『蝶よ花よ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
テーマ「喋よ花よ」
喋よ。世界を知り我々を導く者よ。
どうか私を案内してくれないか。
私たちはどこへ向かうべきか。
何を信じ、何を探せばよいのか。
花よ。世界の記憶を司る者よ。
どうか私に見せてはくれないか。
私たちが産まれるまでのその記憶を。
世界の奇跡。真実の愛を。
彼らの生きる世界は言った。
正解などないのだと。
だから蝶は逃げるのだと。
だから花は絶えないのだと。
蝶よ花よ
一国の姫として、生を受けました。
優しいお父様とお母様。かっこいいお兄様に、仲良しの侍女たち。わたくしを守ってくれる人でいっぱいの宮殿で、まさに蝶よ花よと育てられました。これから先も、そうして幸せに暮らせると信じて疑わずに。
十五歳の誕生日を、少し過ぎたある日。
国王であらせられるお父様に、家族そろって呼ばれました。とても大切なお話があるのだとか。
「西の海を渡った帝国に、嫁いでくれないか」
家族が席に着くなり、わたくしに、お父様は仰ったのです。お父様はただ「帝国」と表現されましたが、そこは我が国を蔑み、憎しみ合い、幾度となく戦争を繰り返してきた国です。
「長く続いた戦争で両国共に疲弊し、和睦を結ぶことになったんだ。申し訳ない。どうか受け入れてくれ」
お父様は初めて、わたくしに頭を下げられました。
「私が不甲斐ないせいで…、すまない」
お兄様も、悲しそうに目を伏せられます。
「あなただけに辛い役目を押し付けて…。本当にごめんなさい」
お母様は、一粒の涙を流されました。
えぇ。無知なわたくしにだって分かります。帝国に一人嫁げば、わたくしを蔑み、憎む人たちでいっぱいでしょう。家族のように、わたくしを大切にしてくださる人などいないのです。
ですが、わたくしは一国の姫。
「分かりました、お父様。わたくし、帝国に嫁ぎます」
嫌だ、などと我儘を言っていい訳などないのです。
「皆様、そのようなお顔をしないでくださいませ。お嫁入りとは、幸せなことでしょう?」
涙が零れそうなのを堪え、微笑んで見せました。
蝶よ花よと育てていただいた子供時代は、これで終わりですね。
『蝶よ花よ』
命短し恋せよ乙女
花も恥じらう若葉の頃は
夢うたかたと過ぎて行く
ひらひらと飛ぶ蝶に花粉がついていることに気がつき追いかける私きづいたらきれいな花畑そこでピクニックでもしようかな?
明日同じ場所にいっただがそこはみんみんーみんみんーみー蒸し暑いそこは、きれいな蝉
アブラゼミだ
わたしは、ふるさとのことを思い出す「匂い」「風景」「音」を思いだしわたしは、くすりと笑い泣いた
帰りに亡き父のお墓に行き20年前の子供の頃を思い出した
母ちゃんににメールを送った
「おとー元気そうだったよー」
数分後
「そりゃーよかったよひと安心だ」
「何日後にかえってくるんか」
「あと3日後」
「楽しい思い出つくれたよ」
「私を鹿児島県にいかしてくれてありがとう」
みじかなひとに感謝
地域の人
警察官
本当に本当にありがとう
1ヶ月後
いつも通り大学にいっていたら
「ねぇねぇあそこのケーキ屋さんつぶれたらしいよ」
そこは、母ちゃんが営業しているテレビでも紹介された有名店なのになのに悲しすぎてすぐ実家に帰った
「なんで、どうしたの」
悲しそうにしてくちをひらいた
「実は、営業停止処分がでたの」
しかし来週でお店を閉めようとしていたんだ
母の言葉にわたしは、
私がつぐはずなのに
もういいでてく
わたしの大学最後の夏休みが終わった
「蝶よ花よ」 タルタル大統領より
みんなが彼女を見てる
みんな、彼女を中心に動いている
大切に大切にされてきたんだろう
ひねくれた心が毒づいているのをひた隠しにして
私は彼女を取り巻く一部となる
彼女はいつも何かに怯えているような目をしている。まるで、小動物のような感じだ。彼女とは同じクラスで実習での班も同じだ。しかし、この学校に入学してから数ヶ月経つけれど友人のような人と話している所を見たことがない。それは僕だけじゃなく他のクラスメイトもそう思っている。
「晴ノっていっつも1人だよな〜。」
そう言葉にしたのは常磐。彼も同じ酪農科のクラスメイトだ。高校生でやっと数学の点数を2桁をとったという頭の悪い彼だが、場を明るくする力がある。
「確かに、ピザ会にも参加して無かったな。」
「あと、燻製の時も」
「彼女いつも寮の図書室に1人でいるわよ。」
やはり、僕だけじゃなく他の人もそう思っていた。ピザ会の時皆は自分から参加していたにも関わらず彼女1人だけは参加していなかった。燻製の時もA班の他にも沢山の人がいたのに同じ班のはずの彼女だけはいなかった。
「何か、俺達と関わろうとしないよな。」
誰もが思ったことを言った八軒君は1人で遠いとこで作業をしている彼女をみた。彼女はいつも1人で行う作業を積極的にしている。まるで、僕たちと関わらないように。
"喋よ花よ"
満月の夜、綺麗な月光に誘われる様に戸棚からフルートの入ったケースを取り出し外に出て月を見上げる。
「…。」
あまりの美しさに息を飲む。しばし見上げてケースの蓋を開けフルートを取り出す。月光に照らされ、昼間とはまた違う輝きを放っている。演奏する曲はこの前ニコに「今度はこの曲やって!」とリクエストされてフルートに編曲した曲。あの演奏会で味をしめたのか、凄くしつこく言ってきて大変だった。まぁ俺自身、曲をフルートの音域に編曲するのが楽しかったのと人前で演奏する事の楽しさを覚えてしまっていたので断る理由はなかったが──なんて言ってやる義理は無いし恥ずかしいので言いたくない──。
曲名は"全ての人の魂の詩"。まだまだ試作中で所々若干荒削りな所はあるが、月光に照らされた時自然とこの曲をやりたくなった。フルートに口を当て構える。そして音色を月に捧げる様に奏で始める。
最初の伴奏、運指が結構大変だがここを奏でるフルートの音色が好きで編曲そっちのけで演奏する事がしばしば。
そしてボーカルメインのメロディになる。常に高音域でロングトーンだから息継ぎが大変。原曲を聴いている時もそうだが、演奏していると周りの温度が少し下がった感覚になる。…別に、お、お化けが寄ってきたりしてる訳じゃ、ねぇ…よな…?急に怖くなって頭を振る様に体の向きを90°変えて演奏を続ける。薄らと目を開けると地面に1輪、月光に揺れながら咲いている。恐怖感が和らいだのか少し頬が綻んで月に向き直る。そしてこの曲で1番高音のロングトーン、いつも苦しいが難なく突破して綺麗な高音をキープしながら間奏へと音を繋げ奏でていく。
間奏での運指も中々に大変だがイントロとほぼ同じだからイントロと同じ感覚で音を繋げていき、再びメロディを奏でる。
大丈夫、もう怖くないから、さっきはありがとう。先程の花に向けて心の中で言いながら、メロディラインをなぞっていく。今度は月だけでなく、先程の花にも向けて奏でる。すると気の所為か、自然と音が伸びやかに高らかになった様に思った。Aメロと同じ様に演奏しているつもりなのに。不思議に思いながら、高音のロングトーンを繰り返していく。そして再び1番高音のロングトーンを、今度は気持ち高らかに奏でる。その後も高らかに1音1音、ラストまで繋いでいく。
「…ふぅ。」
フルートから口を離して一息吐く。再び月を見上げると、何となく最初に見た時より一際輝いて見えて、先程の花を見るとさっき見た時よりも美しく見えた。まるで月と花の喝采を浴びているようになり胸がいっぱいになった。
少し肌寒くなってきて少し身震いする。心の中でお礼を言いながら中に戻った。
次の日の朝、起き抜けに窓を開けると一匹の蝶が俺の顔の前を飛んで来て、何となく人差し指を向けるとその指に蝶が止まった。まるで月が使いを呼んで、昨日の演奏のお礼を伝えに来たみたいだ、なんて朝っぱらからファンタジーな妄想をしている自分を心の中で笑っていると、人差し指に止まっていた蝶がヒラヒラと飛んで行った。その優雅に空を舞う姿に顔が綻び、朝の支度をしようと窓から離れた。
蝶よ花よ
蝶や花は綺麗だと 大切にしたいと思うなら
その気持ちを周りの人間にも
少し向けてみたらいいと思う
「そこはとても美しいところなの
色とりどりのお花が咲いていてね
見たこともないお花もあるの
蝶々がひらひらと舞っていて
時が止まったようなの」
そんな世界を映し出している
君の心が美しいんだね
〜蝶よ花よ〜
元いた世界は
瞬間的に映像が見えたり
しばらく
その世界を眺めていたり
突然見えて
どこなのかとか
わからなかったりするけれど
そういう感じで
僕に繋がってくれる
蝶々達がいてたくさんの花が咲いていて
その中にたくさんの天使がいて
そんなイメージする
今日のテーマです。
「喋よ花よ」
色とりどりで美しい花々
魅力振るい華麗に踊る蝶たち
この世で嘘をつかないのは
色だと思っている。
赤は赤で青は黒では無い
他の何者でもない
でも人間は
嘘に嘘を重ね
本音がどこか分からない
信用できないのは人間で
そんな人間の僕に寄り添ってくれるのが
花と蝶だ
彼らは美しい
嘘をついても
誰かを騙しても
この本音は嘘にならない
蝶よ花よと育てられたせいか、私のわがままは留まるところを知らない。
欲しいものは手に入れないと気が済まないし、今までそうして手に入らなかったものはない。
だから私は困っている。
学校一モテるこの子を落とすには、超えなきゃいけない壁がある。
蝶も花も、綺麗だと言う。
けれど虫が苦手な人からすれば蝶は苦手になる。
花もそう。
綺麗だと思う人と、そう思わない人がいる。
本当に綺麗なのか。
綺麗とは一体何なのか。
人の感性は難しいものだ。
少女漫画の展開に憧れてた夏
クーラーの効いた部屋とセミの声
夏本番で 出る気がしないし
もう夏休みの宿題もないし
2階の真ん中わたしの部屋
なんとなく漫画を読み返す
蒸し暑い夏の三角関係の話
俯瞰して観るようになってた
どれだけ体が成長しても
鏡を見なければまだ子供な気がして
見つけ出した制服
冬物に紛れたスカート
カーディガンは見当たらない
愛とか恋とかよく分からないから
君に答えを教えてほしい
レポートの進捗
駆け引きはしない
ふたりの囲む、最後の線香花火の、炎がじきに落ちる、燃えあがったあの一瞬だけ、恋人ぽかったふたりは、ほら、もう誰からみてもただのわたしときみ
ずっと好きでした。
貴方にお会いした時は西洋のお姫様かと思いました。
声をかけるどころか近寄る事さえ叶いませんでした。
幼心に貴方に一目惚れしたのだと思います。
貴方のお屋敷に勤める父の荷物持ちとして、お屋敷には幾度となく行く事は出来ましたが、貴方にはなかなかお目にかかる事も叶いませんでした。
何度か遠目にお見かけする度に心躍りました。
和装の姿に姫様と心の中で呟いた事、お許しください。
戦禍が厳しいものとなり、長男の私にも近いうちに出兵の命がくだると感じた頃、父母が私にと結婚相手を連れてきました。
気のいい、若いお嬢さんです。
私に最後に花を持たせてくれようとした両親に感謝しました。
ですが、私の心は貴方のものとなってしまっておりました。
名も知らぬ、高尚な貴方に私が相応しいはずもありませんが、私の青春と人生は貴方に捧げると勝手ながらに誓いました。
祝言をあげてもらい、初夜には、お嬢さんに土下座をし、恥を忍んで夜を抜け出させていただき、貴方の屋敷の裏の門で一晩、貴方を思い、泣いて過ごしました。
しばらくして、やはり赤紙が届きました。
近所の皆、出兵を喜ぶふりをしてくださいました。
千本針も持たせていただきました。
私の行った戦地は、桜花と言う花の名前の人間爆弾を投下するような暑い地でした。
私もコレに乗る日が来ました。
もちろん、生きて帰る事など鼻から諦めておりましたので、戸惑う事はありません。
ただ、この地で先に行った戦友の元へ行く。
そう思わないと、震えが止まらなかったのです。
毎日、写真も持たない貴方の事を考えました。
この戦に勝ちはないとわかってました。
言葉にできぬ事や思いが増えて溢れそうになり、気がおかしくなりそうでした。
やっと私に乗り込む番が来ました。
正直なところ、やっと死ねると涙しました。
片道の燃料のこの機体。桜のように散る私は蝶になれるでしょうか。
体がなくなったら、遠い地ではありますが、この地から蝶となってもう一度、貴方を一目見たいです。
そうできたなら、思い残す事もありません。
ソレが叶わなくても、この戦禍の世にありながら蝶よ花よと生きる貴方の生涯が、ずっと続く事を願います。
手紙にも残せぬこの思い。蝶になって届ける事が叶わないなら、いつかの裏庭に咲く桔梗の花になりたい。
#蝶よ花よ
何事にも囚われずに
美しい花に飛んでいく蝶
互いのコントラストに気付くわけもないが
見てる私は思わずシャッターを押す
儚い命の美しさが融合する瞬間を
逃すことなど出来ない
この景色をどうか奪わないで
「蝶よ花よ」
蝶は必然的に花に惹き付けられる。それが蝶、虫自体の働きでもあるのだから当たり前の行いだ。
私は必然的に貴方に惹き付けられる。だけどそれは絶対のことでは無い、永遠に続く訳でもない。働きでもない。だけどこうして貴方を常に思っているのはきっと本当に気持ちなんだろう。
そう思わせてくれるような貴方と出会えてきっと幸せなんだろう
8/8 お題「蝶よ花よ」
「蝶よ花よと育てる、って言い方あるじゃん?」
「うん」
「花はわかるんよ。でも蝶ってどう思う?」
「どう思うって?」
「虫じゃん」
「虫だね」
「気持ち悪くない?」
「え。そこは個人差だと思うなぁ」
「だってアレ蛾みたいなもんじゃん」
「いやあ…でもモルフォ蛾とかおらんし…。それ言ったら花だってラフレシアとか食虫植物かもしれんよ?」
「うわー。そういう育てられ方はしたくないなー」
「まあラフレシアを称える文化ってのはそもそもどうかと思う」
「『我々はアマゾンの奥地へ向かった』感がある」
「日本だから蝶よ花よがいい意味で受け取られるのかもしれん…」
「いやそれでも虫はどうかと思う」
「何ならいいの。好きなもの何? 金と権力?」
「いや意味わからんしそんなん引っ張りだこで利用されまくるじゃん…」
(所要時間:10分)
『蝶よ花よ』
蝶よ花よと愛てくれた貴方のことが好きだった。
貴方の大きな手で頭を撫でられるのが好き。
貴方の大きな背中に身を預けるのが好き。
私に似合うだろうと可愛い服を買ってきてくれた。
不器用だけど丁寧に髪を梳いてくれて、
「結えなくてごめん」と言ってリボンをつけてくれた。
お砂糖の入れ過ぎで焦がした卵焼きは、
焦げのない内側だけを私にくれた。
貴方のおかげで私は、ずっと寂しくなかったよ。
貴方は私のママでもパパでもないけれど、
ママやパパと同じくらい私を愛してくれた。
だからね、私たち親子なんだよ。
血は繋がってないけど家族なの。
貴方は確かに私の親なんだよ。
そう伝えられたら良かった。
「撫でないで」「おんぶ嫌」
「可愛くない」
「三つ編みが良い」「これ嫌」
「美味しくない」
私が口にしたのはそんな言葉だった。
両親が亡くなって日が浅かったから。
まだ心を開けていなかったから。
思春期に入ってしまったから。
家を出て一人で暮らすようになったから。
言い訳はいくらでもできる。
そうやってずっと、何も伝えてこなかった。
気づいたら貴方は歳を取っていた。
私がどんなに我儘を言っても、
愛おしそうに見つめてくれた貴方の瞳。
好きだったの。
本当はね。
貴方のこと大好きだったんだよ。