『逆さま』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「大好きな推しへの思い」
大好きな推しに出会い
大好きな推しが笑顔で過ごしてくれたら
それだけで嬉しい
どんな時も笑ってて欲しい
大好きな推しの味方でいたいから
その笑顔守らせてください
『逆さま』
天井に足がついている。
まさかこんな体験をする日が来るなんて、思ってもいなかった。
重力に従ってポニーテールが逆だっている。
スカートじゃなくて良かった、なんて場違いなことを考えてしまうのは、この状況にどうも現実感がないからだろう。
腕時計を外すと、それは目の前を通過して、私の上に落ちていった。
私だけだ。
私だけが、重力に逆らっている。
身につけたものは落ちるし、髪の毛も床を向いている。
でも、私の体だけは、この部屋で唯一、天井を地と扱っていた。
不思議なこと。
けれどもとても単純なことだ。
私はなぜだか、『逆さま』になったのだ。
小さい頃から逆立ちというものができない。逆上がりもできない。赤ちゃんの時から逆さまな状態になったことがあまりないのでそういうものに恐れているのかもしれない。
逆さまな状態とはどのような状態なのだろう。逆立ち逆上がりくらいしか逆さまにはならない気がする。まず、なぜ逆さまになることが怖いのか。平衡感覚とか、そういうものが関係するのだろうか。まあ、理科の先生でも何でもないので全く見当もつかないが。後でYahoo!で調べます。逆立ちできないのは単純に運動神経も関係すると思う。まあ、運動神経はある方だろうから僕が逆立ちできない原因は前者にあると思う。
ええと、私事ではありますが、高校入試の推薦が通りました。期待に応えられるよう逆立ちするような気持ちで頑張ります(?)。
宙ぶらりんの
私は
今日カレーライスを食べて
スプーンをふと見ると
逆さまの私が
私を覗き込んでいる
ああ
明日は願わくば
ずっと寝ていたい
そう思いながら
皿とスプーンを洗い
食器を片付けて
歯磨きをする
鏡に映る私は
どこまでも
間抜けな顔をしている
はて
スプーンは
何故逆さまに映るんだっけ
逆さまの
逆さまに
生きてゆきたい
………逆さま
清潔感のある香りが好きだ。
シャツ
首から鎖骨。
手の甲で熱を確認する。
眠れないか?
それならば、話そう
『逆さま』
その砂時計が逆さまにされても、それでも君の隣にいたい。
「ずっと好きでした。付き合ってください」
漫画でしか見たことがないような台詞が、目の前の君から私に向かって放たれる。
しばし呆然として、すぐに世界が逆さまになったような衝撃を受けた。
吐いた息が白く凍って、それでもそんなことも気にならないほどに心臓は鼓動を早める。
君の視線が私をまっすぐに貫いた。
「返事はすぐじゃなくていいんだけど……」
緊張なのか寒さなのか、いや、きっと緊張なんだろうけど、震えた声で君が言葉を紡ぐ。
驚きのあまり固まってしまった声帯が、それでも私の気持ちを伝えるために震えた。
「私も、好きだよ」
あまりにも短くて小さい言葉だったけど、ちゃんと君の鼓膜は震えたみたいだ。
みるみるうちに顔が紅くなっていく。きっと、私の色と一緒。
冷たい風が頬を撫でる。
君のありがとう、なんて少し濡れた声が耳に届いた。
その時、私の世界が色を伴って逆さまになった。
「逆さま」とかけまして
「アイーン」と解きます。
その心はどちらも「逆/ギャグ」です。
逆さま
(お題更新のため本稿を下書きとして保管)
2023.12.7 藍
「アビス」
テーマ「逆さま」
ショートショート ユーモアファンタジー
逆さまに世界に寝転ぶ猫を見て小春日和に暖房を切る
題目「逆さま」
#73 逆さま
初めは君からLINEしてきたのに
今は私が待っている
通知が鳴る度、期待する
逆立ちしたら世界が逆さまに見えたよ
サングラスかけたら世界が暗くなったよ
笑ったら、世界が明るくなった
逆さま (12.7)
あれは明らかに…
気づかないフリをしながら微妙な面持ちで板書する。するりと落ちた髪の奥から、通常運転で横向きに腰掛けた少年の顔が見えた。
やめてよ、すっごく気になるんだけど。
ヒィッヒィッとベテラン芸人にそっくりな引き笑いが教室をさらに沸かせた。なんで誰も指摘してくれないの、と目の端でムードメーカーのその男子の顔を見る。
やっぱりマスク逆!
本来くちばし型のそれは、今はあごが出ているように見えて。こちらの耳が赤くなってきて、ガリガリとシャーペンを走らせる。あれはネタなの?彼ならあり得るけれど、だとしたらすっごくダサい。誰も突っ込まないとかボケとしてどうなんだ。
自分だけドッキリにハメられているような、何かがズレた気持ち悪さにパキッと芯が派手に折れた。
「ちょっと、マスク」
苛立ちと恥ずかしさで単語しか出てこない。しんと凪いだ空気の中で、数秒きょとんとした彼はカラッとした笑顔を浮かべた。
「うわはっず!なんで誰も言ってくれんのや!」
ヒィッと喉を鳴らした彼は、私にだけ見えるように親指をグッと立てていた。
お題 逆さま
鏡の向こうは、こちらとは逆さまな世界だ。逆さまな自分が、同じ姿のまま現れる。逆さまの世界は鏡のまえに立つ以外、見る事が出来ない
もう一つの世界。パラレルワールドといったとこなのか。
行ってみたい。そう念じながら、鏡に手をのばす。
すると突然鏡の向こうへ引きずられるような感覚と共に声が聞こえた。
「此方に来たいか?なら望み通りにしてやろう」
急に怖くなって鏡に吸い込まれかけている身体を取り戻そうともがいた。
排水管に掴まりながら、あちらに連れて行かれないように必死で抵抗する。しかし吸い込む力が強すぎた。
「さあ、此方に来い!!」
飲み込まれてしまった身体は、此方にもういない。この鏡の世界の一員になったのだ。
ことり。ことり。静寂な小部屋に響くのは、盤上の駒の足音のみ。
今にも張り裂けそうな詰めきった空間は深呼吸すら許されない。
状況は優勢、このまま進めば誰もが自分に軍配を上げる。それほどまでに分かりきった未来へ着々と近づいていく。
ゴトッ。ふと明らかに駒より重く鈍い音がした。
盤上から目を上げると、対面に座る友人が、駒を動かすはずの右手で砂時計をいじりながらにやりと笑っていた。
「こっからは僕のターンかな」
ガタン、とわざとらしく音をたて砂時計が逆さまにひっくり返される。
次の一手から形勢が逆転したのは言うまでもない。
「逆さま」
逆さま
夕焼けに 電車の音が ことことことこと
うさちゃんと
みいちゃんと
レオナちゃんと
カラスさんそれぞれに
遠いお空が 赤くなるのを 見上げては
もうすぐ夜ね。
これからどこへ 帰ります?
と聞くので
みいちゃんは
飼い主の所へ 帰って こたつでため息ついて
お風呂に入ってくつろぎます。
と答えて
うさちゃんは
お空から星さんが降ってくるのを 眺めては
遠い空から 帝様が 降りてこないか
団子を食べて お待ちしております。
と答えます。
レオナちゃんは
暖かいお母さんが作った美味しいクリームシチューを食べながら、へそてんしながら
ベッドの上で 横になっては甘えます。
カラスさんは
遠いお空の向こうに 私のルーツがないかと
電柱の上で過ごしては、テレビでも見ようかとおもっているところです。
と答えると
おもむろに帝様はどうするつもりか尋ねると
万葉の歌でも読んで、もう少し日本を
ノスタルジックに 応援したいので
もう少し お団子でも食べて
私の帰りを待っててくださいと
おっしゃるので
まだ遠い空へは帰れないかと思いながら
うさちゃんと
レオナちゃんと
みいちゃんと
カラスさんは
井戸端会議をそこそこに
影法師伸ばした 夕焼け空から ぽつんと光る
急いで家へと かえりました。
逆さまに夜更けは空に広がっていきました。
(*>∀<)ノ))またねー
二次創作 文豪ストレイドッグス
『もしも、屋上から夢主が落ちてきたら彼ら(太宰、乱歩、敦、国木田、中也、芥川)はどうする?』
足を滑らせて、真っ逆さまに落ちていく貴方。異能力でダメージ軽減は出来ますが、骨折は避けられない!
誰か! 受け止めて〜!!
太宰治
「酷いじゃないか! 投身自殺なんて……どうして誘ってくれなかったんだい?」
受け止めてくれるものの、投身自殺しようとしていたと誤解。誤解? いえ、わざとです。
受け止め方はとてもスムーズに、優しくふわっと包み込むような……。
「気をつけたまえよ?」
耳元でボソッと囁いて注意してくれます。
江戸川乱歩
「今日は屋上行くなよー」
そもそもこの人は原因に近づけない。けれどそれだとつまらないので、落ちましょう。
「だから言ったじゃん。罰として1週間お菓子奢りね」
ぶーぶー言いながらしっかり受け止めてくれます。アニメ5期で意外と身体能力高かった乱歩さん。ちゃんと筋肉もあって、(男の人だなぁ)と感じますね。
中島敦
「あわわわわ!? 大丈夫ですか!? 何か悩み事があるなら聞きますよ?」
投身自殺しようとしたと勘違いする敦くん。こちらは本当に思ってる。事情を説明すると、「良かったぁ〜。でも、何かあったらいつでも相談してくださいね!」
君はどこまでも優しいね。虎化して受け止めてくれます。フワフワの毛が気持ちいい。
国木田独歩
「お前は! 何をやってるんだこの馬鹿!!!」
受け止めて貰ったあとたっぷり怒られます。そしてこちらも投身自殺しようとしたと勘違い。違うんだよ。ちょっと足を滑らせたんだよ。と弁解すると
「そ、そうか。俺の勘違いか、すまん。しかしだな……」
あー。また始まっちゃった。けどこれはあなたの事を凄く心配してるから。
中原中也
「何やってんだ、あぶねぇだろ」
重力操作で難なくキャッチ。きっと足でも滑らせたんだろうなー。と分かってるから別に目立って心配はしない。けど、危なっかしい奴だなー。俺が守ってやらなきゃなー。とは思う。
「お前、暫く俺から離れんなよ」
あわよくばこのまま自分のモノにしちゃいたいなぁ。なんて考えてる。母性本能よりも独占欲の方が少し強め。
芥川龍之介
「……愚者め」
散々罵倒はすると思う。けど、受け止め方は優しかったし、その後もなんやかんや怪我の心配をしてくれる。
「……何かあったか?」
あちゃー。こちらも勘違い。違うんですよ、ちょっと足元を見ていなくて……。と言えば
「馬鹿だな」
はい。おっしゃる通りです。けれどその顔には少し安堵の色が……。
お題:逆さま
2023 12 09
冬
11月ではない季節
学校に行くときも
帰るときにも
寒い冬
寒いときには
なべをたべて
体が暖かくなる
だから僕は
冬が来たら
なべをたべるのが好きだ
「おはよう。おや我がライバルの葵さん、なにか困ってるようね。どうしたの?」
「あ、親友の友子ちゃん。おはよう」
「親友じゃないから」
「友子ちゃんってば天邪鬼なんだから。
実はね、書く習慣っていうアプリで、お題に『逆さま』が出たの。でも何も思い浮かばなくて…」
「確かに、素直で箱入りで、何度騙されても人を疑う事を知らない葵さんには難しいかもね」
「今さり気なくディスらなかった?本当に親友じゃないかもしれない」
「親友じゃないのよ。
だけど大丈夫。私が良いことを教えてあげよう」
「ホントに。助かるよ。やっぱり親友だね」
「違うから。悩み事のせいで、力が発揮できないあなたに勝っても嬉しくないのよ」
(素直じゃないなあ)
「何よその顔。やっぱり教えるのやめようかしら」
「…さすが私のライバル」
「分かればいいのよ」
(チョロいな…)
「それでアイデアというのはね。股のぞきというものよ」
「股のぞき!聞いたことある」
「逆さまになって、股を覗いて景色を見ると、景色の見え方が変わるの。
葵さんはあの名誉あるイグノーベル賞の話題で聞いたことがあるのかもね」
「なるほど。イグノーベルで聞いたのかもしれない」
「それにイグノーベル賞もノーベル賞の一種の逆さまみたいなものだから、そこを広げると良いと思うわ」
「さすが友子ちゃん。完璧ね。でも一つ穴があるわ」
「穴?穴なんてあるかしら」
「うん。締切の夜七時がもうそこに迫ってるの」
「えっ」
「だから、調べる時間が無くて、このまま書くしか無い」
「このまま?」
「そう、このまま。
さっきから逆さまを言ってる友子ちゃんのことを書くよ」
「待って、葵さん。私は逆さまではないわ」
「大丈夫。友子ちゃんはそのままでも面白いから」
「心配してるのはそこではないわ」
「友子ちゃん。私たち親友だよね。だから書いていいよね!」
「…本当に親友じゃないかもしれないわ」