『誰よりも、ずっと』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
遂に答案が返却される。
テストを受けたときの感触は悪くなかった、むしろ良かったとさえ思う。僕は、先生から名前を呼ばれるのを静かに、だが心の中では緊張しながら席で待っていた。クラスにいる誰よりも頑張ったと自負しているし、前回のテストからずっと頑張り続けたのだ。
加藤が呼ばれた、もうすぐ僕だ。
やるべきことはすべてやり尽くした、今は結果を待つだけ。答案を受けとり、点数に目をやった瞬間のことを想像する。
大丈夫だ、絶対。
心の中で言い聞かせつつも、腹の底から恐怖が込み上げてきているのがわかる。口の中は唾液で満ち今にも泣きそうだったが、誰にもばれていない。
そして、その時が来た。
誰よりも君の前に座ってきたからわかるんだ。
君が誰より努力してきたこと。
「参りました」と安心したように言う君が、僕の前に座ることはもう二度とないこと。
そういえば、君と目が合うのはいつぶりだろう。
[誰よりも、ずっと]
誰よりもずっと見てきた。
動くものも、動かないものも。
移ろうものも、停滞したものも。
時に見守り、時に手を貸し。
人が来て。去っても。
ずっと見てきた。
だから、誰よりも分かっている。
誰よりも思っている。
この世界、そろそろ終わらせないと。
「『誰よりも、ずっと』君を知っているよ」
「例えば?」
彼に私のことどれくらい知ってる?と尋ねてみた。ただの好奇心で客観的な事が知りたくなったのだ。自分だとあまりに思い付かなくて。
「優しくて感情移入しては泣いてしまうところ、好きな食べ物は最後まで残して俺に分けてくれるし、良いことがあると真っ先に話してくれるね。怖い時は俺の服を握ったり。そうそう、この間は俺の服を着て寝ていたっけ」
ぎくりとする。体格差がどれほどあるのかシャツを当てるだけでは実感が薄くて着てみた時のことだ。彼が泊まる用に何着か私の部屋に置いてあって取り出した。ダボダボで、着た瞬間に彼の香りに包まれて安心してしまい気が付いたらソファで寝ていた。起きたあとすぐに脱いだというのに彼は私が寝ている間にやって来て出ていったんだと知った。機嫌が良かったのはそういう…。
「爪はいつも綺麗に整えられてるね。…あ、背中のくびれ付近にホクロがあるよ。あと足の付け根にもあって、すごくセクシーだ」
私の知っている部分と知らない部分が次々出てくる。ホクロがそんな所にあったなんて知らなかった。しかもそれって彼に体の隅々まで見られているという意味で。私が知っているのは彼の項にホクロがあるというくらいなのに…
「も、もう、大丈夫…」
「それに自分から聞いたのに恥ずかしがるところに…」
「もういいってば…!」
彼の口を思いっきり抑えた。もごもご言ってる…。まだあるの?ぱっと手を離した。すると私が逃げないように力強く抱き締めた。
「っぷは…。君が思う以上に知ってるつもりだよ。自分の事が分からなくなったらいつでも聞いて。誰よりも君を見てる自信があるから」
誰よりもずっとあなたのことを思っていたのに。
なぜあなたは他の人の方へ行ってしまったの?
私ではいけなかったの?
私と一緒に
死んではいけなかったの?
私はあなたと死ぬはずだったのに。
どうして。
私と死んでくれなかったの?
一人で死んでしまったの?
私も一緒に連れて行ってよ
あの人の走りはまるで風だった。雲を払い、地に光を与える力強い風。けれどその風はどうしてか、いつも辛そうに眉を歪めて走る。
あの人は毎日誰よりも早くグラウンドに来て、走っている。辛そうに眉を歪めて。
グラウンドから教室に戻っても、電子端末を見つめ、眉間にしわを寄せている。クラスメイトたちが話しかけるのを躊躇っているけど、本人はそんなことよりも端末の中のニュースに夢中だ。
『天才少年、男子高校生新記録!』
踊る文字は彼が走っても走っても追いつけない選手だった。
誰よりも速くて、誰よりも努力している彼は、もっとずっと速い天才に、勝とうとして歯を食いしばる。今も、頭を振って、椅子に座って脛のトレーニングを始めた。教室の片隅で自分と、あの天才と、戦っていた。
僕にとっては、彼の走りが誰よりもずっと綺麗で速いのに。
どうか君が、またあの頃のように誰よりもずっと走るのが好きでたまらないって顔で走ってくれたらと、小さく祈る。
『誰よりも、ずっと』
誰よりも努力して、誰よりも時間を尽くしたらどんな事でも上手になれる。
そんなことわかってる。でも、それが出来ない。自分に甘いことも分かってる。成功してる人はそれを乗り越えた人しか居ないから。
私も努力を重ねて頂上で笑える人になりたい。
初めて母になった日
テレビでよく見る
ドキュメンタリーの
子を守る雌ライオンの姿を思い出した
エジソンや
アインシュタインよりも
凄いのは母だと思った
そして
その母業を
誰よりもこなしていたのは
私の母だったことに
ようやく気付いた
だからこそ
お母さんの味噌汁は
誰よりも美味しいんだよなぁ
𓏸︎︎︎︎𓈒 𓂃誰よりも、ずっと
誰よりも、ずっと
幼い頃からそばで見てきて知っている。
君のその目が本当で本気だって事を言っている。
夢か現か、僕の妄想がついに被害妄想までこじらせたのかと、そんな事が頭を過ぎる。
ぎろりと睨むその目は返事の催促。
本当にいいの…?
返事にならない、返事の言葉が口から小さく溢れた。
察した君が乱暴に僕を包み込む。もう夢でもいい、この温もりは気付いた時からずっと望んでいた温かさ。
君の隣で僕は誰よりも、ずっと君を見ていた。
僕の隣で君も誰よりも、ずっと僕を見てきた。
だからほんの少しの言葉で仕草で伝わってしまう。
僕も君が好きだ。
『誰よりも、ずっと君が好きだよ』
そう言いたかった 春の通学路
今は もう真新しい 制服に変わって
名も知らぬ 新しい人達が 歩き行く
僕はただ
過ぎ去りし時を
まぶしそうに見つめながら
ただ さくら吹雪のなか
記憶の中で 楽しげに笑う
君を 思っている
#誰よりも、ずっと
少なくとも周りよりはと
自分のことを褒めてみる
いつも、不安がって必死こいてる
だから、またまだとこれからだと
追い詰めて思い詰めている
強く描く未来だからこそ
なにかに駆られて生きている
でも、そんな人間
取っ付きにくいし生意気だし
誰よりも、ずっと
「誰よりも、ずっと」
誰よりも、ずっとずっと
深く深く愛していると囁きながら
震える手に光るナイフを持ちながら
愛する男の胸を刺す
これで永遠に私のものと夢にみる
今夜も帰らぬ男に涙して
哀れ女の夜は更けてゆく
こんなにも誰よりもずっと貴方だけを愛せるのは、私だけだよ?ねぇ、もっと私という大きな大事な存在に気付いてよ…これからも誰よりもずっと貴方だけを愛すわ…
この前大学行って授業受けててん
グループワークで自分とあと男の子が2人の3人グループ
で、そんなに話したことないけど
知ってる子やから普通にしゃべっててん
そしたらな、1人の男の子が(Kくん)ちょっと名言っぽいことを呟いたんやんか
そしたら呟いた子じゃないもう一人の男の子(yくん)が
『めっちゃいいことゆうやん、俺女やったら惚れてたわ』
って言ってん
そしたらKくんが自分に
『なぁ、惚れた?』
って聞いてきてん!
めっちゃ仲良し!みたいな子じゃないから首振りにくくて
自分、めっちゃ縦に首振ってん笑
正直、名言っぽいことを呟いた事より
『なぁ、惚れた?』
のほうが自分にはグサッときて
ちょっとかっこよく見えたりして笑
そしたらさ、yくんが
『幸先いいな』ってkくんにゆってて笑っちゃった笑
別に冗談で言っただけやろうけど
今週もグループワークあるからちょっと楽しみ!笑
(誰よりも、ずっと)
テーマ《誰よりも、ずっと》
今日は春休みが終わり、始業式が始まる。
私はまだ、貴方を諦めきれていない、、それがよく実感できる。
中学で好きだった貴方。
私が勇気を出せなかった。
それが今更後悔に変わったあの日を
誰よりも、頑張った
誰よりも、努力した
誰よりも、力になった
でも、愛されなかった
誰よりも、悩んでいた
もう、疲れたよ..
#誰よりも、ずっと
あたしは誰よりも、ずっと頑張ってきた。
挫けそうになった時も、
自分を鼓舞して、
ただひたすらに努力を積み重ねてきた。
人一倍努力を怠らなかった。
……今のあたしなら、できる気がする。
目の前にある目標を達成することが出来るかも。
――I can do it.
〜誰よりも、ずっと〜
誰よりも、ずっと
四月になり、桜も咲いて、街では制服に身を包んだ中高生を見かける機会も増えた。
新年度の幕開け⋯⋯新型コロナウイルスの影響でマスク生活が当たり前になり、対面授業が減って友達や先生とのコミュニケーションが減ったのは仕方の無いことだろう。
でも、今年からは、マスクを外す機会も増えるとの事で、お互いの表情を見ながら会話が出来そうだ。
誰よりも、ずっとこの時を楽しみにしていたのは、私だけじゃない、皆んな不安もあるだろうけど、表情を見ながら会話することが嬉しく感じているに違いない。
「ねぇ、また|涼香《すずか》と同じクラスだね! また宜しく」
「うん、宜しくね|麻衣《まい》」
高校の入学式に前に発表されたクラス分けの表をみて、親友の麻衣が嬉しそうに駆け寄ってきた。
「あっ、でもさ、私コミュ障なんだよね」
「えっ、麻衣ってコミュ障だっけ!?」
私と会話する時、そんな事気にもなったことが無かったのに、突然そんなことを言ってきた。
「確かに、涼香となら上手く話せるんだけどさ、やっぱり他の子とはね⋯⋯」
「そう言われると、私も不安になってくるなぁ⋯⋯」
何かで読んだけど、コミュ力が高い人=おしゃべりな人では無いって書いてあったのを読んだことがある。
コミュ力って難しいなぁ⋯⋯。
そのことを麻衣にも話す。
「うん、うん、で、コミュ力高い人は、次に、どんな会話が来るのか予測して、機転のイイ返しをする事が出来るって⋯⋯それって涼香が言ってるのは、お笑い芸人の返しってことじゃん!」
「ま、まぁそうかもしれないけど⋯⋯」
「涼香の言ってるのって、私達にも必要なのかな?」
「分かんないけど、ツッコミが上手くなるよ!」
「もう、だから、ツッコミは要らんよ!! お笑い芸人目指したいわけじゃないんだからさ」
「麻衣ちゃん、確かに要らんね!! えへへ」
何かちょっと違ってしまった⋯⋯。
「会話はキャッチボール」って良く聞くから、コミュ力に必要なものって、相手の投げたボールを直ぐに打ち返すことなのかもしれない。
今度はそのことを麻衣に話した。
「成程、涼香イイ事知ってるじゃん、コミュ力高い人は相手との会話を繋げる為に、直ぐに答えを打ち返すのがイイってことなわけだね」
「うん、うん、その通り、相手の質問に考えてから答えるんだと、話聞いてんのかなって変な空気作っちゃうから、直ぐに打ち返せば会話が続くらしいよ」
「それなら出来るかも、じゃぁ、今度から実践してみるよ!!」
「うん、それがイイね。 私も実践してみる」
こうして、私達はコミュ力に不安を抱いているせいで、学校の帰り道この話で盛り上がった。
まだ学校二日目、人生の主役は自分自身なのである。
インターネットやSNSを使いこなしている世代だけど、実際会って話す機会が減ったのだから、リアルなコミュニケーションに苦手意識を持つのは当然かもしれない。
どれだけ他の人が優れていても
誰よりも、ずっと
私は私を愛していきたい
─────『誰よりも、ずっと』
誰よりも
愛されて
誰よりも
安らげた
誰よりも
側にいて欲しくて
誰よりも
心開いた
だから
誰よりも
信じるのが怖くて
誰よりも
許せなかった
何もかもが
誰よりも、ずっと
ずっと⋯
「誰よりも、ずっと」