「沼」
最近班長が変わった。
元々他工程にいたからたまに話す機会はあったけれど
今回その人が班長になったからより一層話す機会が増えた。
初めて話した時、暖かい声と丁寧な言葉遣いで聡明で優しい方なんだと思っていたけれど
よく話すようになってからは割と頓珍漢な事を言っているのを耳にするようになり、
第一印象との差がありすぎて本当に同一人物なのか時に疑う事もあった。
けれど、会議室に向かう時にパソコンを持って出歩く姿は
やはり上司の風格があり目が釘付けになってしまう。
気づけば仕事の日も休みの日もずっとその人を考えるようになっていた。
好きとはまた違った感覚で、
けれどずっと考えてしまう。
───ああ、これが" 沼 "というものか。
テーマ:落ちていく
※創作
11/23/2024, 2:50:50 PM