NoName14

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目隠ししたのは
だーれだ?

子どものような、大人のような
小さな鬼が時折…ひょこっと姿を
見せては、くすくすと笑う。

お耳を塞いだのは
だーれだ?

いったい、何の為に現れては
私に問うのだろう。

あと一歩踏み出せば
私は、きっとこの世界から
居なくなるのに。

じわっと背中があたたかい。
小鬼から滴る、涙が私の背中を
濡らしているんだ。

その悲しみが伝わって
私の視界もぼやけてゆく。
そして、また朝が来てしまった。

目の中で揺れる涙が朝日に反射して
きらきらと…眩しい。
小鬼は、また消えていく。
視線の先には、美しく生きづらい
世界が広がっていた。


【お題:視線の先には】

7/20/2023, 4:04:43 AM