『距離』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
星年って時間の単位っぽいじゃん?
あれ、距離の単位なんだってよ。
今からでも時間の単位にしない?
お題︰ 距離
君と僕の距離
「楽しいね!」
遊園地で、そう僕の横を歩きながら言った君と僕の距離は、近いようで遠い。
僕はこの日をデートだと勝手に思って夜遅くまで服装を考えて、勝手に舞い上がっていたのに。...本当は自分の思いを君に話したくて仕方が無いのに。
君は、そんなこと気づいていないんだろうね。
そんなことを思いながら僕は今日も心の中でつぶやく。『好きだよ』
心の距離は
少しずつ近くなっていた
彼と私は
多分うまくいく
何故だか
変な自信があった
距離
結婚してください、は何か違う気がする。
ずっとそばにいたい、それはそう。
でも縛りたいわけじゃない。
縛られたいと思ってないけど、縛られるのも悪くないと思ったのは目の前のコイツだけで。
縛られる事の窮屈さも、縛ってしまうことで奪うものも知っているからこそ、首に輪をくくりつけるみたいに指に嵌め込むもので未来を奪う事に躊躇う。
幸せになって欲しい、それはそう。
でも離れる事が出来るかわからない。
お前がいれば俺は幸せだけど、俺がいた時お前が幸せになるかといえば…。だからそばに居させて欲しいけど幸せになるのを邪魔したいわけじゃなくて、ただお前が幸せになるのを見ていたいっていうかだからそれは…
『あのねぇ…』
振り向いた顔がうんざりしたような呆れたような、それでいて何もかも見透かして許している甘やかさをしていた。だから、ほら俺はお前に甘えちゃうんだよ。
『何考えてんのか知らないけどねぇ。』
大袈裟な程に大きなため息をついて体をこちらに向けて向き合う仕草にいつものように何もない顔で向き合う。感情を顔に出さないのは得意だ。それがコイツ相手に通用しない事も知っている。
『僕が、アンタを』
せっせっせのヨイヨイヨイの勢いで両手を取られた。
手から伝わる温かな温度が心地よく響く。
笑いたくなるような泣きたくなるような、そんな気持ちをお前はいつだってくれるんだ。
だからこそ…
『手放すわけがないでしょう!』
力強く言い切る目の前の誇らしげな顔を見て
ついに俺は噴き出した。
👓心の距離
〜距離〜
人との間に壁を感じる
できれば距離を置きたいのかもしれない
自分には入って欲しくないところがあって
それ以上は立ち入り禁止だ
人は好きだし
人と関わるのも好きだ
でも一人の時間がないとしんどい
誰かといる時多かれ少なかれ気を使っているからだ
人は優しいで済ますけど
それだけじゃ済まされない大変さがある
他人の機嫌は他人がとるものだと思ってたけど
自分の機嫌は自分でとっていいらしい
なら少しは生きやすいかな
自分の存在気づけたから
距離
手放せるものを全て手放した時から
他人との距離を
今まで以上に自分でコントロールするようになった
何が自分に必要なのか
自分を幸せにするものは何かを考えて距離をとる
基本的には近づかない
大切なもの以外手は出さない
その結果
たぶん今の職場では少し異質な存在になったし
多少疎外感はある
でも
それを後悔したことは無いし
距離を詰めたいとも思わない
これは私にとって必要な距離だから
これもまた
目に見えないけど存在する大きなものだ
私は強く影響を受ける
だからこそよく考えて
上手にコントロールしなくてはいけない
距離とか空気とか
見えない上に正解もないのに
なんでこんなに大きいんだろうね
違うな
見えないから大きいのか
どんなに遠くにいたって
地球の反対側にいたって
同じ空を見上げているから
心はゼロメートルだから
そう言った君を
いつまで信じて良いのだろうか
君の名前が刻まれた
石の柱に向かって
僕は問いかける
【距離】
天国までの距離はどれくらい、?
あなたは一体、どこにいるの、?
あなたとの距離はどれくらい、?
あなたの近くに行きたい…、、、
困ったときは私に相談してね。
私の足が届くのならいつでも駆けつけるわ。
私の手が届くのなら頭を撫でてあげる。
私の声が届くのなら何度だってあなたに言葉を届けるわ。
だから、泣かないで。
近くて遠い存在、手を伸ばせば触れられるのに触れられない。
僕にとってあの人はそういう人だった。
今になって思う、自分から離れてしまうならばいっそ魂ごと閉じ込めておけば良かったのに、と。
お前死んでも墓にはやらぬ、焼いて粉にして喰うてやる。
顔に掛けられた白い布の下で今、あなたは何を思っているのだろう。
走っても走っても縮まらない
この距離をどうしてくれるものか
歩いても歩いても分からない
いつになったら君に近づける?
[距離]
『距離』
距離=速さ×時間
人より遅いかもしれないけど
時間をかければ辿り着くさ
そのうちきっとスピードも上がってくるよ
夫婦は
落ちていく葉の中で、ただ座っていた。
優蔵さんは入院中に百合子さんが編んだニット帽とセーターを身につけている。
こうやって太陽の下で二人ゆっくりするのは久しぶりだ。
今日は体の調子がいいから。と言った百合子さんには、それでもまだ微熱がある。
落ち葉が降る。
降り落ち、積もる落ち葉に、時の流れと蓄積した時間を思う。
そして愛情とは時間じゃないかとも思う。
共に過ごした長い時間が降り積もっていく。
このなんともない、二人ただベンチに座っているだけの時間を終わらせないでほしい。
優蔵は思う。
冬のはじまりを知らせるように、冷たい風がびゅう、と吹いた。
「もしもわたしに何かあっても泣かないで下さいね。」
穏やかな笑顔で百合子が言う。
「ばかだなー。
泣くわけないだろー。」
優蔵は百合子から少し距離をとって涙を拭った。
160作突破記念
「距離」
前回 11/22 150作目。
10作ごとぐらいにしている。
これまでのタイトルを並べて繋げたもの。
内容は続いていない。
インターバル的なもの。
『距離』
物理的な距離と心の距離。
物理的な距離が、近いからと言って、
心の距離も、近い訳では無い。
心の距離が、近いとしても、
物理的な距離は、遠いかもしれない。
人によって、距離は異なる。
パーソナルスペース、とでも言うのだろうか。
自分には、自分の。
人には、人の。
適切な距離がある。
それを見定めるのは、難しいけれど、
見定めた後に見えてくるのは、真の信頼関係、
なのではないだろうか。
「距離」感はとても大事だと思う。心の距離、車間距離…。あとは思い浮かばないが、距離というものは常に心がけておいた方が良い気がする。
近すぎず、遠すぎず。程よい距離感は難しい。
毒親との距離
子供の時は必死に愛されたくて父親の手をとった
なんども、なんども振り払われているうちに
望みはないと知った
それからも大人になっても自分の気分で暴挙にでる父親との距離が分からない
もうそろそろ、お互い人生の終わりだ
きっと1番近いはずの親との距離が1番遠いまま
私も毒親も人生を終える
「距離」
キミとボク どれだけ距離があろうとも
心はずっと そばにあるから
光と影に距離なんてない
光があればすぐそこに影ができる
誰よりも眩しいあなたにもジメジメした影があるの?
誰よりも苦しんでるあなたにも暖かい光があるの?
距離なんてないはずなのに
どちらかに囚われている間は
片方の存在に気づくことすら出来ない
距離
来る者拒まず去る者追わず。これが昔から変わらない自分のスタンスだ。
用でもなければ自分から話しかけることはないが、相手から話しかけられれば喜んで愛想を振り撒く。付かず離れずの存在だった。
ただ、そうしていると稀に厄介と呼ばれる人物に付き纏われることがある。
こちらの反応など露知らず、一切興味のない話や愚痴を延々とするのみならず、隙さえあれば四六時中隣に居座らんとする奴だ。まあ、こちらとしては害はないのだが。
奴のマシンガンをいなしている間、目を逸らして物思いに耽る。
奴はどうして自分に拘るのだろう。
独りを選ぶ自分と独りにならざる得ない自身とを同一視しているのだろうか。
社交辞令を歓迎と見なしているのだろうか。
人間関係の経験に乏しいが故に、ただのハリボテを友人だと誤認してしまうのだろうか。
このどれか。いや、全てなのだろう。
このぞんざいな態度を見聞きした上で尚も縋り付くその滑稽な様に、なんて難儀な連中なのだろうかと哀れみさえ湧いてくる。
友人達が来た途端に蜘蛛の子の様に散っていった奴の背中を目の端に一瞬うつし、すぐに逸らした。
何故独りを嫌がるくせに多勢に挑もうとしないのだろうか。数をこなせば友人の1人や2人、できるだろうに。
友人から発せられる心配の声。嗚呼それが答えか。
いや、大丈夫だよと本心からの言葉を返した。
あんな関わり方しか出来ない奴等も、そんな奴等に何とも感じない自分も、傍からすりゃおかしいのだろうな。
「距離」
船戸くんは、わたしの横を歩いていた。制服の上にコートを羽織り、そのポケットに手を入れていた。
「来る?」
自転車を押しながら、わたしは声をかけていた。空は雨が降りそうに灰色だった。わずかに水の匂いがする。
「映画? そうだな。Netflixでよくないか」
「えー。それは大きなテレビならそれなりだけどさ。映画館の迫力とかすごいよ。行ったことないの?」
ポケットから手を出して、腕を組む彼。鼻を数回啜った。花粉症かな。
「小学生の時、親と行ったっけ? なんかアニメ見たな」
曖昧な記憶なのだろう。頼りなげな声音だった。
わたしは、乗ってない自転車のブレーキをおさえた。きっと締まる音がして、タイヤがロックされる。
「画面や音がすごくなかった?」
「んー、記憶がねえ……。映画館って、どこにあるんだ?」
「えー、ほんと行ったことないんだ!! ほら、駅前のあの大きな商業ビルのさ……」
ブレーキを放し、また、前へ進む。コンビニや不動産のお店や、郵便局、そういう建物が、視界に入ってくる。わたしは、この会話を楽しんでいた。すごく。わたしは、幸せだなあ、と思い、そして、どうにかして船戸くんをデートに誘おうと決めていた。