吹くような味気ない私の毎日も、きっと素晴らしいものになるように思えた。

「この日記帳なら、三日坊主の私も日記を書き続けれるはず」
 私はその場で購入を決めた。

 だが一つだけ誤算があった。
 それはこれが骨とう品であるという事。
 つまり、既に使用済みの物であり、新たに書き込むことは出来ないという事だ。
 せっかくやる気になったのに、とんだ肩透かしだ。

「まあ、インテリアぐらいには使えるか」
 そう思って、少しでも見栄えを良くしようと、汚れを柔らかな布で拭いていた時だった。

 ――――ドロロローン。
 突然日記帳から煙が噴き出す。
 驚いた私は、思わず本を放り出してしまう。
 呆然とその様子を見つめていると、煙が晴れた先には見知らぬ人影があった。

「どうも、初めまして。
 私、ランプの魔神ならぬ、日記帳の魔神です」
「日記帳の魔神!?」
 私は思わず叫ぶ。
 何が起こっているか分からないが、○○の魔神と言えば相場は決まっている。
 私は興奮を抑えきれず、魔神に尋ねた。

「願い事を叶えてくれるんですか?」
「もちろん」
「やった!
 じゃあ、じゃあですね――」
「ただし!」
 魔神は私の言葉を遮った。

「願い事は一つだけ。
 日記に関するものに限ります」
「ケチ」
「文句を言わないでください。
 一つでも叶うだけ、運がいいんですよ」
「ま、そんなうまい話はないか」
 私はそれ以上追求せず、考え事をする。
 いったい何を願うべきか。
 私は腕を組んで考える。

「純金のペンをください」
「ダメです。
 日記を書くことに、純金である必要はありません」
「未来の私が書いた日記が浮かび上がる日記帳をください」
「ダメです。
 それやるとタイムパラドックスとか大変なんです」
「じゃあ、考えるだけで自動的に書き込まれる日記帳ください」
「ダメです。
 そんな便利なものはありません」
 希望するものを悉く否定されてムッとする。
 日記帳に関する願い事ばかり提案しているのに、この魔神、一向に首を縦に振らない。
 
「……じゃあ、何があるんですか?」
「日記を書き込むと登録した相手に届く」
「それメールで良くね?」
「悪いけど、私が叶えられる願いは、たいていテクノロジーの方が優秀」
「役に立たねえ」
 私は失望のため息を吐いた。

「まあいいや。
 なんか適当に書き味のいいボールペン下さい」
「はいよ」
「胸ポケットから出て来た……」
「それお勧め。
 書き心地いいよ」
「これ、商店街で配ってるボールペンじゃん……」

 商店街の名前がでかでかと入っている、ダサいボールペン。
 見た目に反し、書き心地はいいので、地元民は文句を言いながらも愛用している。
 たしかに魔神がおすすめするのも無理はないほとの逸品。
 けれど、

「でもたくさん持っているんだよね……」
 確かにいいボールペンだけど、何かにつけて配るので、腐るほど持っている。
 なんだか損をした気分だ。

「いいものなんだけどなぁ……」
 釈然としない思いでボールペンを見つめていると、魔神が玄関の方に向かって歩きだす。

「願いを叶えたので私は帰ります」
「帰りは歩きなのか……


 って、ちょっと待って」
 私は魔神を呼びとめる。
 そして魔神が脇に抱えている『もの』を指さして言った。

「なんで私が買った日記帳を持っているの?」
 チッと小さく舌打ちしたかと思うと、魔神はこちらに向き直った。

「単刀直入に言います。
 これは私の日記帳です」
「はあ」
「泥棒に盗まれてしまいましてね。
 あちこち探していたんですが、こうして見つかりました。
 ご協力ありがとうございます」
「待て、あげるとは一言も――」
「失礼!」
 魔神がそう叫ぶと、来た時と同じように煙が噴き出した。
 驚いてひるんでいると、耳には玄関のドアが開く音。
 まんまと逃げられてしまった。 

「あのくそ野郎め」
 思わず口から悪態が出る。
 けっこうなお金を出して買ったものなのに、その対価がタダでもらえるボールペンとは……
 全然釣り合わない!

 百歩譲って、このボールペンと交換なのはいい。
 でも、騙し打ちのような真似をして持っていくのは、誠意がないと罵られても仕方がない。

 私は胸の奥に沸き上がる怒りを感じながら、本棚を漁る。
 そこにあるのは、魔神に盗まれたものとは別の日記――去年の1月に買って、結局使わなかった未使用品。
 私は長らく閉じられた日記を机の上に開き、今日あった出来事を書く。
 書くことは、もちろん魔人のことだ。

「あの野郎、絶対に許さないからな」
 魔神の人相、体型、鼻につくしやべりかたなど、まらゆる特徴を執念深く書き込んでいく。
 自信はないが似顔絵も描いた。
 これで奴の憎い顔を忘れることはないだろう。

 商店街仕様のボールペンを持っていたということは、この辺りに住んでいる可能性が高い。
 商店街に足繁く通えば、いつか必ず尻尾を掴めるはずだ。

「逃さないからな」
 魔神を見つけるその日まで。
 私はこの『復讐日記』を書き続けることを誓うのであった。

1/25/2026, 9:26:25 AM

びーえる注意報!



「こんな寒い日でも花壇の世話してるの?」
上の方から声がした。
見上げても太陽に被さるように立ってるので顔は分からない。
だけどいつも僕が花を弄ってると毎回現れるので誰かは確認しなくても分かる。
「今日は暖かいから土いじりにはもってこいなんだよ」
「毎日毎日花と戯れて飽きない?」
相変わらず表情は分からないまま首を傾げる。
「君も毎日毎日現れて飽きないの?他の人みたくボール追っかけたりして遊んだら?」
彼は毎日何をするでもなく現れては側にいる。
「んー別にいいや。俺はここに居る方が楽しいし」
そんな訳はないだろう。
土いじりしてる男を見て楽しいところなんて微塵も見つけられない。
「なんで?」
ずっと思ってたけど口にした事なかった疑問を投げかけた。
彼を見上げると相変わらずよく表情が分からないままだ。
「好きだからかな」
しばらくの沈黙の後、彼はひと言そう答えた。
かろうじて口の動きだけが見ることが出来る。
言われた言葉が理解出来なくてそのまま見上げてると、困ったように笑ったような気がした。



                    (逆光)

1/25/2026, 9:23:29 AM

「逆光」

眼の前に竚む人影。
『あなたは、誰?』
呼び掛けても返事はない。
『あの、ここは…?』
尋ねても返事はない。
〈そうね。ここは、ここ。わたしは、あなた。そう応えるべきかしらね。〉
顔も見えない。表情は分からない。
眩し過ぎる光源を背にして、視線の先の何かを見上げている様だったけれど、その人影が何を見ているのかは、振り返っても分からなかった。
〈ようやく…。ここへ、辿り着いたのね。〉
悲しげな声が、ホッとした様に零れ落ちて来た。
《良かった、また逢えた。》
2つの声が、同じ言葉を紡いだ。

あぁ、ここは夢の中だ。
そして、いつかの、あの日の私たちだ。
《良く、頑張ったね。私たち。》
さぁ、始まりの日にしよう。

1/25/2026, 9:20:22 AM

遠くからでも人混みに紛れても逆光でも、きっとシルエットで判るよ

#逆光

1/25/2026, 9:17:34 AM

ながいながい みちのりを

はじめは ゆっくりと 
だんだん はやくなり
そのうち かけぬけて
いま ここまで やってきたんだ

めのまえは
とても まぶしくて
そこに いる
そのだれかの かおが みえないけど

ぼくは
さいごの いっぽ は
おもいっきり じゃんぷを したんだ


ちかづいた そのだれかは
にっこり わらって

とびあがった ぼくを
その おおきな つばさで 
やさしく やさしく
つつんで くれたんだよ

1/25/2026, 9:16:40 AM

逆光。

1994年8月。
僕と恭子さんは砂浜にいる。
「せっかくだから海をバックに写真撮ろうか?」
僕はカメラを構えて言った。
「うん、良いわよ」
恭子さんは上機嫌で答えた。
「素敵な笑顔を下さい。ハイ、チ−ズ!」
カシャ、カシャ、カシャ。
恭子さんに、海辺の様々な場所でいろんなポ−ズをとってもらった。
「モデルがいいからとっても楽しいよ」
「お上手ね」
恭子さんを家に送った後、写真屋さんにネガを渡し現像をお願いした。
1週間後、写真屋さんでネガを受取り、恭子さんの部屋で写真を見た。
「何これ?逆光で顔が写ってないよ、この写真は目を閉じてるし、これなんか腕が3本あるじゃない!心霊写真じゃないの!!」
恭子さんはご立腹だ。
「心霊写真をテレビ局に送れば有名になるよ」
僕はからかった。
「そんなことで有名になりたくわないわよ!」
「でも、この最後の1枚はどう?」
その写真は恭子さんが光り輝く海をバックに微笑んでいる。
「そうそう、こういうのが欲しかったの」
恭子さんはご機嫌になった。

今の時代は、カメラがなくてもスマホで高画質の撮影が出来る。
しかも、撮影した画像をその場で確認出来るし、何枚でも撮影出来る。
便利になったが、その反面カメラ屋が沢山廃業している。
新製品が発売されてると必ず被害を被る人が出る。
生き残らなければ…。

1/25/2026, 9:14:57 AM

「逆光」

逆光で何も見えないくらいなら
最初から暗闇のほうがいいね
君はそっとつぶやいた

1/25/2026, 9:10:16 AM

逆光

「待って、行かないで」
キミに手を伸ばすけど、いつもその手はキミに届かない。
「ああ、またか」
目が覚め、ため息を吐くのが日課になりつつあるほど、同じ夢を見ていた。
「せめて、キミの顔が見れたらな」
逆光に照らされたキミの顔を、見れたことはない。
「でも、こんなに同じ夢ばかり見るんだもん。何かあるよね。たとえば、夢の中のキミにいつか現実で会えるとか」
そうなることを信じて、今日から寝ることを楽しみにしようと思うのだった。

1/25/2026, 8:56:23 AM

〈逆光〉

 私が初めてあの人に会ったのは、小学校に上がる前のことだった。

 公園で迷子になって泣いていたとき、優しい声が「大丈夫よ」と語りかけてくれた。顔を上げると、そこには母くらいの年齢の女性が立っていた。
 けれど不思議なことに、その人の顔がよく見えない。まるで後ろから強い光が差し込んでいるように、表情は逆光に溶けてしまっていた。
 彼女は私の手を取って、母のところまで連れて行ってくれた。手のひらは温かく、どこか懐かしかった。

 中学生の部活動の帰り道、自転車で転んで膝を擦りむいた。立ち上がれずにいると、またあの人が現れた。
 やはり母と同じくらいの年齢で、逆光で顔は見えない。ハンカチで血を拭ってくれる手の動きに、既視感があった。

 二十代で失恋に打ちひしがれていたとき、深夜のコンビニで泣いていた私に、あの人が温かいコーヒーを差し出してくれた。「きっと大丈夫」という言葉と共に。
 相変わらず四十代くらいに見える女性で、顔は逆光の中だった。声の調子が妙に聞き覚えがあった。

 その人と別れてから気づいた。いつも同じ年頃なのだと。私が年を重ねても、あの人は変わらず四十代くらいの女性なのだ。

 不思議だった。同じ人なのだろうか。それとも似た誰かなのだろうか。分からないまま、私は四十三歳になった。

 そして今日、いつものスーパーからの帰り道を歩いていたとき。

 前を歩く老女が、買い物袋から何かを落とした。リンゴが二つ、三つと転がっていく。老女は腰が痛いのか、拾おうとしてもうまく拾えない。

 私は迷わず駆け寄って、リンゴを拾い集めた。泥を軽く払って、袋に戻す。

「ありがとうございます」

 老女がそう言って顔を上げた瞬間、心臓が高鳴った。

 彼女は目を細め、眩しそうにこちらを見ていた。夕日が私の背後から差し込み、老女の目には私の顔が、きっと逆光で見えないのだろう。
 そして、その横顔。目尻の皺。唇の形。

──ああ。

 電撃が走ったように、すべてが繋がった。
 あの人は、私だったのだ。

 未来の私が、過去の私を助けに来てくれていたのだ。
 小学生の頃の私にとっては「お母さんくらいの歳」に見えた女性。中学生、二十代、三十代の私が見た四十代の女性。それは全部、今の私と同じ年齢の、私自身だった。

 だから手のひらは懐かしかったのだ。だから声に聞き覚えがあったのだ。だからハンカチの使い方も、コーヒーの差し出し方も、どこか私自身を思わせたのだ。

「いえ、どういたしまして」

 私は微笑んだ。老女には見えないかもしれないけれど、精一杯の笑顔で。

 老女は小さく会釈をして去っていった。その後ろ姿を見送りながら、私は理解した。あれは未来の私なのだと。七十代か、八十代か。
 いつか私もあの年齢になって、今日の出来事を思い出すのだろう。そして、四十三歳の自分と再会するのだ。

 不思議な巡りだ。私は未来の自分に助けられ、過去の自分を助ける。時間の輪の中で、私たちはずっと繋がっている。

 これから私は、困っている過去の自分のところへ向かうのか。そしていつか、過去の自分がまた助けに来てくれるのを待つのか。

──待って。

 もし未来の私が、若い頃に同じように「気づいて」いたのだとしたら?
 もし老女も四十三歳のときに真実を知って、「意識的に」過去へ行く決意をしたのだとしたら?

 それは本当に自発的な優しさだったのだろうか。

 私は今、「行かなければならない」と思っている。でも、そこで困っている自分を助けなければ?

──いや、違う。逆だ。

 もし私が気づかなければ、ループは成立しない。気づいたからこそ、私は過去へ行ける。気づいたからこそ、あの出来事が起きる。因果は逆転している。未来が過去を作っているのだ。

 けれど、私に選択の自由はあるのだろうか。

 気づいてしまった以上、私は「行かなければならない」。行かなければ、幼い私は迷子のまま泣き続ける。中学生の私は膝から血を流したまま座り込んでいる。二十代の私は、コンビニで一人きりだ。

 私は行くだろう。いや、もう行ったのだ。時制が混乱する。過去と未来が、今この瞬間に重なっている。

 玄関を開けて中に入った。部屋の明かりをつける。いつもの部屋。いつもの夕暮れ。
 でも、何かが変わった。

 気づいたことで、世界の見え方が変わってしまった。
 私は本当に自由なのだろうか。それとも、永遠にこの輪の中を巡り続けるのだろうか。

 ふと、窓ガラスに映った自分の顔を見た。夕日を背にして、逆光の中に立つ私。表情は影に沈んで、よく見えない。

──そうか。
 逆光は、顔を隠すためだけにあるのではない。

 それは問いかけなのだ。「あなたは誰ですか」と。
 「あなたは本当に、自分の意志で動いていますか」と。

 私は笑った。答えは出ない。でも、いいのだ。

 明日も、困っている人がいたら手を差し伸べよう。それが運命だとしても、選択だとしても、もうどちらでもいい。

 時間の輪の中で、私は巡り続ける。
 それが呪いなのか、祝福なのか。逆光の中では、どちらも同じ光に見えるのだから。

──────

パラドックス考え始めたら訳わからん話になりもうした(´・ω・`)
過去の自分未来の自分あたりでとどめておいた方がすっきりするのかしらでもパラドックスどうしましょう、ってとこです(´・ω・`)

1/25/2026, 8:45:45 AM

『逆光』

寒風吹きすさぶ冬枯れの中で、咲いている花があった。

夕暮れ時で辺りは薄暗い。
スマートフォンを向けてシャッターを押したが、画面の色合いが暗く、輪郭もなんだかボヤケて写ってしまう。

でも、撮りたいんだよなぁ。
震えながらも健気に咲くこの花を。

少し考えてから、夕陽をバックに撮ってみた。
グラデーションがかったオレンジ色の空に浮かび上がる、影絵のような黒い花影。

うん、素敵。いい感じ。
画像を保存して家路を急いだ。

1/25/2026, 8:31:07 AM

「冷たいのは心じゃない。身体の方なんだ」
 彼はそう言って立ち上がった。「なにか温かくなるものでも買おう」
 夜の公園のベンチで話しこんでいた私たちの身体が冷たくなっていたのは事実だった。

 ずらっと並んだ自動販売機の、どれにしようかと悩んでいる彼の横顔が逆光になる。
 いつもは黒髪のセンターパートのヘアスタイルが、頭の輪郭をぼやかすように茶色に浮かびあがり、その一本一本が、黒いべた塗りのシルエットを現実に引き戻すように立体感をもたせていた。すっとのびた高い鼻が後ろの光をきれいにさえぎってコントラストをつくりだし、上唇と下唇の稜線が私を戸惑わせた。

 ガラガラゴトン。

「どうぞ」
 漆黒の影は、まだ見ぬ白馬の王子様のように表情が読み取れず、声だけが冷たい空気を突き抜けて頭の中に直接響いた。

「ありがとう」

 受け取った飲み物は……ホットチリソースだった。ずっしりと重い黒いラベルの緑のキャップをつけた先が細いタバスコのような形状だった。……なんでやねん。
「ちょうど切れてたんだ。家で鍋でもやろーぜ」

すかさず言い返す。
「ちょっと、コーヒーとかお茶じゃね?こういうときって」
 私は笑いながら彼を見上げた。


 心が少し温かくなった。

1/25/2026, 8:29:47 AM

逆光だったから
アタシの顔は見えなかったでしょう

でもねアンタの顔は
よぉく見えたよ

1/25/2026, 8:22:07 AM

常に私の背後に太陽があればいい
それなら、誰も私の顔を見ることができないだろう
いっそ太陽を直視して失明してしまえ
その方が君をちゃんと愛せる気がするから

逆光

1/25/2026, 8:18:03 AM

『逆光』

ずーっと そう

好きな音楽たくさん聞きたい
ライブ行きたい
ともだちとボーリング行きたい
カラオケ行きたい
映画みたい
スタバ行きたい
書ききれないほど
やりたいことたくさんあるのに
ぜんぶガマンしてガマンしてガマンして
ガマンして
まだ足りない?
どこまで進めば
あとどれくらいがんばれば
どうすれば

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