『街へ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
出掛けよう
きっと素敵な出会いがある
帰ろう
待っている人がいる
街は テーマパークで
街は 大きな家で
街は 街は……□□だ
2024/01/29_街へ
何か欲しいものが手に入らないから
やむなく行く所。
着るもののランクを一つ
上げてかないと行けない所。
人が多い所。
…街に住んでる人ってスゴいよな。
(街へ)
街へ
同じ場所にずっと居ると
まったく違う場所に引っ越したくなる。
引っ越しは、叶わないから
街へ出かける。
電車に乗ってふらりと
何駅か先の街に降り立つ。
言ってみれば気分転換。
青空だったら最高の気晴らし。
雨ならちょっと目立たない小さなカフェで
お茶をする。
たった一人は、さみしいけど
小さな孤独な時間は、それはそれで
心の浄化になる。
たまには、スナフキンのように
彷徨う旅人気分もいいものだ。
物静かな森だと思ったら、広い街にいた
しかもひとりで、ここは夢?
それとも、現実?なのか
不思議なところだった
なんで、誰も居ないんだろう…
この街は静かだ。
皆が寝静まった夜、沈黙のかやが降りるこの街に、私は未だ馴染んでいないように感じる。
幼い頃から住んでいた田舎からこの閑静な住宅街に出てきてもう半年も経ったというのに。
窓を開け放ち、夜の匂いを感じながらする考え事は引っ越す前からの現実逃避のようなものだ。
風が運んでくる木々のざわめきが、
多種多様な鳥のさえずりが、
鬱陶しいくらいのカエルの鳴き声が。
恋しいだなんて思う私はどうかしている。
ずっと、ずっと憧れてきたのだ。
コンビニすらろくにない田舎の、あの野暮ったい雰囲気からいつか抜け出して、木の代わりに立ち並ぶ小洒落た住宅のひとつで、オムライスなんか食べながら。
幸せに暮らしてみたいと、そう思って。
隣で眠る母が、布団を引き上げる音がした。
いけない、少し冷えすぎた。
初夏、夏の初めとはいえ、夜はまだ冷える。
隣で母が寝ていることも、まだ慣れない。
ああ、どうせなら少しだけ、この静かな街を歩いてみようか。
昼間とは違う一面をこの街は持っているのかもしれない。
それを気に入れば、この街に自分が馴染めていない、場違いだと感じてしまうような感覚も、きっとなくなるに違いない。
息を殺し、できるだけ音を立てないように窓を閉め、外に出られる格好へと着替える。
肩からかける小さなバックにスマホと財布、それから家の鍵。上着も羽織った。
鍵のシリンダーをゆっくり回して、ドアを開ける。
少しくたびれてきた靴を履いて、外に出た。
ほんの少しの逃避行、きっとバレたら怒られてしまうけど。
「いいよね。だってこんなに綺麗な夜なんだから。」
満月が煌々と夜空に輝く空を見上げてそうつぶやく。思ったより星は少なくて、少し気落ちしたけれど。そんな気持ちには蓋をする。今夜はこの街を好きになるために歩くのだ。
ワンルームの安いアパート。私と母の暮らす家。
その少し軋む外階段をおりて、私は街へ繰り出した。
出不精なこともあり、インターネットで買い物をすることが増えた。
時間を気にせずゆっくり選べるのが利点。
特に服は、街の店だと店員さんに話しかけられるのが苦手で通販がほとんどである(最初に声をかけられた時点でやんわりアテンドを断るのだが、その後もずっと視線を感じる状況に耐えきれない)。
しかし、出かけるといいこともある。
外出先でふらっと立ち寄った量販店で、山ほどある商品の中から希望の条件を満たすルームウェア用のスウェットを見つけたのだ。
綿100%で裏起毛で無地(謎の英語や柄が入っていない)でなおかつ安い。すべて兼ね備えたものはありそうであまりない。ほくほくで買って帰った。
単純なもので、以来、出不精もほどほどにして、一人で見て回れる量販店やショッピングセンターを覗くのもありだな、と思い始めた。
通販でも掘り出し物はあるけれど、自分の手で掘り出すとでっかい芋が穫れたような嬉しさがある。
『街へ』
昼下がり ソファーで寝転び 外を見る
晴れた空に心が動く さぁ街へ繰り出そう
夢と希望を持って、街へ繰り出そう。
誰でも歓迎するよ。
訳アリかい?それでもいいよ。
この街はそんな人ばかりだ。誰一人詮索する奴なんていないさ。
だから楽しもう。
今宵もこの街は、全て飲み込んで待っているからね。
「このアプリ入れて最初のお題が、『遠くの街へ』だったのよな……」
まさか、2月に「近くの街へ」だの、「遠くの町へ」だの、そういう変化球来ないよな。某所在住物書きは今日も相変わらず、自分の執筆スタイルから何が書けるか、悶々に悩んでネット検索をさまよっている。
「街」と「町」は違うらしく、かつ、街の説明が各ページごとにゴチャゴチャ違う。
商店街、住宅街、街道に街頭。どの説明と、どの語句に基づいて街を書けば、楽に今回投稿分が終わるか。
「逆に『町』って、熟語少ない、ワケでもない?」
街に困ったら、町も調べよう。物書きは「町 熟語」に執筆のヒントを見出そうとして、
検索をかけた途端、「町」の字がゲシュった。
――――――
最近最近の都内某所、某アパートの一室、早朝。
部屋の主を藤森といい、街に花と山野草あふれる雪国の出身で、ここ数年、例の感染症のために帰省をずっと見送っていたのだが、
国内での感染確認から4年、とうとう5年目に突入する泥沼と、なにより今回の題目が題目であったので、
過去の波の事例から、第10波の感染者数は2月末、3月上旬頃には減少に転じると賭け、予想し、
スマホで新幹線の予約を、取ろうとして、チケットの枚数で、悩んで首筋をかき、ため息を吐いていた。
職場で長い付き合いの後輩は、生粋の東京都民。
藤森のスマホに実家の花が、雪が送られてくるたび、あるいは藤森の部屋にクール便で到着した、田舎クォンティティーの野菜等々を分けてもらうたび、
「連れてって」と、何度も駄々をこねた。
本人は世辞でも社交辞令でもないと言う。
事実だろうか。多分事実だろう。五分五分の確率で。
はぁ。
ぼっちの部屋に再度、ため息が溶けた。
ひとりで勝手に帰省して、土産のひとつでも買ってきて、事後報告するのが無難なのだ。
――去年後輩にデカい借りさえ作らなければ。
(8年越しの恋愛トラブル、粘着質な加元さんとの縁を切れたの、完全にアイツのおかげなんだよな……)
詳細は過去11月13日投稿分だが、スワイプが酷く、至極、わずらわしい。
要するに理想押しつけ厨の元恋人に執着され、職場にまで押し掛けられた藤森に、トラブル解消のきっかけを与えたのが、何を隠そう、この後輩であったのだ。
五分の世辞を警戒して単独帰省を敢行して、実は本心が五分の事実の方だったとき、
土産を受け取った後輩の、心的温度はどこまで急降下、あるいは急上昇するだろう。
『せんぱぁい?』
目を細め、口角が上がっているようで実は唇一文字、瞳がちっとも笑っていない後輩を、藤森は容易に想像することができた。
『わたしね、何回も、先輩に、「先輩の街へ連れてって」って、言ったような気がするの』
くしゃり。
きっと藤森が購入したご当地菓子だの、小さな紙製の包装箱だのは、秒で握りつぶされるだろう。
『ところで、加元さんの件、私、先輩からまだ貸し、取り立ててなかった気がするの。
桜が咲く頃とか予定無い?先輩の親友の、隣部署の宇曽野主任も、誘っちゃって良いかなぁ』
わぁ。たいへん。
「……話題だけ振っておくか」
高解像度の後輩が、藤森の脳内でスマホをかかげて、グランクラス料金で座席を予約する。
さすがに現実になっては困るのである。
藤森は時計をチラ見し、モーニングコールの名目には丁度良い時刻であることを確認して、
それとなく、ただそれとなく、後輩にメッセージを、
送ろうと思い立って、しかし送信直後に思い直し、
わざわざ朝っぱらに変な話題を提示するより、昼の休憩中にしれっと話す程度で良いだろうと考え、
最終的に、スマホを通勤バッグに突っ込んだ。
その日の昼休憩で予定通り、藤森は帰省時の新幹線の座席予約について、それこそしれっとサラっと、後輩に話を出したのだが、
結果として、後輩の本心は五分の事実の方だったらしく、グランクラスの出費は見事に回避された。
今年の2月末から3月上旬頃、藤森は後輩とともに、故郷たる花と山野草あふれる雪国の街へ、帰省することになる。
街へ行きたい。
普段、スーパーも銀行もドラッグストアも図書館も歯医者もパン屋も徒歩5分以内の所にある場所に住んでいるからか、街に行く機会がない。
要するに、行動範囲が狭いのだ。今は無職だから尚更。
1本バスに乗れば街に行けるのに。行こうとしないのは、本当のとこ行きたく無いのかもしれない。
木を隠すなら森の中。
人を隠すなら街の中。
#街へ
僕は散歩が好きだ。同じ道を歩いていても体調や気分によって見え方が全く違うからだ。それがどうしても不思議でまた散歩をしてしまう。
今日もいつものルートの道路の狭い住宅街を進み、前方の十字路を渡ろうとしたその瞬間、左側から車が猛スピードで通り過ぎた。頭で考えるよりも先に体を後退させ、衝突を避ける。バランスを崩し、尻餅をついた。飛び出してきた車に文句を言いたかったが、頭が冷静さを取り戻した頃には、車はもう見えなくなっていた。今更痛覚が戻ってきて、倒れる時に打ったと思われる腕や足が痛かった。今日の散歩は最悪だ。さっさと帰ろうと腰を上げようとしたそのとき、
「あの、よかったらこれ、使ってください」
いつの間にか目の前にいた女性がハンカチを差し出してくる。僕はうまく言葉が出てこなくて、愛想悪く受け取ってしまう。彼女は急いでいるのかすぐに立ち去ってしまった。
翌日、僕は昨日と同じ時間に散歩する。彼女にハンカチを返すために。
街へ…。
少しポジティブになりたくて街へ出てみる…。
どこから行けばいいのか分からない…。
何から見れば良いのか分からない…。
目的がないと街に出たらいけないのか…。
自分と葛藤する…。
人混みに疲れ、雑音に埋もれる自分…。
それでも街の電飾だけは自分を癒してくれた…。
街へ #35
また私は一人で深い夜の街へ駆けていた。
晴架に呼ばれたわけではない。
夜の風を浴びたかったわけでもない。
ただ独りで満たされない心を満月で満たそうとした。それ以上の意味はない。
私みたいに太陽に頼らないと輝けないから。
私は自分と月を重ねてしまう。
私と一緒にしないでほしいと言われてしまうかもしれないけれど、私と月は違う。
そんなことは分かっているよ。
私は誰かの相談にしかのれないし、多分いらなくなったらまた捨てられるだろうなという怖さがあるけれど、月はずっと空にいる。
私たちに安らぎと優しさをくれる。
捨てられたりなんかしない。
いつも私たちを見守ってくれている。
ビルの間から見える雲の流れ。
凛と立つ寒さに負けない緑の街路樹。
北欧のインテリアショップ。
美味しい噂の新しいカフェ。
春の予感の靴のお店。
街の彩りの中を歩く。
活気に息づく時間を君と。
題「街へ」
récit œuvre originale
街へ
ちょっと田舎のこの町から
ちょっと都会のあの街へ出かけた。
一見、普通に家族がいて友達がいて
一見、普通に仕事や学校に行って
一見、普通に生活しているような
人達が街に溢れている。
心身の不調と闘う娘と私は
電車に乗って街に混ざっていた。
向かいの席に、娘より少し歳上の
白いワンピースを着た可愛い人が
座っていた。なんてステキな笑顔の人
なんだろうと、目の端で見ていた。
その両腕にはリストカットの傷跡が
並んでいた。
こんな可愛い笑顔の人が、どんな思いで
毎日過ごしているのだろうと思った。
特別なことなどなくても、充実した
穏やかな日常を過ごすことが
どうしてこんなに難しいのだろう。
街には、普通に見える人達で溢れている。
余談_φ(・_・
ここでの“普通”という言葉の使い方が
あまり好きではないのですが
あえて使います。
電車に乗って、街へ行こう。
行くときはドキドキソワソワ、帰りは満足感でふわふわぐったり。
映画館にランチにショッピング。
晴れた日は、街へ行こう!
私は街が嫌いだった。
ネオンを着飾り激しく点滅する歓楽街に身を侵されてしまった私は、ゆるゆると過去のことを思い起こす。
田舎生まれということに対するコンプレックスゆえの反骨心だったのかもしれないけれど、私は街に行くが嫌いだった。お母さんがやけに厚い化粧で、一張羅を着ていることに耐えられなかった。お母さんが、行くよっと声をかけても押し入れの中に閉じこもったままで返事もしなかった。結局半べそで引きずられながら外出したのだ。
それが今となってはこのザマ。もうどっぷりだった。
羽振りのいいオジさんの腕にしがみついて嫌らしい色調のランプで照らされたベッドに沈み込む。彼が私の首にごつごつした手を当ててゆっくりと締め付けてゆく。呼吸ができなくなる。視界がぼんやりとして、その先の世界が見える。あすこは桃源郷。街はあすこへの入口だったのだ、と私は気づいてしまった。
都会の根本で燻る狂気。魔法みたいに出てくる札束。窒息寸前の快感。私は今日も街に溺れて気持ち良くなる。
私は、此処が好きだ。
田舎の村さ住んでるおらは、都会の街にある高校受験する為さバスさ乗った。
街さ行ぐなんて初めでの出来事。しかも一人だ。もうこれは一づの冒険だ!
わぐわぐど不安抱えでバス降り、電車さ数十分揺られるど、見だごどもねえ高え……何あれ? あれがビル? 高過ぎる。そだ高えビルが建ぢ並ぶ街へど降り立った。
こだ高え建物、倒ぼっこしたらどうなっちまうんだべー。おっかねえ。
そだ風さキョロキョロ辺り見回しつづ、少し歩ぐど良い匂いが漂ってぎだ。どうやら飲食街のようだ。そういえばドキドキしてで朝ご飯食べるのすら忘れでだ。
見だごどもねえメニューが並ぶ店さ入る。そういえば、一人で外食するのなんて初めでだ。ますますドキドキしてぎだ。
「イラッシャイマセー」
なんだが片言の外国人が声掛げでくる。
とりあえずメニュー指差す。暫ぐするど料理が運ばれでぎだ。正直、んめぇのがはわがらねがった。
店出るど、ホテル探し始めだ。
受験自体は明日で、今日はホテルさ泊まり混みで勉強するんだ。あど、受験会場も確認しておがねえど。ホテルの近ぐさあるらしいがら、そらほど見づげんのは難しくねえどは思うげんとも。
親さ渡されだ地図見る……雑でよぐわがらねがった。
仕方なぐ、周りの人さ声掛げるごどにする。
「あのー……すまねえ」
「Ce qui s'est passé?」
「え! えっと……!」
やばい。外国人だ。何言ってるがわがんねえ。
「えっと、えっと……すまねえー!」
おらはダッシュで逃げ出した。名も知らぬ外国人さんごめんなーい!
暫ぐ歩って、余計さ場所がわがらなぐなった。
今度ごそ日本人さ話し掛げっぺ。
「あ、あの、すまねえ……」
「什么? 我现在很忙!」
まだ日本人でねがった……アジア人だげんとも、間違えだ……。
「すまねえでしたー!」
そしてまだ逃げ出した。
なんでこらほど外国人がいんの? はっ! もしかして、都会は外国人さ乗っ取られぢまった!? おっかねえ。
「よぉ、姉ちゃん。なんかお困りかい?」
日本語だ!
振り返るど、そごさはスーツ着でサングラス掛げだ強面の男の人が……。
ヤ、ヤクザだー!
殺される。わがねだ。おらには田舎で待ってる爺さまや婆さまや父っつぁまやおっかさまやポチがいんだ。死にだぐねえよー!
都会おっかねえ。もう都会になんて来ねえ!
ヤクザはおらの手がらひょいど地図取り上げだ。
「ん? このホテル行きたいんか?」
……え?
思わず顔上げ、こぐごぐど頷ぐ。
「ホテルならここだよ」
え!?
気付げば、目の前さホテルがあった。どうやら周辺ぐるぐる回っていだだげのようだ。しょうしい。
「そうかぁ、お客さんか。ようこそ、うちのホテルへ」
えぇ!?
ヤクザでねぐで、このホテルの人!?
「それでは受付へ参りましょう。お荷物お持ちします」
さっとおらから荷物受げ取るど、すたすたど前歩ぎエスコートしてくれる。
何これ、さすけねえ? 騙されでねえ? 本当は悪の秘密結社だったりしねえ?
中さ入るど、受付さ見覚えのある外国人が――。
「Ah! La personne de tout à l’heure !」
「也许你也会留在这里?」
何言ってるがわがんねえげんとも、とりあえず笑ってごまがしておぐべ。
「もしかしてあなたもそこの高校を受験するんですか?」
さっきのヤクザ……でねぐでホテルの人が訊いでくる。おらは頷いだ。
「じゃあこの二人と一緒ですね」
え! この人らも受験生!?
「エ、アンタモ!?」
「ヨロシクネー!」
アジア人が驚いだ様子でこっち見る。白人がおらの手取りぶんぶんと振ってくる。
つーが日本語話せだんかい。
「こちらが部屋の鍵です」
鍵受げ取っぺどするど、白人がそれ横がら取り上げだ。
「え、おらの鍵」
「ジャア、ミンナデベンキョウダー!」
「部屋イクヨ」
「え、え、なんで二人どもおらの部屋さ来るごどに!?」
「受験頑張って」
ヤクザみてえなホテルの人も二人を止めでくれるごどなぐ、笑顔で手振る。おらは半ば引ぎずられるように部屋へど向がった。
都会って、街って、おっかねえ。
早ぐ田舎さ帰りでえ。田舎の村でのんびりしてえ。
なんで村には高校がねえの。街まで出ねえどいげねえって本気で言ってる?
おらの初めでの冒険は、こうして始まったのだった。
『街へ』
僕の愛した街はとても美しい所だった。
自然と社会が均等に保たれていて、街には笑顔も溢れていた。
それはまるで幻想郷の様な街だった。
僕は、旅好きで旅の途中で出会った彼女と一緒に色んなところに出掛けていた。
僕は、いつも彼女に僕の愛した街について話していた。彼女もそれを喜んで聞いてくれて、いつか2人であの街に一緒に行こうと約束した。
今は、別の街に来ている。
彼女は、出かけたままずっと帰って来ない。
なので僕は、彼女を探して色んな街を転々としている。
でも、どこへ行っても彼女は見つからない。
それにどんなに向かっても、僕の愛したあの街には辿り着けない。
どうして、、、
見つからないんだ。
どうして、、、
辿り着けないんだ。
彼が昏睡状態になってから1年が経った。
私が出掛けている間に事故に巻き込まれ、彼は未だに目を覚ましていない。
彼はずっと、あの街の話をしてくれた。
きっと、貴方の事だから眠りながらも探しているのでしょ?
だから、せめて私の手で……
タイトル:街へ