距離』の作文集

Open App

距離』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

12/2/2023, 8:23:16 AM

#45『距離』

 平行線、点と点
 心の距離とか物理的な距離とか
 そういうのじゃなくって
 なんていうか
 ねじれの位置みたいな
 時代も違う遠いところに
 貴方も生きてたんだな
 って思うわけです
 ラヴェルがマルガリータの絵を見て
 曲を作ったみたいに
 今、私の目の前には戦時の遺書があって
 身体ごと敵地へ飛び込み華と散る
 その覚悟、誇り、家族への感謝、
 やりきれない気持ちまでもが
 人様が人様に書いたものだけれど
 私は1人考えてしまうのです
 でもね、そんな出来事も
 辿っていけば今に繋がるわけで
 途方もなく遠いはずのその距離が
 人の心でだけは縮められるような気がします

12/2/2023, 8:17:41 AM

Day1
初めて文章をまともに書く日が来るとは。
このアプリで初めて書くからアイデアとか全然ないけど、書いてみよう!

12/2/2023, 7:53:03 AM

絵のようにきれいで、はいってゆけないわ。
それは、景色だけではないの。
あなたにだって、そういう距離を感じる時があるのよ。


銀色夏生
「これもすべて同じ一日」

12/2/2023, 7:42:00 AM

僕は社会との距離感がわからない。
朝は全然起きられないし、そのせいでよく遅刻をする。会社でもよくミスをして、最初は何度も上司に怒られた。
メモを取るように促され、実践してみたが、人の言う事を聞きながらメモを取ることができず、結局メモは真っ白に。メモに意識を割かれて、内容もあまり覚えてない状態だった。
上司はあきれていったのか、次第に怒鳴られることも少なくなった。
皆が何気にこなしていることが僕には少し難しいようだ。
しかし、だからといって諦めることは出来ない。
人よりも何倍も時間が掛かるが少しずつ少しずつ出来ることを増やしていく。
そうやって少しずつ進んでいるといつの間にか、かつての上司は自分の部下に。
最後は諦めない者が勝つ、そういったのは今は部下のかつての上司だった。

12/2/2023, 6:50:18 AM

くっつきすぎたかな
ドキドキしてるの聞こえちゃうかな

何を話そうか、色々考えてきたでしょ?
大丈夫だって

隣に座れた自分を褒めてあげよ?

12/2/2023, 6:50:00 AM

見たことのない速度で風景が過ぎ去っていく。どんどん血の気が失せていくのを感じながらも、ステラは馬を駆けるラインハルトの腰をしっかりと掴んでいた。丘を、街を、平野を瞬く間に駆け抜けて、一体ここはどこなのだろう。もう三時間ぐらいは馬に跨っているような気がする。
 非常に疲れた。腰に回す腕の力が段々と抜けていく。そろそろ一旦休憩を入れてくれてもよいのではないか。そう思いつつ声をかけても風音に掻き消されて、自分の耳にすら届かない。一体全体、何に焦ってこんな早駆けをしているのだろう。
 彼の背中に頭を預けて、ステラは溶けていく景色をぼんやりと見ていた。馬上は不規則に揺れるが、慣れれば規則的に感じてくる。規則的になると今度はそれが眠気を呼び起こす。何とかあくびを噛み殺していたが、次第にあくびは止まらなくなり、瞼が重たくなってきた。こんな状態で居眠りをするのは危険だと、重々承知しているが、眠たいものは眠たい。
 ステラの腕の力が徐々に抜けていくのを感じて、ラインハルトは腰に回る彼女の腕を掴むと、馬の速度をゆっくりと落としていく。常足まで速度を落とすと、そのまま街道を走らせることにした。彼女の腕を掴みながら後ろ手に彼女の背を叩く。とんとんと軽く叩いても寝息が返ってくるだけなので、少し強めに叩いてみると身じろぎした。ううんと唸り声が聞こえて、背中に感じていた重みが消える。
「――ステラ、起きてください」
「……起きた」
 しばらくして憮然とした返事あった。見なくても、ぶすっとしている表情が目に浮かぶようだ。想像して少し微笑むと、ラインハルトは掴んでいた彼女の腕を離す。再び、彼女は彼の腰にしっかりと抱きついた。
「少し休んでくださらない?」
 背後から彼女の声が続く。
「さっきからずっと走りっ放しで、さすがに……これ以上ないくらい疲れたわ。わたしはあなたと同じ体力じゃないのよ」
 街道を進む二人は森の中に入っていた。日は高く昇っているが、そう広い森ではない。日が暮れるまでには森を抜けるだろう。この森を抜けたら、次の街に着く。
「もう少しだけ、我慢してくださいますか」
 はあ、と大きな溜息が聞こえた。ぎゅうと腰に回る腕に力がこもる。
「……あと少しだけよ」
 謝意と労いを込めてラインハルトは軽く彼女の腕を叩くと、再び馬を駆け始める。

12/2/2023, 6:47:35 AM

距離


 いくら便利になって、ビデオ通話やいろんな連絡方法が増えても、会うことには敵わない。
 距離が遠く離れるほど、心も離れていく。それは寂しいけれどよくある話。

 だからあの時、私たちは必死だった。
 お互いの気配をそばで感じたかった。二人でいれば大丈夫と信じてた。

 なのに今、一緒に暮らしているのにすれ違う。目線が合わない。見るのはお互いの背中ばかり。
 私たちはどこで間違えたんだろう。

 二人でいるけど悲しいと思ったらいけませんか。
 こんなに苦しいなら一人になりたい。
 そう思ってしまうのは。




#105

12/2/2023, 6:36:52 AM

お月さんは一年をかけて、地球から一寸程度離れて行ってんだと。
わかるか?
あんなバカデカいモンでも一年ありゃ移動すんだよ。

いい加減、腹ぁ括れ。
行かず後家になっちまうぞ。
あんたは家柄も良いとこの嬢ちゃんだ。
その上別嬪ときた。引く手数多だろうよ。
その歳まで嫁入りしてねぇ方が珍しい。

だ〜か〜ら、俺は娶らねぇって。何回言わすんだ。

……そう泣きつかれたって俺にゃどうもできねぇさ。
ま、幸せにはなれんじゃねぇか。あん人ならおまえさんを養える。身分だっていい。見てくれだって悪かねぇだろ?

見合い、受けろよ。そんで、さっさと嫁いじまえ。
俺もそろそろ旅に出っからな。

はっはっ、言って無かっただけさ。そんな泣くなって。

まあ、たまにゃ会ってやるよ。
そ〜だなぁ……月があと五寸動いたときくらいには、帰ってくるさ。
幸せな嫁さんになれよ。

……応、元気でな。
ほら、もうお日さんが昇りかけてやがる。
この逢瀬も今日が最後さ。
抜け出してきてんのがバレねぇうちに、さっさと帰んな。

……嗚呼。じゃあな。








俺が迎えてやれなくて、ごめんなあ。
不甲斐ねえ。
好いた女に気持ちすらまともに告げられねぇなんてな。
返事も碌にしてやれねぇ男なんざ、やめておく方がいい。

一年で一寸遠のく夜の明かり、うんと遠くで照らす光と、あんた。
一際輝いて俺の目に映るのは勿論あんたさ。
旅に出て何に出会ったとしても、あんたほどの煌めきは感じねぇだろう。
……言うつもりねぇが。誰がんなくさいセリフ言うかよ。

例えとして出しちゃいたが、月がいくら地球から離れようと俺はいつまでもあんたを想っているさ。
それこそ、あのお日さんのように。

聞いたところによると、お月さんよりお日さんの方が遠いらしい。
別の場所に居たってこの気持ちは変わんねぇ。
俺があんたにしてやれることなんて、せいぜいこれからの幸せを願うだけさ。
俺は月にもお天道様にも願ったりしねぇよ。なるようにしかなんねぇからな。



ただ、帰ってきた時にも未だ嫁入りして無いなんてことがあったら、その時は俺が面倒見てやる。
だから旅に出んだ。この町を、出るんだよ。
昔の口約束を心の何処かで信じている、バカな男だよ、俺は。




「距離」2023/12/02

12/2/2023, 6:17:53 AM

遠距離恋愛、それはすごく辛いものである。
相手に会えない寂しさ、相手に触れられない辛さが心苦しい。
でもそれは自分自身を我慢強くすることができる。
会えなくてもいつか会えると思えば、きっと辛くなくなるし一緒にいられる日が来ると思うから。
離れているからこそ相手のことを大切に思っていることに気づけば、距離があっても近く感じる。
『距離』No.3

12/2/2023, 6:01:55 AM

ラストスパート―――。
これまでの全力を超えて、超えて、走る。
まだか、ゴールはまだか。
限界と身体は告げる。
もう、限界。むり、むり。
紅潮した気持ちで、引っ張る。それでも無理やり走らせる。
ゴール。ゴールラインを踏んだ瞬間、身体が脱力する。速い呼吸が止まらない。ふらふらと、皆が並ぶ列へと座りに行く。小さい折り紙くらいの紙に書かれた12位の文字。前に座る1桁の人達は、一息つけて余裕が戻ってきたのかお喋りなんかをしている始末だ。
ハァハァと酸素を求めながら、うつむく。
君とはもう、話せないぐらい引き離されてしまった。運動バツグンの、ドッチボールでいつも壁になって守ってくれた君。仲良さそうに、前の方でお喋りしている君に、黒いドロドロしたものを煮やす。
次の昼休みで、おめでとう。また上位じゃんと話しかけてくれたことに私は嬉しい気持ちとともに自身の感情を恥じる。君なんて、4位じゃないか。前回は、9位だったのに2桁になったことを、微塵も感じさせない純粋な祝福に、眩しくて思わず目をそらす。君はそんなことなんか意識してないのかもしれないけど、やっぱり君みたいな明るい元気な人と接すると、私の暗い部分が浮き出てくるようで、一緒にいる資格がないように感じてしまう。
「今日もドッジボール来るよな」
思わず「うん!」と返事をして、走り出す。やっぱり距離が開いてしまうけど、少しペースを落としてくれるような配慮を感じる。
もしかしたら、このまま男女の身体の能力の違いで、距離は開き続けてしまうかもしれないけど、いつも近いところにいたいと願うのは、私のわがままだろうか。

12/2/2023, 6:00:48 AM

距離


人と会話するときの距離、好きな人が好きなのになかなか話せなくて遠くなる距離。

あとはタメ口で話せるような気楽な仲間との距離。

タメ口で話せない人とはなかなか距離が縮まらない。
何が言いたいかっていうとさ、人との距離って難しいってことなんだよなぁって話さ。

12/2/2023, 5:56:22 AM

距離

隣の席のあの子との...

隣の席のあの人との...

温もり一つ分の間が いつも埋まらなくて
縮めたい気持ちもあるのに...

勇気が出せなくて...

僕は、あの子が友達と喋っている時
いつも 本を読んで 窓際に視線を置く

私は、あの人が読書をしてる時
横を向かない様に 友達の話しに
集中する。


でもある日... 
「ねえ 君いつも何の本読んでるの?」

私の友達が 私と喋ってる途中に
あの人に話し掛けた。

私の肩は、無意識にぴくりと上がる。

「別に... 只のミステリー小説...」

突然 話しを振られ 僕は、
おもわず素っ気なく返してしまった。
横を向くとあの子と 目が合いそうだった
ので 自然 目線は、あの子の 
友達の方を向く

「あっこの小説ってあんたが好きな
シリーズじゃ無かった
確かあんたも読んでたよね!」

友達が 私に話題を振る
私は、いっぱい いっぱいで...
「う うん、」と首を馬鹿みたいに
縦に振る事しか出来ない...



あの子が頷いたのを横目で見て
僕は、思わず 肩を小さく震わせた。

当然だ あの子が好きだと
横で話していたのを聞いていたんだから...
だから 読み始めたのだから...

途端 あの子と  あの人と 
目が合った。


僕は...
私は...


「「あのっ!!」」
声が重なった。







それから...僕達が... 私達が...

どうなったかというと....


一緒に 図書館に出掛ける距離までには
到達した。・・・・

12/2/2023, 5:46:41 AM

吐き気する程押される満員電車。
電車内だから我慢するけど
外で知らない人とその距離になるのは
想像するだけでキツい。

12/2/2023, 5:40:32 AM

髪の毛切ったら
距離が遠くなった
髪の毛
初めてショートカットにした
けど
家族から言われた一言で
家族が嫌になった
みんなは?

言われた一言
1
「誰かと一緒だね、」
誰かと一緒だねとかいうなし
私はこれ気に入ってるのに!
と私は思った

2
「誰かがしてたね!」
は?してたね?
最初の言葉がそれ?
て思った

3洋服
「誰かが着てたよ」
は?今私これ可愛いか聞いたよね?

4バック
「誰かも持ってるでもおばちゃんぽい」
は?2人に言ってるよね?イラついた

5弟から
「それ寝巻き?」
は?外に着ていく服なんだけど?
可愛いから着てるだけなんだけど?
買ったばっかり

※みんなはこう思ったことある?
家族と話すことが苦手になりました
《完》
実話

12/2/2023, 5:33:24 AM

私は好きだけど相手はどうも思ってない

きっと今以上に距離が近くなることもないんだろうな、



あーもっともっともっと、近づきたい…


テーマ「距離」

12/2/2023, 5:30:57 AM

距離感がおかしい

素っ気なくしてもお構いないらしく

縮まるほどの距離がはじめからない

好きなはずなのに嫌気が差す

物理的距離は近いのに

精神的距離は離れていく

遠距離じゃないのに一人だけ遠距離みたい

少し距離を取りたい。

嫌なはずだったのに望んでる

心の距離が開きすぎた

君との距離と僕の気持ちは反比例していくよう

僕たち、別れようか。


『距離』

12/2/2023, 5:29:24 AM

急坂を下りながら
たわいもないお喋り
話しは色々膨らんで
笑い合いながら足早に歩く

交差点に差し掛かり
横断歩道を渡ると別れ道
あなたは真っ直ぐ
私は右へ曲がる
もうここでお別れだね

まだまだ喋り足りない
少し立ち止まり続きの話し
あなたがもうそろそろだね
話しを切り上げる
そうだねと私も頷く

じゃあねと挨拶を交わし
後ろ姿を横目に密かに見つめる
顔の表情は見えない
颯爽と歩く姿が
素敵でもあり寂しさも感じる

それぞれの居場所へ向かう
それぞれの生活
それぞれの空間へ
後ろ姿を見るのが好きな私も
前を向いて颯爽と歩き出す
目の前には青空が広がり
風が爽やかに通り抜けていく


[ #32. 距離 ]

12/2/2023, 5:27:20 AM

見に染みてわかる、僕と君の距離。
それは物理的なものだけでなく、心もだ。
君が僕のことを何とも思っていないことを、僕は身に染みてわかっているよ。
だけど、それでいいんだ。君が特別な想いを抱いてなくても、傍にいてくれれば、それで僕は大満足なんだ。

12/2/2023, 5:25:59 AM

この力で、いつか君を遠ざけて、その命の助けのひとつになれば御の字だ。それ以上望みはない。最初に望んだことはすべて叶えられてしまった。ここまでの過程で望んだこともおそらくすべて叶ったとしてもいいだろう。私によって。あるいは君によって。
「うるさいな、うるさい。聞きたくない」
君の一歩は大きいから、そして力強いから、私の望みをことごとく無碍にして踏み荒らしていく。意見の合わなさが、相反が、お互いの存在を浮き彫りにして、どうにかここまで見失わずに済んだ。だからこそ叶えられた願いによって私が構成されていると君は知らない。愛してるよ。万物すべての質量に勝るほど、深く、大きく。君はそんなもの愛じゃない認めないと唇を噛んで私を抱きしめるけど。

12/2/2023, 4:58:58 AM

「昨日も昨日だったが、今日も今日で、書きたいものと読みたいものの乖離……」

『久しぶりに会った肉親の、己に金銭によって礼をする態度を見て、しんみりする。
「あぁ、自分たちは、いつの間にか、対価で確実に感謝が見えなければアリガトウも伝わらない距離まで、離れてしまっていたのだ」』

という物語を思いついたものの、書き手の己は書きたいが、読み手の己には胃もたれが過ぎる。
某所在住物書きはうんうんうなり、深い溜め息を吐いた。要するに理想と理想の両端が、その距離が離れ過ぎているのだ。
読みたいと書きたいの積集合が迷子とはこのこと。
「距離、きょり、……三角形の点PとQ……?」
とうとう頭が沸騰し始めた物書きは――

――――――

都内某所、某職場のとある終業時刻。
やー終わった。疲れたごはんごはん。
土曜日特有、かつ独特な、客を入れぬ事務作業だけの午前中限定業務。
正午きっかりで作業を終了し、背伸びに大口のあくびを添え、緩慢に己のポケットをまさぐった女性は、コードレスイヤホンを取り出し耳元に近づけて、
「……あるぇ?」
スピーカーが、己の意図せぬタイミングで、すなわち己の耳からまだ十数センチ離れた距離で、
すでに、シャカシャカ音漏れを発している事実に、数秒固まった。

コミックやアニメのコメディーシーンよろしく、目が点だ。途端フリーズの解除された彼女はイヤホンをデスクに放り投げ、瞬時に起立して椅子を後方に押しやり、
胸ポケット、
腰ポケット、
スラックス、
内ポケットの順に、バッ、バッ、バッ、ササッ。
キレのある動きと布擦れの音で、隣に座る同僚を瞬時かつ継続的にポカンせしめた。

「わたし、スマホ、どこやったっけ」
無論、自分の、プライベート用端末のこと。
緊急事態発生である。予想が正しければ、彼女のスマホは数時間、無駄にバッテリー残量を消費していたことになる。
充電今残り何パーセント?!

「最後に使ったのはいつだ」
良くない予感に血の気が引いている女性の顔を、その蒼白具合を、
彼女と長年共に仕事をしている先輩、藤森のジト目が観察している。
「何で使って、誰の目の前で、どこに置いた」

「それが分かってたら苦労しないって」
ブリーフケースをひっくり返し、アンティークブックデザインのシークレットボックスを開けても、目標物を発見できなかった後輩。
床に落とした可能性を閃きデスクの下に潜って、
「………いっッたぁ!」
出てくる際、盛大に後頭部をぶつけた。
「あー、もう、ツイてない」

憐れな隣席の個人的同僚を、一緒に探してやるため席を立った職業的同僚は、
向かい席の乾いた咳払いに呼ばれ、
すなわち藤森がチラチラ見ている視線、その向こうをつられて見遣って、
気付き、注視し、メガネをズラして二度見して、
小さく数度頷き、席に戻った。

何故隣部署の主任が己の席で彼女のスマホを振り、『わすれもの』の口パクをしているのだ。

後輩による懸命の捜索は続く。
来客用のソファーの隙間、たまに落書きしてバレる前に消すホワイトボード、先輩が慣習惰性で世話をしている観葉植物の植木鉢。
「土曜日だもん」
後輩は言う。
「遠い距離は移動してないから、確実に、近くに」

そうだね。「確実に、近くに」あるね。
「遠い距離」じゃないね。
ジト目の藤森と、ニヨニヨイタズラに笑う隣部署の主任とを交互に見ながら、
スマホ捜索継続中の隣人を見る同僚は、くちびるを真一文字に、きゅっ。
「おい、宇曽野」
藤森が隣部署の主任を、つまり己の親友を呼んだ。
「分かっているとは思うが……」
大丈夫大丈夫。安心しろ。
そもそもパスワードを知らん。
主任は万事心得ている様子で、ぷらぷら右手を振り、
こっそり、後輩の目につきやすい、違和感も不自然も無く近い距離のテーブルへ、
彼女のスマホを、パタリ置いた。

Next