『言葉はいらない、ただ・・・』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
堕天
言葉の無い
この静けさは
狂気
私は溺れて
息ができない
この暗闇は
毒
私は蝕まれ
視力をなくす
光
一筋の光
こちらへおいで と
息ができずとも
目は見えずとも
肌を焼くほどの光
篝火と羽虫
炎に身を投じる 羽を持つもののように
それが絶望でも
私には それが唯一の救い
「すき」?
そんな言葉は要らないの
ただ、ただね
貴方が隣にいてくれる、貴方に触れられる
それだけでいいの、それがいいの
いらないと言っても欲しがるくせに
欲しいものがあるのなら
自分から伝えて
意味を為さないのは
つまらない意地
言葉なら
伝わるじゃないか
形に残るじゃないか
言葉はいらない、ただ・・・
リアルに届く
魂のエネルギー
それを
観た時
聴いた時
私は感動する
私に対しての
言葉が無くても
そのエネルギーを感じた時
自然と涙が流れる
心の底から溢れ出る
魂の叫びを感じるから
魂で受け取るから
ただ
それだけで
感動するの
【言葉はいらない、ただ・・・】
僕は、突然、奇病になった。
ニュースで最近よく見ていた。
身体にたくさんのツタや花が生えてきて、最終的には植物人間……言葉通りの意味になるって。
世界中で少しづつだけど増えてきてて、大問題になっていた。
戦争をしていた国も休戦するぐらい。
花には種類があった。
綺麗な無害な花から毒々しい花まで。
僕のは、毒の花だった。
真っ白な毒の花。
花びらを触るとピリピリした。
花粉は、なぜか飛ばなかったし指で触っても何もなかった。
短いツタは、毎日少しづつ伸びて、そのたびに、ビリビリと電気が走るぐらい痛い。
家族全員で僕の看病をしてくれた。
兄ちゃん姉ちゃんも身の回りをしてくれた。
でも、僕は、家族がだんだんと疲れてきてる家族を見るのが、辛かった。
ある日、テレビをぼーっと見ていたら、奇病を治す薬が出来たかもしれない。ってニュースで流れた。
でも、問題があって、その薬を使うためには治験をして安全だってわかってからじゃないと厳しいみたい。
もちろん、治験対象者は奇病患者。
もし…もし、治験が上手くいったら、家族全員喜んでくれるかなって思った。
さっそく、治験に参加しますっていうメールを兄ちゃんに送ってもらった。
両親に、病院へ行って入院手続きをしてもらった。
姉ちゃんに入院生活に必要な物を買ってきてもらった。
……本当に、僕は、何も出来ないなって思った。
入院当日、僕の花は増えて、ツタも伸びてて…歩くだけでビリビリと痛い。でも、こんな症状でも、薬で治ったらみんな救われる。
遠くからの視線に気になった。
でも、僕が見ると嫌な顔するだろうなって思って、聞き耳立ててみた。
〝見て。奇病よ。〟
〝男の子なのね。でも、毒の花みたいよ。〟
〝実験は、あの子だけど…治験はあの子なのよね?〟
実験?治験じゃなくて?
〝薬、間違えないようにしないと。〟
〝そうね。私も気をつけるわ。〟
そう言って、どこかに行ってしまったみたい。
実験って……ここ、なに?
色々と考えてる間に、病室の扉が開いた。
真っ赤な花……毒あるのかな?
あってもなくても、率直な感想で綺麗だなって思った。
〝入って。今日からここが貴方の部屋です。〟
そう言って、力強くバタンと扉が閉まった。
乱暴だなって思った。
しばらくの沈黙。
僕は、
『……君も奇病患者さん?』
…なに、当たり前なことを言ったんだろう。花が身体から生えてるなんて、奇病患者さんしかないのに。
女の子の方を、ゆっくりと顔をあげて見る。
やっぱり、綺麗な花。
『ぁ、ごめんなさい。嫌だよね。黙るから。』
そう言うと、女の子は、慌ててメモに何かを書く
「大丈夫です。声出ないだけです。」
と書いた。
初対面で嫌われたかと思った僕は、ホッとした。
『僕は、ミナトっていいます。突然、こんな感じになって…すごくびっくりしたんだ。』
僕は、誰かと話すのは久しぶりで、嬉しくなっちゃって、色々と話した。
『僕ね、高校2年の終わりに突然なって。家族全員、心配してくれた。けど…さっきの…最後に見た家族ね、疲れた顔して、安心したような…そんな顔してた。僕、本当はいらないんだなって思った。』
言い終わったあと、家族の顔が思い浮かんだ。本当に、申し訳ないな…。
その話を聞いて、女の子も、メモに書き始めた。
「私は、家族に捨てられた。最初は…産まれた時は、つぼみのような感じだった。5歳頃には、もう真っ赤な花が咲いていた。その頃には、声も出なくなった。養分とられてるのかなって思う。けど…もう、いいや。生きるの疲れた。」
この子は…生まれつきなんだ。
家族に捨てられて、この病室でひとりぼっちだったんだ…
そう思うと、僕は、涙がとまらなかった。
少しづつ、少しづつ、落ち着いて…
『ごめんなさい…つらかったよね。さっき、看護師さんや先生が言っていたのは、君なんだね。』
「悪口?」
女の子は、即答した。
僕は、また泣きそうになりながら
『そう…なのかな…。あのね、もうひとつ、聞こえたことがあって…僕、昔から耳がよくて……君、実験されるって本当?』
「初耳です。でも、あなたが助かるなら、実験されてもいい。誰かの役に立てるならそれでいい。」
『そんな…僕の方が年上だよ。君には、もっともっと生きてほしい。』
これは、本音だった。
この子には、少しでも長く、生きてほしい。
そう思って、気になったことを聞いてみた。
『君は…君の花は、毒があるの?』
「無い。」
『じゃあ、僕の方が実験に向いてるよ。僕の花は毒があって、進行も早い。だから…』
あ……失礼なこと言ったよね。
ごめんね。ごめんなさい…
はやく治験始まらないかなって思っていた夜中。
ツタが動いた。
『うぅぅぅ……はぁ…はぁ………』
ビリビリする…痛い。苦し……
シャッと隣のカーテンが動いた。
あ…怖がらせて、ごめんね。
見ないで…ゆっくり……寝て…
そんなことを思っていたら、女の子は、慌ててナースコールというものをとって、マイクの部分に指をあてて、2-5-2とコツコツと叩いた。
2-5-2って……たしか、SOS?
いい子だな…声出ないのに、ちゃんと助けを呼んでくれてる。
すぐに看護師さんが来てくれた……と思ったら、叫び声をあげて逃げた。
当たり前だよ。
これは、僕でも、びっくりする。
女の子が心配そうな顔でこっちに来たから、慌てて声を絞り出した。
『来ないで………はぁ…はぁ…あと…看護師さん呼んでくれて、ありがとう……これは、もう少しで…終わるから……迷惑…ごめんなさい…』
そう言って気絶をした。
奇病じゃなかったら…奇病が無かったら、僕と女の子は、友だちになれたかな。
夢を見た。
あの子に花がなくて、幼いけれど、ちゃんと声が出てて…僕と一緒に遊ぶ夢。
「ミナト、一緒に遊びたい。」
『うん。遊ぼう。』
翌日、僕の声は出なかった。
でも、
『君とお揃いだね。』
と笑顔で紙を見せた。
僕の身体は、ツタが多くなっていて、ツタにいくつか蕾がついていた。
たくさん養分取るのかなって思った。
女の子が悲しそうな顔をする。
だから僕は、何もないよって言いたくて
『心配しないで。僕は、大丈夫。』
って書いた紙を女の子顔の前に見せた。
そして、また、笑った。
その後、女の子と仲良くなった。
女の子の名前は、無いって言われたから、僕と女の子で女の子の名前を考えた。
外に出たことがないって言ったから、外の世界を教えた。虹は見たことあるみたいだけど、オーロラを知らなかったみたい。今度写真でもいいから見せよう。
海を教えた。
「飲めない水なんて…そこで遊んでるなんて、変なの。」
と言って、2人で笑った。
少しづつ
少しづつ…
たくさんの思い出を作った。
絵を描いた。
お手製の絵本を作って2人で笑った。
そして3年後、僕は、動くことが出来なくなった。
治験、結局、ダメだった。
花やツタは動き回っていて、僕の養分をとっているみたいだった。
僕は、動ける片目でちらっと見て、泣きそうになる顔をよしよしできなくて、ごめんねって思ってた。
その1ヶ月後、僕は、ただの草花になった。
言葉はいらない、いらないから…ただ、アカリの声が手のひらのぬくもりが笑顔が、恋しい。
言葉はいらない·····ただ
黙って傍に居て欲しい
そんな人欲しいと思ったことありませんか?
うちの息子は母の日や私の誕生日に
プレゼントをくれる
はい、プレゼントと言うだけで
ありがとうやおめでとうなんて言わない
きっと照れ臭いのかな
一人暮らしを初めてからは何も言わず
プレゼントを送ってくれる
私はその気持ちだけで嬉しい
言葉はいらない、ただ、、、
たまには声を聞きたいな
『アイドルなんて無理だ』
そう言われ、家を飛び出て早数年
いまや、アリーナでツアーが出来るほどに人気になっていった
そして、いわゆる地方と呼ばれる僕の地元でも初めて公演が組まれた
あの日から、家族には連絡も近況報告も一切して来なかった
まだ小さかった妹は、お兄ちゃんが突然居なくなってどう思っただろうか
そんな事を思い出したりしながら
刻一刻と開演の時間は進んでいく
公演の幕が上がる
《みんなを笑顔に》をモットーに歌って踊っていたとき、ふと目にはいった光景に
『嘘だろ』
思わず、心の中で声がでていた
そこに居たのは紛れもない家族だった
いわゆる、関係者席でも無い、一般席に
メンバーやマネージャーさんに「せっかくだし、関係者席用のチケット送ってあげたら?」と言われたりもしたが、頑なに送らなかったのだ
だから一般でチケットをとったのだろう
応募しても当たるか分からないのに
特に親なんて絶対に来るわけない、そう思っていたから
だからステージの上から見つけた時、一瞬、時が止まったかと思った
外周でのパフォーマンス時には更にハッキリと見えた
妹の手に握られていた団扇には思わず苦笑いが出た
(そこはお兄ちゃんじゃないのかよ……)
どうやら妹の"推し"とやらは自分じゃないらしい
まぁ、楽しんでくれたら、笑顔になってくれれば、それでだけでいい
SHOWはまだまだ始まったばかりだ
最後には僕の方へ振り向かせてやる
いまさら言葉なんかいらないから
ただ、僕のことをみていて
舞台(ステージ)の上で輝く、ぼくを
『言葉はいらない、ただ・・・』2023 ,08,30
言葉はいらない、ただ・・・
「頭良いね」
「礼儀正しいね」
「いつも笑顔だね」
「すごい」
「さすが」
「今日も冴えてる」
日々、かけてくれる言葉。
「調子のってんな」
「ただの八方美人じゃん」
「アイドルがインテリぶるな」
「ムカつく」
「嫌い」
「出てくるな」
無機質で四角い、薄っぺらな小さな箱に並ぶ言葉。
どっちも見慣れた言葉たち。
優しい言葉。
厳しい言葉。
温かい言葉。
貶す言葉。
どれも同じ言葉だけど
受け取る時の感情は多岐に渡りすぎて
一喜一憂するのも疲れてしまった。
そんな時は言葉なんて投げ捨てて
心で接してくるあなたに逢いたい。
「ただいま」
「おかえり」
そっと自分を包んで、髪を撫でてくれるあなた。
温かな笑顔で微笑んでくれるあなた。
「仕事大変だったね。今日は俺がご飯作ったから」
何も言わなくてもそう言ってくれるあなた。
言葉なんていらない。
ただ分かってくれる、あなたがいてくれればそれでいい。
何も言わないでいい。そばにいてほしかっただけ。
「言葉はいらない、ただ・・・」
ああ、うるさい。うるさいな。
「黙ってきけよ」
ギャアギャアと鳴き喚く群衆が静まり返る。イラ立ちと憎しみを隠しもしない視線が俺を突き刺して、たった数秒のこの沈黙すら我慢できないとばかりにギラギラしている。誰かが舌打ちをしたのを合図にまたあちこちから怒号が上がった。
もはや誰にむけているのかすら分からないそれらを延々と吐き出すマシーンでしかない。なんて鬱陶しいのだろう。こいつらこそくたばればいいのに。
可哀想に。司会者が顔を青くして震えてしまっているじゃないか。警備隊ですら呆れ返って度を越しそうなやつだけを押さえるだけで他は無視している。
まあ、育ちだけはいいはずだから人やものを傷つけるほど浅はかではないのだろう。お上品な言い回しでも隠しきれない汚い欲が渦巻いているのが残念だ。
きれいな花に囲まれその中心で微笑む少女の遺影。
この場に遺体がないのだけが、薄幸だった少女にとって救いなのかもしれない。
『ねえ、黙ってきいてくれる?』
真っ黒な瞳からボロボロと涙をこぼしながら、やっと出てきた言葉だった。誰かへの恨み言でもなく、日常生活の愚痴でもなく、理不尽な我儘でもない。ただ自分の言葉をきいてほしいと懇願してきたのが最後だった。
俺は、ちゃんときけていたのだろうか。
【題:言葉はいらない、ただ・・・】
今日も彼を見つめる
好きな相手には
奥手になってしまうのが
私の下手な恋愛だった
すごく胸が締め付けられる、淡い淡い恋
私には
彼を見つめることができるだけで
十分だった
_2023.8.29「言葉はいらない、ただ・・・」
お腹がすごく空いて空いて仕方がない。ものすごく食べてしまった。そして辛いものがすごく食べたくなる。めちゃくちゃ食べちゃった
『言葉はいらない、ただ…』
「試合の時、脅迫されてた私はルール違反をした…」
「…」
「そのまま私は勝ってしまった…」
「…」
「本当にごめんなさい…」
「…」
「いらない」
「…え?」
「そんな言葉はいらない。ただ…」
「ただ…?」
「今すぐ私と勝負しなさい!正真正銘、正々堂々正面から!」
「…!うん!」
無言で眼をみつめ
強く抱きしめながら
深い深いため息をつく
何よりも貴方の感情が
私の中に溢れる
言葉はいらない、ただ・・・
私ね、画家になれるんだ。
私の絵を見たいって言ってくれる人がたくさんいるの。
私も、もっと私の絵に向き合わなきゃって思うんだ。
だから…、ごめん。別れよう。
水彩画家として大成するのが彼女の夢だった。
僕だって、絵に真剣な姿に惹かれたのだ。絵に向き合いたいという彼女を、引き止められるわけがなかった。
そうして、僕と彼女は会わなくなった。
それから二年後。とあるギャラリーに訪れた。
壁には一面、美しく繊細な水彩画。彼女の個展だ。
ギャラリーの奥で足を止める。
吸い込まれそうなほど深い森に佇む、可愛らしい猫と少女。隣は青く清い水をたたえる湖。どちらも彼女の優しい人柄が、見ているこちらにすごく伝わってくる。
…よかった。ずっと、変わらずにいてくれて。
ふと目を入口の方へ向けると、作者である彼女がお客さんの女性と話していた。二人とも楽しそうで…。彼女は、見ている僕に気づかない。
でも、それでいい。
僕への言葉はいらない。ただ、君は絵を描き続けて。
「言葉はいらない、ただ・・・」
あなたに触れられることを渇望していた
欲望のまま私を汚してほしいの
陳腐な言葉などいらない
ただあなたが欲しいの
【言葉はいらない、ただ・・】
長い言葉はいらない。
ただ…ただ僕のこと好きって、その一言だけ言ってくれないか?
言葉いらない…ただ突っ立ってるだけ…っ…至福の傍観…っ‼︎
ほんの一瞬のアイコンタクト。
俺達にはそれだけで充分。
別々の物陰から二人揃って躍り出ると、街中で刃物を振り回していた男が怯んだ。
一瞬の隙き、俺もアイツも逃がすなんてヘマはしない。
アイツが刃物を握る男の手を蹴り上げる。
宙を舞う刃物をカッコよく掴み取ったアイツが遠くへ投げ捨てた。
俺は男に足払いをかけて倒し、そのまま腕を捻りあげて、痛い痛いと喚く男の頭を叩く。
自業自得だ、と。
ギチギチに縛りあげた男を道に転がして、残り少ないランチタイムに二人して戻る。
フードトラックのホットドッグにかじりついて英気を養う、午後も仕事で今夜もきっと残業だ。
目と目で通じ合う、そんな歌があったっけな。
俺達はそういう間柄ってこと。
なっ、相棒。……え、違う?
テーマ「言葉はいらない、ただ・・・」