『街の明かり』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
あの明かり一つ一つに、一人一人の人生が詰まっている。
この街は昼とてつもなく寂しく、住人は一切他人と話そうとしない。
もちろん僕だって話さない。
けど、この街の夜はとてもきれいだ。星がすごいとか月が綺麗とかそういうわけではない。それぞれの住民の家の明かりがキラキラとそう、これが星だ。街の明かりがまさに星ということに僕は気づいた。
「街の明かり」
いくつもの明かりが作る100万ドルの夜景は。
きらきら光る宝石箱のようで、道しるべのようで。
「街の明かり」(一行詩)
瓦斯灯に照らされた午后伍時の急ぎ足
◆
橙色の灯に導かれて探し出す アナタの姿
◆
揺れに怯える3月11日の街の灯りは消えて
◆
ネオン街の明かりに惑わされぬように
◆
街の明かりは幾らぐらいするのでしょうか?
夜、道を歩いてる時、家のあかりや ライト?等の明かりを見ると幸せだなって感じる おかしいかな?
月がそら高くから見下ろしていても
街のネオンは消えることなく怪しく光る
昼とは違う顔を見せる夜の街は
欲望と愛憎渦巻く魔境となる
騙し騙され繰り返される危険なゲーム
堕ちることなくお楽しみあれ
「街の明かり」
街の明かり
昔、光るものといったら星だけだった
人口の光は星の輝きを消してしまった
しかし、街明かりに安心するのだ
退勤の電車から見える街の明かり
あの中のどこかで
同じお題に頭をひねっている人がいたら
ちょっと楽しくてちょっと面白い
青灰色の薄暮に大通りの街灯がオレンジ色の明かりを滲ませる。
仕事帰りの男女のグループはリニューアルしたばかりの洒落た居酒屋に流れ込む。
ラタンライトで金色に輝くビールの泡に一日の達成感と疲労感が交じり合い、それは円やかに弾ける。
街の至る所の、ほんのりした明かりが人々の疲れた体を包み込んでくれる。
「街の明かり」
「街の明かり」が今日の作文テーマだ。大学生の頃に、部活のメンバーでちょっとした山の上から街の夜景を見下ろしたことがある。街の明かりは宝石のようにキラキラと輝き、とても綺麗だった。その明かりのひとつひとつは、どこかの家庭の窓の光だったり、オフィスビルの蛍光灯の光だったり、店舗の看板を照らす光だったりしたはずだ。「この夜景の光が、人間が作ったものだと考えると、汚く思えるか、むしろさらに美しく思えるか、で性格が分かれそうですね」というようなことを、そのとき自分は言った気がする。それに対して部活の仲間達がなんと答えたかは覚えていない。たぶん、軽く流されたんだと思う。その頃も今も、自分は「汚く思える側」だけど、「美しく思える側」になりたいなぁと思っている。人間の営みを愛せるような人間に、いつか、なりたい。
にじみ出る四角に切り取られた光匂いのしない営みの熱
街の明かり
【街の明かり】
--灯りが集まっていつからかそれは街のようになったけど
それはどこか外の世界のようだった
その灯りはきみの良さを知って救われた人の数
それが増えるのならそれでもいいと思った
でもいつからか外の世界から持ち込まれた金銭が
あちこちで飛び交うようになった
何事にもお金が必要になり
お金を支払っていない行為は貶されるようになっていった
初めの何もない空き地の中心で流れる音楽を
輝く星を見上げたあの時が遠い昔にされていく
街明かりが増えるほどに
あの星が見えなくなっていくよう
あの時の衝動をあの時の感覚を
忘れたくない人からこの場所を離れていく
そんな1番大事にしたかった人たちが離れた後も
煌々と輝く街にまで発展したこの空き地で
僕は上手に息が出来なくなった
2024-07-08
街の灯り、幸せな人達の笑い声
この輪の中に私はいない。私は貧しいから、屑だから。
皆が履いてる靴を私は履けない。皆が沢山持っている服は私には1着しかない。
「、、、、マッチ、いりませんか」
消え入りそうな声でこう呟いた。
誰も振り向かない。当然だ。
、、、もう、疲れた。消えてしまおう。
そう思った、、、思ってたのに
、、、、また、逝けなかった。
「はぁ、、、いつになったら楽になれるのかな」
お題『街の灯り』
『街の明かり』
私の居場所はいつも暗がりの中にある
暗がりだからといって 嫌いではなくて
むしろ好きだ
落ち着くし 安心できるし
私を攻撃するのは記憶だけになって
現在進行形の痛みは消えるから
望んでそこに在る
家だって
存在だって
価値だって
暗がりに溶け込んで誰にも見えなければいい
半端が一番虚しいから
けれども
ふとした瞬間 気持ちが振り返る時
あまりにも他がきらめいていて
心に孤独が食い込む
穴が空いた様に 透明の丸が出来て
そこから 羨望の眼差しで世界を見つめてしまう
そういう時 真反対の感情が産まれる
昔 田舎に住んでいだ時
街の明かりの鮮やかさを
淡い青と濃紺の狭間に立ちながら
向こうは夜になった様なのに暖かそうだなぁ
なんて思って見ていた
明るい癖にどんよりした気配を纏う山
暗い癖に明るい街
対比のせいか
世界が切断された様だと感じたことを
いまだにに憶えているけれど
あの時の景色の中の 過去の私も
この感情2つが引っ張りあっていた
切断されていた
誰もが私を宇宙人の様に思っていただろう事
私にとっても 私は宇宙人だった事
誰も彼も 私すらも
私を街へ 連れて行けはしない事
寂しい 悲しい 抜けない針
抱きしめたら溶け込むだろうか
七夕綺想曲
電燈に煌々と照らされた商店街には誰もいなかった。残業終わりのサラリーマンが帰ってくる時間だから当然ではあるが。
街中に散りばめられた笹が、様々な色で着飾っていた。一体何事かと思えば、どうやら今日は七夕だったらしい。
赤、青、黄色、ピンク……数え切れないほどの色の短冊が、笹をグニャリと曲げている。中には折り紙の飾りなんて洒落たものを付けた笹もあり、どれほど多くの人がこの行事を楽しんだのかがみてとれた。
ふと立ち止まり、水色の短冊を手に取る。拙い字で
「織姫と彦星がずっと一緒にいられますように。」
と、そう書かれていた。
そういえば、自分が子供の頃にもこんなことを願っていた子がいたなと思い出す。今考えれば、彼らの自業自得にも近い教訓のような物語にも思えるソレだが、幼子たちには悲しい結末として残るようだ。
確かに自業自得だが、半永久的に続く彼らの時の中で、会えるのが一年に一回というのは少し可哀想だとも思う。伝承に口を出すのは野暮かもしれないが、何百年と語り継がれる中で、彼らはまだ許されていないのだ。
人生における大部分を占めていた仕事を忘れてしまうくらい、鮮やかで燃え上がるような恋。やっと手に入れた幸せを、自分の星を、彼らはこの日しか見ることが許されない。それが酷く寂しく思えた。
少し出遅れたが、赤い短冊に願い事を書いた。
「織姫と彦星が、少しでも長く隣にいられますように。」
影響を受けすぎかとは思うが、給料upとか書くよりは風情があるだろう。
大人という身長を生かし、何よりも上に吊るしあげる。どうか彼らを隔てた神がその罪をお許しになるようにと祈って。そして気がつく。ベガとアルタイルが、織姫と彦星がこの満点の星空から消えている。忽然と、まるで初めからいなかったかのように。
愛しい彼と固く手を繋ぎ、橋から飛び降りた。後悔は無い。例え死んでも、私達が離れることは無いのだから。
私には機織りしか無かった。それだけで十分だった。それなのに、お父様が彼と、あの輝かしい星と出会わせてしまったから。私の目は焼かれてしまった。
きっとこれはお父様の3つの過ちの1つで、私たちの重い罪。私たちはこの世界で、長い1年のたった1日しか出会えない。
それなら永遠にしてしまいましょう。私たちを隔てるこの川の、奥底へ沈んでしまいましょう。水が冷たいけれど、流れる星が痛いけれど、私たちなら大丈夫。ずっと隣にいるのですから。
水にも慣れて、目を開けた。私に見えるのは彼だけで、あとはずっと続く暗い闇。それが少し、悲しかった。
手を繋いで、離さず、数えられない程の時間が経った頃、ふと、赤い何かが目に入った。それはこの闇じゃないと気がつけないほど、小さく微かな光。愛おしくて、暖かい。それが消えないうちに、手を伸ばした。
落ちている。激しい風が私たちを逆撫でる。その風に逆らうように、もう一度目を開けた。飛び込んでくるのは煌々と輝く世界だった。見たこともないほど高い建物と、灯り続ける光。全く知らない鮮やかな世界。
その光の中でも強い赤い光は次第に近くなっていく。そしてそれが、笹に括られた短冊から発していると気がついた時、地面は目の前だった。
ガラガラと瓦礫の崩れる音がする。ベガとアルタイルが消えると同時に落ちてきた何かは商店街の天井を破壊し、すぐ近くの広場に不時着した。
その瞬間は死を覚悟したが、意外にも被害は少なかったようで、広場が半壊したら程度で済んだようである。
広場には人がいた。見知らぬ男女が2人、手を固く結びあって気絶しているようだ。その2人を見た瞬間、確信した。
「織姫と彦星が落ちてきた。」
26100光年先の願いに誘われ、心中に失敗した恋人たちの話。
街の明かり
きらびやかな夜の街を歩く。日中の陽射しよりもジリジリと焦げる身体のどこかを庇いながら。足元に落ちた自分の小さな影。それだけを頼りに、ふらりふらりと駅を目指す。
外からは誘蛾灯のように明るく見えた駅は、中に入るといつも仄暗い。電車の中はそれよりもっと明るいはずなのに、より暗く感じるのはなぜだろう。
幽霊のように映る吊り革を掴んだ像の向こう側に、歩いてきた街が見えた。車窓を流れゆく街の明かり。あの目眩く光の雨は、思いの外まばらだった。まるで万華鏡の中に入っていた安いビーズのようだった。
2024/07/08
何年経っても失ったものの大きさは変わらないものですね
眼鏡を外すと
世界がぼやける
輪郭が曖昧なまま
流れる景色を追いかける
蝋燭のように揺らぐ
明かりがもどかしくも暖かい
【街の明かり】
【街の明かり】
学生の4年間、京都に暮らしていた。
京都の街は、建築の規制もあってかどこも低層で茶色くて、等しく賑やかですこし浮かれた学生たちと観光客で溢れていた。
その感情とパワーの激しさについていけなくて逃げ込んだ先はお洒落な大人のあつまるカフェだったり、地下鉄の階段に入り口のある深夜のクラブだったり、なんにせよアンダーグラウンドなサブカルチャーの宝庫で、居心地はよかったけれど、そんな所にはまだふさわしくない自分の未熟さを思い知ったりした。
6階にあるマンションの窓から見る東山にはあかりがぽつぽつ灯るのが見えるだけで、さらに、当時辛い恋をしていた私には、京都は入り込まないと暮らしていけないとても重い街だった。
京都を愛する人たちには申し訳ないのだけど。
姉の暮らす街にたまたま遊びに行き、その街の空の広さ、明るさ、光の多さには驚いた。
ワインの空瓶が奔放に転がっているマンションのベランダでタバコを吸いながら眺めた並んだ高層ビルの航空障害灯、赤い光が一定のリズムで点滅するのを見つめながら、心が静かに落ち着いていくのがわかった。深呼吸をした。
海沿いにあるその街は、道路が広くて街路樹が多い。高いビルの間の欅の下にはカフェが広がり、自由でおおらかなビジネスマンが笑いながら横断歩道を横切っていった。
この街に暮らしたい、と思った。
六甲山から街の明かりを見下ろしたり、夜の照明が美しいビルを見上げたりする時、いつもその時の気持ちを思い出す。
私は今、光のたくさん溢れるこの街で暮らしている。
《街の明かり》
夏の日差しが降りて夕焼け空が冷めるころ
夜空の星達が顔を出す
その空を追うように街の明かりも灯りだす
こんばんは 暗くなってきたね
お疲れ様 今日はありがとう
さようなら また明日会おうね
心通わす声は天の河の微かな星のように
寄り集まって光の帯になる
夜の帳が降りて空が闇に染まるころ
街に明かりが溢れ出す
それは月無し夜の天の河が降りたよう
どうだった? 頑張ったよ
お腹空いた? ご飯は何?
そうなんだ 本当に楽しかったよ
想い通わす声は空を縫い流れる星のように
願いを込めた光の束になる
さあ帰ろう 手を繋いで
他愛のない話をしながら
今日も二人で星を輝かせよう