『蝶よ花よ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
花はただそこにある。
どんな時も一歩も引かず、凛と咲く。
蝶は素敵なものを探して、どこまでも羽ばたく。
羽を広げ、軽やかにステップを踏む
蝶よ花よ
両者共に美しい。
それぞれの花鳥風月を穏やかに見つめる。
[テーマ 蝶よ花よ]
「蝶よ花よ」8/9(水)
いつも美しく柔らかな愛情を注がれている
あなたを見るのが辛かった。
蝶よ花よと呼ばれることが私には無かったから
酷く羨ましかった。
一度も不幸が降りかかったことのない彼女が
とても穏やかな顔で私の頬を包み込んだ
「あなたはひとりじゃない」と
ひらりはらりと川沿いを歩いていると、煌々と怪しげに光る一軒の屋台を見つけた。
花に誘われる蝶のようにフラフラとその光に歩を向ける。
「いらっしゃいませ。何になさいますか。」
柔らかな声の方を向くと、バーテンダー姿の女性が立っていた。
一括りにまとめられた濡れ羽色の髪は、緩やかな弧を幾重にも重ねながら夜の闇に溶け込んでいる。
屋台でBARをやっているなんて珍しい。
そうしていると一杯のカクテルが出される。
次の日も同じ場所に向かってみたがそこに屋台は無かった。
蝶は‹不死・不滅›の象徴
花は‹愛情・美・幸せ›の象徴
蝶は美しく花の上を舞う
花は自然を美しく彩る
蝶の羽は脆い
一度破れてしまえば終わり
なのに蝶は不死・不滅の象徴
花は美しい
一度枯れてしまえば終わり
だが多くの種類を持ち、様々な顔を見せる
一つ一つに意味を持つ
お題〚蝶よ花よ〛
【蝶よ花よ】
私が笑えば、みんなも笑顔になれるんだって。
物心つくより前から、両親が何度も繰り返す言葉。
だから私は嬉しいときもそうでないときも笑う。
そうでないときなんて、ほとんど無いのだけど。
可愛いね、すごいね、って褒めるのは両親だけではない。
学校でも変わらなかった。小学校から高校まで。
みんな、きれいとか賢いとか言って私を褒める。
控えめな態度で謙遜すれば、本当だって言い募る。
家でも学校でも同じなら、バイト先でも同じだよね。
シフトの被った男の先輩に微笑んで話しかけた。
店に余裕があるときなら、少しのお喋りは許される。
でも、彼は心底鬱陶しそうに顔を歪めて無視をした。
なんなの、あの男は。帰宅後、ベッドを力任せに叩く。
私を優先しない人なんているはずがないのに。
「何を食べたい?」「何が欲しい?」すべて希望通りに。
苦手なものも嫌いなものも、私の世界にはいらないの。
だから、彼にも好きになってもらわないといけない。
私の世界からいなくならないのなら、好きになれないと。
きっと大丈夫。みんな、私を大切にしてくれるから。
可愛くて賢い私をいつまでも無視できるわけないでしょ。
シフトが被るたび、飽きずに話しかけた。
彼は冷たい目で一瞥しただけで、一言も発さない。
その頑なな態度が変わるとは思えないけど。
今さら引けなくなって、声を聞くまでやめないと決めた。
諦めずに話し続けて、どれぐらい経っただろう。
「あのさぁ」ようやく声を聞けた。
「よくそんな話すことがあるよね。暇なの?」
白い目と嘲笑。なんで笑顔になってくれないの。
【蝶よ花よ】
触れてみたいと思った。
艶やかな黒髪に、短い髭が生えて少しざらついている頬に、無骨で太い指先に、色も厚みも薄い唇に。触れてみたいと思った。思ってしまった。
「どうした?峯」
突然の声にハッとする。
おそらく無意識に観察してしまっていたのだろう。こちらを見あげている黒い瞳は少し戸惑いの色を含んでいた。
「珍しいな、峯がぼんやりしてるなんて」
「申し訳ありません」
「謝ることじゃねえよ。それより、一通り片付いたから飯でも食いに行かないか。腹がへって仕方ねえ」
「そうですね」
椅子の背もたれに身を預けて目頭を揉んでいる大吾さんの顔には疲労の色が浮かんでいる。頭の中に記憶してある飲食店のリストから今の大吾さんに合いそうな店をいくつかピックアップして伝える。
「んー。落ち着いた店もいいけどよ・・・今はハンバーガーの気分なんだよな」
「ハンバーガー?」
「ああ。スマイルバーガーが食いてえ気分」
(着地点が見つからないので途中まで。あとで編集する)
〜蝶よ花よ〜
歳を重ねる毎に綺麗になっていくあなた
あなたは私の誇りよ
あれはいくつの頃かしら
口紅がなくなっているのは
あなたの仕業だって気づいてた
お気に入りのワンピースも
あなたが気に入ったのなら持っていて
私の趣味ではないけれど
あなたが気にいると思って買ったアクセサリー
これもいずれはあなたの物ね
…こんな母を許して
あなたが輝く度に胸を痛めるこの母を
怖がりなこの母を
守る術を知らないこの母を
あなたが傷つき壊れてしまわないか怖くてたまらない
大切で愛しい私のムスメ
どうか幸せであれ
蝶よ花よと可愛がられた兄とは対照的な育て方をされたと自覚している私。言葉のイメージからすれば『蝶よ花よ』とくれば可愛らしく育てられた女の子が連想されるだろうが、我が家ではそうではなかった。
生まれたときから見目麗しく、しかし身体が丈夫でなかった兄。それこそ古い時代の「女の子の格好をさせておけば男の子を長生きさせられる」との言い伝えを忠実に守らせて、その格好が本来女として生を受けた私よりも愛らしかったようで。可愛い子を可愛がる、大人の庇護欲は大層満たされることであろう。
数年後に生まれた私は兎角平凡。健康上の問題もなく、見た目も美しくないかわりに不細工でもないと言われた。放置して自由にさせたほうが手がかからず、というか大人の負担面が軽かったのだろう。
そういうわけなので、私はこのように育ってしまった。
【蝶よ花よ】
家の掃除をしていたら、ガレージの奥にボロボロの菓子箱を見つけた。
なんだこれは、と厚く被った埃を払い、黄ばんだセロテープをピリピリと剥がしていく。
手触りの悪くなった紙製の蓋を取ると、箱一杯に大小様々なサイズの写真が入っていた。
一番上は何処かの飼い犬を写したものだった、手にとって暫く眺めていると、ああ、と思い出す。
昔、両親とよく遊びに行った公園の隣にあったカフェの看板犬。
艷やかな純白の毛色の、ほっそりとした大型犬で、生まれて初めて美しいと思った、……気がする。流石にそこまでは思い出せない。
一枚一枚捲っていって、ボロボロの写真に手が止まった。
ハサミで切られた端が折れ曲がり毛羽立ち、所々表面が剥げた、薄いセピア色の写真。
家族写真だった。
父と母の間に、まだほんの子供の私が座っている。
父も母も、私も、幸せそうな笑みを浮かべて。
ああ、あの頃は確かに幸せな時間が流れていた。
何時までも続くと信じて疑わなかった幸せな時間は、しかし、呆気なく終わってしまった。
――ねえ、パパ。
もしも、あのとき、何かしてあげられてたら、この結末は変わっていたのかな。
テーマ「蝶よ花よ」
蜘蛛のように狡猾で
蜂のように高貴な
あるいは
竹のように強かで
大樹のような貫禄を持つ
ものは山へ 隠され覆われ
蝶と花だけが大手を振ってひらひらと笑う
平易な美的印象の香りに絆される民衆
今日もそうして蚊を殺し 雑草を踏み潰す
石鹸とレースのハンカチで漂白された蚕は
コンクリートとアスファルトで固められた街並みを
何食わぬ顔で風を切って舞い歩くのだ
<苦手なもの>
題: 蝶よ花よ
─蝶よ花よ─
この世界は美しい。
とても美しくて、綺麗で、苦しい。
楽しく幸せに暮らしている人が居れば、
辛く悲しい暮らしを送っている人も居る。
有名になったあのアイドルの下には、
一緒の立場だったライバルが居る。
世界に注目される程、良いことをしたあの人の下には、
沢山の努力と、思い出がある。
良いことの下には、原因と言う名の悪行がある。
そんな悲しい世界にある、美しいもの達。
その下にも、色々なものが、思い出があるのだろう。
美しいもの達よ、美しい花よ、美しい蝶よ。
努力が認められなくても、美しいものは美しい。
この世の中で『諦める』なんてことをせず、
世界を代表するように。
色々な悪行を隠すように。
いつまでも美しく、綺麗なままで居て。
皆さん、忙しくてお話を投稿出来ませんでした。
申し訳ありません。
これからは少しづつ投稿スペース上げていきます。
ご理解よろしくお願いします。
以上、作者より
蝶よ花よ
舞いなさい
散りなさい
ズタズタになるまで
泥だらけになるまで
世界が終わっても
命のない存在となった僕と踊ってくれませんか?
蝶よ花よと育てられたといえば
かぐや姫かな。
他には、うーん。
シンデレラの義理の姉達?
何だろ、この残念感。
今となっては実際に見たのか、話を聞いてその光景を想像しただけなのか覚えてないんだけど、ケンタがまっ裸のアツトを買い物カートに乗せて、2人で爆笑しながら寮の私たちの棟の周りを疾走するっていう、ホントあの2人はしょっちゅうバカやってたね。私にはチャラ過ぎてなかなか近寄り難い2人だったんだけど…
でも実はね、2人は私を否定しない優しい子たちでね、ケンタが同郷だったせいか気にかけてくれて、誰も見てないときに声かけてくれてたんだよ。サカイだけじゃなかったんだよ。
一度、ドアを開けたまま昼間にうとうと眠ってしまった事があって、ケンタが「ドア開けっ放しでそんな無防備に寝てたら襲われちゃうよ」って起こしてくれた。
いつもふざけてるのに、私に優しく笑いかけてくれたんだよ。その時に、この人全然チャラくないじゃんって分かった。
アツトとケンタは同室だったんだけど、部屋に行ったときチェストにアツトの下半身がしっかり写ってる裸のポラロイド写真が貼ってあって…さすがにそれは衝撃的だったなぁ。
フォロワーとオフ会したら人じゃないものだったら良い。
エイリアンとか、不定形生命体とか、名状しがたいものでも別に構わないのだけど、「あんり(HN)さんって、その、ご種族は⋯⋯?」「♯*★♪♡'〉です」って発音出来ないものだとお互い気まずいから、出来れば地球上の生命体の、トカゲとか、トガリネズミとかだと良い。
「え〜、映雑賦(HN)さんが言ってた上司ってギラファノコギリクワガタなんですかー!」「そうなんですよー」「どこも横暴な人がいるものですねぇ」「そうですね、まぁうちの上司は人じゃないですけど(笑)」みたいなやり取りをしたい。
人じゃないものなら、なんでもいい。
蝶でも、花でも、プランクトンでも、何でもいい。
私の疎外感にほんの少し寄り添ってくれた貴方が人じゃないなら、私もほんのり人じゃないのかなって、空虚感に疑問符を詰め込んで埋めてしまいたい。
蝶よ花よ
夏休みだよ、と部室に入った途端に叫んだ先輩はそれはもうウキウキとしていた。
「そうですね。長い夏休みの始まりです」
中学生の頃は夏休みが始まる度にわくわくとしたものだが、今年はそんなこともない。俺も成長したのかもしれなかった。
「先輩は何か予定でも入ってるんですか?」
あんまりにも楽しそうにしているので、聞いてあげることにした。先輩はとにかく喋るのが大好きなので。
「親戚の持ってる島に遊びに行くんだ。海で泳げるんだよ」
「へぇ、楽しそうですね」
先輩がきょとんとした顔をしてから俺にすすっと近付いてきた。
「なに他人事みたいな顔してるの? 君も行くんだよ」
「……え?」
首を傾げる先輩が、俺をじっと見上げた。しばしの無言。
「……俺の予定とか聞いてないのに勝手に予定を入れてるんですか?」
「後輩は先輩と一緒に夏休みを過ごすものだよ!」
「それ、俺の知らない常識だなあ」
先輩は俺に先輩面をしてくるし、実際先輩ではあるのだけれども、たまに常識がズレていることがあった。蝶よ花よと可愛がられて育った箱入りっ子のような気がする。
「……えー、駄目だった? 君、どうせ用事なんか入ってないでしょ?」
「し、失礼すぎるなこの先輩」
「だって、君っていつも授業が終わったら部室に来るじゃないか。暇なんじゃないの?」
「……俺にも一応、友達はいますからね。真面目な生徒なので部室にちゃんと来てるだけですよ」
先輩は興味が無さそうに、そうなんだあと返してきた。
「まあ、とにかくさ。君は夏休みの予定空いてるんだろ? 僕と島に行こうよ〜! 海だよ、海。避暑地だよ? 今年の夏は暑いんだぞ?」
俺を熱心に口説く先輩の瞳はきらきらとしていた。それを眺めてから、俺は口を開いた。
「仕方ないですね。良いですよ」
「よし、言質は取ったからね。絶対行こう。海で砂の城を作ろうね」
部室に入ってきた時よりもご機嫌になった先輩に、こちらも少し楽しくなる。楽しい夏休みになりそうだ、と思っていた俺は夏休みだからといって事件が休んでくれる訳でないことをまだ知らない。
蝶よ花よ
可愛い子猫
どんなに可愛がっても足らない
無心にもっともっと可愛がってとやって来る
ひたむきなまでの貪欲さ
「蝶よ花よ」
今僕がいる世界はとても綺麗だ
流れる川もとても透き通っている
君がいたらどれだけ嬉しかったか…
ここには僕しかいない
こんなに寂しい思いをするなら…
あの時…
君を置いていって行ったのは僕なのに…
もう戻ることも出来ないこの空間に
もう何年いるんだろう
長崎に原子爆弾が投下されて………
大好きだったよ
【11,お題:蝶よ花よ】
俺は物心ついた時には耳が聞こえなかった。
だから言葉を覚えることは出来なかったし、喋ることもろくに出来なかった。
そのためなのか、俺は蝶よ花よと育てられた。
指差したものはなんでも買い与え、少しでも興味を示したものは全て与えられた
両親は俺のことばかり気にしていて双子の弟のことは見えてないみたいだった。
弟が不満そうにしているのは、薄々勘づいていたが
俺はどうするべきか分からず、なにも出来なかったのを後悔している。
ある夜、弟は俺をベランダに連れ出した。
その日は星が綺麗だったから、最初はそれを見せたいのかと思ったのだが
弟は一言二言何か言った後に、俺に掴みかかった。
「ーーーっ!✕✕✕ッッっ!?」
「ーっ!✕✕✕っ!ーーーーー!」
狭いベランダのなかで、揉み合う
手すりから上半身が乗り出したところで、初めて月明かりに照らされ弟の表情が見えた
泣いていた。
重力にしたがって落ちている、恐怖はなかった。
なんとも言えない変な感覚に包まれながらふと思う
俺、弟のことなんにも知らないな
好きなもの 好きなこと 得意なこと 苦手なこと、
全部知らずに、知ろうともせずにここまで生きていたんだ
ごめん。
............ドンッ!......。
蝶よ、花よ。
なぜそんなにも美しく散ることができるのだろう。
なぜ生きているだけで人々の目を
注目させられるんだろう。
なぜ人は頑張って生きている人を
嘲笑ったりする人がいるんだろう。
花は儚いから美しいのか。
なら僕も儚く散れば人に美しいと、
おかしくないと言ってもらえるんだろうか。