vivi

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【蝶よ花よ】


触れてみたいと思った。
艶やかな黒髪に、短い髭が生えて少しざらついている頬に、無骨で太い指先に、色も厚みも薄い唇に。触れてみたいと思った。思ってしまった。

「どうした?峯」

突然の声にハッとする。
おそらく無意識に観察してしまっていたのだろう。こちらを見あげている黒い瞳は少し戸惑いの色を含んでいた。

「珍しいな、峯がぼんやりしてるなんて」
「申し訳ありません」
「謝ることじゃねえよ。それより、一通り片付いたから飯でも食いに行かないか。腹がへって仕方ねえ」
「そうですね」

椅子の背もたれに身を預けて目頭を揉んでいる大吾さんの顔には疲労の色が浮かんでいる。頭の中に記憶してある飲食店のリストから今の大吾さんに合いそうな店をいくつかピックアップして伝える。

「んー。落ち着いた店もいいけどよ・・・今はハンバーガーの気分なんだよな」
「ハンバーガー?」
「ああ。スマイルバーガーが食いてえ気分」




(着地点が見つからないので途中まで。あとで編集する)

8/9/2023, 5:50:20 AM