『視線の先には』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
・4『視線の先には』
Kの目力に負けて今しがた起きたことを白状した。
Kは
んだそのクソガキありえねー
と言い忌々しい、という表情をした。
じゃあ私は一旦着替えに戻るからと、来た道を歩きだす。
Kも何処へ向かう途中なのかは知らないが隣を歩く。
自転車を押しながら歩くとKにごく自然に交替させられた。
この自転車今日借りていい?とKがおもむろに言う。
私も今日はもう乗るつもりがなかったのでいいよとOKした。
Kは私の顔を見て得意そうな顔をして(なんでだ)
笑った。視線の先には何か企みがある気がしたが
あえて触れないでおいた。
Kはあっという間に何処かへ行ってしまった。
【続く】
《視線の先には》
今の現実を作り出したのは
それは自分自身
夢見た幸せは…ない
どこで間違えた?
わかば
━━━
《視線の先には》
私の隣にいる、あなた
並んで同じ時を過ごす
そんな未来を夢見て
あおば
_視線の先には
あたたかい貴方にいて欲しくて
友達と話していても
運良く一目みれないかなって
遠くの廊下をふと眺めてしまうの。
彼女の視線の先には、僕の親友がいる。
親友と談笑する彼女の瞳はキラキラと輝いている。
彼女は親友に恋をしている。
親友は彼女の想いに気づいていながら、応える気はまるでない。応える気がないのを彼女は分かりながら必死にアプローチをしているものの、実はまるでつかない。
「親友の想い人を奪う気はないよ」
まっすぐに告げた親友の言葉が心臓に爪を立てる。
僕の想いを勝手に勘違いした挙げ句、それを盾にしてのらりくらり躱そうとする親友が嫌いだ。
僕の想い人はきみなのに。
私が好きなのはあの子
あの子の視線の先は私じゃない
いつか…私にその目を向けてくれるかな。
お題「視線の先には」
君の視線の先には美しく儚げなひと。
わたしには決して向けられることのない眼差し。
向日葵を見ていた。
麦わら帽子をかぶった白いワンピースの黒髪ロングの美少女が。
ここは、ラノベの世界だっただろうか…?そう思ってしまうほど絵になっていた。
サーッと風が吹いて彼女の麦わら帽子が宙に浮く。
おれは思わず手を伸ばしてしまった。
「……すみません。思わずキャッチしてしまいました」
そう謝りながら彼女に帽子を差し出す。
「いえいえ、むしろありがとうございます」
ニコリと笑った彼女は何故か俺の手元を見て固まった。
「………変なこと聞くのですがお兄さん毎年この季節に出会ったことありませんか」
俺は思わず目を見開く。
「俺を知ってるんですか」
「はい。毎年向日葵の絵を描いている姿を見かけて気になっていました」
そう言われ急に恥ずかしくなってきた。なぜ俺は気づかなかったのだろうか。
「でも絵に集中して周りに意識されてなかったようなので……実は毎年あなたの絵を少し楽しみにしてました」
少しはにかみながら話す彼女に胸を射抜かれた。 これは、なんだ。
やたらドキドキ心臓がうるさい。顔が熱い。
なんだこれは
「…っ見られていたなんて…お恥ずかしいものを。でも何故か嬉しいです。ありがとうございます」
日本語がバラバラだ。あぁ、さっきまでは普通に話せていたのに。目の前の彼女から目が離せない。
「今年は…描かないのですか?」
少し上目がちに聞いてくる彼女に僕は苦笑いをこぼす。
「絵ばかり描いていたら親から怒られてしまいまして…昔から言われてはいたのですが。無視ばっかしていたらいよいよあっちも本気を出してきまして。唯一の娯楽まで取り上げようとしてくるんですよね」
ハハハと遠い目をして笑うと次の瞬間彼女の手が俺の手に重なっていた。
え?ナニコレ
「私は何も知らないですけど……でもやめちゃだめです。貴方の大切な存在で、多分曲げちゃだめなのが絵です。自分からは決して手放してはいけないと思います。あんなきれいなものを描ける人が」
真剣な目をして言われ俺は柄にもなく涙がこぼれるかと思った。
あぁ、そういえばだれかに昔も言われたな。
『あなたの絵、すっごくきれいねっ
私お金があったらいっぱい買っていたわ』
って。当日10歳だった俺と同じ年くらいの女の子にキラキラとした瞳で褒められたら、単純な少年は辞めようとしていたものだって続けてしまう。
そして、当時の少女と前の彼女は同じ瞳をしていた。あぁ…7年前の少女は彼女だったのかと気づいた。
彼女のあのキラキラとした視線の先には、おれの絵とおれがいた。
数年後
「ねぇ、ぱぱぁーママの絵をまいとしかいてるわよね。なんでここでかくの?」
「んーパパとママの大事な思い出の場所だからね」
「むぅーわたしもかいてよ!!いっつも絵はママばっか」
拗ねたように言う娘の愛らしさに胸がきゅっとなる。
向日葵畑のその中で、おれら家族は笑い合った。
向日葵だけだったその絵に彼女が、その中に娘が、息子が、娘が、孫が増えていくのだった。
#視線の先には
僕は君を見た。
君の視線の先にはどんな僕が写っているのだろうか、
そんなことわかるわけない。
だけど、今なら分かるんだ。君の目には美しい僕が写っているんだろう。
君を守る為だけにある僕の美しい手に、
移動して君に危害を加える人に近づく便利な足、
____あぁきっと君は僕に恋してくれているんだろう?
視線の先の景色は変わり映えのないものばかり
当たり前のものがうつっている
初めて見る景色、久しぶりに会う友達
目にも変化は必要だ
遠い未来のことに視線を向けていると
当たり前の景色に目を向けることはできない
変化を恐れず、当たり前を大切に
右を見ると高温で熱した
鉈のようなグレーの雲が迫ってくる
何?あの雲…初めて見た
数km走って右折した途端
大粒のぼたぼた雨
水煙で前が見えない
慌てて速度を落とす…怖い
無意識に息を止めていたので
軽く深呼吸
ようやく雨が小雨になってきた
視線の先には
天使が飛び交っているような晴れ間
ハァ…ホッとした
✴️93✴️視線の先には
あとがき
無事に屋外プールに到着
まだ彼女じゃなかった頃の彼女に、、
紫陽花のにおいの前の女の子
視線の先にはSNS
月に一度しか会えないあなたとの唯一の連絡手段
「視線の先には」
予備動作としてふみふみと動く前足、激しく振られる尻尾。まん丸に開いた瞳孔。茶トラの野良猫の視線の先には、羽繕いしている1羽のスズメ。
狙いを定めた野良猫は、身体を伏せる。音を立てず素早く近づき、一呼吸置いて、一気にスズメへ躍りかかる。だが、スズメとて易々と狩られる程、鈍くはない。華麗に野良猫の奇襲をかわし、追撃を与えんと高く跳躍した野良猫の両前足から、見事に青空へと逃げ切った。
着地した野良猫は、スズメが飛んで行った方向を見上げ悔しげに尻尾を振り回していた。やがて、何事もなかったかのように、野良猫はその場で横たわる。そして、いつもの平穏が訪れたのであった。
視線の先にあるものが
必ずしも僕と同じでない事に気づいた
僕にもそれが視れるかな?
視線の先には…
目の健康を気にする者たちだけが見ることを許される
あの気球とあの道が広がっていた
視線の先には
他の人の視線の先に
多分私はいない
いつも気にしてしまうけど
大抵は
その視線の先に
記憶の中に
私はいない
気にしすぎなのだ
誰も私を見てなんていないし
誰の記憶にも残らない
それは
自分をラクにするけれども
少しだけ苦しくもある
彼女の視線の先にはいつも僕の兄がいた。
僕の方が先に彼女に出会っていたのに
彼女は僕の兄が好きなんだ。
彼女を目で追っているうちに
彼女の視線の先に兄が居ることに気付いた。
苦しかった
悔しかった
彼女の視線の先は僕が良かったのに
─────『視線の先には』
《視線の先には》
今日は、幼馴染と買い物に来ている。
あまり表に感情を出すのが苦手な幼馴染に対しては、
こちらが察して動くことが大切だ。
随分長い付き合いである幼馴染の意図を察することは
俺にとっては朝飯前。
時々意味が分からない仕草はあるが、
97パーセントくらいは察知できる。
すると突然、幼馴染の目が星が散ったように煌めいた。
その視線の先には、猫カフェの可愛い猫の写真。
幼馴染は猫が好きだ。
よく意外に思われたりしているから本人は隠しているし、自分以外は知らないだろうけど。
幼馴染は自分にも隠しているつもりだから、
こちらも知らないフリをしている。
今日はこれから猫カフェに行くことにしよう。
「なぁ、ちょっと暑いからここで涼んでいかね?」
と猫カフェを指差した。
幼馴染は頷く。
でも、その目は抑えきれないほどきらきら輝いていた。
視線の先には
あなたと目が合わないことに心底安堵する。
「付き合ってください」なんて、死んでも言わないから、たまに盗み見するくらいは許してほしい。
【視線の先には】
あなたの視線の先には
私のいない未来がある
私の視線の先には
あなたのいる過去がある