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距離

隣の席のあの子との...

隣の席のあの人との...

温もり一つ分の間が いつも埋まらなくて
縮めたい気持ちもあるのに...

勇気が出せなくて...

僕は、あの子が友達と喋っている時
いつも 本を読んで 窓際に視線を置く

私は、あの人が読書をしてる時
横を向かない様に 友達の話しに
集中する。


でもある日... 
「ねえ 君いつも何の本読んでるの?」

私の友達が 私と喋ってる途中に
あの人に話し掛けた。

私の肩は、無意識にぴくりと上がる。

「別に... 只のミステリー小説...」

突然 話しを振られ 僕は、
おもわず素っ気なく返してしまった。
横を向くとあの子と 目が合いそうだった
ので 自然 目線は、あの子の 
友達の方を向く

「あっこの小説ってあんたが好きな
シリーズじゃ無かった
確かあんたも読んでたよね!」

友達が 私に話題を振る
私は、いっぱい いっぱいで...
「う うん、」と首を馬鹿みたいに
縦に振る事しか出来ない...



あの子が頷いたのを横目で見て
僕は、思わず 肩を小さく震わせた。

当然だ あの子が好きだと
横で話していたのを聞いていたんだから...
だから 読み始めたのだから...

途端 あの子と  あの人と 
目が合った。


僕は...
私は...


「「あのっ!!」」
声が重なった。







それから...僕達が... 私達が...

どうなったかというと....


一緒に 図書館に出掛ける距離までには
到達した。・・・・

12/2/2023, 5:56:22 AM