NoName

Open App
7/12/2024, 5:20:09 AM

『1件のLINE』


自分に自信がなくて
いつも自分からは送らずに
あの人から来る
長文の1件のLINEを待っていた
生真面目さと優しさの透ける
穏やかな言葉の羅列が好きだった

少し時間をずらして開くのは
ダサいって思われたくないとか
即レスがキモいだろうとか
そういうのじゃなくて

自分が抱いた好意を
身分不相応なものだと恥じて
だからこそ
浮ついてときめいてじっと待っていた
そんな自分を認めたくなかった
私の様なものが好きとか言って
大変申し訳ない みたいな感情
消えなくていいから
伝わってほしくなかった
可愛げがあっても秘めていたら
なんの意味もないのにね

他人に言ってあげられることを
自分にも言ってあげられたら
あの人の寂しさに
少しでも目を向けられていたら
あのLINEも 
静かな言葉のやり取りも
少しは永く続いていただろうか

7/10/2024, 2:51:40 PM


『目が覚めると』



目が覚めると
また今日という日が始まるし
寝てしまうと
明日という日がやって来るし
だからか 睡眠も起床も苦手だ
あと 朝っぱらが1番メンタルを消費する
それは不可避だと思う

この段階でHPは50だ
体力も通勤の段階で50だ
朝に半分持っていかれる
けれど 心も体力も他人に見えない
説明したって 厄介な怠惰でしかない

頑張りなさいと言われる
頑張れない自分を恥じる
恐れの目に再び心が削られて30
自己嫌悪のデバフも付き
無駄に動いて体力も減る
カリゴリ削られ続けて
帰る時間になるとバーが赤く光ってる気がする
努力じゃ病気は治らないと思う

だから人類は
第六感の眼とかを目覚めさせるべきだ
きっと心の傷も
体力も目視できるだろう
目視できたら傷つけ合いも減るし
素敵な世界になって
少子高齢化も止まるだろう
もはやそれしか方法はない気がする
世の中素敵になる気がする

無理なら私の隣で
粉砕された骨とかを
目隠ししながら元に戻してみよう
疲れて眠って
目が覚めたら
無駄を意識して一粒ずつ組み立て作業
痛みはあるかもしれないけど
存在が確定していて触れるだけマシだよね
大丈夫だよ

って 同レベルな事を想像してみたけど
悪魔みたいだよな

7/8/2024, 1:09:49 PM

『街の明かり』


私の居場所はいつも暗がりの中にある
暗がりだからといって 嫌いではなくて
むしろ好きだ
落ち着くし 安心できるし
私を攻撃するのは記憶だけになって
現在進行形の痛みは消えるから
望んでそこに在る
家だって
存在だって
価値だって
暗がりに溶け込んで誰にも見えなければいい
半端が一番虚しいから

けれども 
ふとした瞬間 気持ちが振り返る時
あまりにも他がきらめいていて
心に孤独が食い込む
穴が空いた様に 透明の丸が出来て
そこから 羨望の眼差しで世界を見つめてしまう
そういう時 真反対の感情が産まれる

昔 田舎に住んでいだ時
街の明かりの鮮やかさを
淡い青と濃紺の狭間に立ちながら
向こうは夜になった様なのに暖かそうだなぁ
なんて思って見ていた

明るい癖にどんよりした気配を纏う山
暗い癖に明るい街
対比のせいか
世界が切断された様だと感じたことを
いまだにに憶えているけれど
あの時の景色の中の 過去の私も
この感情2つが引っ張りあっていた
切断されていた

誰もが私を宇宙人の様に思っていただろう事
私にとっても 私は宇宙人だった事
誰も彼も 私すらも
私を街へ 連れて行けはしない事
寂しい 悲しい 抜けない針
抱きしめたら溶け込むだろうか



7/6/2024, 6:14:25 AM



『星空』


いつも自分1人で暗闇の中を歩いている
そんな気でいても
瞬きの隙間 瞼の向こうで
眠らない街の星空みたいに
知らぬ間に己を照らす存在があって
それはとても幸福だ
と思う

私が気がつけば全て輝く
一気に世界は開けるよ
それは微かで確かなものだけれどこぼさず行こう
人生は 幸せ探しの旅

7/4/2024, 4:04:38 PM

『神様だけが知っている』


己の無能と無力感に苛まれて
テレビの中のあの人らとは違う生き物として
最下層に生きているのだと
ふとした瞬間に思い知る時
その理不尽さに泣く時
無意識に哀楽のシャトルランをしながら
それでも明日に目を向けてる時

誰が見ても無様でボロボロで
悪意と嗤いが降り注ぐけど
本当に誰も見てなくても
本当に私に価値がなくても
私の好きな誰かに誇れる私でいるんだと
無理矢理笑った決意の日を
神様だけが知っているって
そう信じてたいよな

Next