『踊りませんか?』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
足下で枯れ葉が舞う。イヤホンから聞こえる「Shall we dance」のリズムに合わせてステップを踏んでみる。風がまるでエスコートするみたいにコートを翻した。
楽しくなって足はスキップになった。何でもないいつもの散歩道なのに、まるでダンスホールみたい。
踊りませんか?とあなたは言う。
嫌ですと断る事は許されていない。
返答はにこやかに、勿論。
ただ一言しか許されていない。
今日もあなたは偽りの好意で幸せそうに笑う。
幸せでないのは私ひとり。
世は並べてことも無し。
踊りませんか
月が出ている夜、河川敷を二人で散歩した。
大学生らしく、缶チューハイをコンビニで買って飲みながらぷらぷらと。
3%のアルコールをちみちみと飲む僕に対して、晶は6%のアルコールですっかりご機嫌だ。
「あ〜やば、最高の夜だ〜!」
「お互いレポートの締切から目を逸らしてることを除けばね…。」
「だ〜いじょうぶだって、いざとなったらチャットじーぴーてぃーがいるし!」
「うわ…僕は使い方も知らないよ…。」
「ふふふふ…いいから、ほら!」
「…なに?」
「踊ろう!」
「な、なんで…?!」
「月が綺麗で川が俺たちを祝福してるから!」
「ちょっと意味わかんない…。」
月明りのスポットライト
綺羅びやかなドレス
未明の空
二人きりの世界で
「さぁ、踊りましょ?」
踊りませんか?
自分が男性なら女性への声掛けだと思い
自分が女性なら男性からの声掛けだと思う
自分が自分に声掛けするなら
踊らされてませんか?
と言ったところでしょうか
「…私に何か御用かしら」
上級階級の身分、即ち貴族たちの社交パーティーの場で、フェリシアは不思議な視線を感じた。視線の先に居たのは一人の黒髪の騎士だった。いや、騎士と表現するのは些か正しくないかもしれない。この国では珍しい漆黒の髪を持つ彼は、オルレアン家の騎士には違いなかったが、そう表現するには彼の所作はあまりにも洗礼されている。
嫉妬、欲望、嫌悪
皇族を除いた最も強大な権力を持つアヴェーヌ家の長女として生を受けたその時から、フェリシアはあらゆる視線の的だった。普段なら視線の一つや二つなど気に止めることは無いのだか、この視線はどこか今までのものと違う気がしたのだ。
嫉妬も欲望も嫌悪も無ければ、憧憬も希望も尊敬も感じない。あるのはただ純粋な好意のようにフェリシアには思えた。
「え…?」
突然話しかれられた彼は、黒曜石のような瞳を少し見開いて驚いた。
「さっきから貴方の視線を感じていたのです。だから何か御用があるのではと思ったのですが…」
「それは申し訳ありません。無礼でした。どうやらレディーの美しさに見とれてしまったようです」
彼は彫刻のように整った顔で優しく微笑んでそう言った。微塵の悪意すらも感じさせない純粋な眼差しに、フェリシアの好奇心が動かされた。
「構いませんわ。私も貴方を見ていましたもの」
「それは、理由を聞いても構いませんか?」
微笑み返したフェリシアに彼は少し面食らったようだったが、直ぐに微笑みに戻った。
「ええ。私も貴方の容姿に見とれていましたわ」
これは本当のことだった。彼のようにあからさまに視線を飛ばすような真似はしないが、彼の容姿に目を惹かれていたのは確かだった。
「レディーがですか? それは光栄です」
「申し遅れてしまいましたね。フェリシア・アヴェーヌですわ」
「アベル・オルレアンです」
お互いに、社交界の場では危ういほどの純粋な気持ちを共有していると、ホールに流れる曲か途切れ、別の曲が流れた。
「ダンスの時間ですね」
そう言って彼は手を差し出した。
「フェリシア嬢。宜しければ私と踊ってくださいませんか?」
「ええ、喜んで」
フェリシアはそっとその手を取った。
何かが変わる。
そんな予感を胸に閉じ込めて。
お医者さんに
足に負荷をかけちゃダメって
言われてたのに
周りの人と同じ世界を
見て見たくて
陸上をしたの。
そしたら歩くのも
辛いくらい悪くなって
もうあなた無しでは
歩けないの。
ねぇ手術の前に
最期になるかも知れないから
私の足で踊らさせて?
駆け足でやって来た秋が
駆け足で行ってしまいそうで
ソワソワしている...
煌びやかな舞踏会。
絢爛豪華に着飾った男女が、仲睦まじく手を取り合い、優雅な音楽に合わせてステップを踏む。
そんな想像を頭に巡らせながら、私は夜風が当たる寒空の下に立っている。すぐ視界に映る建物からは温かみのある明かりが漏れ出ているというのに。
(いいなぁ~。私も会場の端っこでもいいから入りたかった・・・・・・)
そんな願望は儚く消え去る。私はただ舞踏会が行われているであろうこの建物の入口を、見張るだけのしがない警備員だ。
「おーい、新人。ちょうどいいから休憩してこい。どうせしばらくは誰もここを通らねぇから」
警備員の先輩から告げられた言葉に私は甘えることにする。女でありながら体力だけしか取り柄がない私は、たまたま運良くこの仕事に雇い入れてもらった。だからこそ空腹なんぞで支障を来すわけにはいかない。
私は入口から離れた庭先のベンチに腰を下ろす。やや高めの生け垣に囲まれているので、一人ゆっくりと食事をするにはちょうどいい。
「いただきまーす!」
持参した弁当のおにぎりへとかぶりつく。すると突然がさりと、後ろの生け垣の方から音がした。
「ぎゃっ!」
私は思わずベンチから飛び退る。お弁当を危うく落とすところだった。
見ると生け垣の間から、背を屈めた一人の青年が現れる。青年は「お食事中にすみません」と謝りながらも、生け垣を抜けて私の眼前へと進み出た。
「ちょっと匿っていただけませんか?」
「どうしたんですか?」
まさか悪い輩にでも追われているのだろうか。青年は正装に身を包んでいたが、生け垣を抜けたことで少し服がくたびれている。
「いえ、その、舞踏会に出たくなくて・・・・・・」
「はい?」
私の望みとは何とも真逆な青年の言葉に、私は初対面でありながらも思いっきり顔を顰めてしまう。
「実はあまりダンスが得意でなくて。それでも来たからには、誰とも踊らないという訳にはいきませんから・・・・・・。家族にも面目が立ちませんし」
「なるほど・・・・・・、だから逃げてきたと」
私は少々困り顔になった青年を見遣る。そして、ぴんっとあることを思い付き、持っていた食べかけの弁当をベンチに置いた。
「それなら私と踊りませんか?」
私は片手を青年の前に差し出した。
「え?」
「実は私、舞踏会で踊ることに憧れていたんです。それに私とならどんな踊りでも大丈夫ですよ。憧れてはいても、私自身ダンスはてんで素人なので」
私の提案に青年は面くらったようだ。しばらく放心したように口をぽかんと丸くしていたが、私が変わらず手を差し出していると、彼は何かを決意したように頷いた。
「そういことなら、喜んで。これで僕も、少なくとも誰とも踊らなかったことを隠すため、家族に嘘をついて繕わなくても済みそうですから」
そう言った青年の手を取る。
私と彼は視線を見合わせ、悪戯を共有した子供のように互いに笑んだ。
【踊りませんか?】
「踊りませんか?」
彼が自宅にやって来てから二週間が経つ
チャイムが鳴りドアを開けるとそこに立っていたのは2メートルを越す大きなヤドカリ
事態を飲み込めず呆然と立っているとヤドカリは「宿を貸していただけませんか?」と一言
夫を亡くして三年の月日が「帰ってください」の言葉を飲み込ませた
最初はお互いほとんど喋ることもなかったが一週間もすると少しずつ話すようになって食事をしながら身の上話もするようになった
私は夫が3年前にカニ漁に出て帰ることはなかったという話を
彼は脱皮のため、土に潜っていて目が覚めたらこの大きさだったという話をしてくれた
カニ漁の話をする時、少し躊躇したが気を悪くした感じはなかった
どうやらカニの事を仲間だとは思ってないらしい
「彼らはカニで私はカリなので」
彼が何気なく言った一言で思わず鼻からウドンが出てしまった
それを見た彼は笑った
それからは色んな話をした、テレビの話や映画の話…みんながしてるくだらない話…それでも私にとっては久し振りで楽しくて嬉しくて…泣いた、泣きじゃくった
部屋が静寂に包まれる
彼は言った
「私に合う貝を町工場で作って貰ってます、貝が出来たらこの町を出ます、今までお世話になりま…」
「ヤドカリさん!…借りではなくずっとウチに居てくださってもいいんですよ…」
彼はレコードの針を落として言った
「踊りませんか?」
彼は優しく私を抱き寄せ踊ってくれた
そしてキス
彼のキスは蟹工船のflavorがした
「踊りませんか?」
アン・ドゥ・トロワ
リズムに乗って
くるくる回る
アン・ドゥ・トロワ
わたしはここで
ひとりで踊る
アン・ドゥ・トロワ
できることなら
あなたと再び
アン・ドゥ・トロワ
アン・ドゥ・トロワ
アン・ドゥ・トロワ……
踊りませんか?
ふいに手を出してお辞儀してみせた。
君はふふっと笑って「お願いいたします。」と。2人だけの足音が何よりもぴったりな音楽となって、私たちを彩ってくれるだろう。この真っ暗な長い道と街灯に照らされるまま。
は、と目が覚めた。
仕事終わりで疲れて、眠ってしまっていた。
地方の終電一時間前の車両は空きに空いていて、自分一人しかいないというのも特段珍しいことでは無い。
たたんたたん、と軽快に走る車内。
たたんたたん、と軽快な足音。
ん?足音?と顔をそちらにやった。
———踊っている。
靴が、踊っている。
空っぽの靴だけがひとりでにステップを踏み、踊っている。
思わず息を潜めて周囲を見渡すが、やはり自分以外にこの奇妙な光景を見るものは居ないらしい。
寝ぼけたままなのか、不思議と恐怖はなく。ただ一心不乱に踊り続ける靴を食い入るように眺め、観察する。
あれは、赤みがかったダークブラウンの革靴だ。しかもそれなりに大きい人のもので、よく磨かれていることからも、持ち主はそれなりにマメであることが分かる。
身なりの良い男性が脳裏に浮かぶが、そんな人が非常識に電車内で踊ることは無いと頭を振った。
次の駅に止まった車両、開いた扉に新たな客が現れた。
空っぽの、赤いヒール。
そのヒールもまた、ひとりでに動いている。
いよいよ慣れてきた目で見ていると、踊る革靴に戸惑っている様子だ。
それはそうだろう。いや、こちらからすると革靴もヒールも似たようなものだが、気持ちはよくわかった。
微かに後ずさったヒールを閉じ込めるようにして扉は閉まり、運転が再開された。
革靴は、ヒールの存在に気づいた様子で、足は見えないが、足を止めてそちらに向かう。
また少し、ヒールは後ろに後ずさる。
そうして傍から見ればつま先を向けあった革靴とヒールという、なんともカオスな光景が誕生した。
なんだこれは。もう眠気などある訳もなく、息を飲んで二人?二足?の行く末を見守る。
透明人間同士の対話をしているから静かに沈黙しているのか、それとも全て終わってしまったのか、そう考える程の時間が経った。
一歩。
革靴は後ろ向きに歩き出す。
それに釣られて、ヒールも前へ足が出た。
手を引かれているように、先程まで革靴が踊っていた広い場所に出ると、ゆったりと二足はステップを踏み出す。
これは……ワルツだろうか?
息遣いなど一切聞こえないのに、息が合ったのか、ステップを踏みながら、次第に車両の道場を全て使って踊り始めた。
二駅分ほど踊っただろうか、どうやら仲良くなったらしい二足達は、足取り軽やかに開いた扉へと消えていった。
明らかに疲れ目から来る幻覚か、もしくは間違いようもない怪奇現象だった。
どっと疲れたような気がして、目を瞑る。
あの革靴は「一緒に踊りませんか?」とでも言ったのだろうか?それだったなら、面白いなと考えながら、再びやってきた微睡みに意識を沈めた。
『踊りませんか?』
ワンツースリーで
あなたとわたし
ふたりのてをからませ
ステップふんで
愛につかれた
おろかなわたしたちを
ここちよいメヌエットにのせ
どこかへ…
ワンツースリーで
あなたとわたし
ふたりのくちびるをからめて
だきあって
愛におぼれた
わかいわたしたちの
ここちよいあのころは
もうどこかへ…
ワンツースリーで
あなたとわたし
ふたりのこころははなれて
ひとことさよならと
さいごの愛はきえて
おんがくもとまる
あたらしいしあわせをさがして
どこかへ…
ワンツースリーで
貴方と私
やっと見つけた本当の王子様
夜が明けるその時まで
私は貴方と踊りたいの…
差し出された手を、私は拒否してしまった。あれから、あの人とは会っていない。
#踊りませんか
そんなことより僕と踊りませんか
そんな歌詞の歌があったかな
歌詞しか覚えてないけど
『踊りませんか?』
至高にして崇高な存在
TKG
太陽のような黄身を
シャカシャカとかき混ぜて
醤油をサッとかける
炊き上がったご飯
モワモワと蒸気があがる
ご飯と醤油をまとった卵は
互いに一緒になりたいと惹かれ合う
出会うべくして出会ったのだ
『Shall we dance?』
完全にして無欠な存在
TKG
出来上がり
口に入れたと同時に
光速の100倍の速さで
旨みが脳髄を駆け抜けて
神経伝達物質がドバドバと噴き出る
俺の胃の中に落ちるまで
情熱的に踊る
ラストタンゴを
僕と一緒に踊りませんか?
ここは常世。永遠の泡沫の夢の幕が上がる。
誰も君を嘲笑うものなどいやしない。
俗世なんて忘れてつかの間のひとときを。
踊りませんか?
今日のために仕立ててもらったドレスに身を包み、髪には少女らしい、清楚な飾りをつける。
今夜は私の社交界デビューの日。お兄様と一緒にパーティに参加するの。
同世代の中でも大して綺麗だというわけではないし、面白い知識がたくさんあるわけでもない。
それでも今日くらいは、「踊りませんか?」と言ってくださる方を夢見て。
馬車に乗り込んでもいいでしょう?
今週から始まったNHKの朝ドラ「ブギウギ」
オープニングも昭和生まれには懐かしい人形劇スタイルで
ついつい踊り出したくなる
というか踊っている
けしてダンスは得意では無いけれど
おしりフリフリ腕をパタパタ
夫がそんな私をみて笑う
Youも踊りませんか?と誘うも首を横に振って会社へ
なんだ、つまらん
ああ
なんとなく体が動いちゃうのは母の教育のせいだな
多分実家の母も踊ってると思うんだ