『誰よりも、ずっと』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
離したくないならそう誓えばいい、なんて身も蓋ないことをうっかり口にしそうになる。そんなこと、できたら今頃とっくにしていただろう。できないからこの人も不安なのだ。抱き込んだまま動かないその背中に手を触れる。たった一人のためにこんなふうに思い悩んで、随分と生真面目なことだ。思われる側として何か一つ、報いた方がいいのだろう。耳元に顔を寄せる。せめてこの次が確かにあるように、こちらから誓いを立てた。
(題:誰よりも、ずっと)
【誰よりも、ずっと】
「ああもう!」
大声を出すと、隣の部屋に迷惑だから出せないけれども、気分としたら叫びたかった。帰宅後早々に、ジャケットと鞄をクッションに叩きつけ、座り込む。膝を抱えて座ると、段々目元に水分が増えてくる。
自信はあった。
昔から憧れていた仕事のコンテスト。人一倍、誰よりもずっとずっと、勉強して自分なりに応用して、個性もそこそこ出して。
選ばれたのは他の人で。
(私よりも、他にも同じようなのあるし個性もないあっちが選ばれるの?何で?)
(自分がやってきた努力の時間は無駄だったの?)
(ただ単に、才能がないだけ?)
頭の中、ぐるぐるしてくる。涙が止まらない。
(よし)
どれだけ泣いたか分からない。でも、座っていたら尻が痛い。だから。
「一人カラオケでも行くか」
そして、隣の部屋を気にせず叫んでくるのだ。
そして、もう一度頑張ってみるのだ。
誰よりも、ずっと。
誰よりもずっと君の事を心配しているし、思っている。大丈夫。君は一人ではない。
目を開けば、
そこにいるはずだった『誰か』。
大切な、
何よりも大切だったその『誰か』は、
もうそこには居なかった。
思い出そうとすればするほど、
『誰か』の影は遠く離れていく。
貴方が、離れていく。
名前も顔も覚えていない大切な貴方が、
私のそばに戻ってきてくれる。
それだけでいい。
あの頃の様に、そばにいてくれるのなら、
それで十分だ。
貴方が還ってくるのを待ち望んでいる。
誰よりもずっと、この先も。
『誰よりも、ずっと』
誰もよりも、ずっとあなたの手を握っていた。小さいこの手が少しずつ大きくなるを感じて、手を離しても元気に走り出すあなたの後ろ姿を見つめて。
いつまで私はあなたの手を握っていられるだろう。いつまで、あなたの後ろ姿を見てられるのだろう。でも、誰よりもずっとあなたの幸せを願っている。
詩乃
傷を癒すみたいに控えめな愛し方をしてきてしまったせいできみといっしょに幸せになる想像ができずにいる
教科書に書かれた「ままならない」という表現をみて、今の自分にピッタリだと思った。そうまさに、ままならない状況が続いている「澤村、聞いてる?」「あ、あぁ、すまん」心ここに在らず、気にしているのは目の端に映る幼馴染の姿、見たことのない男子生徒と何やら話をしている「いや、どうなのかな、わかんないけど」会話の端が聞こえ、困っている様子が伺える「そこをなんとか!」「う、うーん、私そういうの苦手で」「なんの話だ」「っ、大地!」思わず間に入るも相手の男はさっきまでの笑顔は何処へやら、引き攣った頬が痙攣気味だ「俺が話し、聞こうか」「い、いや、すみません!出直します!」一目散に廊下を去っていく男に悪態をつく「出直さなくていいっつーの」「大地、顔こわいって」「助けてやったのにその言い方か?」「それは…どうもありがとう、とっても助かりました」「素直でよろしい」これまでは無意識に彼女の頭をぽん、と撫でていたのが、最近は自分がズル賢いと思うくらいには計算してやっている「なんだか急に2年生から声かけること増えたんだよね」「西谷とか田中あたりに言っておくよ」「いやいや、大丈夫!この間も縁下くんが気にして声かけてくれて、助かったんだ」伏兵は味方にあり、と言ったところか「そうか、縁下が」強かな奴め「大地が幼馴染でよかった〜」当の本人は無邪気に愛想を振り撒く達人だ。このセリフも何百回と聞いてきた、もはや傷つきもしない「俺はそろそろ幼馴染、飽きてきたけどな」「飽きるとかある…?」「はぁ…お前ってさ、本当にこういう時気が利かないよな」それはいいよ、そのままで、なんて今言うつもりもないけれど「まあ、気にしなさんな」最後は俺が全部掻っ攫うから。
誰よりも、ずっと
メイコさん あの生き方か 素晴らしい
ありがとう 八代亜紀さん あの笑顔
ご冥福をお祈りします
空より
『誰よりも、ずっと』
誰よりも、ずっと、考えている。
言葉の意味と、響きと、リズムと、ビジュアルを。
すべてを同時に満たすとき、初めて文章は成立する。
そんなことはなくて、どれかしらを大事にして、その代わりに他のものは少し見捨てられる。
それで良くて、むしろ、だからこそ、言葉にその人の癖というものが見えるのだ。
愛に飢えてるし
渇いてるし
満たされない
愛されたい
愛がほしい
愛がほしかっただけ
変わらない
ずっと
『誰よりも、ずっと』
村の西側にある竹林のさらに奥。
そこには美しい鬼が棲むという。
かつて、災いから逃れるためにこの近辺の村では人柱が立てられた。災いをよく防ぐ血の流れが生まれてからはその一族を村の外れへ追いやり人では亡きもの、神への捧げものとして扱った。
時には災いを降ろしてほしいと祈るものもあるという。
鬼には文字通り血を分けた兄がいる。
誰よりもずっと、それはそれは大事にしているのだそうだ。
僕はヒーローを生まれてこの方誰よりもずっと愛している。
それはこれからも変わることはないだろう。
誰よりも、ずっと
何かを極めるのは、実に難しい。
研究者はその最たるものではなかろうか。
人間関係では、夫婦もこの類いだと思う。
友人やビジネス関係とは違って、ケースによっては直ちに切ることはできない婚姻関係。
誰かひとりと添い遂げようとする人々を、心から尊敬するばかりである。
「誰よりも、ずっと愛してる」
分かりやすい嘘。
そんな分かりやすい嘘に、また騙される。
誰よりも、ずっと、あなたのそばに居る。
だから、私の傍からいなくならないで。
お題『誰よりも、ずっと』
会社から帰る途中、急にうしろからハンカチで口を覆われて意識を失って、気がつくときらびやかな部屋の中にいた。天井からまばゆいほどのシャンデリアが吊るされてて、床はチェスボードみたいな柄。
私は今までベージュのスーツを着ていたはずなのに、なぜか今は黒いドレスに着替えさせられている。
知らない内に着替えさせられてたっていうだけでも異常なのに、私の目の前に四人のタキシードに身を包んだタイプが違うイケメンが跪いて並んでいる。それにすこし右に視線を向けると、黒服を着たこれまたイケオジがマイクを持っていた。
「おや、お目覚めですか」
「あの、ここは……」
「おめでとうございます! 貴方は、クイーンオブバチェロレッテに選ばれました!」
「え、くいーんおぶ……? へ?」
「貴方は、日本全国の働く未婚女性の中から無作為に選ばれたのです! 日頃、頑張っている貴方に対するご褒美ですよ。さぁ、好きな男性をお選びください!」
なにこれ。
率直にそんな感想がわく。そんなもの聞いたことがない。困惑しているうちに司会者のおじさんが勢いよく手を男達に向けた。
「さぁ、自己紹介を!」
すると一番左にいた男が顔を上げた。細身で日本で一番ファンが多い某事務所にいそうな男だ。
彼は見た目のイメージを裏切らない爽やかな声で自己紹介した後、
「誰よりもずっと、貴方を幸せにします!」
と、手にした花束を差し出してきた。
「は、はぁ……」
状況が理解できない。いや、したくもない。もはや脳が考えることを拒否し始めている。そうしているうちに他の男達――長身の胸板が厚いスポーツマンタイプ、眼鏡をかけた細身の官公庁に勤めてそうなタイプ、金色の髪を七三に分けたいかにもお金を持っていそうなタイプ。
それぞれの男が私に花束をさしだしながら
「誰よりもずっと、貴方を幸せにします!」
と叫ぶ。これがもしイケメンが好きな女ならテンションを上げながら迷うところだろう。だが、私は違う。よく知りもしない男から、私のことを知らないくせに「幸せにします!」と言われても恐怖でしかないのだ。
男達が一歩ずつ花束を差し出しながら近づいてくる。私は、息をついてベロア生地の高級そうな椅子から立ち上がった。多分、この状況を打破するにはこの中の誰かの手を取るしかないみたい。
「と、とりあえず一人ずつお話しませんか?」
「誰よりも、ずっと」
認められたかった
愛されたかった
愛したかった
「誰よりも、ずっとあなたを望んだ」
日々は残酷だ。
時が経つにつれて、人はあなたを忘れていく
神は残酷だ。
どれだけ苦しんでも幸せにはしてくれない。
誰よりも、ずっとあなたは努力していたのに
あなたは、報われなかった。
誰よりも、ずっとあなたを知っていた。
―――だからこそ
辛かった―――
誰よりも、 ずっと…
愚かにも散る花びらを集めゆく
伝えなかった言葉の数を
誰よりも、ずっと
誰よりも、ずっと愛してる子供達へ
このアプリを書き始めて、最初は読んでくれる誰かのお気に入りを意識して書いていた…
でも今は…いつか私が居なくなった時に子供達に読んでもらいたくて書いてる…
「あーママはこんな風に思ってたんだな…」といつか読んでもらいたい
「誰よりも、ずっと」
幼い頃から寝る時はいつも一緒のうさちゃん。
貴女はぬいぐるみだけど、かけがえのない存在なの。
誰よりもずっと私は彼女を知っているはずだった。
そんな彼女に恋人ができた。
おめでとうって一緒に喜んだ。
誰よりも、ずっと彼女を見ていたし近くにいたから。
そのうち彼女は私を優先することが少なくなった。
悔しくて悲しかった。
自分の中で黒い感情が生まれたのがわかった。
いつの間にか欲深くなっちゃったな...。
誰よりも、ずっとあなたの隣に居させてよ。
─────『誰よりも、ずっと』