NoName

Open App

彼女の視線の先には、僕の親友がいる。
親友と談笑する彼女の瞳はキラキラと輝いている。
彼女は親友に恋をしている。
親友は彼女の想いに気づいていながら、応える気はまるでない。応える気がないのを彼女は分かりながら必死にアプローチをしているものの、実はまるでつかない。

「親友の想い人を奪う気はないよ」

まっすぐに告げた親友の言葉が心臓に爪を立てる。
僕の想いを勝手に勘違いした挙げ句、それを盾にしてのらりくらり躱そうとする親友が嫌いだ。

僕の想い人はきみなのに。

7/20/2024, 12:39:05 AM