来る者拒まず去る者追わず。これが昔から変わらない自分のスタンスだ。
用でもなければ自分から話しかけることはないが、相手から話しかけられれば喜んで愛想を振り撒く。付かず離れずの存在だった。
ただ、そうしていると稀に厄介と呼ばれる人物に付き纏われることがある。
こちらの反応など露知らず、一切興味のない話や愚痴を延々とするのみならず、隙さえあれば四六時中隣に居座らんとする奴だ。まあ、こちらとしては害はないのだが。
奴のマシンガンをいなしている間、目を逸らして物思いに耽る。
奴はどうして自分に拘るのだろう。
独りを選ぶ自分と独りにならざる得ない自身とを同一視しているのだろうか。
社交辞令を歓迎と見なしているのだろうか。
人間関係の経験に乏しいが故に、ただのハリボテを友人だと誤認してしまうのだろうか。
このどれか。いや、全てなのだろう。
このぞんざいな態度を見聞きした上で尚も縋り付くその滑稽な様に、なんて難儀な連中なのだろうかと哀れみさえ湧いてくる。
友人達が来た途端に蜘蛛の子の様に散っていった奴の背中を目の端に一瞬うつし、すぐに逸らした。
何故独りを嫌がるくせに多勢に挑もうとしないのだろうか。数をこなせば友人の1人や2人、できるだろうに。
友人から発せられる心配の声。嗚呼それが答えか。
いや、大丈夫だよと本心からの言葉を返した。
あんな関わり方しか出来ない奴等も、そんな奴等に何とも感じない自分も、傍からすりゃおかしいのだろうな。
12/1/2024, 6:31:26 PM