『視線の先には』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
目線の先には
君は今そんなに綺麗な瞳で今
何を見ているの?
その暖かい優しい表情で何を、
君の目線の先には何が、誰がいるの?
僕は分からないや君のことは何も。
カリッと揚がったコロッケに箸を入れる。ジュワぁと肉汁があふれて口の中に唾液が広がった。衣はサクサク。中はジューシー。肉厚な肉の甘辛い味つけ。
最オブ高。
揚げたてアツアツを頬張って幸せに首をもたげる。ほぺったが落ちるなんて誰が言い出したんだろ。言い得て妙な言い回し。ふと、向かい合って座るきみが目に入った。
ぼくと同じようにコロッケを堪能してしあわせそうに目を細めて。箸が口許から離れてむぐむぐ。
その唇が油分でつやつや。
薄くもやわらかい感触をしているそこが、あまつさえ艷やかに色を主張していて。肉感的に動いているのが目に入っちゃったの。
やゔぁい……めっっっちゃ見ちゃう。
もうコロッケどころじゃない。
どうすんの。ただでさえ最近ヘンタイって思われてるのに…!
別のこと考えよ。
…………そういえば、リップクリームつけるとき。きみってばハンドクリームをちっちゃな容器に詰めて、指先にちょっとだけ載せてから唇に塗ってた。
スティック使わないの、って聞いたら。
ハンドクリームがたくさん余っていてリップクリームにもなると書いてあったので、って言ってた。
ゔぁ…っ、同じこと考えてるじゃん!
違うってば、違うじゃん!
頭抱えたい…。代わりに箸をぎゅっと握った。ぜんぜんごはん減らない。食欲が負けちゃってる…。
「お口に合いませんでしたか?」
顔を上げたらきみが不安そうなお顔でぼくを見てるの。そんなわけないの。とってもおいしい。って言いたいのに、ぼくってば節操なし!
喋るきみの唇ばかり見て、きみの言ってることがぜんぜん頭に入らない。
口の内側を噛んでなんとか意識をそらす。
「んーん、おいしい。ぼく、コロッケだいすき」
「よかった…!」
ゔぁあーーーっ、『よ』で口窄めないでッ!!
もう勘弁して!
#視線の先には
今日、駅で泣いている子を見かけました。
高校生ぐらいの女の子でした。
ずっと1人で泣いていたんでしょうか。
声を押し殺して、肩を震わせていました。
幾つになっても、泣きなくなる時はあるんです。
もしくは、泣きたくなくても涙が出てしまう時が。
私は、小さい頃から泣き虫でした。
でも、中学生くらいの頃から、人前で泣くのをやめました。
親に言われたんです。泣くのはみっともない、その歳で泣くなんて可笑しい。泣き声がうるさい。
いつしか私は、悲しいと思っても、涙が出ないようになりました。
もし私が子供を持ったら、こう言ってあげたいです。
泣くのは、可笑しい事なんかじゃない。
私は、あなたの涙に寄り添いたい。
よし、明日からやるぞ
でも、待ってどうしよう…
いや、明日からやるぞ
でも、怖いな、どうしよう…
ゆっくりでも良いんだよな
誰も急かしてないんだよ?
焦らずにゆったりいこう…
少しゆっくりしよう
でも待って、この時間は無駄になってしまうでは?
視線の先に、
何やらもの凄く葛藤している鏡に映った私がいる。
誰にも何にも言われていないよ。
大丈夫だよ。
#視線の先には -21-
あ──。転んだ。
大丈夫かな。
心配でしばらく眺めていると、絨毯の上に伏せていた小さな身体が、たどたどしく立ち上がった。
良かった。泣いてない。
むしろ、ちょっと笑顔だ。
再び前へ前へと足を動かして、拙い歩きでこちらへとやって来る。
私は今すぐ駆け寄りたい衝動をぐっと我慢した。
私の視線の先で、我が子が真っ直ぐにこちらをじっと見つめている──、ような気がする。
その丸い瞳には何が映っているのかしら。
あなたの視線の先にママが入っていればいいな、なんて、そんな願望を抱きながら、大きく両手を広げたまま、小さな我が子の到着を待っている。
【視線の先には】
好きです、と言われて絶望することがあるだろうか。
──残念ながら、ある。
叶うことなど特に願っていない。なぜなら私は片想いのプロであり、それが非常に楽しいからだ。遠目から見ているだけで胸が踊り、高鳴り、けれどほんの少しきゅっとなるあの感覚がたまらなく好きなのである。
だから、今の状況は非常に想定外であり、心臓がいつもと違う鳴り方をしていても仕方がないと思う。いつも君を追いかけているはずの私の目が遠くの景色へと泳ぐのだって当たり前のことなのだ。
片想いの相手が両想いの相手になるだなんて、私にとっては、絶対あってはならないことなのである。
ああ、君の視線の先に、どうか私以外の人が現れますように。
目隠ししたのは
だーれだ?
子どものような、大人のような
小さな鬼が時折…ひょこっと姿を
見せては、くすくすと笑う。
お耳を塞いだのは
だーれだ?
いったい、何の為に現れては
私に問うのだろう。
あと一歩踏み出せば
私は、きっとこの世界から
居なくなるのに。
じわっと背中があたたかい。
小鬼から滴る、涙が私の背中を
濡らしているんだ。
その悲しみが伝わって
私の視界もぼやけてゆく。
そして、また朝が来てしまった。
目の中で揺れる涙が朝日に反射して
きらきらと…眩しい。
小鬼は、また消えていく。
視線の先には、美しく生きづらい
世界が広がっていた。
【お題:視線の先には】
隣のあの子の視線の先には、
クラスで人気者のサッカー部の男子…
…の視線の先には、
クラスで一番可愛いダンス部の女子…
…の視線の先には、
クラスで成績トップの図書委員会の男子…
…の視線の先には、
今授業をしている我らが担任…
…の視線の先には……
「おい、当ててるぞ。
52ページの問3だ」
視線の先には
青い空
ベランダで猫のくつ下が逆さまになって揺れてる
今日も風が吹くのかな
ああ室外機の風か
セミの声
完全に夏だ
時計の秒針の音が響いてる
突然広告の声
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Spotify
丸いラグに転がって見上げる天井
身体が重いな
疲れがたまってる
ゆっくり休んで回復だ
できるだけ頭を空っぽに
何も考えない
何も思い出さない
何も映し出さない
何もない
白い空
視線の先には君がいて
君を見る自分を嫌いになった
笑顔の君も涙の君も
僕は全部見てたのに
どうして気づけなかったのだろうか
君の視線の先にはいつもあの子がいることに
《視線の先には》
#51
何も見ていないように遠くを見ている
見えていないような
何もかもが見えているような
あなたのその視線の先には何が見えているのですか
目を閉じてみても
私には何も見えません
瞼ごしの明かりがぼんやりと映るだけ
目を開いても
私には私の景色しか見えません
乳を頬張り微笑み眠る君の先に
どうか幸溢れますように
「視線の先には」
視線の先には
好きな人の歩いてる後ろ姿を見るのが好きだった。
隣の家に住んでいて帰る方向は最後まで一緒でいつもわたしの少し先を歩いていた
いつの間にか歩くのは私と隣になって、気づいたらわたしのほうが先を歩くようになっていった。
あのときは楽しかったな、
視線の先には、
のんびりと草をはむシマウマ。
群れから離れ、
こちらには全く気づいていない。
チャンスだ。
私たちはここ1週間、
獲物にありついていない。
群れのためにも失敗はできない。
他のメスライオンに合図を送る。
取り囲め
私は風下からシマウマまで
40メートルまで近づいた。
もう少し…
と、他のメスライオンが1匹、
ぴょーいと駆け出した。
まだ早い!
しかし、もう始まったからには
行かねばならない。
突撃。しかし、
というか、もちろん、
というか、
シマウマはさっさと逃げおおせてしまった。
再びサバンナに静けさが戻る。
あたり一面に草いきれ、微かな虫の声、
遠くを飛ぶ鳥の声、
太陽がじりじりと大地を焦がす音まで
聞こえてきそうだ。
私たちはぜいぜいと息を切らせながら、
木陰に横たわった。
狩りの前から一歩も動いていない
オスライオンもそこにいた。
お腹減ったなあ
私たちもよっ
私のいとこにあたる、
先ほど駆け出してしまったメスライオンが、
頭を擦り付けてきた。
ごめん…
仕方ないわよ、と私は彼女の顔を舐めた。
そして
サバンナのはるか彼方を再び見つめる。
視線の先は、陽炎しか捉えない。
ああ、ヌーの大群でも
現れてくれないかな…。
#視線の先には
いつもの水族館にやって来た。
水族館は年間パスポートを取るほど、毎週利用していた。
視線の先にはいつものジュゴン。
仕事の都合でこの街に越してきて、ジュゴンとは
かれこれ3年の付き合いになる。
落ち込む時にコイツと顔を合わせると不思議と元気になれた。
人が多い中、水槽でぐるぐる体を回転させている、
今日のアイツは何だか機嫌が良さそうだった。
視線の先には
私は老人介護施設で働く介護福祉士です。
満床50人のフロアで、入浴介助や食事介助、排泄介助などを行なっている。自立している人なんてほとんどいません。
昨日から今日は夜勤でした。夕食の食事介助から始まり、夜間の排泄介助、見守り、様々な訴えの対応を職員2人でやります。
今日も夕食後、パジャマ更衣や排泄介助、臥床介助をしてやっと落ち着いたのは21時半。自分達も食事をして、記録を書く。
記録を書いている時に、ナースコール
「ご飯は?」
「さっき食べましたよ」
「食べてな〜い。嘘つき〜。殺す気か〜」
温かいココアを提供し落ち着く。
ナースコール
「起きる」
「夜中なので寝ましょうねー」
納得し寝る。
ナースコール
「起きる」
「夜中ですよ〜」
寝る。
ナースコール、、、、、。繰り返す。
ナースコール
トイレ誘導する。その5分後、ナースコール。トイレ誘導する。
その10分後ナースコール、、、トイレ、、、。
「もう出ないと思いますよ〜」
寝る。
杖をついてふらふら部屋から出てくる。
「帰る」
「夜中なので明日にしましょうねー」
寝る。
「ギャ〜‼️」
寝言。
無事に朝ごはんを提供し、日勤者に申し送りをして、
「皆さん後は宜しくお願いします。なんとか皆んな転倒しないで良かったです」
一緒の夜勤者に気をつけて帰るように言い、自分も退社する。
一晩中歩いてもう足は限界。
帰りの電車の中で爆睡したけど、降りる駅で目を覚ましてセーフ。
帰って少し食べて、3時間ぐらい寝たところで目が覚める。
愛犬はどこにいるかと目で探すと、愛犬の視線の先にはマイリード。
「散歩ですか?お母さんはまだ動けません。どうかお一人でご近所を周って来てください」
とお願いしましたが、そんなわけにはいかず、重たい足を引きずりながら愛犬の散歩にいきましたとさ、、、終わり、、、。
視線の先には、
私の好きな人が、私の嫌いな人と一緒にいる。
なんで、あんなのが良いのかなぁ?
ヒガミながら、ウジウジしてる私よりは、
積極的にぶりっ子してくるあの人の方が、
魅力的なんだろうなぁ…
視線の先には
ついつい、君が喜ぶものを探してしまう
視線の先には海があり海の先にはきっと陸がある。この場所からその陸までの時間を海と呼ぶ。海には深さがある。海の下には海の下たる生命とその集合があり海の上には空。その青と青の狭間を朝と呼び青と青を海と呼ぶ。ことにして。
二年前海水浴に行くと言った君の横顔も海と呼びたい。君は助手席に乗ってポテトフライを犬歯にあてがいながら夏の間隙を縫って声に出す。うずまき管の中に住む私の夢を君の声が教えに来て門前払いしようと思っても金縛りにあってできない。君が笑う。後部座席に私たち以外を残して君が砂浜に走り出す。その後ろ姿を海と呼ぶなら私は海が好きだと思う。
海が嫌いだ。時間も朝も空も海だから嫌いだ。海だから嫌いなんだ。私が海に溶けていき今度こそ君の横顔を思いだし雨がふり夢がさめ夏がもう二度と来ないことを約束し君の後ろ姿をどうしても海と呼ぶならきっと私は海を愛すると誓う。
そして今年も夏がやって来た。視線の先には海がある。
「視線の先には」
嫉妬 羨望 憎しみ 憧れ
たった一人のあの娘に注がれる
数多の感情を宿した視線たち
その目で射ぬいてやれ!
視線の先にさ彼女の写真がある
毎日彼女の写真を見ていると元気が貰える
毎日ありがとう!!