『距離』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
同窓会があった
9人のいつものメンバー
気兼ねなく
何十年前の男子女子になる
高校まで
ほとんどが同じ学校で
幼馴染のようなもの
ツギハギだらけの
昔の記憶を張り合わせ
勘違いを笑い合い
今の故郷の話を聞く
故郷への遠い距離は
人と会い
方言を言い合って
グッと近くなる
距離
我々は、いま立ち止まっている場所を起点として、一瞬で移動すれば時間を1秒以下だが移動しているのではないかと、ずっと思っている。まぁ、普通は一歩で60〜80センチ程度の距離だが、地球の自転と反対側に移動すれば時間を遡り、同じ方向だと進む。
だから、7m以上飛んでしまう走り幅跳びの人は、助走も合わせると、かなり時間移動しているのではないのか?
だったら、新幹線や飛行機だともっとだ。なんだか楽しくならないか?1秒でもそうとうな距離だ。
「星の王子さま」の中に、王子さまが小さな小さな星に行ったとき、椅子をズラしては日没を、何度も何度も見たというくだりがある。小さな星の自転に合わせて、時間移動した形だと思う。
さぁ今日から、出来るだけ一歩を大きくして、走るときは全力で走ろう。時間移動のために距離を稼ぐと思うと、楽しいではないか!
気づいたら、あなたの歳に追いついてた。
でも、あなたとの距離は縮まらない。
いつか会える時には追いつきたい。
- 距離 -
8
「よ……よお………ひ…久しぶり……だな…」
肩で息をしながら苦しそうに男が言う。
冬だというのに額には汗が滲んている。相当急いで来たのであろう。
「いや、一昨日会ったばかりだろう」
俺はそう言いながら玄関の中に男を招いた。
「しかもその前日も会っているじゃないか」
「分かってねえな……別れた瞬間から久しぶりへのカウントダウンは始まってんだよ」
男は黒のレザージャケットを脱ぎながらそう言った。
白のタンクトップが姿を現す。もう冬だというのにその格好は無いだろう―――俺はそう一瞬思ったが、よくよく考えてみればこの男、真夏でも今とほぼ同じような格好である。
「とはいえ―――」
俺が男のジャケットをハンガーに掛けながら口を開いた。
「さすがにほぼ毎日往復50キロの距離を駆け足で行き来するのは大変すぎやしないか…?」
男はソファにどかりと座りながら「でもよ」と話し始める。
「仕方ねえじゃねーか。お前は仕事変えたばっかで今こっちに来る余裕ねーだろ。そうしたらこの俺が行くしかねーよ。その……文章だけじゃなくてちゃんと話したい事だってあるだろ」
「いや、電話は毎日してるだろ」
「そういう問題ではなーーーーーい!!!!!」
男は立ち上がり叫んだ。
「いいか?人間ってのはな、顔と顔を合わせて対話するっつーのが一番分かり合えんだよ。物理的距離は心の距離!!覚えとけ!!!」
俺は珈琲の入ったマグカップを男と自分の前に置いた。
なるほど、確かに言わんとしている事は正しい。対話において、言葉よりも意味を持つのは目線や表情だ。
そういったものを互いに観察し、相手の真意を理解し合う事こそ互いの存在そのものへの理解を深める。
―――本当にいつも柄にもなく物事の本質を良く捉えている男だ。
俺は珈琲を口に含む。そうして、マグカップ越しに男の姿を改めて観察した。
この男はとても真摯だ。優しく、全てを包みこみ、常に真っ直ぐで人を疑う事をしない。
だが、決して盲目的という訳でもなく、世の中の事象を正しく捉えており、それに対する己の意見もしっかり持っている。
それに何より―――
男は再度座り、珈琲を飲みながらも片手でパタパタと顔を仰いでいる。未だ暑いのだろう。何せ、この距離を走ってきたのだから―――
「―――であるならば」
俺は暫く考えた後ゆっくりと口を開いた。
「この家に住めば良いじゃないか」
男の口から含んだ珈琲が飛び出すのを、俺は静かに見ていた。
距離
たとえどんなに距離が離れていようとも僕は君を迎えに行くよ。君への愛を伝えたくてまっすぐに君とのもとへ会いに行く。大好きだよって、その一言を伝えたくて。
たとえどんなに距離が離れていようとも君への愛情は変わらない、ずっとずっと変わらない。
(題目しらず)
愛の力は強すぎる。
強すぎてむしろ危険だ。
悪事身にとまると言っても
愛する者を守るため
捨て身で来られたら周りは敵わない。
悪事を犯した者が天寿を全うし
その者の周りと愛で守った者が
苦しむ結果になる。
愛で守りきった者は
その者が受けるはずだった苦しみと
自分の悪事による苦しみの両方を受けても
愛で救った喜びから、苦しみには感じないだろう…。
心理的な距離、物理的な距離、自分と何かしらの
対象に対して使われる表現。
私がもっと離れてほしいと思っても、相手はもっと
近づきたいと思っているかもしれない。
そのまた逆も然りだ。
パーソナルスペースもこれに該当する
人それぞれ、踏み込まれてもセーフな領域が
存在する。
距離は、相手への思いの強さによっても変化するが
基本は生まれ持った性質、環境要因にも左右されがちだ。
近すぎても他者との軋轢を生むからダメ、だけど
遠すぎても他者との信頼関係が築きにくいからダメだ。
これは、お互いに調整していくものなのだ
ヤマアラシのジレンマとはまさにこのことだろうと
思った。
距離感を、大切にするには相手に対する思いやりと
敬意がないと生まれない。
それを、心がけないと自分の気持ちばかり優先して
他者を傷つけて遠ざけてしまいかねない。
人って本当に難しい
「距離」
距離、足の歩幅覚えてるからさ、
距離なんとなくわかんだよな、
手のひらの大きさ決まってるから、
定規なくても測れるの。
音の反響音でさ、
ここまでの距離測れるねん。
私が出会った凄い人たち。
距離だけ。
検索でもすれば分かることを
自分の感覚で測ってしまう。
貴方の周りにもほら、
不思議な、歩き方、測り方、聞き方。
多分ね沢山溢れてるよ。
❦
【距離】
書けそうなお題ではあるのですが、今ちょっと頭が働いてくれないので後で書けたら、と。
「距離」
初めて、那覇マラソンに出場した。
マラソン自体は2回目、気持ちとして余裕があったが、現実は8回心が折れた。
時間制限ギリギリの28キロ地点、僕の右膝外部は小走りするたび激痛が走った。
座り込み、続々と抜かれていく中、一人のランナーに出会った。
僕と同じく、足に激痛が走り、まともに走れない状況の方で、直感的に「この人と一緒にゴールする」と感じた。
そこからゴールの42,195km地点まで、励まし合い、ふくらはぎを伸ばし合い、なんとか制限時間15分前にゴールできた。
マラソンは長い距離を走り続ける。
その中で、出会った人たちとは同じきつい環境を分かち合ったことで、グッと距離が縮まり新たな出会いがあると学んだ。
これからも少しずつ走り続ける。
カレンダーをめくると、部屋はたちまちクリスマスの装いになった。一年の終わりを感じずにはいられない。これからは、この壁を見ては来年までの距離を確かめる日々だ。どんな歩幅で歩いても、暦は残酷に過ぎて往ゆく。ならいっそ歩みを止めてしまおうか。
『コウタ、年末は実家戻ってくるの?』
スマホでメッセージを打ち込んでみて、すぐに消去する。送信してしまったら、足元の道がぬかるんでいくような気がした。連絡をして来ないのは、向こうが気を遣ってくれているからで、その思いを無下にするのも悪い気がする。
・・・そう思いたいだけなんじゃないのか。本当はもうコウタは俺のことなんて忘れてるんじゃないのか? 高校時代のノリで止まっているのは俺だけで、大学生になったら新しい友達とか彼女とかいて、もう地元の連れのことなんて眼中にないんじゃないのか?
気づいたら膝まで沼に浸かっていた。参考書の文字を目で追っているのにノートは一行も埋まっていない。最近はこんなことばっかりだ。
また一年。カレンダーを見上げる。3ヶ月先にゴールテープはあるのか。本当は15ヶ月先なんじゃないか。いや、いやもっと・・・。
そもそも俺はちゃんと歩いているんだろうか。沼に浸ったまま居心地良く微睡んでいるだけなんじゃないだろうか。
「ゆーきーとー!」
俺の名前だ。え? 呼んでる?
頭上に手が差し伸べられている。
「窓開けろよー!」
コウタの声だ。嘘だろ。俺は慌てて部屋の窓を開ける。
俺がその手をつかむと、ぐいと引っ張り上げられた。
「あ、いたいた! おーい、出てこいよー!」
コウタの顔を認めると、部屋を出て階段を駆け下り、スニーカーの踵を踏んづけて玄関を出た。つんのめって転びそうになる。
「っはは、なによろけてんだよ。お前一日中家にいるんだろ」
「うっせーな。いきなりどうしたんだよ」
悪態を吐きながらスニーカーを履き直す。心臓が弾んでいた。
「歩こうぜ、キャンパスライフの自慢話しにきた」
「うぜー。帰ろっかな」
俺はしっかりと地面を蹴って歩き始めた。
距離
現実の自分と理想の自分を合わせてその程遠さに絶望するのなら、未来の自分はどうすれば幸せになるかを考えて生きればいいんじゃないかと最近思うようになってきた。恋愛で感じる心の距離も、自分がそれを意識するほど何故か余計に遠く感じるものだけど、そんな時は敢えて何も考えず2人で居られることの幸せを噛み締めるように思い出を振り返ってみたり、贈り物を選んで相手の喜ぶ顔を想像してみたりすればきっと心の寂しさはいつの間にか消えて、陽だまりみたいにぽかぽかとしているだろう。結局は、独りよがりにならなければいいのかもしれない。誰かを素直に想って自分に素直になってみると、案外絡まってぐちゃぐちゃな心はするすると解けてすっきりする。
「距離(創作)」
「今週の日曜日、草野球の練習試合なんだけど応援に来てくれない?」
「え?いいの?行きたい!」
その日を今か今かと待ちわびて、差し入れの弁当を作って、いそいそと試合が行われるグランドに向かった。
到着した時は、1回の表。
少し離れたフェンスから、バッターボックスに立つ彼に小さく手を振った。彼はすぐに気がついてくれて、こくりと小さく頷いて、試合に集中する。
カキーンとボールの中心を捉えた音が鳴り響いた。
「やった!」
思わず大きな声を出してしまって、口に手をやって肩を窄めた。
「パパー!ホームラーン!!」
「すごいね、パパ!」
甲高い子どもの声と、女性の声がした方を振り向くと、彼に向かって2人が笑顔で手を振っていた。
私と2人の距離は、そう離れていない…
その声に気が付かないはずもなく、彼も振り向いて2人に手を振り返したあと、私とバッチリ目が合ってしまった。
どういうこと?
私と2人の距離は、そう離れていない…
『距離』
誰かとの理想的な距離を考えるとき、
あなたとはやっぱり0がいい。
でも少しだけ、ほんの少しだけは、
知らなくてもいいこともあると思うから。
知られたくないこともあると思うから。
0.1くらいの優しい隙間を空けておこう。
距離、そんなの何になるのかしら?
私にとっては障害になるわけないでしょ?
だってだって私は、最強の存在なのですから!
あなたのために、なんでも尽くします、だから、
私のためにも、尽くしてよ、優しい心を頂戴?
お願い、お願い、逃げないでよ、逃げるなよ、
暗がりの月明かりに照らされた私を見て、逃げて
逃げきれるとでも思ったか?
醜い醜態をみて、焦りに駆けられた人は人形、
ただの人間がオモチャにしか、見えなくなり、
ただ、破壊に駆けられた化物に壊されて終わり、
ただ、それだけ、ただ、後悔なんてしないため、
"ただ、懺悔している私が可愛いだけだよ。"
醜い醜態でも、何をしても許されるのであれば、
壊れて良いモノを永遠に要求するかもね。
あぁ、時間を忘れて、遊んでいたいな。
距離
バイト先の社員さんで
若くて物凄く上品で、優しい方がいて
よく私に話しかけてくれた
お姫様みたいな人だなぁと思って
すぐに大好きになり
密かにパソコンで絵を描いたりしていた。
私がしばらく系列会社のお手伝いに行く事になり
やっと帰れると思ったら
また、更に他の系列会社にお手伝いを頼まれて
かなりしばらくぶりに、元のバイト先に戻り
大好きなお姫様社員さんにお会いしたら
(私が勝手に脳内でお姫様認定)
ご挨拶した印象がだいぶ違う
痩せてやつれて笑顔が無く、
とても暗い雰囲気になっていた
え?
内心、嫌な予感がしていた
「社員が何か言うまであなたは何も動く事はできません!」
彼女は顎を上げ、私を睥睨しながら、社員マウントのようなセリフを言った
私はバイトの中でも、かなり腰が低い方である
勝手に何かした覚えは無いのだが
お姫様は私に明らかに嫌な印象を持っているようだ
私がいないうちに何があったのかは知らないが
バイトに舐められるな!とか、バイトとは身分が違うんだ!差をつけろ
とか社員研修とかで叩き込まれたのかなぁ
心の距離が一気に離れていった
さよならお姫様。
私と貴方様とは身分が違いました。
距離が離れた瞬間から、急に美人に見えなくなった
美しい夢を見ていたのかもしれない。
私の大事な時間を割いて絵なんか描いて
バカだったと悔やんだ
大好きなうちに、このバイトを辞めてしまった方が
お姫様が大好きなまま思い出に残せて幸せだったかな
とも、思ったが
これもまた、貴重な人生経験であるし
一興か。
時間になって、家路を歩みだすあの子の後ろ姿。
地平線の先、眼に映る街灯の灯りと欠けた月。
何をどれだけ待っていても、距離が離れてゆくばかりであった。
隣にいるはずなのにどうしても距離を感じてしまう。
不安になったら、もうおしまい。
距離
つまり道のりはまだまだ
遠いということだ
あー、
まって
やばい
おなかいたい。
2人の距離が離れていても
2人の心は離れないでね。
心は捕まえておくことが出来ないから
あなたがしっかり捕まえておいてね。
距離が離れているから
不安になってしまうこともあるかもしれないけど
そういう時はテレビ電話したいな。
私は離れていても大丈夫。
それじゃぁ,いってらっしゃい!!
─────『距離』