ほんの一瞬のアイコンタクト。
俺達にはそれだけで充分。
別々の物陰から二人揃って躍り出ると、街中で刃物を振り回していた男が怯んだ。
一瞬の隙き、俺もアイツも逃がすなんてヘマはしない。
アイツが刃物を握る男の手を蹴り上げる。
宙を舞う刃物をカッコよく掴み取ったアイツが遠くへ投げ捨てた。
俺は男に足払いをかけて倒し、そのまま腕を捻りあげて、痛い痛いと喚く男の頭を叩く。
自業自得だ、と。
ギチギチに縛りあげた男を道に転がして、残り少ないランチタイムに二人して戻る。
フードトラックのホットドッグにかじりついて英気を養う、午後も仕事で今夜もきっと残業だ。
目と目で通じ合う、そんな歌があったっけな。
俺達はそういう間柄ってこと。
なっ、相棒。……え、違う?
テーマ「言葉はいらない、ただ・・・」
8/29/2023, 1:27:55 PM