おちる、おちる、ちる、ちる、ちる、る、る、る、る
その声は誰のものか その言葉を発したのは誰か
ただ 反響して広がったそれを 思い出そうともがいても きっと掴みどこはないのだ
故に、故に、故に
忘れないと何度も掘り起こして 脳裏に刻んで その努力も虚しく 手のひらからすり抜けていく言葉
消えてゆく後悔 あとも残らない涙 忘れゆく命 それすら一生のうちの1秒にも満たない慟哭 いつかは無くす定めにある
だから、もう
君の声も 君の顔も 君の背丈も 君の暖かさも 君の髪も 君の匂いも
もう忘れちゃった 消えちゃった なくなっちゃった
君は最後、ぼくに
忘れないでねと笑って 屋上から飛び降りた
『じさつ』———【落ちる】
6/18/2024, 12:00:03 PM