遂に答案が返却される。
テストを受けたときの感触は悪くなかった、むしろ良かったとさえ思う。僕は、先生から名前を呼ばれるのを静かに、だが心の中では緊張しながら席で待っていた。クラスにいる誰よりも頑張ったと自負しているし、前回のテストからずっと頑張り続けたのだ。
加藤が呼ばれた、もうすぐ僕だ。
やるべきことはすべてやり尽くした、今は結果を待つだけ。答案を受けとり、点数に目をやった瞬間のことを想像する。
大丈夫だ、絶対。
心の中で言い聞かせつつも、腹の底から恐怖が込み上げてきているのがわかる。口の中は唾液で満ち今にも泣きそうだったが、誰にもばれていない。
そして、その時が来た。
4/10/2023, 1:23:12 AM