作:ロキ

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ユラユラ…ユラユラ…

それは、直径約20センチの丸いステージの上で
濃い色をした焦げ茶のカーペットがステージを
覆いかぶさるように、まんべんなく広げられ
そして…白く…細長く…美しく
…まるで化粧の白粉の様に、又はチークの様に
ステージの上を全体的に、染め上げていく。

最後に…観客も主役もステージの上へ
青緑色の細かいのは、観客
ステージ全体へ隅々まで振りかけていく

そして薄く美しく、そして強く握ったら粉々に
壊れてしまうのが、今日の主役
主役は、繊細な方だから扱う時は注意して…

そぉと、そぉ…と
主役をステージの上に乗せたら

ほら…もう。待ってました!と、ばかりに
ユラユラ…ユラユラ…と、色っぽく踊りだす。

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オレ、灯夜は (※お題 きらめきに登場)
にんまりとした笑みを浮かべながら
目の前のソレを眺めていた。


『うしっ…出来た。亜姫(※あき)さーん!
 お好み焼きが、焼けましたよー!
 お仕事を終わりにして、お昼ご飯にしましょう。』

「……んっ。」

カレは、テレビの前の小さいテーブルの上にパソコンを開き、自分が座っていた場所の周りには、資料が散らばっていた。おやすみの日に、お仕事しなくても…。と、
オレが、そう呟いたら
カレは、気になっているところがあるから…少しだけ
と、言い残し。かれこれ2時間ぐらいパソコンに
かじりついている。同じ体勢で作業をしているカレの
様子を眺め、少しだけヤキモキ。

『(ムゥ…)』
お好み焼きを2人前と、冷たい麦茶をキッチンテーブル
の上に運んで次は、お箸と氷の入ったコップを…と
キッチンから持ってこようとカレに背を向けていたら

「………終わり。」
静かな声と、パタンとパソコンを閉じる音が
聞こえてきた。

えっ??と、オレは声がした方に身体を向けると
カレは、散らばった資料をガサゴソと1枚1枚…
黙々と拾い集めていた。

……どうやら、本当にお仕事終了らしい。

オレは、ニンマリと笑みを浮かべ
クルクルと、踊るようにキッチンへと向かった。

9/8/2024, 1:28:17 AM