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『街の明かり』


私の居場所はいつも暗がりの中にある
暗がりだからといって 嫌いではなくて
むしろ好きだ
落ち着くし 安心できるし
私を攻撃するのは記憶だけになって
現在進行形の痛みは消えるから
望んでそこに在る
家だって
存在だって
価値だって
暗がりに溶け込んで誰にも見えなければいい
半端が一番虚しいから

けれども 
ふとした瞬間 気持ちが振り返る時
あまりにも他がきらめいていて
心に孤独が食い込む
穴が空いた様に 透明の丸が出来て
そこから 羨望の眼差しで世界を見つめてしまう
そういう時 真反対の感情が産まれる

昔 田舎に住んでいだ時
街の明かりの鮮やかさを
淡い青と濃紺の狭間に立ちながら
向こうは夜になった様なのに暖かそうだなぁ
なんて思って見ていた

明るい癖にどんよりした気配を纏う山
暗い癖に明るい街
対比のせいか
世界が切断された様だと感じたことを
いまだにに憶えているけれど
あの時の景色の中の 過去の私も
この感情2つが引っ張りあっていた
切断されていた

誰もが私を宇宙人の様に思っていただろう事
私にとっても 私は宇宙人だった事
誰も彼も 私すらも
私を街へ 連れて行けはしない事
寂しい 悲しい 抜けない針
抱きしめたら溶け込むだろうか



7/8/2024, 1:09:49 PM