『落下』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「「いっせーのーせ、あいしてる!!」」
ふわり、夜風に裾がたなびいて心と身体が踊り出す。重力を振り切って飛び出した僕らの間を天の川が繋ぐ。眼下に広がった街はありきたりに宝石箱のようで、地平線はやっぱり少し丸みを帯びていた。
かくん、繋いだ手と手が傾いて、忘れていた重力が僕たちを下へと引き寄せる。吹き上げる風が君の白いスカートの裾をめいっぱい広げたのを合図に僕らの体は一直線に奈落へと滑り落ちた。
「大好きだよ」
「忘れないで」
「「今度は、2人で」」
―― 一緒に生きようね。
下へ、下へ、下へ。
めいっぱいの幸せと1粒の涙を抱えて、光り輝く星を目に焼き付けて、走馬灯よりも君の顔を、鼓動を、声を、全てを離さないように抱きしめて。最後の最期まで振り絞った愛を贈り合って、僕たちは永遠へ目を閉じた。
―― 「今入ってきたニュースです。**県**市の山岳から2人の遺体が見つかりました。2人は不可解にも互いに手を繋いだ状態で発見されており、また遺体の状態から高所から落ちたのではないかと推測されています。遺体はどちらも男性のものと見られますが、1人は何故か女装をしていたということです。警察は見身元の確認を急いでおり――
『9.8m/sの告白』
お題:落下
昔は落ちる夢をよく見てたなあ。
同時に、飛ぶ夢も見てた。
睡眠時間が多かったせいもあるけど、夢自体をよく見てたと思う。
今は落ちる夢も飛ぶ夢も、何なら夢自体をほとんど見なくなってしまった。
睡眠時間が短いからかなあ。
あと、感情はよく闇落ちするけど、体重は全く落ちない。
風邪の続き
落下
ふわりと体が浮き そうして急激に
落下スピードが上がり体が急降下して
行く。
このままでは、俺の体は地面に叩きつけられ俺は、死ぬだろう....
俺は、落下していく体と一緒に上に昇って行く景色を見ながら 俺に留めを刺さんとする人影を視界に捉えた。
嗚呼 死ぬのか.... 不思議と恐怖は
湧かなかった。
俺に剣を振りかざそうとする少女の笑った
顔が視界に過るまでは その瞬間俺は
剣の柄を握っていた。
俺はその瞬間 諦めていた気持ちが上昇し
気が付いたら剣を抜いていた。
完全に落下の態勢だった俺の体が少女の
剣と交わった瞬間 姿勢を垂直に保ち
金属のぶつかる音と音が俺の鼓膜を叩き
俺を持ち上げる。
生存本能とは、違う別の何かが俺を
突き上げる 楽しそうにダンスを踊る様に
まるで剣の舞の演舞かの様に俺の剣とかち合わせて戦う少女に俺は、見惚れた。
そうして俺は心の底で、はっきり思った。
もっと もっと戦いたい この少女と
命のやり取りをしたいと ひりつく様な
ぞくぞくと麻痺した感覚に俺は興奮し
高揚していた。
(ああ....良い もっと もっと俺を見ろ
俺の命を奪って見ろ お前の命は俺が貰う
誰にも渡さない....)
そんな懐かしい高揚感を感じた夢を見て
俺の目覚めは、覚醒した。
窓から差し込む光に目を眇め手で目元を
押さえ光を覆う。
横を向くとさらさらした感触があった。
「先輩 今日 お寝坊~ 私 今日早起き
したよ~えっへん!!」少女は偉そうに
胸を張り陽だまりみたいな笑顔を俺に
向ける。
いつもならそんな少女の態度を完全無視するのだが.... 今日は久しぶりの休暇で
偶然にも二人っきりだった事もあり俺の
箍も外れてしまった。
それを夢の余韻のせいにして俺はニフジを
後ろから抱きしめた。
ニフジは、俺の珍しい態度に目を丸くさせ
俺を見る。
「先輩どうしたのぉ~寝ぼけてるの?
もう!だから夜更かししちゃ駄目って言ったのに~」見当違いの反応をするニフジ
俺は、そんなニフジの言葉に
「うるさい!」と返しニフジの首筋に唇を
落とす。
途端にニフジが「きゃははっ~先輩擽ったい!」と子供みたいな反応を示す。
(ガキ!ムードもへったくれも無ェ....)
「先輩 今日 変だね!可笑しい!」
「黙ってろ!」と俺はニフジの唇を自分の
唇で塞ぐ。
「っ・・・・んっ・・・・」俺は舌を絡ませニフジの吐息すらも奪う。
「先輩 苦しいよ~ 苦しいからそれ嫌だ」ニフジが頬を膨らませて俺に抗議する。
そう こいつはこんな行為の意味も良く
分かってはいない....俺のこの気まぐれの
戯れもこいつの中では、唯の悪戯
動物がじゃれ合って遊ぶ程度の意味しか無い
「お前を苦しませる為にやってんだよ」と
俺は、ニフジに向かってニヤリと笑う
ニフジは、そんな俺の表情を悔しそうに
眺め俺の首を絞めて来た。
俺は自分の手を入れて呼吸を確保する。
キスのお返しが首絞めってニフジしか
思い付かないだろう....
ニフジはまだ俺を睨んでいた。
俺は、その顔を見て口角を上げた
(良いぜ....今日は休みだし....とことん
付き合ってやるよ!)
こうして俺は猫のじゃれつきに一日中
付き合ってやったのだった。
「落下」
前に雹が降ってきたことがあった。
けっこうな大きさの雹が降ってきて、
びっくりと恐怖を感じた。
雹のサイズが今までに見たことのない大きさで、
これが頭に落ちてきたら絶対に死ぬと思った。
落下という言葉で、その時のことを思い出した。
雹が降るというけど、
あれは「大きな氷の塊が落下してきた」、
という表現が正しいと思う。
おちる、おちる、ちる、ちる、ちる、る、る、る、る
その声は誰のものか その言葉を発したのは誰か
ただ 反響して広がったそれを 思い出そうともがいても きっと掴みどこはないのだ
故に、故に、故に
忘れないと何度も掘り起こして 脳裏に刻んで その努力も虚しく 手のひらからすり抜けていく言葉
消えてゆく後悔 あとも残らない涙 忘れゆく命 それすら一生のうちの1秒にも満たない慟哭 いつかは無くす定めにある
だから、もう
君の声も 君の顔も 君の背丈も 君の暖かさも 君の髪も 君の匂いも
もう忘れちゃった 消えちゃった なくなっちゃった
君は最後、ぼくに
忘れないでねと笑って 屋上から飛び降りた
『じさつ』———【落ちる】
落下
りんごが落下、そしてキャッチ。手にして口にする。
禁断の果実は、りんご。万有引力の法則も、りんご。
例えで使われるのは、りんご。
本当は、パラシュートやバンジージャンプでも良かったのに、最初の言葉で「りんご」が出てきたので、りんご。
りんごの魅力は、ただ単に美味しい。
美しい赤色、黄色も魅力的。
もしもアダムとイヴのどちらかが、りんごアレルギーだったら、また違った関係性になっていたのかな。
りんごが食べれず、ヒステリーを起こすような関係性なら、普通に悲しい。
ニュートンも、りんごに気付かなかったら、何で表して発見したのだろう。
落下したりんごで、世界が変わる世の中。
『落下』
小さい頃は、話をした人はみんな友達で優しいことが正義で幸せな日々がずっと続くと思っていた。
少し大きくなって、人を疑うことを覚えた。
また成長して、嘘をつくことを覚えた。
その次は嫉妬、そのまた次はひがみ、妬み、恨み、恥辱、恐怖……
そうして私は堕ちていく。
はるか下へ落下していく。
スカイダイビングしてみたい。
ものすごい風圧と速度の中落下していく感覚を味わってみたい。
ジェットコースターの落下の比じゃないんだろうなぁw
そういえば落下で思い出した。
翼竜って正確には飛んでないんだって。
気流に乗って上昇して、あとはゆっくり落下するって聞いたことがある。
私、翼竜ではアンハングエラが大好き♡
脱線しちゃったw
「落下」でピンときたのは成長期…
私は、高学年からいきなり身長が
ビックリするくらい伸びた…
その時によく見ていた夢が
高い所を飛んでいる夢だ…
根拠はないが、成長期にはやたらと
空を飛ぶ夢をみるらしい…
そこで、「夢占い」を調べてみたら…
【以下ネットより抜粋】
1.理想の自分に近づきたい、目標を達成したい、成長願望
2.縛られていることから解放されたい、自由への欲求
3.性的な願望や欲求不満
1·2·3と成長期と密じゃないか!
まあ、ごく自然な成り行きなわけだ…
でっ…「落下は?」との質問に答えます。
私…一生懸命に飛んでるんだけど
いつもスイスイ飛べず、最後はカエル
みたいにバタバタして落下してた…
なんか不満解消出来てなかったのかな?
え〜……1·2·3…何番かはご想像に
お任せ致しますww
落ちる
墜ちる
堕ちる
地の果てその先どん底までも突き抜けて
#落下
落下
見えない気持ち…
落下していくの
何処までも落ち続ける…
不安で不安で仕方ない
今日は早く帰れた。
二人分の夕飯の支度をすると、電話がかかってきた。
それは、彼の先輩からだった。
彼が救助中、落下事故に巻き込まれたと聞いた。
全身が凍りついて、全ての色が喪われそうだった。
「心配しなくて大丈夫だよ、俺が送っていくから」
「ありがとうございます、待っています」
暫くすると玄関のチャイムが鳴り響いた。
夕食の支度を止めて、玄関に走る。
玄関を開ける前に、鍵が開けられて、松葉杖を付いた彼がそこにいた。
「あ、びっくりした。ただいま」
自分の状況を見て、気まずそうに苦笑いしながら〝ただいま〟の挨拶をしてくれる。
「おかえりなさい。あれ、先生は?」
「あ、そこまで送ってくれた……ってことは、聞いた……よね」
何も言葉を紡げず、頷いた。
私は彼の荷物を持ち、靴を脱がせる。
「ありがとう」
彼は居間にあるソファに座った。
「さすがに座らせてね。恥ずかしいー、ドジって落っこちちゃった」
困ったように笑う彼を見て、胸に火が点いた。
確かに心配した。不安だった。でも強がる彼を見て、違うところに痛みを覚えた。
一歩前に進み、彼に負担がかからず、彼の顔が隠れるように抱きしめる。
「無事で良かったです」
「うん。心配させて、ごめん」
「それもこわかったです」
「うん、でも大丈夫」
軽い声で安心させるように言ってくれる彼。
それが強がりだって分かる。
だから。
少しだけ、抱きしめる腕に力を入れた。
「……大丈夫じゃないです」
「いや、大丈夫だよ」
大丈夫じゃないよ。
絶対に大丈夫じゃない。
〝ドジった〟って軽く言ったけれど、絶対に悔しいって思ってる。もっと上手くできたはずだって思ってる。
でも、これを言葉にしたくない。
だから
「あなたは大丈夫ですよ」
それだけを伝えた。
会話になっていないと言われたら、その通り。
でも。
彼のまとう空気が変わった気がした。
「ありがとう」
そう言いながら、強く抱きしめ返してくれた。
おわり
お題:落下
「落下」
「メイドインアビス」みたい
だけどテスト期間だから無理だ
早くテスト終わって…
面倒くさい、動きたくない時ほど
鼻水が出る
ティッシュをとる
鼻をかみ、ゴミが出る
まるでゴミが出ることを予想しているかのような
イラつかせる距離感をしたゴミ箱
僕たちを試しているかのように、待っている
僕はそれに応えるべく、
ティッシュをゴミ箱に目掛け飛ばした。
#落下
落下
ああ、どこまでも落ちていく。
このまま落ちて終わってしまうのだろうか。
それとも、ずっと永遠に落ち続けるのだろうか。
空はずっと続いて、私からまとわりつくのをやめてくれないのだろうか。
手で触れようとしても、落ちてるので掴めない。
そもそも物なんてない。
ああ、まだ落ち続ける。
私が落ち終われば白い花が赤く彩やかに光るだろう。
ああ、先が見えない。
まだ落ち続ける。
いつ落ち終わるのだろうか。
一瞬で終わってしまいたい。
#10
お題《落下》
言の葉が支える世界の理から落ちてゆく。
世界の真実を識る者は。
知った者は。
――きっと同じ結末だ。
もう後戻りはできない。
もう日常には戻れない。
それでもきっと……。
「必ず、また帰ってくるよ。あなたの、もとへ」
今頃私がのこした、最後の言の葉に触れているかな。
……泣いてくれるかな。
きっと、大丈夫だよね。
それは、永遠とも刹那ともいえる、愛おしい時間だった。――大切な人を想うのは。
「私が死ぬところを見ててほしいの、絶対に忘れないでほしいの」向こう岸に立つ君が俺に電話をかけながらそう言った。嫌な予感はずっとあった。胸がざわついて仕方がなかった。なのに足が竦んで動かなかった。“ブツッ……ツー……ツー”という音が鼓膜をふるわせてきたとき、落下していく君を追うように視線を這わせていた。ああ……もう終わりなんだって思いながら、ただただ立ち尽くしているだけしかできなかった。もうなにも取り戻せない。ただあの日に縋る。神にないものねだりをする。落下していく君が頭から離れない。俺はなにをしているんだろう。なにをしていたんだろう。ごめんな。
落下
落ちた先に受け止めてくれる誰かが居るなら、きっと恐怖を押しのけて飛んでいける。
日々家
"落下"
ハナが高い所から一人で降りられるようになった。
この前までは高い所に登って満足すると『降ろせ』といつも泣き喚いていたのに、目覚しい成長だ。
喜ぶべき事だし、凄く嬉しい。
だけど最近、ハナの成長に少し寂しく思う。
これから少しずつ、俺がいなくても生きていけるようになっていくのかと思うと、なんだか素直に喜べない。
俺が勝手に家族にしたのに、勝手に寂しがって成長を拒んで、傲慢にも程がある。
いつからこんな我儘になってしまったのだろう。
失うものは何も無いはずなのに、いつからこんなに、失うのが怖いと思ってしまうんだろう。
たまにビルの上から真っ逆さまに落ちる夢を見る。
ヒューーー、ドーーンの衝撃で跳ね起きるのがいつものオチ。
でもこのとき生きててよかったな〜って心から思えるのがなんか良い。
だからその日はいつもよりも濃い1日にしようって思う。