『花束』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
たった一度の関係だったのに、店先に並んでいた500円の小さな花束が嬉しくて。
浮かれた私は、遊ばれたことに気がつかなかった。
気付いた時には、花弁は床に落ち、彼はいなかった。
それから、花を見るだけでも嫌悪を抱いた。
遊ばれたことに気がつかなかった自分を、一番嫌だと思った。
セフレだとか、元彼と友達だとか。
私には合わないようで、その後彼からの久しぶりに来た連絡も無視した。
いつか私は、もう一度。
花束を見て「きれい」だと思えるだろうか。
色んな花があるから、
ひとつだけ悪い花言葉でもわからないでしょ?
私のそんな気持ちは知らずに、
無邪気に喜ぶ君を見る
いつ、言い出せるのかなぁ…..
幼い子どもがくれた道端の一輪のたんぽぽ。
それは花束と同じ価値があると思うんだ。
【花束】
花束
誰かにあげたことも渡されたこともない
だからここに書かれてある花束のエピソードを見て
ほっこりした
花がきれいなのはもちろん
花を贈ろうとしてくれたその気持ちが嬉しい
贈る側も喜んでくれるかなと渡すまでのドキドキと
渡した後の相手の反応を見れるのが嬉しい
贈ったことも贈られたこともないけど
勝手にそんな光景を想像して癒されました
祝いの花束
誰かを祝福する為の花たち
弔いの花束
誰かを偲ぶための花たち
あとは何があると思う?
考えてみて
ちょっと人と違うことを考えられる君ってなんだか特別って思わないかい?
誰かと一緒じゃなきゃ孤独を感じて
誰かと違うと劣等感。
ほんとに?
そう思ってる?
心の何処かでは少しは自分が特別だと思ってるんじゃないかい?
思っちゃダメなことなんて無いんだよ。
ここだったら誰が誰かなんて分からないだろ。
花屋さんの前を通りかかった。
私は白い薔薇と青い薔薇の花束を見ると
彼を思い出す。
彼から花束をもらった時
ホントに嬉しかったことを
今でも忘れない。
でも彼はもう此処には居ない。
花束を見ると
嬉しかった気持ちと悲しい気持ちを
思い出してしまうから
私は花屋さんを見るのをやめた
─────『花束』
そうだ、花束を贈ろう。とっておきの花束を。
花束だ、花束が1番彼女に似合うだろう。
本数は多い方が喜んでくれるだろうか。
それとも花の意味を調べてから贈った方がいいだろうか。
彼女はキレイだった。花のように。そこら辺の雑草なんかとは大違いで、向日葵みたいな、他より頭1つ抜けてキレイだった。すらっとした身体にスズランのように白く透き通る肌、可憐な瞳、彼女の何もかもが私を魅了した。
彼女の声がどうしても聞きたくて、自然風を装ってわざとぶつかったら、そこらの人には到底出せない、綺麗な、綺麗な子をしていた。まさに鈴のなるような声、だった。
彼女の事が好きになった私は、何とか会話にこじつけて、数日後会う約束をした。
約束の場所はオシャレなカフェだった。彼女が指定した場所である。
カチコチになりながら先に座っていると、後から白い服に包まれてやってきた彼女が来た。
面と向かって話そうとするとどうしてもぎこちなくなってしまう。
彼女は店員にアイスティーを頼んで、私はコーヒーを頼んだ。
コーヒーは苦手である。だが彼女の前で頼んでしまった手前キャンセルなど出来ない。(というかカフェで頼んだ後にキャンセルなんてできるのだろうか?出来たとしても恥ずかしいのでしたくない。)
だからせめて砂糖をたっぷり入れて飲むと心の中で決意。
そんな決意をしている中無言の空気に耐えられなくなったのか彼女から話しかけてきた。
彼女の言葉は一言一句覚えたいのだがなにせお嬢様言葉なのでお嬢様という言葉に無縁な私は覚えることが叶わなかった。なので要約しながら語らせてもらう。
何故私をお茶に誘ったのかと聞かれ、とてもあなたが綺麗だったからと言ってしまった。
見た目で判断するクソ野郎だと思っただろうか。私に話しかけてくれたのにこんなクソみたいな回答で申し訳ない。
そうだったのですか、と微笑み受け流してくれた。なんて優しい方なんだ。そんな彼女にまた惚れた。
今度は自分から質問しようと思ったがなかなかいい質問が思い浮かばず、なぜか突然好きですと彼女に愛の告白をした。本当になんでだ。いくらなんでもムードと脈略が無さすぎる。言った瞬間から後悔した。あぁ、なんでこんなこと言ってしまったのだろう、普通もっと親交を深めてから言うものであろう。と自分を責めに責める。
するとまた彼女は微笑んで、私もですよ、なんて言葉を私に投げかけた。その時の感情と言ったら驚いたの一言でしかない。驚きと、驚きと、戸惑い、その3つである。
じゃ、じゃあ私とお付き合いを…?と聞くけば、ええ、とまた微笑んだ。
微笑む姿が女神のようだった。
そしてカフェから出ると私は花束を贈ることにした。
花屋について、桔梗の花束を彼女に贈り、正式なお付き合いが始まったのであった。
『花束』
卒業祝いに、花束をもらった
最後のセーラー服に身を包みながらその花束を抱えて
一人で海まで歩いた。
3月の海 誰もいない
午後16時。
もう空は青黒かった
だいすきだったこのセーラー服も、
すきという想いをあの子に伝えられなかったことも、
卒業目前で喧嘩して仲直りできなかったその子も、
私の 中学生 も、
ぜんぶ
ぜんぶ
終わってしまった。
あんなに あっさり
なんか ムカついた
なんか 悔しくなってきた
なんか 寂しいし
なんか 嬉しくもあるし。
このムシャグシャな気持ちを海に飛び込んで消そうとした
花束を抱えて
靴を脱いで
勢いよく走った
砂浜に足を取られないように
「 バシャーン!!」という音と共に
私は海に飛び込んだ。
3月の海
つめたい
花束もぐちゃぐちゃになった
でも、
でも、
なんだかすこし
なんだかほんのすこしだけ
頭も冷めてきた
私の中学生は終わった
Jk にはなりたくなかった
だってまだずっと少女で居たかった
中学生で居たかった
中学生で痛かった。
まだ なにも変われてないのに
まだ わたしクラスの子みたいに大人になれないよ
海に浮かびながら わんわん泣いた
目が腫れた
ぐちゃぐちゃになった花束をかき集めて
靴を持って裸足でアスファルトの上を歩いた
帰り途中、
'すきという想いを伝えられなかったあの子' に遭遇した
なんでそんなに濡れてんだよ と苦笑いで心配してくれた
家からバスタオルを持ってきて
頭を拭いてくれた
だから、それが嬉しくて つい、言ってしまった
「すき。」
あの子 また苦笑いだった
でも俺も好きだよって 言ってくれた
顔が、耳が、心臓の奥が ポッ て赤くなった気がした
翌日 39度の熱が出た
なんだかしあわせだった
< 花束 >
2024. 02010.
8:03 am
君に花束を
最後の日
ありがとうとごめんの
気持ちも込めて
贈るよ
独り暮らしを始めてからの3年間は家族と距離を置いて生活している。拘束のない楽さを感じながらも、歳を重ねた両親らに対し、何ができるかを考えてしまうことがある。
一緒に食事に行ったり、旅行に連れて行ったりできればいいのだろうが、時間的にも心理的にもハードルが高いと感じてしまう。
ときには花束でも持って帰ってみようか。言葉は悪いかもしれないが、「楽にできる」親孝行を模索する朝だった。
花束を君に持ってきたんだ
そう言って
海が見える崖に花束を置いた
君が最後にいた場所
別に墓というわけでもない
だって遺骨は残っていないから
まず作りようがない
だけど
墓は残せなくてもこの気持ちは残ってしまった
君という存在を忘れないように
君が生きていたという証明のために
花言葉がなんなのかわからない
君が好きな花の束を
この場所に捧げた
お題『花束』
バイトの最終日に、出入口で待ち伏せしていた先輩に花束を渡された。
彼女はそれを、作り笑いを浮かべながら受け取った。
家に帰ると、花束を見た母親は「綺麗だね」と花瓶に生けた。娘の恋人が気に入らない父親は「おまえの彼氏よりいいんじゃないか」と言った。
たしかに、先輩の好意は知っている。わかりやすかったからだ。
しかし、必要に駆られ連絡先を交換したところ、すぐに返信を返さないと病んだメッセージを送ってきて、挙げ句の果てにはリストカットの写真を送ってこられ、もう関わりたくないと思っていた。そんな個人的な話を、親に話すつもりもなかった。
だから、親の言葉にも苦笑いだけ浮かべて返した。
花はいつか散るもので、しかしまさか、彼女自身の花を散らすとまではその時は思っていなかった。
『花束』
花にはそれぞれ花言葉がある
それは花に込められた願いのようなもの
そして時には背中を押す力を持つ
その力を借りて
僕はキミに
花束の花のように
溢れんばかりの気持ちを捧げる
花束…
追憶の母に捧げる花束は
好きな紫色のシオンを
あなたに会いたい
そして……
あなたに花束を
いつの日かも同じことをした
渡す花はあなたの好きな花
素敵な花言葉の花
喜んでくれるかな
でもあなたは居なかった…
私は花束を置く
……もう一度言いたい
あなたに会いたい
そして……
あなたに花束を
題名 都合の良い女
時代設定 1980年頃
主人公 W大法学部のWATARU
物語 30代半ば謎の女
出会い 雨の新宿駅東口ガード下
響く鐘の音
空を舞うブーケトス
見上げて祈る
どうかあなたが
獲らないように
「花束」この気持ちと同じだけの、この胸いっぱいの花束を贈っても、あなたには何一つ伝わらない感じのやつ
クラスに入るとどうしても同じことを求められてしまいます。
でも花束の花が一つ一つ違うように、よく見ると一人ひとり個性があります。よく笑う人、運動が得意な人、優しい人、掃除が丁寧な人、積極的に手を挙げる人、みんな違うから喧嘩になったりトラブルが起きたりします。
たけど、「人は人、自分は自分」みんな同じわけないんだからみんな違っていいんだ。と思えるようになったら人付き合いが少しだけ気楽になります。相手のことも自分のことも受け入れる器が少しだけ広くなります。
だから何でこんなことするんだ。じゃなくこういう人もいるんだ。と受け止められるようになるといいですね。
漆黒と群青が混ざる朝。
「おはよう」という名の、この時間に添えられる大きな花。
太陽が世界に燈る昼。
昨日食べたお菓子や好きな曲の話、淡い恋、思い出の話。色んな色の、他愛もない言葉の花たちが、この時間を照らす。
火照った時を冷ます夕暮れ。
期待と不安の入り混じった「明日は何をしようか」という、不安定な色の花。
全てを星の影で覆う夜。
「おやすみ」という名の、この1日の最後を飾るふんわりとした花。
毎日、毎日違う花束がみんなの人生を飾ってゆく。
暖かい色。冷たい色。真っ白。真っ黒。
冷たい言葉も、お守りのような言葉も。
私たちは、そんな花束たちに触れては思い出し、そしていずれは忘れる。
心の奥底にしまった花たちを、また思い出せたら。
そう思って今日も眠りにつく。
おやすみなさい。