『逆さま』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
見方を変えれば見えるなんて
逆さ まさか
その目 開いているとでも?
まずは見て 見えるまで見て
見えたら思
考の渦に
まっ逆
さま
。
(逆さま)
逆さま
よく晴れた日は海や湖に、街が逆さまに映る。
鏡の向こうには似て非なる世界が広がっていると考えるとどうしようもなくときめくのだ。
見知らぬ誰かに想いを馳せて。
「逆さま」
私はよく逆さまになって考える。
別に倒立しながら考えるわけじゃない。
世界を色んな角度や視点から見ているのだ。
上から見たら、その出来事が正しくても、
下から見たら、実は正しくないかもしれない。
じゃあ、右や左、それ以外の様々な角度から見たら…
逆さまになって色んな角度のことを考える。
いまの視点だけで果たして正確に物事を理解してるか?
そして、正確で間違いのない正論だとしても、
決して振りかざしたりしないこと。
そんなふうに私は生きていきたいと願う。
逆さまってなんだろう。
本当に私たちがあっているの?
本当は空に足をつけるのかもしれない。
本当は地面を見上げるのかもしれない。
今が正しいといつ誰が決めた?
雲を歩けたら楽しいだろうなぁ。
上を見上げたら木が生えていたら面白い。
自分の性格が今と逆さまだったらどうだろう。
逆さまって面白い。ほら、この文だって逆さまだよ。
逆さままさか。地面が頭上に見える。
かと思えば振り回される様に天地が入れ替わる。
地面。天井。地面。天井。
絶え間なく景色が変わり見ていたものが後ろに流れていく。
悲鳴の中重力に身を委ねる。
髪の毛だけでなく上着の裾もはためいていたが徐々に減速していきやがて止まった。どうやらここまでの様だ。
もうね
謎なんだけれど
毎日毎日
あなたが出す水筒
ほぼほぼ逆さまなんよね
え?なんでかな?
わざと?
期待を裏切らないな
大丈夫。
そうお前が言う度に、無性にイライラした。
全然大丈夫じゃないだろ。なんだよ、その貼り付けたような笑顔。
声だって僅かに震えてるし、俺が何も気が付かないと思ってるのかよ。
傑は詮索されるのをとても嫌う。問い詰めたって頑なに何も打ち明けないだろう事は分かりきっていたし、そうする事で余計に追い詰めてしまう事も俺は分かっていた。だから傑から話してくれるまで待とう、って。
いつもならそうやって喉まで出かかった言葉を飲み込んだのに。
今日は、部屋に戻るよ、と言って離れようとする傑の手を無意識に掴んでいた。
「なぁ、お前さぁ…俺にも話せない事って何?俺はそんなに頼りない?全然大丈夫って顔してねーんだよ。俺が気付かないと思った?」
「だから大丈夫だって。そういう訳じゃないから。本当に何もないよ。」
と距離を置こうとする。でもどうしてもそのまま帰らせる事は出来なかった。なぜか嫌な胸騒ぎがして、絶対に放っておいたらいけないと感じていた。
「傑、ちょっとこっち来て。」
傑の手を引っ張り半ば無理やりにベッドに座らせる。
俺は傑の前にしゃがみ、下から覗き込むようにしてそっと手を握った。
傑は無表情で斜め下に目線を落とし、頑なに俺と目を合わせない。
本当に頑固な奴。どうせ1人で全部抱え込もうとしてるんだろ。
「傑は何も言わなくていい。ただ俺の話を聞いて。俺はお前が不安に思ってること、苦しんでること、半分背負いたいんだよ。お前が少しでも楽になって欲しいし、ちゃんと笑って欲しい。助けたいんだよ。お前に助けて欲しいって言って欲しいんだよ。」そう言って肩に手を回し優しく抱きしめた。
(続く)
嫌いは好きで
大丈夫は助けてほしくて
1人にしてはそばにいてほしい
気持ちの逆さまに気づくことは
難しいことだけど
何を言わずとも
気づいてほしんだよね
たまには逆さまになって
物事を考えてもいいのかもしれない
違った景色が待っている
見えなかったものが見えてくる
ほら、時には立ち止まって。ね。
嫌いは好きで
大丈夫は助けてほしくて
1人にしてはそばにいてほしい
気持ちの逆さまに気づくことは
難しいことだけど
何を言わずとも
気づいてほしんだよね
たまには逆さまになって
物事を考えてもいいのかもしれない
違った景色が待っている
見えなかったものが見えてくる
ほら、時には立ち止まって。ね。
あーあ、やっちゃった。
もーいいや。疲れちゃった。
気づいたらなんか落ちてんだけど
でも、真っ逆さまに2回落ちたら
綺麗さっぱり元通り!なんてことないかな。
ないか、笑
逆さま
子供の頃から苦手…遊園地のミラーハウス、何処迄も、写る自分に囲まれて、こっちの方を見てる…段々と、今考えているのが、本当の自分なのか、ヒョとしたら、他の大勢の中に、本物の自分が紛れているのか…指先でなぞり乍ら出口を探し続ける…何処迄がこちらの世界なのか…目眩を感じ乍ら、答えを探し…
まだ冬もはじめのほうだというのに毎日だんだんと冷え込みが酷くなっている気がする。
最近はベットから抜け出すのも一苦労だ。
朝玄関をあけてはっと息をつくとふわりと広がる白い息。
冬の始まりのこの時期も私は嫌いでは無い。
この時間、この場所。朝から先生に会える冬は好きだ。
いつもは車なのに運転が怖いという理由で徒歩通勤の先生に偶然を装って挨拶するまでが一連の流れ。
ストーカーなどでは無い…たぶん、…断じて。違うよね?
ずっと前を歩く先生の姿を見つける。見間違うはずがない
軽くセットされたふわふわの黒髪と暗い色のコートは先生の可愛さとかっこよさを存分に引きたてている。
立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花、と誰かが言ったがその言葉は先生のためにあるのでは?
「せんせぇ~!!!」
めいっぱいの大声をだして呼び止める。
脚をとめてふわりと振り返る動作をした先生は私を見つけるとにこりとわらって手を振ってくれる。
まるでカップルみたいだ。完全に私の片思いだが。
「おはよう、貴方は朝から元気だね」
「おはようございますっ、先生に会えたからですよ」
「はいはい、まぁたそんなこといって」
呆れたような表情を浮かべているが口元だけは緩んでいるのがわかる。
口角があがっている先生はさながらわんこで愛くるしい。
「ねぇ、貴方は車って怖いと思わない?」
突然な話の振り幅に驚くがこれが先生の平常運転だ。
運転したことは無いから先生の感覚は分からないが、色々操作をしたり難しいんだろうなぁと予想ぐらいはつく。
「免許が無いので分かりませんけど、難しいそうだな~ってイメージぐらいは、そんなに怖いんですか?運転、」
「だって、車が逆さまになっちゃったら怖いじゃない」
「さ、逆さま…?車が?」
「うん、逆さま。こうさ、くる~っと一回転?」
先生、一回転しちゃったら逆さまじゃないですよ。
そんな野暮なことは言わない。
身振り手振りを付けながら私に何とか逆さまを説明しようとする先生は飛び切りに可愛いから。
「そうですね、逆さまになったら怖いですし、この調子でずっと徒歩通勤お願いします」
「なんか貴方俺の事馬鹿にしてない!?」
2023.12.6『逆さま』
逆さま
普通が逆さの世の中で私は生きていく
こんな普通が逆さまの世の中
そもそも普通なんて言葉いらない
普通が生きづらい人だっているのだから
それぞれの人々が自分らしく
生きていければ私はそれでいいのだ
落ちる、落ちる、落ちていく。
重力が私を包み込んで、勢いのまま引き摺り落とす。
抗うこともできずただ、加速する空気に肌を切られて、果ての見えぬ世界の底へと吸い込まれていく。
はじめは、やがて来たる終焉を恐れた。けれど、落ちるばかり。いつまで経っても果ては来ない。
次第に落ちていることにが当たり前になって、刃のような風の音、凍える寒さに慣れていく。逆さまの世界が、私の生きる世界に変わっていく。
ああ、落ちる前。私はどうやって生きてきたんだっけ?
考えてももう、思い出せない。どのくらい落ちているのか、どのくらい時が経ったのか、全てが溶けて曖昧になっていく。
落ちる、落ちる、落ちていく。
果てへの恐怖はもうない。ただ、終わりの来ない永劫の落下が、まるで罰のように退屈だった。
【逆さま】
「あんたにとっては、生きやすくも生きにくくもあった世界だったんだ?」
ああ、今、この世界で息をしていることが、息ができることが、とても心地いい。
この地に、広大な草原に、仲間に、全てに、
感謝を伝えたい。
地上よりも動きにくい深海の水中で、私は自由に舞う。
踠いてもどうにもならない。
地上での生活は飽きた。
真っ逆さまにおちゆく私は、かつての故人に聞こえない独り言を返事する。
「ああ…そうだったみたいだな。」
_2023.12.6「逆さま」
真っ直ぐな人生って存在するのでしょうか。
いいえ、きっと存在しないでしょう。
何より、基準が示されていないのですから。
さかさまになったほうがいいものが
この世界にはたくさんある。
愛とは正反対のことがあふれている。
でも、さかさまにならないほうがいいものもある。
たとえば、サッカーゴールとか、はっぴーえんどのお話とか、あんぱんとか。
さかさまに絶対ならないものもある。
決められたあの砂時計はさかさまにはならない。
まさかさかさま にならないなんて。
愛は愛のまま。
朝陽が昇るのをゆっくりと眺めている。
澄んだ空気がとても心地良い。
遠い地でサッカーの試合があったようで、
その中継を見る。
どちらも良いサッカーをする。
危険なプレーは一切ない。
怪我をする選手も、怒ったりする選手も
1人もいない。
観客はサッカーを純粋に楽しむ人々で溢れている。
コートと客席に区分はない。
みんな同じ目の高さでサッカーを楽しんでいる。
空は青い。芝生も緑い。
コートのわきでピアノを弾いている人もいる。
サンドイッチ片手に声援をおくる
あの娘の頬が光っている。
風になびく髪を耳にかける。
試合の結果はどうだったか忘れたけど、
とても楽しいゲームだったな。
さて今日も早朝から1時間教える予定だ。
焼きたてのクロワッサンを食べて出かけます。
【逆さま】
もし重力が逆さまになってしまったとしたら、どうなるんだろう。
人間とか、車とか、水さえも空の方に吸い込まれていくのだろうか。
息が出来なくなって、苦しい苦しいと思いながら死ぬんだろうか。
あ、でも空を飛べるのはいいな。
だって飛んだ記憶が人生最後の記憶なんて、粋だと思わない?
ーーー
「考え直すんだ!こっちに戻ってこい!」
必死な表情をして、担任の先生が私に叫ぶ。
屋上の柵の外側にある自分の体がかつて無いほどに軽く感じられて、今すぐにでもふわりと羽のように飛んでいけそうだった。
きっと、どこまでも飛んでいける。
ふわふわと飛んで行っていた思考が、うるさい担任の声で引き戻される。
ちら、と後ろにいる担任を柵越しに見ると、絶望のような、焦りのような、悲しみのような、とにかくごちゃ混ぜな感情が読み取れた。
それが、どうにも腹立たしい。
生まれてからずっと苦しんできた人間じゃないのに、恵まれた人間なのに、一丁前に自分が1番苦しんでいますみたいな顔をする。
「お願いだ、一生のお願いだから戻ってきてくれ…」
涙を流しながら訴えかけてくる担任に感じたのは、単純に嫌悪。
今更何を言ってるんだこいつは、という思いが溢れ出てくる。
「あのさ、ちょっと黙っててよ。せっかく一人で空を飛ぼうと思ってたのに勝手に邪魔してこないでよ」
溜まったイライラをぶつけると、直ぐに静かになった。
口を開いて何かを言いたそうにしているが、肝心の言葉が出ていない。
もうこいつに構うのも時間の無駄だし、と柵に添えていた手を離す。
風を全身で受けるように手を広げると、少し冷えた風が体を撫でてくる。
制服のスカートがひらめいて、悪くなっていた気分が随分と良くなった。
前に一歩、踏み出した。
宙に放たれた体は、重力に従って下に落ちていく。
前に踏み出す瞬間にあいつが何かを叫んだ気がしたが、もうどうでも良かった。
なんて気分が良いんだろう。
まだ体は重くて下に落ちていくけど、落ちきったら羽のような軽さになれる。
どんな景色が私の目に広がっているのだろう、と無意識の内に閉じてしまっていた目を開けると、逆さまになった地球が目に飛び込んできた。
空が地面で、地面が空。
ああ綺麗だな。
そう思った瞬間に、視界は真っ黒の幕が引かれて見えなくなってしまった。
私は無事、羽になれたのだ。
逆さまは怖い
高いところから落ちたり
運が真っ逆さまに落ちたり
でも嬉しい
君が助けに来てくれるから
お題『逆さま』
異動した。
職種は同じ
なはずなのに
今まで
当たり前
だったことが
え、
何で
そうしたの?
と
言われることばかり。
あぁ、
これは
あの職場の
独自ルール
だったんだ。
この職場には
この職場の
ルールや
価値観が
あるんだ。
あの職場の
あんなところ
こんなところ
実は
良いところ
だったんだなぁ。
#逆さま