『踊るように』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
踊るように今、屋上に来てみた。
好きな人に、お手紙をもらったから。
「私さんへ
今日の放課後に屋上に来てください。」
とのことだったので私は、告白されるのかと思って屋上にきたが誰も来ない。
踊るように
(文章鍛えたいので始めました。下手だけど許して)
誰かのために
そんな生き方をしていた自分はいつからか自分とはなにか分からなくなった
誰かのために
自分のために
どちらが正しくてどちらが間違いなのか私には分からない
いっその事何も考えず時間の流れを感じながら踊っていたい
(下手くそだァこれから頑張ります)
𝗺𝘂𝘀𝗶𝗰 ↻ ◁ II ▷ ↺ 𝘀𝘁𝗮𝗿𝘁
“ こんな話にしたい! ”
なんて考える度、心がワクワクと踊るように新しい
自分になれることを待っている 。
本日のお題 / 踊るように
こんにちは~ ! 🫶🏻🤍
“ 色音 ” です!̫ 💞本当に考える度に
こんなことになっちゃってる🤭
踊るように
ベッドの上で初めての夜を過ごした
楽しさはあまり感じなかったけど、
嬉しさはあった
明日は仕事なのに
でも、一緒にいたい気持ちが勝ってしまった
もうこの気持ちは変わらないだろう
依存しすぎてしまった
もう私は彼の手の平の上で踊っているんだろう
踊るように
素肌にじわじわとスポットライトの熱が刺さる。
周囲の視線と相俟って、全身が痛い。
私は足脚を動かす。
ステップを踏んで、隣国の、王子様とワルツを踊る。
張り付けた笑顔、滲む冷や汗、
自分が、何者なのかわからなくなる
自分が溶けていく感覚
目から溢れる涙は誰を想うものか
私には考える余地もない、
(テーマから、少しずれている気もしなくもないような……)
初めてダンスレッスンを受けた日
人の体とはこんなにも
美しくしなやかに動くのかと驚いた
健康のためにただ体を動かすんじゃなくて
どうせなら美しく動かしたいし
踊るように生きたいなんてことを思った
あ はぁ…
い どした?
あ ちょっと…ね
い はい!ジャンプジャンプ
あ 何?
い 自由に回って
あ ……
い 全部繋がってるから
あ ……かも
『踊るように』
㊱踊るように
その少女は
いつも
踊るように動いて
鈴のように話して
花のように笑っていた
私の
憧れだった
風の中で
踊るように
はしゃぐキミ
太陽を見つめて安心するように
笑うキミ
雨さえも
眠るように静かに受け入れてる
雪が降る季節まで
どうか毎日その姿に
出会えますように
わたしの好きな朝食の1つ。
熱々のご飯に生卵をかける。
卵かけ醬油をかける。
もうこれだけでわくわく踊りたくなる。
彩り大切、刻みネギをぱらぱらと。
最後は鰹節をかけて、いただきまーす。
【踊るように】
踊るように
泳ぐように
舞い上がるように。
生きる為の
生活の動作が、会話が、心が…
そうであれば良いのにと。
同じ天井を眺めながら
何度も、思った。
踊り出すと手を引かれ
泳ごうとすると、波は去り
舞い上がる為の翼は、羽ばたかない。
諦めなさいと重石を
幾つも担がされているような
そんな日も…
私の思考は、とめどなく。
踊るように
泳ぐように
舞い上がる。
【お題:踊るように】
娘が学校行事で
Bling-Bang-Bang-Bornを
踊るようになったらしく
家でも練習したいから…と
一緒に踊っていたら
結果…膝にきた🥹
✴️143✴️踊るように
高校の文化祭に遊びに行き、
生徒がドラムを叩く姿をまじまじと見た。
彼女のドラムを叩く手は、踊るように動いていた。
初めて見たが、滑らかな手捌きに私は驚いた。
彼女にとっては、3年生で最後の文化祭。
演奏後はとても満足した様子だった。
後に、大学でも軽音を続けたい、と連絡が来た。
私はそんな彼女を遠くから応援し続ける。
触れた先から散り行く貴女の命。
今にも消えてしまいそうなその躰をそっと抱き締めた。
それが、一年前。
体を無造作にベットから起こして、貴女の好きだと言っていたコーヒーを作る。
苦いのは苦手だけれど、同じものを飲みたかった。
こぽこぽとドリップされていく黒を見つめながら私は思い返すのだ。
「花咲き病」
その絶望の名を聞いたことがあるか?
嗚呼、医者の告げる口は重いだろう。匙を投げるのも辛いのだろう。
人を救いたくて医者になったのだろうから。そうであってほしい。
『○○さんは不治の奇病です』
貴女は死体すらも残らずに全てが花弁に、めしべに、がくに、おしべに、茎に変じて散って風に吹かれて。
そうやって葬送されてしまった。
一年も経てば、泣いていた家族も友人も涙を奥へ奥へと小箱にしまって置き忘れてしまう。
「貴女はどこへ」
無為に呟く。
名は呼ばない、既に貴女は神へ変じてしまったのだから。
それに名を呼んでしまえばきっと、泣いてすっきりと晴らしてしまいたいだけの愚かさを詰めただけの滴が落ちる。
それは貴女に悪いじゃないか。
けれどこの考えも自己満足なのだ、きっと。
「優しい思い出、別離……なんて酷いの、冗談はやめて」
踊るように揺れるカーテン、その上の額縁に入れたスイートピーの押し花。
貴女に『親愛なる友へ』と遺言で残された花。
貴女に咲いたそんな花の言葉。
「行かないでよ……」
思い出にするなんて嫌。
ずっと忘れない、貴女を永久に愛していたい。
大切だから、本当に大好きだから。
友人……で収まらないくらいには。
胸中のさざめきが収まらぬくらいには。
ぽたり、と最後の一滴がドリッパーから落ちると同時に涙が落ちて今へと引き戻された。
とりあえずコーヒーを飲んで目を覚まそうとしたときにTVのリモコンの電源ボタンに手が当たる。
写ったのはしょうもないバラエティで、能天気な声が頭に響いて頭痛がして即座に電源を切った。
「……はぁ」
暖かいコーヒーはどうしようもなく苦い。
踊るようにさんざめく風と裏腹に結局今日も涙の味がした。
ダンスや演舞ってのは、才能や努力の面もさることながら、まず人体の使い方を計算し尽くされているものらしい。
無理のない、体を隅々まで意識して鍛えられる動き。
脳から運動神経を経た命令が織りなす芸術。
逆に言えば、体を鍛え尽くし最善を最短を最速を突き詰めたなら最終的に舞っているようにも見える、という話で。
対峙している怨霊だか妖やらの血飛沫を浴びながら一切攻め手を緩めないお嬢の動きがあんまりにも軽やかで優美に見える、というのは変な事ではないんだろう。
「あの髪の量でよくもまぁ視界が遮られないもんだな…」
実際遮られてはいるだろうが。俺はお嬢の右目を見た事がない。
いつも前髪で隠されている。そのセットを任せられるのは俺ではないのでよくわからん。どうなってんだあれ。
常時オバケホイホイの霊媒体質の俺だが(最近知った。何それ怖い)今は結界の中であるので大丈夫との事で(よくわからん。見えないし)とりあえず小休止である。
この間までは「そんなこと言って俺をなんか…騙くらかして…財産とか無いんですけど…!?怪しい宗教に引き摺り込もうとしてるんじゃ無いっスか!?ァアン!?」って感じだったけど真面目にやばい目に遭って九死に一生だったから信じた。まだちょっと疑ってるけど。とりあえずしばらくはあのお嬢様と過ごすしか無いらしい。
どういう訳だよ。なんか…吸引力の変わらない掃除機の如くに周囲のそういうものを引き寄せているらしい、俺は。
で、あのお嬢様はそれをなんかうまいこと処理してるんだと。
どういう仕組みかはマジでしらん。俺に聞くな。
今日も今日とて、帰り道歩いていたらいつのまにか迷い込んだ廃墟にておばけ退治である。前までこんなことなかったと思うんですけど。ちょっと迷子になりやすいのはあったけど無事だったし。
悪化してないスかね。
むしろお嬢様の方じゃないスかね、憑いてるの。
俺の方が巻き込まれてんじゃないの。どうなの。
いやでもまたオバケに追いかけられて鬼ごっこは嫌なんだよ。
俺だけじゃなんとも出来んし。まだオバケどうにかできるお嬢と一緒に巻き込まれた方がマシ。
うん、現状維持。
「どうしたんですかそんな百面相して」
「……終わったん?」
「恙なく」
「帰れんの?」
「多分すぐ来るでしょう、石蕗が」
「毎回思うけどなんで石蕗さんすぐ来んの…?携帯圏外だよな?」
「GPSがロストした瞬間連絡がいくようになってるそうですわ」
「圏外になんの逆手にとって!?頭いいなそれ」
「ふふん、笹本はなんでも出来るんですのよ」
「あの婆さんそんなハイテクなん!?」
「リャインも使いこなしていますのよ、スタンプとか」
「それくらいなら俺だってできるが?」
「通話だって出来ますのよ」
「俺だってできるが?」
逆にお嬢は出来ないのか。問えばちょっとまごついて答えるお嬢。
「だって壊れてしまいますし。触ってると動かなくなりますし」
何も変なことしてないのに、と言うが何かしたやつしか言わないからなそれ。意外と機械音痴なのかこの人。
「俺はリャインに加えてリャンスタも出来るぞ」
「そ、そんな、ハイテクな!!」
「ハイテクか…?」
他人の写真、時々映ってんだよな小さい奴が。そういうのみつけんのちょっと好きだった。石蕗さんから「それ向こうからちょっかいかけられてるんですよ向こうから全部見えてますしその写真通して貴方を取り込もうとしてるんで即刻やめてください」って言われたからやめた。ちょっと泣いた。
「ご教授願いますわ、ご飯の美味しい撮り方を」
「そこまで!?」
「笹本のご飯の写真をずっと撮ろうとしていますのよ、でも何故か!美味しそうに見えないんですの!!」
「いやでも俺撮る方よくわからん…事ない!わかるわかる俺はプロだぜ雑誌に載ったことも1度や2度じゃねぇ!!」
「心強いですわ〜!」
突然の懇願にビビりつつ本当のことが溢れつつだったがいつもすました顔のお嬢から尊敬の目を向けられる機会を逃す俺じゃない。
いやだって今のところ俺お嬢に胸張れる要素ゼロだぜ?
オバケの祓える?処理?浄化?はお嬢しかできないし勉強もそこそこだし特技っぽい特技無いし。人に言えない特技はそれこれオバケが見えるだった訳だがそれもお嬢に比べるとそこまでらしいし。
「生まれた時から見えてるなら相当ですよ」って石蕗さんにフォローされたけどそうじゃない。
とりあえず機械に疎くてネットもそこまでなら、飯テロ的写真を勉強するのは遅くないはず。雑誌に載ったことねぇけど。
「では私は……そうですね、体術訓練に付き合います」
「………………いやなんで?」
「私が学生生活つきっきりというわけにも行きませんし、護符でなんとかなる間はいいんですけどそのうち独り立ちですからね…ここまでの吸引体質だと思っていなかった我々にも非がありますので、早々にびしばしといかねばとは考えていたのですよ」
「いやほらカメラの使い方くらいならそんなしなくていいんだって」
「そうはいきませんわ、等価交換って大事ですもの」
「アンタにとって飯テロ写真ってそんな重いのかよ!?」
「めしてろ?はわかりませんけれど。とりあえず急務でしたのよ訓練は。ちょうど渡りに船ですわね、私がつけば石蕗もいますし」
「それどういう意味?俺あの剣道居合柔道弓道オールラウンダー達人に死ぬまでしごかれるって話?」
「話が早くて助かります」
「やーーーだーーーーー!!!」
「遅かれ早かれでしたのよ、話を切り出すタイミングが今だっただけですし」
「じゃあカメラ教えない!!ほら訓練の話ナシだろ?」
「訓練は決まっていますの。私が参加するか否かでしたのよ」
「魔王の訓練に死神がついただけじゃん!!!」
「ご心配無く!五段くらい貴方を強くします!」
「やだーーーーーーーー!!!」
その後。迎えに来てくれた石蕗にことの次第を説明し、マジで魔王と死神のダッグが誕生した。めちゃくちゃ扱かれた。
その甲斐あってか、割と足運びと身のこなしはなかなかマシになった。
後日談。
「お嬢様、今朝忘れていったでしょう、こちら」
「……通りで鞄の中に無いわけですね」
「なぁGPSって誰のが把握されてんの?俺?」
「尾上くんのは職員室ですよ、クラス全員分帰りの会で返すはずだったのに忘れてしまっていたそうで」
「石蕗さんその話ぶりだと一回学校行ったんだよな?そんで俺たち確か学校からそこそこ離れた所にいたと思うんだけどどうやって辿り着いたの?」
「ふふん、石蕗は優秀なので!」
「それで片付けていい奴じゃ無いと思うんだけどなぁ!」
「心配しなくても私物にGPS仕込んだりとかしてませんよ」
「本当に!?信じていいやつ!?」
「嘘なんてつきませんよ」
「ありがとー!!」
安心しました!と全面に出して車に乗り込んでいく少年。
いつも通りスカートの端が引っかからないよう気をつけながら乗り込むお嬢様。2人とも多少の怪我はあるようだが、まぁ手当でどうにかなる範囲である。良しとしよう。
ドアを閉めて、運転席に乗り込む。安全運転で柳谷邸までゆっくりと。5分ほどで後部座席から寝息が二つ。当たり前か。
朝から学校に行って、一日中授業を受けてからの遭難である。
疲れない方が無理だ。ルームミラー越しに穏やかな寝顔を確認してすぐ運転に集中を戻す。もう10分ほど遠回りして帰ろうか。連絡すれば了承の返事。流石笹本。
一息ついたところで先ほどの言葉を思い出す。
『私物にGPS仕込んだりとかしてませんよ』。
まぁ間違いではない。
「「私物には」仕込んでなぞおりませんとも」
踊るように舞う白鳥。その一匹は彷徨っているように見える。そして一匹でいることを喜んでいるようにも見える。
僕はそれを海沿いにある道路を車で走りながら窓から眺める。
家族で話している声がすぐそこから聞こえるのに、頭では処理できないから、まるで遠く離れたところから聞こえるみたいな錯覚を覚える。聞きたくない声から僕は背けて、みたいものだけを見る。たとえ邪魔をされようと。
*
「白鳥になってみる」
トンネルからくぐって出てきた車を見下ろしながら、僕はずっと同じところをぐるぐる回る。美しい羽をはばたかせ、空を誘惑する。
そんな行動に意味はない。というか、ひとつひとつの行動に対して考えてやっていない。本能が「こうしろ」と囁いてくるのだ。
*
僕は車にいる僕に戻る。そして白鳥に心のなかでこう叫ぶ。
「あなたは僕で僕はあなた。
だからあなたはきっと《あの家族を殺したい》と思ってるんでしょうね。」
テーマ-【舞うように】
運動のためにダンスを習いたい。何年も前にそう思ってジムのプログラムやスクールの体験に行ってみたりしたけど、初心者のわたしにはついていけそうになかった。もっと基本的な動きから学べないかなと思い、動画を見ながら家で踊ってみたりしている。ほんとは仲間がいた方が楽しく運動できそうだけど。踊ってみたい曲があるのでいつか踊れるようになりたい。
ユラユラ…ユラユラ…
それは、直径約20センチの丸いステージの上で
濃い色をした焦げ茶のカーペットがステージを
覆いかぶさるように、まんべんなく広げられ
そして…白く…細長く…美しく
…まるで化粧の白粉の様に、又はチークの様に
ステージの上を全体的に、染め上げていく。
最後に…観客も主役もステージの上へ
青緑色の細かいのは、観客
ステージ全体へ隅々まで振りかけていく
そして薄く美しく、そして強く握ったら粉々に
壊れてしまうのが、今日の主役
主役は、繊細な方だから扱う時は注意して…
そぉと、そぉ…と
主役をステージの上に乗せたら
ほら…もう。待ってました!と、ばかりに
ユラユラ…ユラユラ…と、色っぽく踊りだす。
_______________________
オレ、灯夜は (※お題 きらめきに登場)
にんまりとした笑みを浮かべながら
目の前のソレを眺めていた。
『うしっ…出来た。亜姫(※あき)さーん!
お好み焼きが、焼けましたよー!
お仕事を終わりにして、お昼ご飯にしましょう。』
「……んっ。」
カレは、テレビの前の小さいテーブルの上にパソコンを開き、自分が座っていた場所の周りには、資料が散らばっていた。おやすみの日に、お仕事しなくても…。と、
オレが、そう呟いたら
カレは、気になっているところがあるから…少しだけ
と、言い残し。かれこれ2時間ぐらいパソコンに
かじりついている。同じ体勢で作業をしているカレの
様子を眺め、少しだけヤキモキ。
『(ムゥ…)』
お好み焼きを2人前と、冷たい麦茶をキッチンテーブル
の上に運んで次は、お箸と氷の入ったコップを…と
キッチンから持ってこようとカレに背を向けていたら
「………終わり。」
静かな声と、パタンとパソコンを閉じる音が
聞こえてきた。
えっ??と、オレは声がした方に身体を向けると
カレは、散らばった資料をガサゴソと1枚1枚…
黙々と拾い集めていた。
……どうやら、本当にお仕事終了らしい。
オレは、ニンマリと笑みを浮かべ
クルクルと、踊るようにキッチンへと向かった。
踊るように舞う蝶を部屋の中から眺める。
綺麗だなとか美しいなとか
そんなのはわからない
過ぎていく世界が不思議で、
過去に囚われる私もまた不思議だ。
私を競売に賭けた人も私を買った人も
何が良いのか私には解らない。
踊るように舞う蝶が部屋の中に入ってきて
ガラスに当たって落ちた。
私は布の上に寝かせてしばらく眺めた。
「蝶柄」
蝶が意識を戻したのかひらひらと庭へ飛び始めた。
「箱庭」
❧
『踊るように』
うちの犬が若い頃は元気の塊だった。散歩の時にはリードをグイグイ引っ張り、よその犬には喧嘩腰になり、それはいけないとしつけを開始してからは多少落ち着き、ドッグランにも連れていけるようになった。
特に好きだったのは投げたフリスビーを取って帰って来る遊び。フリスビーを空中でキャッチする姿はとても躍動的で、脳裏には活きの良いカツオが一本釣りされるイメージが思い浮かんでいたけれど本人は知る由もなく、ぶんぶんとしっぽを振ってはもう一回投げて、とキラキラした目でねだっていた。一本釣りは毎回大漁だった。
年老いてからは足腰が立たなくなり、大好きなフリスビー遊びもできなくなった。夜鳴きや徘徊などの痴呆症状の介護を経て、ある朝にふつりと糸が切れるように亡くなった。懸命な最期だった。
荼毘に付した日の夜の夢に、犬は若かりし頃の姿でフリスビーを咥えて現れた。あたりは芝生の広がるドッグランで、周りには見知った犬たちもいる。随分と長い間投げていなかったフリスビーは緩い放物線を描いて遠くへと飛んでいき、その一点を目指して全速力で駆けていった犬は今までで一番高く、踊るように跳んでフリスビーを見事にキャッチした。
ぶんぶんとしっぽを振った犬はもう戻っては来ない。それがわかっていたので私は力の限りに手を振った。見知った犬たちとともに遠くへ行く犬に向かっていつまでも手を振り続けていた。