『行かないで』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
行かないで。
その一言が喉の奥につっかえる。
滲む視界が鬱陶しい。
泣くな、泣かないで。
最後まで、笑顔の僕でいてってば。
─行かないで─ #104
題 行かないで
「行かないで」
そう言いたかった。私を見捨てないで。
ずっとそばにいて、そう言いたかった。
でもあなたにはやることがあって。
目標があって。
だからここに留まることは出来なかったんだよね。
あなたは私に向かって優しい瞳で言った。
「私、やりたいことがあるから、違う大学にいくけど、ずっと親友だよ」
ずっとずっと隣りにいたのに。
小さい頃からあなたは私の幼なじみで、支えで、元気の源で、一緒にいたら強くなれたのに。
「うん」
私は涙を溜めた目で頷くことしか出来なかった。
だって、どれだけ夢に向かって頑張ってるか一番知ってたから。
一番近くで見ていたから。
だから止めることなんて出来るわけもなかった。
それでも思ってしまう。
あなたが私とこれまで通り一緒にいてくれたら。
笑ってくれたら。
悩みを相談しあえたら。
いつでも会いたい時に会えたら。
一番大事な親友だから。
だからこそ、一番幸せで居てほしいのに、一番近くにいてほしくて。
そんな揺れる気持ちに私はどうしていいか分からなくなる。
そんな私の気持ちを知ってか知らずか。
親友は私の頭に軽く手を乗せた。
「何かあったらいつでも何でも話してね」
「うん・・・」
その言葉に涙腺が崩壊してしまう。
行かないでほしい。
行かないで。
あなたは私の希望なんだ。
ずっと横にいてほしい唯一の親友なんだ。
だから、私と一緒にこれからも同じ景色を見ていてほしい・・・。
ひとしきり泣いている私をただ、黙って頭を撫で続けるあなた。
私は落ち着いて深呼吸すると、親友の顔をみて泣き笑いする。
「ごめんね泣いちゃって」
一緒にいたい、いたいけど・・・、やっぱり、親友には自分のやりたいことを追い続けてほしい。
そして私も、親友に誇れるくらい、自分のやりたいことを見つけたい。
今は何もない私だけど、あなたが自分のやりたいことを追っていくなら、わたしもあなたを追いかけるよ。
やりたいことを見つけて、自分を磨くよ。
だって、あなたにがっかりされたくないから。
がっかりしない人って分かってる。それでも・・・。
あなたが誇ってくれる人に、自分が誇れる人になりたいから。
もう少し、強くなりたい・・・。
私から思わずこぼれた言葉に、あなたは微笑む。
「うん、唯ならなれるよ、私の自慢の親友だもん」
その言葉に、また涙腺が緩んだけど、私は強い決意をもって、これからの道を進もうと同時に思ったんだ。
『行かないで』
とある夢の中。あなたは笑顔で私の元を去っていく。
「なんでっ、、やだよ、、、けん、くん、」
「お前は俺が居なくても大丈夫だよ。俺じゃダメなんだ。だから、別の人に幸せにしてもらえ。ごめんな。でも、俺はいつもここでお前のこと待ってるよ。ここに来るのはもっと先でいい。今度こそ、俺の事なんか考えないで他の奴と幸せになって、いつまでも笑顔でいてよ。俺は、咲希の笑顔が1番好きだよ。じゃぁ、またな。」
そう言って離れていってしまったけん君。もう、二度と会うことの出来ない人。会えるとしたら唯一、夢の中でだけ。だから、夢から覚めなくていいのに。
行かないでよ、けん君。私たちが繋がっていれるのは夢の中だけなのに。けん君から、離れていかないでよ。
「 行かないで。」
※ 今までの小説の 彼side を書いてみました。
別れを告げられた瞬間、頭が真っ白になった。彼女が突然「別れよう」と言った理由が、まるで理解できなかった。俺たちは両思いだったはずだ。確かに最近、彼女が元気がないことには気づいていたけれど、原因が何なのか聞いても答えてくれなかった。それでも、二人で乗り越えられると信じていた。
それからしばらく、何も手につかなかった。教室にいても、友達と話していても、彼女のことが頭から離れない。どうしてこんなことになったんだろう? 何度も彼女にLINEを送ろうとしたけれど、送ったところで答えが返ってくるとは思えなかった。俺が悪かったのか、それとも他に理由があったのか、分からないまま時間だけが過ぎていった。
そんなある日、共通の友達にそれとなく別れの理由を聞いてみた。自分で直接彼女に聞けなかったのは、怖かったからだ。何か自分が大きな過ちを犯したんじゃないかという恐れがあった。でも、友達から聞かされた事実は、それ以上に辛かった。
「彼女さ、幼なじみの子とのことで悩んでたんだよ。お前に迷惑かけたくなかったってさ。」
その言葉を聞いた瞬間、悔しさと無力感が一気に押し寄せてきた。俺を巻き込みたくないから、彼女は1人でその苦しみを抱えていたのか。そんなこと、全然気づかなかった。彼女を幸せにできなかった自分を、心の底から恨んだ。もっと早く気づいていれば、もっと力になれたんじゃないか。俺は彼女にとって、ただの重荷だったのかもしれない。
でも、もう遅かった。彼女は俺から離れてしまった。手を伸ばしても、もう戻ることはできない。彼女の涙を、俺は拭ってやれなかった。
数ヶ月が過ぎ、少しずつ日常が戻りつつあった頃、俺に告白してくれた子がいた。彼女とは特別親しいわけではなかったけれど、明るくて優しい子だった。彼女の言葉に救われるような気がして、俺は彼女と付き合うことにした。
でも、付き合い始めた後も、どこか心が空っぽだった。彼女のことを大切に思いたいのに、心の奥底ではあの子――前の彼女のことが、どうしても忘れられなかった。新しい彼女は俺に笑顔をくれるし、一緒にいて心地よい時間を過ごせる。それでも、何かが違う。俺の心の中で、まだ彼女が占めている大きな部分があって、どうしてもそれを埋めることができなかった。
新しい彼女と過ごす時間が増えるほど、俺の心はますます苦しくなっていった。彼女に申し訳ないと思う気持ちと、忘れられない過去の狭間で、自分がどうするべきなのか分からなくなった。
結局、俺はその子と別れることにした。新しい彼女を傷つけてしまったことが申し訳なくて、でもどうしても彼女を想い続けることはできなかった。彼女には、もっと俺以外の幸せが待っていると信じたかったし、俺自身も、彼女との関係を続けることで誰も幸せにはなれないと感じていた。
それでも、俺の心はまだあの子を追いかけている。別れを告げられたあの日から、何も変わらないまま時だけが過ぎていった。俺は彼女を忘れることができなかった。
もうそろそろ時間か…
帰らなければいけない
この楽しかった時間ともお別れ
君が少しさみしそうな様子を見せてくれたのが
なんだか嬉しい…
息をぐっと飲み込んで 振り返らないように
「行かないで」
そう聞こえた気がした…
そうして視界がぼんやりして
気がつくと1年後に帰っていた
家までの帰り道 ふと君の面影を見つける
私は自他共に認めるヲタクだが、ヲタクというのはパワフルだ。
例えば、一度チケットを手にしたならば、余程の事がない限り、行かないではいられないという衝動にかられる。
推しに会うため、日々頑張っているのだ。
チケットという、推しに会う権利を得たならば何が何でも参戦したい!これが、ヲタクの心理である。
私は普段、朗読劇に参戦しているヲタクだが、チケットを手にした時から参戦に向けての準備が始まる。
まず大切なのは、「公式の情報」だ。
これがないとヲタクは困ってしまう。
主催者によって会場ルールが違うからだ。
その為、開場時間・開演時間・物販の販売時間、もちろん諸注意までしっかりと読み込む。
ヲタクがマナーを守ってこそ、コンテンツは続くし、もしかしたら推しの仕事も増えるかもしれないのだ。
故に、公式情報は大切だし、公式のお願い事はいくらでも喜んで守るに尽きる。
公式情報を得たならば続いて、参戦用の洋服やメイクを考える。
なるべく劇に合った物で参戦したいので、手持ちが無ければ買うこともある。
時間がある時は、美容院にも行く。
舞台から見れば豆粒ほどしか見えないだろうが、それでも良いのだ。
いちファンとして、小綺麗な格好は推しのメンツを守ることにも繋がるし、参戦という非日常感が増して嬉しくなるものだ。
──推しとヲタクのWINWINな関係。なかなか良いものだと思うのは、自分だけだろうか?
私は基本、関東圏のイベントに参戦する為、後は交通手段を調べて終わりとなる。
しかし──遠方から参戦する人達というのは、私よりもっとパワフルで凄い。
ホテルや飛行機、新幹線のチケットを取って参戦する。日程調整だけでも大変だろうに、それをやりきるのだからとんでもないことだ。
SNSなどで見ても、遠方の方たちのバイタリティには脱帽してしまう。
やはりヲタクにとって、チケットを手に入れたならば行かないではいられない──そういうものなのかもしれない。
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行かないで
行かないで
そう死ぬのを止められたから私は死ぬの止めたけど。
「死ぬ」ってのは逃げ道だったから、新しい逃げ道
探してよって思った。
強く握られた手首が痛い。
引き止められようと、私の意思は変わらない。
貴方を置いていくことは、つらいけれど、
もうどうしようもないから。
どうか、私を忘れて、平穏の中で生きていて。
きっと、これから行く戦場からは
戻れないだろうから。
ふと、学生時代を思い出した…
大好きだった、同級生の男の子
いわゆる片思いだ…
勝手に好きになる訳だから
自分中心に世界がまわってる
だけど、この感覚が楽しかった
「ここに居るかな?」と…
大好きな彼を探す事…
見つけた時のときめき…
目があった時の幸せを感じる瞬間
こんな事、片思いでしか味わえない
まあ、1人になって伝えられない
行き場のない気持ちが、抱えきれない
程に大きくなると、苦しくて涙もする
だろうけど…
もう、恋だの愛だのという感覚から
遠ざかってしまうと、好きな人が
いるだけでホントに人生は幸せだ
1日の終わりにチャイムが鳴って
下駄箱に向かう彼の後ろ姿を見つけては
「行かないで!」と心の中で叫んだり
勝手に作った青春の記憶が今も蘇る(笑)
寂しくなった 君との心 距離が
いつまでも置いてきぼりなの
どうか、どうか
私を心から温めて 抱きしめてくれる そんな貴方に
「 」
とか言えたらな
手を伸ばした。ドットが欠けていくように、消えていくお母さんの後ろ姿に。行かないで。そう、ぼくは叫んだ。
「……夢……?」
目をこすりながら、ぼくはそうつぶやく。気付けば部屋は真っ暗で、目の前のホログラフの投影機だけが淡く光を放っている。
「まだかな……お母さん……」
さっきの夢がフラッシュバックして、泣きそうになる。
「ん……」
そこで、私は目が覚めた。
「夢かぁ……。それにしてはリアルだったね……」
それにしても、夢とは思えないリアルな夢、今はまだない技術。
「……まさかの予知夢かなぁ?」
軽く笑って私はベッドから降りる。さあ、今日もいい天気になる。
【行かないで】
もうね
それはもう仕方ないよ
出会ってしまったからには
行き着く先は
生き別れか死に別れ
それなら
出会いに感謝し
後者でなかった事を
相手に行く先がある事を
喜ぶしかないんじゃなかろうか
どこかでひょっこり
なんて事もあるかも知れない
もちろん極論だし
実際の所
そんな簡単には出来ないけれど
結果を変える事が出来ないのなら
捉え方を変える
少しくらい自分に寄せたって
誰も文句言わねぇよ
あの時
『行かないで』と言えたなら
未来は変わってたかもしれない
でも今まで出会えた人には
出会えなかったかもしれない
たった一言だけど運命を
変える一言だったかもしれない
“行かないで”
口を突いて出た言葉だった。私とせっかく話をしていたのに、少しの沈黙が続くと先生は椅子から立ち上がる。私は先生のことが、好きで、もっとお話がしたかった。優等生の偉い子のままでいたかったから、話すことは全部授業内容に関係することを選んでいた。けれど、口を突いて出た。
「“行かないで”、、戻らないでください。」
「?わかりました、何かございましたか?」
そういう柔らかな言葉遣いが、彼の言葉が大好き
「音読して欲しいです。この前やったところを…」
彼に授業で教えて頂いた私の教科書ページを見せると
「これはもう終わってしまったものでしょう?では、3年生が行う文章を読んで差し上げましょう。」
読んでくださるのが嬉しくて、私は次の言葉を待つ。
「すごい、僕の言葉を沢山拾ってくださっているんですね。メモが多い」
「…ぁ、ぇ、っ、そうですね、どれも勉強になる言葉ばかりで。」
なんとか勉強熱心な生徒ということでこれは丸く収まったが(隠しきれない陰キャ感は否めないが)一歩間違えていればただ彼への愛情が強すぎるおかしな生徒になるところだった。勉強を怠らず努力していると、たまにこういう危機回避ができる。なんでそんなに勉強できるの?と言われた時は毎回、こう思ってしまう私の下心を、いつか殺してしまいたい
お願いだから、どうか行かないで。そうあなたに言いたいけど、きっと無理だよね。あなたはこれから新しい道を走るんだから。僕はあなたに恋をしたまま、ここで立ち止まることしかできないからすごくつらいな。でも、もし戻りたくなったら、いつでも来てね。ここでずっと待ってるから。まぁ、そんな日は来ないかもしれないけど。
もっと話したい事、沢山あるの。
『 行かないで』
行かないで #79
冷たい風が肌を撫でる早朝。
身震いしながら外に出て空を見上げた。
空が高くて澄んでいた。
夏の終わりと秋の始まりを予感させる。
季節の匂いも変わっていって私の好きな夏の匂いもなくなって切なく思ってしまうよ。
夏よ、行かないでおくれよ。
秋と冬が近くて暖かさが恋しいのかも。
空が澄んでいるから月も綺麗に見えるかな。
行かないでと伝えたい
けれど声は出ない
体も動かない
だから見送ることにした
『行かないで』
頭がズキズキと痛む。体がだるくて動けない。
熱下がったかな、と体温計で体温をはかる。
ピピピ、と音がして液晶を見ると、38.4℃と表示されていた。
最悪だ、熱上がっちゃった。解熱剤飲まないと。
私は重い体を起こし、引き出しを漁る。
見つけた解熱剤を飲み込んでも、なかなか楽にならない。
はぁ、しんどい。
私は頭や喉の痛みを意識しないように、無理やり目を瞑る。
コンコンッ
ふと、部屋のドアをノックする音が聞こえた。
こんなときに、と多少苛つきつつも、部屋のドアを開ける。
「いきなりごめんね、大丈夫?」
「さくなちゃん……、」
そこに立っていたのは、私の同級生であり恋人のさくなだった。
彼女の姿を見たら安心して、少し泣きそうになった。
「これ、薬とか、熱さまシートとか、色々入ってるから。あと、プリン。好きでしょ?ゼリーもあるよ」
彼女は手に持っているレジ袋を私に差し出しながら言う。
「ごめんね……ありがと」
私は泣きそうになりながら袋を受け取った。
本当に頼りになる、優しい彼女だ。
「それで、体調はどう?熱ある?」
彼女は私の額に手を当てる。
「結構熱いね」
驚いたようにそう言い、熱さまシートを貼ってくれた。
ひんやりして気持ちいい。
「それじゃ、またね。ご飯ちゃんと食べるんだよ?なんかあったら連絡して」
彼女はそう言って、部屋を出ていこうとする。
「行かないで……!」
私は思わず、彼女の服の裾を掴んでいた。
彼女が振り向く。
「どうしたの?寂しい?」
彼女はいたずらっぽく微笑んでそう問いかけた。
私はおずおずと頷く。
「もし迷惑じゃなかったら…」
おそるおそる彼女の顔を見ると、彼女は優しく微笑む。
「いいわよ。じゃあ、今日は泊まろうかな」
彼女は私の頭を優しく撫でてくれた。
風邪は辛いけど、たまにはこういう日もあっていいな、と思いながら、私は心地よい眠りに落ちていった。
お願い、どこにも行かないで。
ずっと隣にいてよ。勝手に居なくならないで。
二人でいたいよ。これからもずっと。
デートの約束もしたじゃんか。
ゴールデンウィーク帰ってくるよって言ってたじゃん。
なんで、亡くなって帰ってくるの。
ねえ、なんで。
答えてよ。教えてよ。
せめて、私を見てて。