『自転車に乗って』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
耳もとで、旅の途中の風がささやく。
「今日は、熟れた林檎のかおりを運んだわ」
「あの木の下を通ったら、美しいお姫様がいたのよ」
笑い声がくすぐったく鼓膜をゆすった。
なんだかふしぎな心地になる。
わたしは、自転車のペダルをぐいっと踏み込んだ。
「あなたは、どこへ行くの」
風がそうきいた。
わたしは答えた。
『遠い昔に生まれたところへ』
風は一度だけ、うなずいた。
そして、わたしの手をやさしくとった。
「わたしの行き先と、おんなじだわ」
「ねえ、連れていってあげる」
ふわりと身体が浮き上がって、気づけば空の上。
見下ろすと、倒れたわたしの自転車。
その向こうには、どこまでも広がる碧い海。
わたしは風にほほえんだ。
『いつかもう一度、あの自転車に乗りたいわ』
『だって、わたしはもう──』
自転車に乗って
君に会いに行くんだ!
映画を見ようって!2人で相談して決めたんだ!
誘ってくれた!嬉しかった!
自転車に乗って!電車に乗って!待ち合わせの金の時計に!
とっても面白い映画だった!
美味しくて楽しいランチだった!
戸惑って新鮮なプリクラを撮った!
電車に乗って!自転車に乗って!君と帰った!
『楽しかった!誘ってくれてありがとう!またどこか行こうね!!』
『こちらこそ楽しかった!ありがとう!』
初めて君と2人で遊んだ!
初めて誰かとの映画を楽しいと思えた!
初めて帰りの時間が心地よかった!
楽しかったんだ!楽しかったんだ!僕は楽しかった!!
だからどうかお願い!
またねって言ってよ
花よ蝶よ
「花よ」
「いーや、蝶だね」
狭い居酒屋の狭い席。
そこで言い争う酔っ払い二人は、非常に残念なことに俺の幼馴染だ。
俺たちの共通の友人が旅先から送ってきた絵葉書。この一枚の写真が騒動の原因だった。
「これはどこからどう見てもナージャカランカの花冠よ。それくらいも見分けられないなんて、眼科に行った方がいいわよ」
「冗談だろ? アイツが絵葉書を送ってきた国の名前を覚えてないのか? 健忘症か? これはドミール共和国の国蝶。キリルレサーナンで間違いないね」
さっきからこの調子で、花よ蝶よと喧々諤々だ。
狭い店内で人目も気になりだしたので、そろそろ話に蹴りをつけるべく俺は口を挟むことにした。
「まぁまぁ、二人とも落ち着けよ。
ところで、学術名シュナイダー・シーオリコスって鳥を知ってるか? この絵葉書の写真はその鳥の尾羽にそっくりなんだが」
「はぁ!?」
「おいおい鳥とか正気かよ……」
俺たちの熱い夜はまだまだ続くようだ。
// 花よ蝶よ
自転車に乗って
さあどこへ行きますか
普通に学校へ通いました
自転車に乗って
どこまでも行こう
久々に乗るとオシリが痛いです
自転車に乗って
自転車に乗って
自転車が
今は持って無いので
車に乗ります
いつか免許返納したら
また乗るかも
元気残しておかなきゃね!
あの日の現実は受け入れられない。
というか、受け入れないでいる自分がいる。
苛立ち?
悲しみ?
衝撃感?
疑問感?
全く分からないし、今さらわかったところでどうしようもないが。
一言言いたいのは、
だったら今までの生活、返せよ。
の一言。
Xだか、なんだか、知らないけど。
知ったこっちゃない。
それだけ膨大なお金を動かしておいて、全部この、くだらない遊びに付き合って、一体何がしたいのか、全くわからない。って言ってるの。
人々の平和?人々の祈り?
それで、
人々は変わったかい?変われたかい?
人を窮地に陥れておいて、楽しかったかい?
これが、貴方の、遺産として、形見とした時、
それで貴方は、喜んで、天国へ、逝けるのかい?
私を死んだ事にさせておいて、
それで満足だったのかい?
というか、満足かい?
架空の人物に、させておいて、
満足かい?
貴方が死ぬまで、
架空の人物でいさせたいのなら、
それで、満足できるのなら、
それでいいんじゃない?
今更、過去に戻らないし、
戻ったとしても、
何かかにかのズレは、あるのには間違いないのだから。
貴方がそう、望むのなら、貴方が死を迎えるまで、
そうすればいい。
その代わり、
一生の責任と、
一生の恨みが、
貴方を襲うだろう。
自転車に乗って、草原を走り回る、憧れを想像しながら
私は、架空の人物に、なるであろう。
二人並んで、この隅田川沿いのデパートの下を行けば、連なる繁華街の、街頭の下に、赤いテープが下がっていて、繁華街の年の暮れのセールを表しているとわかる。
彼女の自転車は、ちょっと高価なマウンテンバイクで、社長のお金で買ったのだと、のたまう。
社長というのは、貿易会社の社長で、最近のベトナム戦争の特需景気にあやかって、貿易品がよく出るのだという。
ヒッピーたちは、ラブアンドピースをかかげているが、俺みたいな根暗は、そういうのにもかまけられず、毎日ぐうたら過ごしている。
ビートルズは、すごい影響を与えた。
なんてったて、オノヨーコは、偉い人だ。
ヒッピーじゃない俺ですら知っているのだから、なんともはや。
いーじゃん。いーじゃん。毎日幸せで。
苦労がないって、幸せじゃん?
「それって、本当に幸せ?」
って、彼女は言う。
「幸せだよ」
って、俺は返す。
幸せってさ、毎日食ってる学食の百五十円のAランチみたいに、もっともっと食いたいんだ。
たらふく食って、オナニーこいて、それで、今日も寝るのが、俺の幸せだ。
って、言ったら
「単純ね」
って、返された。
#自転車に乗って
海が見える坂道があると
あれに乗りたくなる
あの魔女の映画のせいか
あのデュオの歌のせいか
あのMVのワンシーンのせいか
風を切って思い切り行きたいんだ
君を後ろに乗せて
最高の思い出をつくるんだ
って詩を宿題で出したら
二人乗りをしてはいけませんと赤ペン入った
自転車に乗って
風が涼しく感じるの…
前だけを向いて
どこか
さみしく感じるの
…
隣にあなたが
いてほしい
だから…
わたしは
自転車から降りるわ
あなたを見ていたいから
…ずっと…
あなたを想って…
ホログラムに映し出されている箱?
輪っかが付いてるものや
細長い箱がいくつも連なっていたり
鳥型まである…?
「先生、これは何ですか?」
「興味深いだろう?
これらはこの星での移動手段なのさ」
移動手段…って何?
「ビックリするのも無理はない
この星ではまだ瞬間移動が出来ない
だからこれらを使って移動するんだ」
そして先生が次に映し出したのが
「おそらく最初に扱う事になるのは
この自転車というものだ
どうだい?ワクワクしてきたかい?」
あまりの習慣の違いにビックリだけど
うんそうだな
ワクワクさせてくれる星
僕らが向かう星
〜自転車に乗って~
時間というものがなく
欲しいものは
すぐ手に入り
行きたいところには
パッと移動できる
そういう世界が
元いた世界
奥さんが死んで家を掃除することにした。
孫達に手伝って貰って予想よりも早く片付いた。残るは庭、倉庫だけだ。
倉庫の鍵を手に外に出た。
ふと目線を向けると蜘蛛の巣に犯された奥さんの自転車が倒れていた。きっと昨日の台風のせいだ。隣にある自分の自転車は何とか無事らしい。
倉庫の鍵を開けると孫たちが風のように入っていった。自分も何があるのか覚えていないから除くように全体を見渡した。
そこには砂埃にまみれた赤い自転車と、小さな青い自転車が並んでいた。
まだ小さかった時自分が乗っていた自転車だ。小さいのは小学生の時、赤いのは高校の時使っていた。懐かしい。
「この自転車まだ乗れそう」
孫は誇りを払い空気を入れて乗ってみた。案の定タイヤのゴムとブレーキが壊れていてまともに使えない。
作品No.003 課題「自転車に乗って」題名「時系列」
どこに行こうか?
そんなことを考えながら、ペダルを踏む。
無謀な計画を立てた小学生。
部活動に勤しんだ中学生。
寄り道を繰り返した高校生。
お喋りに夢中になった大学生。
そんな時は、いつも相棒だった。
大人になっても、変わらないんだろうな。
子供を乗せて、あるいは、ペットを連れて。
買い物や集まり。ちょっとした遠出には本当に助かる。
”自転車に乗って”どこまでも。
それはもうできないけれど、大切な思い出の片隅にある。
自転車に乗って
自転車に乗って君に会いに行こう
そう思って、家を飛び出して、
坂道を凄い速さで降りて、
商店街を抜けて、
畑を通り過ぎて、
港へ行って、
そのまま海の地平線に向かう様に
自転車を漕ごう。
そうしたら、気がついたら。
君に会えるかな。
自転車に乗ってどこまでも。体が動くなら行ってみたい。現実は自転車に乗って漕ぐと疲れてしまう。私の体にはフィットしない乗り物なのかもしれない。
無理に乗ることもない。必要な時に乗ればいい。
何か、変わる気がしてた
僕の生きる世界
淡々と回ってる。何も変わりやしない
#自転車を漕いで
『自転車に乗って』
学生時代、片想いしていた彼の誕生日に、ケーキを買って、自宅に届けたことがあります。
自転車に乗って1時間の道のりでした。
自転車でケーキは運ぶべからず!
〜自転車に乗って〜
自転車に乗ってさぁ行こう
どこまでもいける
どこにでもいける
可能性は無限大
なんでもできる
なんにでもなれる
私の選択は私がするから
さぁ漕ぎ出そ
最初は大変だけど
だんだん風に乗っていくよ
漕ぎ出すかはあなた次第
さぁ行けるよ!
補助輪なしで土手を走る
お兄ちゃんの大きな自転車をこぐ
出会う人が
「すごいねぇ!」
「上手に乗ってるね!」と驚き顔
嬉しかったけど
気がついちゃった
小さいから褒められてるんだって
小さいのにえらいねって
ちょっとくやしい
「自転車に乗って」
#194
自転車に乗って
知らない土地に行こう
風を切るのに楽しんで
最近忘れてた
ワクワクを取り戻しに
生きる意味を忘れそうになりながら
頑張ってる、自分のご褒美に……
自転車に乗って
自転車に乗って、どこへ行こう。
自分の足でペダルを回せば、歩いていくよりもずっと速く、ずっと遠くへ進めるよ。
ちょっと遠かった海も、仲良しの友達の家も。今までよりずっと近くなった。
日本一周だって、できちゃうかも。
全部、全部、自分の足で漕いで行けるんだ。
さぁ、自転車に乗ってどこへ行こう。
題:自転車に乗って
自転車に乗って
どこまで行けるかな。
行こうと思えば日本の中なら行けるかな。
まぁとりあえずさ、全部歩きで行くのはムズいじゃん?
それと一緒で、
あなたの夢もひとりで叶えていくのは
難しいかもしれない。
諦めようもしてるかもしれない。
誰でもいいから少し頼ってみよ