脳裏』の作文集

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脳裏』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

11/10/2023, 7:28:10 AM

夜を拒んだ。
恋仲になってから、幾度か唇を吸っただけの娘の覚悟を。
望んでいないのでは決してない。そんなわけがない。
ただ、眼の前で哀れなほど震えながら袖を引く美しい娘に、この身の欲を曝け出すのは躊躇われた。彼女はまだ、年若いのだから。

『気持ちは嬉しい。……今夜は共に眠ろう。』

安堵……、いや落胆だろう。恥をかかされ、娘は震えていた肩を深く落として唇を噛む。その肩にそっと触れて引き寄せると、彼女の手が私の胸に添えられ腕の中に収まった。
髪の匂いを嗅ぎながら、すまない、と呟く。あまりお側に居られないから、と言う娘の涙声が返ってきた。
……耳が痛いな。すべて私の落ち度でしかない。
大切に、と言えば聞こえは良いが、定まった所属を持たず出歩くことの多い私だ。思っていた以上に、寂しがらせてしまっていた。

『私ではいけませんか。』

そうではない、と即座に答える。
貴女の思う私は清廉で、孤独で、冷徹であるようだがそれは違う。伝わり難くとも、この身の内には恋の熱情と浅ましい欲が確かにある。

『私とて男だ。君を想って自身を慰めたことも有る。』

小さな耳に唇を寄せ、言い聞かせるように囁く。
ばっと此方に向けられた顔は茹だった様に赤く、涙をたたえた震える瞳がいつもの何倍にも大きく見えた。
少し笑って、彼女の鼻へ自分の鼻を擦り付ける。瞼が落ちるが早いか唇を合わせた。啄み、吸って、もっと深くへ。
少しだけでも、君の想いへ沿えるだろうか?
そんなことを思いながら、これまでよりずっと深く、長く、唇を重ねた。


【脳裏】

11/10/2023, 7:23:27 AM

脳裏にはいつも君のことと自分のことがある。

君がもう帰ってこないこと、自分は君に会いたいこと。

会いたいけど誰もが僕を止める。

僕は夢ですら君に会えなくなってしまったんだ。

君は僕を見捨てた?

僕にはわからないけど、僕は君に会いたいよ。

僕はいつも考えてる。

ふとした瞬間死にたいと、脳裏に考えがよぎる。

人通りが多いところでは、頭の中では死にたい連呼。

苦しいから死にたいけど、君たちに会いたいから死にたくもある。

もう一度君の手料理が食べたいと、たまに考える。

11/10/2023, 7:17:53 AM

«脳裏»
最近、恋人の事を考えてしまう。
相手を不運にさせてしまっている。
とかを思うだけで、とても胸が苦しい。
どうしたらいいのか分からなくて、
ずっと脳裏で考えている。
#8

11/10/2023, 6:58:00 AM

【脳裏】


あの時
どうしてやさしい言葉をかけてあげられなかったかなって
ずっとそれだけ

11/10/2023, 5:43:41 AM

何度も浮かんで消えていく、母とすごした日々。

一緒に遊んだ公園。
共に買い物したスーパー。
はしゃいだ温泉旅行。

色んな場所が思い浮かんでは、消えていく。

そして一番記憶に残っているのは、昔暮らしていたアパートのベランダ。

よく洗濯物を取り込む母とベランダに出て、夕焼けを見ていたんだ。


『お母さん、夕日はどうしてあんなに赤く燃えているの?』

「ん?……また明日会おうね、ってお別れをするためじゃない?」

『お別れするため?』

「そう。また明日もあなたに会いたくて、記憶に残って貰えるように、赤く燃えて沈んでいくんじゃないかしら。」

『そっか。じゃあ、明日もまたここで夕日見る!!』

「わかったわ。明日はもう少し、暖かい格好してみようか。」

そう言って母は、先程洗濯し終わった、カーディガンを着せてくれた。
母が買ってくれたお気に入りのカーディガン。

私はそれをえへへ、と笑いながら受け取ると母も微笑む。子供の頃の私からしたら、当たり前の光景だったけど、今思えば幸せな時間だった。

とても優しい母。
虫も殺せず、誰にでも優しくあった母。

私はそんな母が大好きだったんだ。


「美和、」

聞こえてきた声でハッとする。

声の方を見ると、心配そうに私の顔色を伺う夫の姿があった。

「大丈夫か?」

夫の声で現実に引き戻された。

聞こえてくる規則的な電子音。
白い無機質な部屋。
目の前に横たわる衰弱しきった母。

私はしわくちゃの母の手を握り、昔の思い出に浸っていたようだ。

母が苦しそうに呼吸をしている。
電子音の感覚も長くなってきた。
そろそろお別れが近いのかもしれない。


「また明日もあなたに会いたくて、記憶に残って貰えるように、赤く燃えて沈んでいくんじゃないかしら。」


母の言葉が脳裏に浮かんだ。
もしかしたら、母も夕日と同じなのだろうか。

私は母の手を強く握り直す。


『もう、大丈夫だよ。お母さんは私たちの中にずっといるから。』

私の一言に反応するかのように、母の手がピクリと動いた瞬間、

ピーーーーーーー

電子音が終わりを告げた。

私の目から涙がポロポロと溢れる。


『お母さん、またね。』


母の手をそっと母のお腹の上に戻し、優しく撫でた。


#脳裏

11/10/2023, 5:37:03 AM

あの光景が脳裏に浮かぶ

ザーッと耳鳴りがする

目をつぶって深呼吸した

目を開けて光を見る

大丈夫、元気だよ

11/10/2023, 5:34:24 AM

#脳裏


人の頭の中は覗けないけど
どこかで表に出てるよね
知らないうちにね

11/10/2023, 5:24:00 AM

「今鳴いてる蝉は、お前の3年後に産まれた蝉だよ」
「へぇ..」

随分前の水泳の習い事の帰り道の光景。
蝉時雨と異常な暑さの中、
少しだけ塩素の香りがする気だるい午後。
何故か脳裏に焼き付いて離れない。

父は、いい人だったと思う。

11/10/2023, 5:23:42 AM

「脳裏」

 わたしの思い出をとどめてくれている部分
 目を閉じると幸せだった頃を写しだしてくれる
 こんな仕組みを作ってくれた何かに感謝
 いつか忘れてしまうその時まで
 脳裏に焼き付けて

11/10/2023, 5:03:10 AM

脳裏

とあるスキー場。リフトで山の上まできて、目の前はパウダースノー。私の脳裏に浮かぶのは、パウダースノーを蹴散らせながら、カッコよく滑る自分の姿。心が躍る。あ〜なんて気持ちがいいのだろう。
さ〜行くわよ〜!
はい!!ボーゲン、、、。
ドテッと転ぶ。痛い、冷たい!
だから、スキーは嫌いなのよ!
ど〜するのよ!下まで、ど〜するのよ!

11/10/2023, 4:54:57 AM

朝起きて、歯を磨いて、
気温を気にしながら服を選び…etc.
そうやってルーティンをすべてこなして、
さあ出るぞと玄関へ向かってハッと目が覚める。

なんて事のないいつもの朝を
今からまたすべてやるのかと思うと、
しんどくて無理だった。
私にはただの夢じゃなく、
タイムリープそのものだったから。

フィクションじゃ平気でうん十回とループしているが、私なら4回くらいで気が狂うと確信した朝。
仮病を使って休んだ。
11/07-10

11/10/2023, 4:46:00 AM

どんな大人になりたいですか。
ときたま、懐かしいその質問が脳裏をよぎる。
どんな大人になりたかったか。
まだ可能性の箱を胸いっぱいに抱きしめていた頃、夢があり希望があり、無垢で信じていたはずだ。何者かになれると。
誰かにとっての何者でもなく、私にとっても何者でもなく、夢も希望も目標も、とうにどこかへやってしまった。ただ呼吸し生きている。ただ命を消費していると言ってもいい。
ただ、眠る前にふと考えてしまう時がある。いまから大人になり直すことができるなら。私は誰かにとっての何者かになりたい。そうしたら、私は私にとっての何者かにきっとなれるだろうか。

「脳裏」

11/10/2023, 4:45:54 AM

11/9「脳裏」

 目を閉じると、蘇る。いつ何時、いかなる場所にいても。
 そこは銃声が絶えず鳴り響き、土埃と硝煙の匂いの立ち込める乾いた大地。銃器を構える俺たちは兵士だった。
「撃て!」
 一斉掃射の命令が飛ぶ。生きるか、死ぬか。殺すか、殺されるか。皆がそんな世界で生きていた。
「パパ!」
 目を開ける。
 膝に小さな娘が飛びついてくる。その後を、きゃっきゃっと声を上げながら息子が追ってくる。
 脳裏に焼き付く戦場の光景を、この優しい時間が塗り替えてくれるのはいつだろうか。

(所要時間:7分)



11/8「意味がないこと」

「風上先輩、付き合ってください!」
 まただ。今年に入って何人目かとクラスメイトに問われたがわからない。数えていない。
「悪いけど、興味がないから」
 女子というのはなぜこんな意味のないことをするのだろう。情報網もないわけではなかろうに、何人も繰り返してくる。
 返事はした。もういいだろう。その女子に背中を向けて立ち去った。

「どうだった?」
「いや〜、素敵! あの蔑んだ目! 最高のご褒美!」
「だよねぇ〜、いいなぁ〜!」
「ミユキはこないだもらったでしょ」
「何度でももらいたいじゃん、ご褒美は!」
「あと告白してないの誰? 録音頼めそうな人で」
「えっ録音してるの? 私もほしい〜!」
「風上先輩需要ありすぎ…!」
 こちら側には大いに意味があるらしい。

(所要時間:8分)

11/10/2023, 4:26:57 AM

脳裏を這いずり回ってる。

ずっとだ。

物心ついたときから。

「静かな子」「我儘な子」「優しい子」「想像力がすごいね」
「何が言いたいかわからない」「貴方のせいで鬱になりそう」
「周りじゃなくてあなたが悪いのよ」「仮病だろ」「パクっちゃだめだよ」

こんな事言われて自由になれるかよ。

本当は静かな子で居たいわけじゃないし、優しくないし、伝えられないし、誰も信じてくれないだけじゃん。

皆が言った言葉。深く考えずに口から出した言葉。

ずっと僕を切り裂くんだよ?
僕を死なせようとしてくるんだよ?
僕を苦しませて束縛してくるんだよ?
僕なにかした?

僕いっぱい謝ったじゃん。
何で謝っても許してくれないの?
死ねばいいの?
誰も教えてくれないじゃん。

怖いよ。
人なんか大嫌いだよ。

暴れさせてよ。
気づいたら素がどれか解んなくなっちゃったよ。

僕知ってる。
僕が暴れたらもうきっと誰も僕に笑ってくれない。
これを読んだどっかの誰かも。
誰かの笑顔なんか見られなくなる。

11/10/2023, 4:23:41 AM

『脳裏』って漢字に裏を使ってるのに意味は『頭の中』。
たしかに脳裏をよぎるって使う時は頭の中に映像が映るように感じる。
日本語って難しい。

『脳裏』

11/10/2023, 4:14:03 AM

頭をよぎるのは、一番幸せだったかもしれない、あの日。

「俺、君のこと好きなんだ。ずっとずっと好きで、君は違うかもしれないけど、諦めきれなくて」

 夢なんじゃないかと疑ったけれど、わたしを抱きしめるぬくもりも、少し苦しさを感じる力も、間違いなく本物で。
 わたしには手の届かない人だと思っていた。
 はじめて好きになった人と想いを重ね合わせられるなんて、思っていなかった。

 ――ねえ、やっぱり、夢だったの? それなら早く覚ましてほしかった。

 あなたの心が、別の場所にいることなんて、とっくに知っているの。
 わたしが共に歩みを進めようと手を差し伸べても、渋ったままやんわり拒否をしていること、気づいているの。
 それなのに……中途半端に愛を囁いてくるせいで、断ち切れないでいる。

 ああ、早くこの悪夢から逃れないといけない。
 手遅れになる前に、はやく。


お題:脳裏

11/10/2023, 4:12:40 AM

脳裏に焼き付いた思い出達 ガラスのようにきらきら輝く

11/10/2023, 4:11:00 AM

お前らのクソみたいな発言ずっと脳裏をよぎるから死んでほしい

11/10/2023, 4:06:56 AM

「『脳裏』は比較的ハナシに埋め込みやすい単語だと思う。ひとまず登場人物に何か考え事させりゃ良いだけだからな」
俺が時々ハナシ書くの苦手に感じる理由、自分自身がそういうネタさして好きくないにもかかわらず、自分でその、さして好きくもない「ちょっと説教っぽい作風」のハナシを書いちまってる説。
某所在住物書きは己の脳裏にひらめいた仮説に少し同意して、ゆえに途方に暮れ天井を見上げた。
自分が自分のさして好まぬ物語を書いてしまうのは、どうしろというのだ。

「豆知識ネタは、好きだけどさ。ちょっと過ぎれば問題提起ネタやら、説教ネタやらになっちまう……」
作風、難しいわな。物書きは大きなため息を吐いた。

――――――

私の職場に、「解釈」、特に「解釈違い」って言葉がトラウマな先輩がいる。
原因は、先輩の初恋のひと。
酷い解釈押し付け厨で、自分が最初に先輩のこと好きになったくせに、いざ先輩が初恋さんに惚れると、
「地雷」、「解釈違い」、「おかしい」って、呟きックスのサブ垢か裏垢か知らないけど、鍵もかけずにディスり散らして、
それが、先輩の目に止まっちゃった。

先輩の初恋さんは、名前を、加元さんと言うらしい。
散々先輩をディスったくせに、まだヨリを戻せると思ってるみたいで、先々月私達の職場に突撃訪問してきた。
「話がしたい」って。
「自分はその人の恋人だ」って。
加元さんはまず恋人の意味を検索すべきだと思う。

「最近は昔ほど、酷いアレルギー反応は、出なくなってきたがな」
昼休憩、「朝ちょっと揺れたね」ってオープニングトークを、ちらほら、あちこちで聞きながら、休憩室のテーブルでお弁当広げて、コーヒー置いて。
なにやらシンプルなデザインの便箋を、何度も何度も視線で読み返す先輩と一緒にランチ中。
「時間の経過か、お前がたまに解釈解釈言って、耳が加元さんじゃなくお前で慣れてしまったか」
何はともあれ、アナフィラキシーを起こさなくて良かった。
先輩は呟いて、スープジャーの中を突っつきながら、また便箋を目でなぞった。

「なに見てるの」
「お前が私によこした仕事を」
「私何も投げてない」
「お前だろう。今週の月曜日、11月6日、『自分自身のために、加元さんの投稿で自分が傷ついたことを、自分の気持ちをハッキリ伝えろ』」

「まさかカンペ?……先輩がカンペ?!」
「断じて乾パンでもハンペンでもないぞ」
「ごめんネタ分かんない」

ずいっ。
身を乗り出して、先輩の便箋の文章を見る。
便箋には真面目で几帳面な先輩らしく、加元さんの何の行為で心が傷ついたか、今自分が加元さんをどう思ってるか、今後どういう関係でありたいか、
淡々と、平坦に、事実だけ、加元さんを必要以上傷つけないような言葉の選び方で、まとめられてた。

仕事中はスラスラ言葉が出てくる先輩が、ただの恋愛トラブルの喧嘩でカンペを作る。
私にはそれが、すごく不思議だったけど、
同時に、ふと、脳裏にそれっぽい理由がよぎった。
きっと、本来の先輩は「カンペ作る方」なんだ。
仕事中の、「スラスラ言葉が出てくる方」は、学生が何度も何度も膨大な量の数学の問題解いて、解法を覚えちゃったようなもので、
本当はちょっとだけ、ほんのちょっとだけ話をするのが得意じゃないか、
あるいは量産的な言葉を機械的に素早く出す会話より、相手をしっかり見て、オーダーメイドな言葉を渡すのが、好きなんだ。

「……。
いや多分違う。なんか違う。いや違わない?」
「は?」
「私が私の中で先輩の解釈論争」
「……、……は?」

私の後輩は今一体何を悶絶しているんだ。
先輩の目は点で、スープジャーを突っつく手も止まってて、口がちょっと開いてる。
先輩実は話をするより話を聞く方が好き説、
本当は大量生産より一点物の会話をするタイプ説、
トラウマな初恋相手との会話が緊張するだけ説、
等々、等々。
私の脳裏は某動画のコメント字幕みたいに、右から左に解釈が流れて流れて、
その私の目の前で、先輩が意識の有無の確認みたいに、右の手のひらをヒラヒラ振ってた。

11/10/2023, 3:50:38 AM

【脳裏】

 波打ち際で月光と踊る君の姿を思い出す。白いワンピースの裾がひらひらと、誘うように揺れていた。
 君と過ごした最後の夜の記憶。素敵な思い出をありがとうと微笑んで、君は夜の海へと還っていった。
 寄せては返す波の狭間へと、そっと手を差し入れる。冷たい温度がまるで、君の手のひらのようだった。
(ずっと、ずっと、君だけを愛してる)
 たとえ君が人間でなかったとしても。海から生まれ海へと還る、人間の形を模しただけのただの化け物だったとしても。それでも僕にとっては、君だけが世界の全てだった。
 脳裏に焼きついた君の、はにかむような笑顔をなぞりながら。遥か遠い海原へと永遠の愛を捧げた。

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