裏返し』の作文集

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裏返し』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

8/22/2024, 1:26:57 PM

トビウオは空を飛ぶ。
 『鳥のように』とはいかないけれど空を飛ぶことが出来るトビウオは、魚界のチート使いと言っても過言ではない。
 彼らはひとたび海から出れば、当たり前の様に100mくらい飛ぶのだ。
 方向転換も出来るし、途中で飛ぶのを止めることもできる。
 少しの時間だけとはいえ、トビウオは鳥になるのだ。

 それにしても、なぜトビウオが空を飛びようになったか……
 それは自分を食べる捕食者のマグロやカジキなどから逃げるためだ
 そして食料として狙ってくる人間からも逃げる必要があったのだ。
 海は危険がいっぱいである!

 『だから海から出よう』と思うのは、当然の帰結であろう。
 意外にも短時間だけなら海から出る生物は多い。
 その事実だけでも、どれだけ海が危険かが分かるだろう。

 だが我らがトビウオは格が違う。
 海から飛び出て空を飛ぶことで、抵抗が少ない空気中を高速で移動し逃げれるようになったのだ
 マグロやカジキから逃げ切れる頻度が格段に高まり、トビウオは栄華を極めるかと思われた。

 ところが現実は甘くない。
 海から出て、危険が無くなったかと思えば、今度は鳥たちに襲われ始める。
 海に潜れない鳥たちにとって、トビウオは格好の餌であった。

 そして相変わらず人間からも襲われた。
 飛ぶなら撃ち落とせばいいと、物を投げてくるようになったのだ。
 そしてトビウオは、海ほどではないが多くの仲間を失った。

 新たな危機に直面し、トビウオたちは考えた。
 海を出ても様々な危険から逃れるには、どうすればいいか。
 そして思いつく。
 空から飛び出せばいいと……
 そしてトビウオは、長い時間をかけて研鑽を重ね、ついに地球の外ま――衛星軌道上まで飛び上がることに成功したのである。

 未だに上昇中は鳥に襲われるが、危険は格段に減った。
 衛星軌道上では、うまく動けないが問題ない。
 ひとたび衛星軌道上まで飛び上がれば、恐ーい鳥ははるか下。
 自分たちを狙う敵は存在しない。

 しかし例外もいる。
 人間たちが未だに追ってくるのである。
 とはいえ、うまく動けないのかこちらに近づくことは無い。
 人間たちの執念に恐怖を覚えつつも、トビウオは衛星軌道上で栄華を極めるのであった。

 しかし、他の問題が起きる。
 地球にうまく戻れなくなる個体が出てきたのだ。
 衛星軌道上では、地球の引っ張る力が弱く、力加減を間違えるとそのまま離脱してしまうのだ。
 そうして不幸にも離脱してしまったトビウオたちは地球に帰る事が出来ず、いつ終わるか分からぬ宇宙の旅に出るのであった。


 ×××年後。

 人間たちはついに宇宙に進出。
 太陽系を手中に収め、その外に飛び出そうとした、まさにその時だった。
 人間あてに、未知の通信が入って来たのである。

「ニンゲンさん、遅かったですね。
 宇宙は我々の物ですよ」
「貴様らは何者だ」
「我々は遥か古代に地球から飛び出したトビウオの祖先です。
 名乗るとすれば、トビウオ星人でしょうか」
「そ、そんな……
 我々よりも先に宇宙を渡った存在がいるなんて」
「支配していないのは太陽系だけ……
 これがどういう意味か分かりますか?」
「ま、まさか!」
「そのまさかです。
 どうやっても地球に帰れないので連れて行ってください。
 我々、飛び出すのは得意なのですが、目的地にちゃんと着けないんですよね……
 いやはや、鳥のように目的地に向かって飛ぶのは難しいですな」

8/22/2024, 1:25:42 PM

お題『裏返し』

挫折

 「精一杯努力した」なんて言ったら嘘になってしまうなあ。そう思うとなんだか泣きたさが胸に溢れて天井を仰ぐ。
 同じ夢を追ってきたあの子は、自分が叶えられなかったそれを見事に叶えた。自分の努力が彼女より劣っていたのかは分からないけれど、勝ってはいなかったのだろう。
 現実から目を背けたくて、怠けてしまった時があった。他人の言葉に流されて、自分を見失ってしまった時があった。一つの意見に固着して、当初の思いを忘れてしまったときがあった。「もう無理だ」という胸の底から沸き上がる声に「まだできる」とむりやり蓋をした。
 家族の意向、同輩の目、先輩の忠告、関係者の期待、ネット掲示板の書き込み、自分の夢、そのために払った犠牲。どう選択すべきかなんていくら考えても分からなくて、ただ「後悔しないように」とうわ言のように呟いて、でもそんな道が存在しないことには気づいていた。最終的に決断できるのは自分自身だけで、その重さに押し潰されて吐きそうだった。


 逃げたかった。




























 でも、逃げなかった。






 現実逃避を繰り返しても再び戻ってきたのは自分の意思だった。辛くても、向き合うことは止めなかった。考えることは棄てなかった。結果より過程に価値があるなんて綺麗事もいいところだ。苦しみにも喪失にも意味があるなんて言葉、反吐が出る。でも私の過ごしてきた日々と私がここにいる今は私だけのもので、それ以上でもそれ以下でもない。

 自分への嫌悪は、向き合っていたものへの真剣さの裏返しだ。
 抱えきれないほどの喪失感は、育んできた憧れの大きさの裏返しだ。
 もうひっくり返ることのない現実への絶望は、信頼に足る過去の裏返しだ。
 挫折は、あなたが結果を受け止める強さを、自分の人生を自分で引き受ける強さを持っていることの裏返しだ。














 いつか笑って死ねる日がくるから、それまではどうか生き延びて。

8/22/2024, 1:25:38 PM

裏返し

「あれ、親父。シャツ裏表反対じゃね?」
夏休みを利用しての久々の実家への里帰り。茶の間で扇風機を一人占めしてダラダラを満喫中。
新聞片手に現れた父親の格好にツッコミ。
「なんだ、タクミ、お前知らないのか。リバーブルってやつだよ」
返ってきたのは的外れなドヤ顔。

いやリバーシブルな。知っとるわ。いやいやアレはそれ用に作られたものであって親父が着てんのはただのシャツだからな。タグ丸出しだからな。そもそも親父の服買ってんのお袋だろ。そんなリバーシブルなんて小洒落たモン買うわけねーじゃん。

頭の中を様々なツッコミが駆け巡り。

「…へー。親父、オシャレだね」

面倒くさくなり、笑顔で親指を立ててみせる。だろう、とこれまたいい笑顔で親指を立て出ていく父の背中を見送る。面白いし放っとこ。

数秒後、お袋の声が響く。
「ちょっと、お父さん!裏返しじゃない、みっともない!」
お前、分かってないな、これはリバーブルといって…
「何ワケ分かんないこと言ってんの!そんな格好で出掛けるつもりじゃないでしょうねっ」

「タクミもっ。気付いてんなら教えてあげなさいっ」
ペチりと頭を叩かれる。イテッ。教えたっつーの。止めなかっただけだ。

あー。平和だ。

8/22/2024, 1:25:30 PM

言葉を聞き続けるのが億劫だ
笑顔を向けられるのも厄介だ
カードを捲るのが怖い
当たりならばどうしよう 外れならばどうしよう
私が僕なら貴方は失望するかもしれない
善意が善意のままなら耐えられないかもしれない
カードを捲るのが怖い
選んだパスタが望み通りの味であってほしい
月の裏側を見ずに生きていたい
貴方を裏返したら私はいるのか
私を裏返したら貴方は知るのか
どうか どうか

8/22/2024, 1:22:46 PM

「意地悪は愛情の裏返し」とは、本当なのだろうか。

ずっと、親より大人な対応を求められてきた。

親を手本にする考え方は幼少期にどこかへ捨て、
独り孤独な道をずっと歩んできた。

学校に電話した時には必ずと言っていいほど親と間違えられる。

気づけば、真面目すぎる人間が誕生していた。

その人間は気を抜くことを知らなかった。
その人間がそれを知るのは、また別の話だ。

いつになったら、矛盾しない人間になれるんだろう。

僕は、その答えをずっと探している。

8/22/2024, 1:21:52 PM

今日は、簡潔に言わせてほしい
あなたね……
洗濯物を、「裏返し」で脱いで
洗濯機に投入するのはやめなさいよ
真冬は、かじかむ手をますます
冷たくして表に返す作業が
どんなに辛いか…
真夏は、蚊取り線香の隙間をぬって
狙ってくる吸血鬼(蚊)と
死闘を繰り返しながら干して
部屋に戻った時にムヒを塗りたくって
いる私の気持ち考えた事あるかな…
無いよね……だって、何回言っても
靴下だったり、パンツだったり
裏返しだもの…
ホント…1回やってみなさいよ
これ…大体が息子か旦那だよね
………犯人。

8/22/2024, 1:18:40 PM

処暑
2024/08/22㈭今日も長い日記

だけど暑いよねえ。
来週は台風が来るみたい。
雨は降って欲しいけど、
大雨は要らない。
今日はバラの庭のおじいさんの
家猫ちゃんが2階の部屋の窓に。
手を振ったら「なに?!」って感じで僕を凝視してくれた。
凝視だけでも嬉しい。

母から電話があって
「お米あるの?」って。
どうやら叔母や友達と電話をして
独立した子供たちの家に、お米がなく叔母や友達がお米を探していると
話しを聞いて、僕の事を思い出したみたい。
世の中のお母さんたちの親心だね。
でも母と僕にはタイムラグが
あるなあと思った。
母は農家さんと契約している。
2ヶ月前に「お米少ないらしいよ、
農家さん、何か言ってた?」って
聞いても「知らなーい」と
他人事だった。
お米不足の危機感を人から聞いて
やっとわかったみたい。
農家さんと契約して世の中の騒ぎに
気づくのが遅かった、母みたいな人も多少いるだろうね。
備蓄していたから大丈夫と答えると
「へー」って意外そうに驚いていた。
我が子をどう認識してんだか。

この手の話しを書くと
煽っているとか、備蓄の自慢と
思われる可能性が無きにしもあらず。
しかも今日初めて読んだ人には。
だけど、前から防災備蓄をしていると、ここに書いているから
僕の日常を書いているだけ。
他に書きたいことは
小麦アレルギーの人達に
優先的にお米が届くシステムが
出来ないものなのかと思っている。

おやすみ。

8/22/2024, 1:15:09 PM

表が出たら告白
裏が出たらもう少し先延ばし

意を決しコインを軽く宙へと放る

ペシッ

乾いた音を立て手の中に捕まえたコインはじんわりと温かい

恐る恐る開いた手の中には表のコインが私の顔を映し出す

息を飲み私は慌ててコインを裏返した



【裏返し】

8/22/2024, 1:15:01 PM

裏返し

私が子供の頃
薬を飲むのが苦手で
母はジュースや食事に混ぜて飲ませていた

先日、駅のホームで電車を待っていると
強烈な眠気に襲われて
その場で寝てしまい
「人が倒れている」と近くにいた人に発見され
救急車で病院に運ばれた
念のため一泊することになった

家に帰り母にこのことを話すと

「○○ちゃん最近良く眠れてないって言ってたから
飲み物に睡眠薬をいれてあげたのよ」
という
私は腹が立った

また別の日は、突然お腹が痛くなり
夜から朝まで何度もトイレに行った
変な物でも食べたかな?
そう思って母に聞いてみると
「○○ちゃん最近便秘しがちだと言うから
飲み物に下剤をいれてあげたのよ」
という
母の薄ら笑いが不気味に見えた

これが母の愛情なのか?
それにしてもいきすぎだろう
いつかその愛情の裏返しで
毒薬でも盛られ
私は○されるんじゃないかと
母を恐ろしく感じるようになった





初めネコを題材に投稿したのですが削除しました。
夏なのでホラーっぽい作品に変更しました。
読んでくださり ありがとうございます

8/22/2024, 1:08:28 PM

裏返し

何でも裏返しで…
着るの…履くの…

リバーシブル

両面作戦

ギャップ萌え

8/22/2024, 1:07:42 PM

#11 裏返し

彼と喧嘩した。

「そのシャツ裏表逆じゃない?」

え?シャツが逆?
ほんとだ気づかなかった。

「ち、違うし、こういうデザインなの」

強がって嘘をついた。恥ずかしかったんだ。

素直に「ほんとだ、ありがとう」って
言えれば良かったんだ。

そんな些細なことがキッカケだった。

今思えばくだらない。どうでもいいことなのに。

「私が悪かった」で済むはずだったのに。

関係のないことまで言い合った。

彼とは数日口を聞いていない。

まだ怒ってるかな。嫌われてないかな。

向こうから話しかけてくれないかな。

とか、甘えたことばかり考えている。

そんなんじゃだめ、自分から行かないと。

「あのさ、この間はごめんなさい」

「何が?」

え、怒ってる?

「あの、シャツのこと……だけど……」

「あぁ、全然気にしてない!
あーゆーデザインもあるんだなぁって思ったし
まぁ、気にすんな!」

「そっか、ありがとう……あのさ」

「ん?」

「私の事どう思ってる?」

「……好きだよー?」

心がひっくり返り、
プツンとどこかで何かが切れた感覚がした。


しぐれ

8/22/2024, 1:06:23 PM

母は時々、下着のシャツを裏返しに着ていることがある。気付いてないのかなと思い母に教えたら、「あぁ、いいのいいの。次着る時反対になるから」。
どうやら脱ぐ時に裏表反対になってそのまま洗濯、そのまま着るを繰り返しているらしい。なんてズボラなんだ。まあ適当なところもあるけど、素直でおおらかで裏表のない性格が母の良いところだ。そのせいで時々ぶつかる事もあるけれど。シャツの機能性に免じて大目にみてやろう。

8/22/2024, 1:05:59 PM

裏返し

元結婚相手から彼に今日で亡くなって1週間だね
一カ月だね
と連絡が来る
単純に彼に連絡したいんだろうけど、別居中から今まで犬以外の会話がなかったから
犬を利用しての会話しかできないし、思いつかないんだろうと思う
ましてや犬はもういない
する会話もない

亡くなって一周忌だね
新盆だね
3回忌だね
と永遠に連絡して来そうな気がする

離婚して今更後悔の嵐なんだろうか…?

供養はこちらでしますから、私が連絡を控えて欲しいと言ってもして来る図太さ
自分の事しか考えてないんだろうなと思う
早く男見つけてくんないかな
こう言うタイプは男ができれば、連絡は一切して来ないと思う
他人の幸せを喜べないタイプなんだろう

タイプと言えば…

彼は自分から追うタイプだ
付き合うのも結婚するのも、自分から言いたいタイプ
元結婚相手は違った
付き合う前からグイグイ彼に行くタイプだった

元結婚相手は付き合い始めも彼に
何でも買ってあげる!
何でも食べさせてあげる!
と彼にとっては新鮮なタイプだったと思う
彼は別に彼女にお金を出して欲しいタイプでもない
(彼女じゃなければ、割り勘もするけど)

結婚当初、元結婚相手は
何もしなくていいからね(家事や料理)
私が全部してあげるから
と言っていた

実際は結婚後はお金の面でも彼に頼りまくりだし、
何で掃除しないの!
何で◯◯なのと口うるさく、
離婚後も犬にかかる費用は彼が出していた
離婚の際には彼のご飯を作らなくて清々する、
とも言った
自分が言った事に責任が持てない人なんだろうなと思う

私は付き合う時も結婚も彼からだ
何なら結婚は一度断った
離婚してるのに、また結婚したい?
が私の返事だ
何なら今までの彼氏と別れた原因が結婚だったりもする
私は結婚したくないからだ

私は彼の元結婚相手のように結婚がステイタスやゴールと思ってるタイプではない
結婚はスタートだし生活だ
それにお互いの家族もついてくる
それを共にできる人は私には中々いないし、
誰でも良いわけではない

私の周りにもも元結婚相手のような結婚に対する考えを持ってる人は多いが、大抵離婚している
〝結婚〟
〝結婚式〟
〝ウェディングドレスが着たい〟
〝家を買いたい〟
〝義親の愚痴が言いたい〟
〝子どもが欲しい〟
〝旦那の愚痴が言いたい〟
と言う一般的な結婚生活ごっこがしたいだけなのだ
そりゃ上手くいくわけもない
ただ自分が思う結婚適齢期に付き合ってる相手を結婚相手に選ぶ
相手を見ていないから
コミュニケーションも取れてない

結婚相手の悪い面を見れば減滅するし、
日々不満やストレスだけが溜まる
家を買えば周りには自慢できるけど、不満やストレスが消えるわけではない
周りを見ていると離婚が見えているのに、わざわざなぜ結婚したいのかとさえ思う

私は言った事に責任を持ちたいので、
私は元結婚相手のように何でもしてあげるなんて言わないよと言っている
ご飯も作りたくなければ、作って!と言うし、
何で◯◯しないの?
できないの?なんて言わない
やって!と言う
できない事は彼任せだし、できる事はする

元結婚相手のように毎日掃除しなきゃ!
洗濯しなきゃ!
ってタイプでもない
もし仮に思ったとしても、それは私の考えであって彼を巻き込むつもりもない
多分元結婚相手も彼や犬がいなくなった今、毎日しなきゃ!なんて思ってないだろう
誰かが見てるから、ちゃんとしてる人を演じてただけだと思う

見栄っ張り、なんだと思う
婚約指輪もとにかく大きいダイヤをちょーだいなんて言える人だ
ちなみに周りに自慢が終わった後はつける事もなかったそうだ
私はもらうなら、ずっとつけていたいからとそう言うデザインのものをもらった
彼には時計を返すつもりだ
元結婚相手は何も返してないらしいが…

考えれば考えるほど私と元結婚相手はタイプが違う
まるで裏返し

彼にどうして結婚したいの?と聞くとsarangとなら上手くいきそうな気がするから
ずっと一緒にいたいからと言う
「結婚した相手と全然違うタイプなのに?」
『だから離婚したんだろ?』
そうだけど…

元結婚相手と違って私はよく笑ってるタイプだし
それも好きだと言う
兎にも角にもてんで違う
だったら離婚はないかな?笑

8/22/2024, 1:03:54 PM

裏返し

席外しすぎじゃない?
仕事中私語多すぎじゃない?
そんなんで恥ずかしくないの?

あなたの密かな願望の裏返し。
いつか あなたもできるといいね。

8/22/2024, 1:03:38 PM

裏返し




天邪鬼なんだろうなあ。
好きでたまらないって顔してるのに「別に」「知らねー」「どーでもいい」の三拍子。
だからそっと脳内で裏返してるのだ「まじか」「聞かせて」「わかりたい」。
頭花咲いてんじゃねーの、って君は恥ずかしがりそうだから言わないでおいてあげるけどね。

8/22/2024, 1:01:17 PM

「裏返し」

「あなたの事、嫌いだよ」
「えっ?」
「嘘だよ。この気持ちは裏返しで、本当は」
「裏返し?僕のこと、好きなの?」
「うん。好きです」
 君は顔を真っ赤に染めていた。
「ありがとう。僕も君の事、好きだよ」
 僕達は両想いで、この瞬間から恋人同士になった。
 少し時間が経ち、君が話し始めた。
 「ごめんね。なかなか本当の事を言えなくて」
 「いいよ。好きな子に自分の気持ちに、気づいてほしいから、反対の事を言ってしまうのは、分かるから」と僕は言った。
「そう」
「うん」
「そういえば、君と行きたい店があったんだ。君の好きなドーナツの新作が出たみたいだから、一緒に、食べようよ」
 僕が、スマホの画面を見せて言った。
「えっ?いいの?嬉しい!」
 君は笑顔で、言った。
 僕達は、恋人繋ぎで、ドーナツのお店へ向かった。

8/22/2024, 12:58:44 PM

前の人、ポケットが裏返しだ。
食券機の前で財布片手に、にらめっこしている人のジーパンのポケットは、裏地の白をあらわにしている。

らーめん。
日本の、今の時代のラーメンは美味しいらしい。
インスタント麺はよく食べていた。気軽に作れるし、電気ポットがあれば火を使わなくてもできるから。
それに日持ちするし、あんまりお金もかからない。

小学生の時の夕ご飯には、よくインスタントラーメンを食べたものだった。

うちは贅沢するような余裕はなかったし、私もママのためになるべくお家にいたかったから、お店に食べに行くラーメンには縁がなかった…というのを、師匠の家にお邪魔した時に言ったことがあった。

「もったいない!いつか食べに行こう!」
あの時、師匠と私の親友であり相棒の彼女は、口を揃えてこう言った。

あれから何ヶ月が経っただろうか。
今、私は一人でラーメン屋の列に並んでいる。

私の相棒は、未来から来たと言った。
彼女はある日、急にいなくなってしまった。
平和になったいつものある日、学校から帰ってきたら、彼女はもういなかった。
部屋の鍵が開いていて、彼女のただいまはいつまで経っても聞こえなかった。

探しようがなかった。だって彼女は未来人なんだもの。
警察も探偵も、役には立たない。
存在が立証できない存在なんだもの。

師匠にも相談した。
その師匠から来ていた連絡が途絶えて、今日で一週間。
きっと今は忙しいのだと思う。師匠は雑で、忙しくなると周りが見えなくなる人だから。

親友で、相棒で、家族だった彼女がいなくなって、見つからないまま今日が来た。
今日は3人でラーメンを食べに行く約束の日だった。
でも、2人とも帰ってこなかった。

だから私は、今、ラーメン屋の前に一人で並んでいる。

餃子、食べたいなあ…でもラーメンも食べるのに、一人で食べ切れるのかなあ……
前の人のポケットの裏地を見ながら、そんなことを考える。考えながら、ちょっと泣けてくる。

何ヶ月前かに決まった時、今日は満たされた楽しい一日になるはずだったのに。
思い出も感情も記憶も、何もかも裏返したみたいだ。

スカスカで悲しい。
ラーメンの美味しそうな匂いが、目に沁みた。

8/22/2024, 12:58:38 PM

【裏返し】


サイズも形も違和感がないから、案外気づかないのが裏返しです
きれいに裏返っているほど気づかないもの
整えたりしちゃえばなおさら、もうどっちがオモテかわかりません 
オモテとはなにか裏とはなにかをきちんと意識しておかないとなりません

8/22/2024, 12:58:22 PM

裏返してみたの。私は貴方を愛してると思っていたけれど、私は貴方を愛していなかったから。愛してるを裏返せば貴方への気持ちが分かるんじゃないかと思ったの。だけどね、なんか違うの。貴方のこと嫌いじゃない。友達としか思ってないなんてそんなわけない。恋人でもない。
私のは汚くて重くて強くて貴方を苦しめる理由になる。これは多分愛じゃない。これはね、多分ね、執着なの。それじゃあ執着を裏返したらどうなるの?私は私なの?私は自分が分からない。だからこんなのしか書けない。私はもう一人の私と喋りたい。

8/22/2024, 12:58:08 PM

テーマ「裏返し」

旦那が脱いだ靴下がまた裏返しだ。
まったく、何度言えば分かるのだ。
あら、Tシャツまで裏返し。
まぁ、Tシャツとかは裏返しで洗濯するのが良いらしいが、靴下は直すのが面倒なのよ?
いい加減にして。

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