『落ちていく』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
左隣で眠る愛しい人
その腕をそっと抱きしめて
今日も眠りに落ちていく。
明日あなたの声で
目覚めるまでは
幸せな夢の中に。
#落ちていく
ある日、私はあなたに恋に落ちたんです
毎日見てるだけでどんどんハマって“落ちていく”
恋の力ってすごいな
恋をしてつくづく思う
その人の沼に“落ちていく”間は、幸せとか勿論悲しみとか悔しさも生まれる。
だけど、“落ちきった”後が1番辛い
その人の本性を知ったり、自分の時間と心を無意味に使ったみたいな感覚があるから
恋って不思議
恋は、不思議でしかない。
「沼」
最近班長が変わった。
元々他工程にいたからたまに話す機会はあったけれど
今回その人が班長になったからより一層話す機会が増えた。
初めて話した時、暖かい声と丁寧な言葉遣いで聡明で優しい方なんだと思っていたけれど
よく話すようになってからは割と頓珍漢な事を言っているのを耳にするようになり、
第一印象との差がありすぎて本当に同一人物なのか時に疑う事もあった。
けれど、会議室に向かう時にパソコンを持って出歩く姿は
やはり上司の風格があり目が釘付けになってしまう。
気づけば仕事の日も休みの日もずっとその人を考えるようになっていた。
好きとはまた違った感覚で、
けれどずっと考えてしまう。
───ああ、これが" 沼 "というものか。
テーマ:落ちていく
※創作
『落ちていく』
私は毎年家族と訪れる湖畔の別荘に、いつもと同じように家族と来ていた。
「ここに来るのは今年が最後になりそうだ」
パパが言った。パパの会社の業績が思わしくないという話は聞いていたけど、まさかこの別荘を手放すほどなんて思っていなかった。
「美紗子、すまない」
私ががっかりしていることに気づいてパパが言ったけど、私は会社のことは分からないし、パパを責める気にはならなかった。
「美紗子、結婚の話が出ているが、気が乗らないなら断ってもいいんだぞ」
私はパパの取引先の会社の専務だったかの息子と婚約している。結婚は来年の春の予定だ。相手は私より7つ年上の三十一歳。別に不満はない。
「彼と結婚するわ」
この結婚もそうだけど、私は自分の意思で色々なことを決めることができない。敷かれたレールの上を歩くことしかできないんだ。
それは昔からで、遠い記憶を思い返してみると、幼稚園の頃にはもう既にそうなっていた。
何一つ自分で決められない私は、放っておけば結婚もできないし、何もできない。誰か導いてくれる人がいないと生きていくことすらできないんだ。
婚約者の彼は私に指示をする。少し横柄で、少し乱暴な態度だけど、一から十まで彼は指示を出してくれる。そして私が全部彼の指示に従うと、褒めてくれるし喜んでくれる。こんなに私と相性がいい人はいないと思う。
私は予定通り、彼と結婚した。そして彼は別荘を買ったと言った。
私のパパの会社は何とか持ち直して倒産とはならなかったけど、規模が縮小しているから、あの別荘を買い戻すことはできなかった。
「美紗子、君の思い出の別荘だろ?」
旦那様が連れてきてくれた別荘は、私が家族と毎年訪れていた、パパが手放した別荘だった。
特に不満はない。思い出というほど何かあっただろうか?
毎年来ていたけど、特にこれといって印象に残る思い出はなかった。だけど私はこの別荘が好きだ。湖畔の周りは木で覆われていて、人の気配がない。とても静かで、自然の中にいるのが心地いい。いつもここに来る時は若葉の季節で、緑が芽吹く澄んだ香りがする。
「旦那様、ありがとうございます」
私がそう言うと、彼は満足そうに頷いた。そして彼はそこにバーベキューセットを用意し、会社の部下と思われる人をたくさん呼んでいた。
私は彼の指示に従い、料理の下拵えをしたり、お酒を用意したり、忙しく動き回った。
「美紗子さん、でしたっけ? 課長の奥様ですよね?」
声をかけて振り向くと、綺麗な女性がいた。
「はい。そうですが何か?」
私になんの用があるのかは分からないけど、彼女は私を上から下までじっくりと眺めた後、フッと鼻で笑った。好意的でないことは分かったけど、私は何も言わず会釈だけして、その場を立ち去った。
彼女は私の夫のそばにいて、ベタベタと腕や肩や腰に触っているのが見えた。そして夫はそれを許している。というより、そうされることが当たり前という感じで慣れている。
この時に私は悟った。私は言いなりになる家政婦であって、彼が愛しているのは彼女なのだと。彼女もまた、彼を愛していて私の入り込む隙間なんて無い。だったらどうして私と結婚したんだろう?
私は自分が惨めで逃げたくなった。しかし、私は自分の意思で逃げることができない。その行動には責任が伴って、私はその責任を取るのが怖いんだ。
そうだ。分かった。
私は自分で何も決められないのではなく、責任を負うことが怖いんだ。
誰か、私を連れ去って。
自分では逃げられない。それなら誰かが私を連れ去ってくれればいいと思った。
「課長の奥さんってこんなに若くて可愛いんですね。従順そうだし」
そう。私は従順です。話しかけてきた男の人が誰なのかは分からないけど、この人でいいから、私を連れ去ってほしいと思った。
静かで好きだったはずの場所に、大勢の声が響いていて、大きな音楽を鳴らして、打ち上げ花火なんかもやっている。
私の静かな場所を返して!
そう言えたらいいんだけど、そんな勇気は私にはなかった。全て壊れてしまえばいいのに。
「俺と抜け出しませんか?」
私に話しかけてきた男は私の手を取った。私はこくりと頷くと、彼に手を引かれ、人気のないところへ導かれた。
「俺と一緒にどこまででも落ちていきませんか?」
なんて魅力的な言葉だろうと思った。私は望んでいた。私がここから抜け出すためには、このまま彼と落ちていくしかない。それが地獄なのか、それともただ恋に落ちるというだけなのか、湖の底に落ちていくのか、分からないけど私はまた頷いた。
私が最初で最後に自分で決めた未来。
「あなたとどこまででも落ちていく」
「いい子だね」
ああ、そうだ。私はいい子なんだ。
重なる唇。私はもう怖くない。私はもう自分で決められる。
(完)
落ちていく
ボクは毎日、夢を見る。
その夢は、空を高く飛んでたり、敵っぽい奴と戦ってたり、知らない街を一人で散歩してたり、怖い奴に追いかけられたり、という感じで、いろんな夢を見る。
夢は毎日違くて、
たまに同じ夢を見たり、その夢の続きを見たりする。
だからボクは寝ることが凄く好きだった。
夢を見る度に違う世界で生きる自分を感じれるし、
何より、それがパラレルワールドみたいで、楽しかった。
ボクは眠ったら長く10時間寝るし、
途中で起きることはほぼなく、ずっと眠っている。
その時には必ずと言っていいほど夢を見るし、その夢はボクの好奇心旺盛な心を満たし、ほぼ毎日メモして、その後に見返した時、思い出しながら想像する脳内の世界が楽しくて、毎日冒険してる気分だった。
ボクはよくある漫画やアニメ、ゲームの主人公みたいな者にはなれないから、頭の中ではいつもそういう自分はこの物語の主人公だ!という妄想はしていた。それがボクにとって、毎日の日々が飽きなかったし、目の前の興味のないことをやらされても、頭の中で沢山妄想して想像して楽しんでいた。
そんな夢を見てる時、ボクはたまに落ちる夢を見る。
高い所からもあれば、奈落という穴に落ちる夢。
あるいは逆に相手を落としたりする夢も見る。
落ちるにもいろんな言葉の意味があるけど、ボクはほとんど夢の中でやっていると思う。
ボクは落とし名人かもしれない、そんな名人は嫌だけど。
そして、今日の夢は人に恋する夢だった。
ボクは全く自分とは真逆の可愛くて健気な女の子で、魔法が使える魔法少女みたいな子だったから、ずっと箒に乗って空を飛んでいた。空を飛ぶのはやっぱり楽しい。
その中で、凄く自分好みの双子に恋に落ちる夢だった。
ボクは「こ、好みの双子だ!」という高ぶる気持ちだったから、抵抗もなく、せっかく全く違う世界の主人公になれたんだから、と思い、夢の中を過ごしていた。
その際、双子はどっちの方を好きになるか?という選択肢があって、ボクは流石にそれには凄く凄く凄く、迷った。
宇宙の数ほど選択肢があると思っているボクは本当に凄く悩んだし、悩んで悩んで悩んで結論をやっと言おうと思ったら、目が覚めた。夢か、と少し残念な以上楽しかったな、と思ったボクは、とある事を思う。
ボクはあの二人のどっちを愛して、落ちていく夢だったんだろう?
結局、どっちを選んだか…それは夢の中と一緒に置いてきたから、起きたら忘れていた。まぁ、夢ってそんなものなのだが、かなりの自分好みの双子のどっちを愛すか?という話は正直に言うと、ボクからすれば凄く複雑で、「夢ってそんなもんか〜」と思えない程、あの二人を選択として選びきれなかったのが悔しかった。
どっちの双子に愛されるか?落とされるか?一緒に過ごすか?
空を自由に飛べるように、選択肢も自由にしてほしい。
と、言うか魔法が使えるならもっとそれの楽しいことをしている方が悔いがなかったのにな、なんて毎日楽しい夢を落ちていくように悔しい気持ちが強かった日だった。
愛というのは、夢だからと言って簡単に決められないし、人生をかけるような大切な選択を数秒の夢に見させるのか!という気持ちにもなる、それにそんな簡単に一瞬で相手にキュン、と恋に落ちていくボクもボクだな、と思った。
だって、好みだったんだもの。
流石に好きになります。
ありがとうございます、自分。
夢を見させてくれる自分に感謝しないとな、と思う。
やっぱり、自分が喜ぶものは一番自分が知っている。
それを証明されるのは毎日見る夢だと感じる。
今日も寝た時、また恋に落ちるのかな?
次も全く違う主人公になって、どんな好みの人に出会うのだろう?
また、いろんなパラレルワールドの夢を見たいな。
なんて思いながら、ボクは目を閉じて、眠りについた。
「落ちてゆく」
肌にまとわりつく気泡
酸素代わりの水飲んで
コースティクスの夢見
空に恋い焦がれては
深淵へ近づく瞳
おちていく
あ、と思った時には遅かった。
お嬢様、と顔を真っ青にして手を伸ばす石蕗の様子がやけにゆっくりとはっきりと見えて、
これが走馬灯かしら、と考えるなどした。
「で、地上50階建ての窓から落ちた感想は?」
「たまたま二つ下の階がオープンテラスのカフェでした。今なら宝くじの一等当てられると思います」
「確かにめちゃくちゃラッキーだったけども!!!!」
不器用なりに林檎を剥いてくれる尾上君は随分気を揉んだようだった。自分が落ちたわけでもあるまいに、自分がこれから落ちる予定もあるまいに。
落ちたところにたまたま大きな植木があってクッションになったのも良かった。ただ枝を何本か折ってしまったのが心苦しい。
私の怪我はすぐ治るけれど、植木の怪我は長くかかるだろう。
痛い思いをさせてしまった。特に私、重いですし。
そも今だって無傷である。他にベッドを使うべき方がいるのではと思うと申し訳ない。
「不甲斐ないですわ……」
「つかなんで落ちたの?珍しいじゃん」
「ペンダントを千切られてしまって……思わず」
「あれかぁ……」
なら仕方ねぇじゃん、と納得したようだった。
あまり仕方なくは無いのですよ、お仕事より優先していい私事はないと思っていますの私。反省ですわよ。
いくら相手のとどめを差した後とはいえ。
探すのは後でも出来たことです、ので……
「修行が、足りません…!」
「や、アレ守りに行かなかったらお嬢じゃないじゃん」
「でもお仕事を放り投げてはいけませんのよ」
「仕方ない時だってあるだろ」
「ありません、もしそれで相手を見逃してしまったら?味方が攻撃されたら?守るべき人々を、殺されてしまったら?」
「だから2人以上で仕事行くんだろ。カバーし合えるように、助け合えるように。」
「……それが前提になるのは、危ういですわよ」
「は。今、日常送るのでさえ人に頼り切ってる俺にいう?」
「貴方のは仕方ないでしょう、自分で制御できるものではありませんし」
「今日のも仕方ないんじゃねぇの、お嬢が自分で考える暇も無かったくらい切羽詰まってたんだろ」
「……でも私は、」
「うん」
「もしあのペンダントを追って、それで誰かが傷付いたら。嫌です、私が弱いからですそれは……」
「でも切り捨てたらさ、お嬢がお嬢自身の大事なもの放り出してったらさ、他の人の大事なものがわからなくなっちゃうんじゃ無いかって、俺、心配だよ」
「それは、」
それは。何も言葉が続けられない。
自分の大事ものを自分で放り出すようになったら。
私が、私の1番だいじなこころを捨てるようになったら。
何が残るんだろう。
ひゅ、と嫌な音がする。喉の奥から空気が抜ける。
こわい。
でも、それよりも私は、他の誰かの為に動ける私が大事ですので。
多くの人々を守らなければいけないので。
その為にこの体はあるので。
「安心してください。私は任務を優先できる人間ですわよ。自分の都合でなく、依頼人の為に動きます」
「…………そうかな」
「ま、まぁ先日しっかり私事を優先しましたけど!」
「優先できるやつはしていいと思うけどなぁ…」
「努力します、善処します、持ち帰って検討します」
「それ全部動かないやつ〜」
神様。お願いがあります。
私は自分を優先しません。
私は何も欲しません。
私にできる全てを渡します。
私自身の心だって殺して見せましょう。
だから。
「私の弱さで誰かが傷つくことは、もう耐えられませんので」
だから、こころだけは、持つことをゆるしてください。
こいを抱え続けることだけは、ゆるしてください。
———————————————————————————-
柳谷柳子は陰陽師の組織に居続ける為に以下の条件を満たし続けねばいけない。
一つ、己の意思を捨てること。
一つ、己の自由を捨てること。
一つ、己の未来を捨てること。
もし上記の条件が満たされていない事が確認された場合、速やかに処置を行う。
落ちていく
現在進行系。
落ちた。という過去形ではなく
あえて進行形。
物理的。
比喩的。
大体使われるケースは、
夢。
恋。
穴。
眠り。
途中経過に迷子。
流れに身を任せるという抗い放棄真っ只中。
あるいは、望みを受け入れた瞬間。
運命だ、自然だという言葉の責任転嫁。
夢を持つ。
恋をする。
穴に降りる。
眠る。
ソレでいいじゃないか。
今日、家族の信用を失っている気がした。
今まで投じてきたの日々の布石が一気に裏返った。
グレーの出来事の積み重なり、黒となり、闇の中に落ちていく感覚だった。
貴女が止めてくださらなければ、俺はどこまでもどこまでも、行き着くところまで落ちていったでしょう。
人の恨みを、憎悪を、自ら集めて募らせ、それを見て手を叩いて喜ぶような、俺はそんな醜悪な存在でした。
貴女が与えてくださった目を以てして、俺は自分がどれだけおぞましい生き方をしてきたのか、ようやく理解したのです。
【落ちていく】
落ちていく
落ちていく
落ちていく
気持ちが
やる気が
心が
どこまでも落ちていく
浮き上がる方法
教えてください
誰か…
…それとも、誰か私と一緒に落ちてくれませんか?
愛してやまない声に包まれて落ちていく幸せ
いっそ醒めないで
#落ちていく
海の底には楽園がある。
海を深く深く落ちていった先には、楽園があるのだ。
平安時代末期、平家方の武士たちや女房たち、それから女御たちは時の天皇と一緒に、海の底の楽園へ行くために身を投げた。
近代小説の、現代に幸せを見出せない登場人物たちは、罪を償って自分の幸せを掴むために海へ入った。
サスペンスドラマだって、追い詰められた人は、海に導かれるように波打ち際に現れる。
落ちていく海の底の楽園は、よっぽど素晴らしいところらしい。
現に、海の底の楽園へ辿り着いた人々は、もうこちらへは戻って来ない。
海から上がる死体だか、意識不明者だかは、そこへ行き損なったのだろう。
海の底の楽園に辿り着いた人はみんな、きっとこんな苦しい地上の世界には帰って来たいと思わないのだ。
帰ってくるのは、子供騙しの御伽話の主人公だけ。
浦島太郎は、よっぽどのイレギュラーなんだ。
海の底には楽園があるのだ。
私たちは今日、その楽園に行く。
ブレーキをゆっくり踏んで、車を止めた。
遥か眼下から、微かに海の細波が聞こえた。
助手席を見ないようにして、私は呟く。
「本当に、いいの?」
「うん。楽園に、行きたいの」
助手席でシートベルトを締めたあなたが、ゆっくりと瞬きをしながらそう言った。
「そっか」
後悔しない?、の言葉を飲み込んで、私は頷く。
波が、岩に打ちつける音がしていた。ここまでも聞こえてくる、力強い波のはずなのに、妙に穏やかな気持ちになれた。
目は合わせないように頷いた。
あなたの顔を正面から見たら、いよいよ決意が揺らいでしまいそうな気がするから。
不意に、ギアレバーに掛けていた左手を、あなたの手が握った。
白くて、細くて、傷だらけで、仄かに冷たくて、でもあたたかで、柔らかい手が。
手首に触れた、あなたの白い手首のふにふにした凹凸が、心地よくて、切なかった。
「大丈夫だよ」
あなたは言った。
「ここまでで、大丈夫。ここからは私一人で大丈夫だから。送ってくれてありがとう」
その声で、覚悟が決まった。
「大丈夫」
私は言った。
「言ったでしょ。一緒に行くんだ。あなたと居れるなら、どこだって大丈夫なんだから」
あなたの目を見て、あなたの手を包みながら、ゆっくりと言う。
「大丈夫。一緒に行こう?」
あなたは少しだけ淋しそうな顔で微笑んだ。
それでも、それは、あなたがこの一年で見せた中では、一番の笑顔で、私も笑い返した。
満たされたような、胸を刺すような痛みを抱えて笑った私は、きっとあなたと同じように、少しだけ寂しく見えたかもしれない。
「じゃあ、行くよ」
私は手を解いて、ハンドルを軽く握った。
「うん」
あなたは手を膝に乗せて、微かに頷いた。
エンジンを踏み込む。
視界の隅で、あなたがシートベルトを確認している。
窓は少しだけ開けた。ちゃんと落ちていけるように。
エンジンは唸りを上げて、それから車体は急スピードでスタートダッシュを決めた。
タイヤが軋み、大地を踏みしめて、それから空を切った。
あとは、
落ちていく
落ちていく
落ちていく
私たちは、楽園へ行く。
海の底にある楽園に。
私たちは落ちていく
落ちていく
落ちて…
【落ちていく】
(※性的表現有り🔞)
初元カノは珍しくオレより欲情している。
「早く会いたい」
いつもはオレが雰囲気を出し、こちらから誘うのだが
初元カノがいつもよりオレを求めるのだ。
「はぁ…」
そんなに積極的に求められると
オレもドキドキしてしまう。
「セーラー服着て目隠しして プレイしたい」
マニアックなプレイだが オレもそれに惹かれてしまう。
初元カノは
真面目だがこういう性的なところでは
オレにデレデレなのが可愛いくて愛しく思う。
何よりも『オレだけ』なのがうれしい。
初元カノはオレの前でだけ欲しがりになる。
「もっと」とねだる姿は特に愛おしい。
オレももっと堕ちていきたい。
「落ちていく」
最近、今までで人生どん底なのではないかと思っている。色々乗り越えないといけないものが多すぎる。
だからこそ言霊というものを一度信じてみようと思う。乗り越えた先の結果で、私にとっての言霊が何か、答えを見つけようと思う。(いつの間にか言霊の話をしてた)
『先輩、新しいスパイクどれがいいと思いますか!』
ねぇもう2時だよ眠いよ。布団の中、ブルーライトが眩しい。でも眠いなんて返事はしないの。嬉しいんだ久しぶりに話せて。
『白がいいな、すき』
白、好きって言ったの覚えてるかな。君は好きじゃないかな。帰る時ときどき部活終わりの君と会えるの実は結構嬉しいんだよ。今度の試合見に行きたいな。私ね、1人で朝練してるのも知ってるんだ。明日起きて目覚まし止めたら君からの通知があるのかな。それってなんか幸せなのかも。あ、また、こうやって落ちる。
「落ちていく」
夜明け前の空は、深い藍色だった。高層ビルの屋上に立つ麻衣は、冷たい風に髪をなびかせながら、深い深呼吸をした。地上から数百メートルの高さ。見下ろすと、街の明かりが無数の星のように輝いている。
この場所に来るのは、これで三度目だ。一度目は単なる好奇心。二度目は勢い。そして三度目の今、彼女はここに、ある決意を抱えて立っていた。
「やっぱり来たんだね。」
背後から聞き慣れた声がした。振り向くと、そこには直樹が立っていた。彼もまた、同じ屋上にいるのが似合うような人間だった。無造作な髪、くたびれた革のジャケット、そしていつも少し挑発的な笑みを浮かべている。
「なんで分かったの?」
「君のパターンはだいたい分かるよ。逃げるふりをして、本当は一歩踏み出したいだけだって。」
麻衣はため息をつき、欄干に寄りかかった。
「分かってるなら、止める必要もないでしょ。」
直樹は肩をすくめた。
「止めに来たわけじゃない。むしろ、俺も一緒に落ちるつもりだから。」
その言葉に、麻衣は驚いて顔を上げた。
「ふざけないで。」
「いや、真剣だよ。」直樹の声は冗談めいていなかった。「ただし、本当に飛び降りるわけじゃない。俺たちはもうすでに落ちてるんだよ、麻衣。」
彼女は直樹の顔をじっと見つめた。
「落ちてるって、どういう意味?」
「誰かを信じることや、新しいことを始めることってさ、結局は落ちる覚悟を決めることなんだと思うんだ。怖いよな、失敗するかもしれないし、裏切られるかもしれない。でも、落ちる前に立ち止まってる方がもっと怖いだろ?」
麻衣の胸の奥で、なにかが小さく震えた。彼の言葉は、彼女が恐れていたことの核心を突いていた。
「それで、一緒に落ちるって?」
直樹は笑みを浮かべた。その笑顔はいつもの挑発的なものではなく、まっすぐで温かいものだった。
「君が怖いなら、俺も怖いことをやってみる。それだけの話さ。一人で飛び込むより、誰かと一緒の方が少しはマシだろ?」
麻衣は視線を再び地平線に向けた。夜が明けるまであと少し。空が薄紫色に染まり始めている。
彼の言葉に、心が少しだけ軽くなるのを感じた。
「じゃあ、どこまで落ちるの?」
「どこまでだって。一緒なら大丈夫だろ。」
麻衣は微かに笑い、風の冷たさを忘れるように目を閉じた。
「じゃあ、信じてみる。」
二人は肩を並べ、遠い地平線を見つめた。その先に待つ未来がどんなものかは分からない。だけど、彼の言葉が確かに、彼女を支えていた。
数日で謹慎命令が解けた。
なぜこんなに早く、それに追加処分が増えもせず解けたのかは不明だがありがたいことには変わりない。
妻からのフライパン殴打愛情表現を受けつつ久しぶりに自宅から外に出る。
玄関バルコニーの横に何か居るのが気配で分かった。
横を見ると、コウモリがぶら下がっている。
奴の使い魔のコウモリだ。なぜここに居る!!?
オレの姿を確認すると1枚の紙を落としフラフラと飛んで行った。
落ちていく紙をなんとかキャッチして確認する。
拙い字で『アルジオキナイサムイ』と書いてあった。
コウモリが書いたのだろうか?
奴の事も心配ではあるが…いや、心配してどうする!と思いつつも体はもう動き出していた。
妻のフライパンを掻い潜り、カバンに物を詰め込んでいく。
仕事は仕事だと言い残しオレはまた奴の屋敷へと急ぐ。
カバンから時々落ちていく服や小さな道具に気付かない程に急いで。
(落ちていく)
あの街、宝物だもんね。奴も含めて。
落ちてかないように
落ちていくのは簡単だ。油断しているとどこまでも落ちていく。
なのに這い上がるのは大変だ
だから息をつく暇もなく頑張り続ける
落ちないように落ちないようにと必死で足掻く。
#花鳥風月
落ちていく
ほっぺた
夢の中
恋
幸せってこと?