『脳裏』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
脳裏
嫌なことが脳裏にやきついて離れない。
誰かどうにかしてほしい。
助けてと叫ぶ
#脳裏
脳裏に電流が走る。
ずっとずっと探してた人が目の前に居る。
でも、その人は私のことを覚えていなさそうな顔で、はじめましてと挨拶をされてしまった。
ねぇ、私のことを思い出してよ。はじめまして、じゃあないんだよ?
脳裏は横切るもので、占有しているものは横切らない。
敢えて不幸でいる事で頑張っている風を装っているのだとしたら、其れは『なにもしていない』のと同義だと誰かが言った。
つまり、不幸で居続けることは怠惰だし、
幸せになろうとしないことは卑怯なのだというのだ。
それはきっと、概ね正しい。
負った傷を治さずに隠さずに街頭に居座りうまく主張していれば食うに困らないくらい誰かが助けてくれるかもしれない。
それで生計が成り立つのならばそれでも別に構わないような気もする。
そうして一日が終わり眠りにつくほんの少し前の空虚な時間に、ふと脳裏に浮かんでくるのだろう。
『なにもしていない。』『怠惰だ。』『卑怯だ。』
という強い言葉達が。
そして彼は少し葛藤するのだろう。
『じゃあどうすればいい?』
『今更変えてなんになる?』と...。
でも人は犬や猫とは違う。
自らで望み、行動すれば何かしらには行き当たる。
行き当たった場所でも自分を諦めなければ次のステップに進めるかもしれない。
そうして少しづつ前に進んで行く事を世の中では『頑張っている。』というのだろう。
でもそこに他人の評価は要らない。
痛いのならそれを癒す術はあるかもしれない。
1人ではどうにもならないとしても誰かが少しでも良くなる方法を知っているかもしれない。
そんな可能性を諦めず、
自ら求め行動する事で多分、人は少しだけ幸せになれる気がする。
大変だけどね。
自分のためだから。
脳裏によぎるのは、単細胞の夢。
キャタピラー状の足を動かす、微生物。
緑色の葉緑素を持った、悲しみのバクテリア。
ぼうふらは、その中にわらわらと浮かぶ。古生代の夢は、単細胞から多細胞生物に進化する、そんな泡沫の記憶。
なんで、こんなに悩むことがあろうか。
ひとつの細胞同士が、シナプスの電気信号によって繋がり、腸内には幾億もの腸内細菌がいて、私たちは生かされている。
ああ、単細胞生物になれればいいのに!
バクテリアの暮らしはさぞかし優雅であろう。
魚に食べられ、藻に付着し、浮かんでは沈み、浮かんでは沈み。
脳裏
不安なこと
あの事が脳裏によぎった
どうしても思い浮かんでしまう
どうしたら良いのだろう
脳裏
脳裏をよぎる、不安やもやもや
全部全部、吹き飛ばしたい
脳裏に溜まる、漠然とした願望を言語化して
いっぱい叶えたい
脳裏に貯めた、ぼんやりとしたやりたいこと
たくさんリスト化して、やっていきたい
脳に集めるだけでは叶わないことを
現実にするために
毎日言葉を知っていきたい
脳裏に浮かぶ
もう
喋らなければいいんじゃないか
1度そう決断した
でも、
中々上手くいかない
「教えてあげようか?」
「大丈夫」
自分で考えたって分からないのに
意地を張る
今からでも遅くないから
やっぱり教えてって
素直に
早く
早く言いなよ
心に急かされる
でも
口は開かない
声が出ない
ほんとに嫌い
この性格
僕は
言葉にしてから
後悔するタイプ
もう遅いのに
小学3年生の頃
自分の都合でかっとなって
怒鳴り出す担任が
大嫌いだった
僕が
小学6年生になった時
クラスメイトに
顔が女みたいだって
笑われた
我慢できなくて
言い返してしまった
後悔した
これだと
自分の感情に任せて怒る
嫌いな担任と同じだと思った
謝ったけど
もう遅いんだよね
人を傷つけるのが怖くて
自分の思っていることを
言葉にすることができない
話すことに躊躇してしまう
話さなければいいと思った
もう
ずっと話さなければ
人を傷付けることがないと思った
でも
無視みたいになって
逆に傷つけてしまうかもしれない
話さないなんて
難しくて
ほんと
疲れてくる
人間の反射の速さには
いつも驚かされる。
例えば 空虚感で 口に出した
別れの言葉の 最後の一文字
言い放つ その寸前に
ふと我に戻されるのだから…。
言葉にすれば終わる
きっと わかっていた
でも 気づいた時には
もう全てが遅すぎたらしい
「わかった」
色の消えた世界で
その彼女のたった一言が
鋭く胸に刺さって 息がつまった。
そしてまた後悔をひとつ重ねる
僕に背を向けて歩きだした
あの日の彼女の姿が
今でも脳裏にやきついて離れない
例えば…
例えばの話。
- For example... -
脳裏に浮かぶのは
いつもいつもネガティヴなことばかり
もうやめたい
生まれ変わりたい
今いる環境から逃げ出したい
いつも脳裏にあるのは
あなたと過ごした
いくつもの場面
それは
その時々の
あなたの言葉と共にある
心ときめいたシーン
嬉しさが溢れたシーン
喜びに涙したシーン
何気ない日常の中のシーン
そして最後の
悲しみのシーン
どれほど歳月が流れても
脳裏に焼き付いた残像は
消えることはなくて
あなたを亡くした
悲しみだけが
諦めの中で
静かに
色を変えていく
# 脳裏 (326)
脳裏に焼き付いて離れないから
私にはきっと貴方は大切でかけがえのない
人だったんだと思う。
でも、そんな私が別れを切り出したんだから、その時の私は貴方は必要ないと認識したんだと思う。
だから、貴方と別れたんだから。
彼は可愛い人だったと思う。どうに可愛かったの?って聞かれると困ってしまうけれど、私にはとても可愛い人だった。
けれど、そんな彼とのお付き合いが、面倒くさいと思う様になった私は、世間一般的には嫌な女で、最低な女かもしれない。
貴方とのキスも、夜の営みも、全部退屈する様になった私は、貴方のお陰で贅沢になったんだと思う。
私は自分勝手な理由で貴方に別れを切り出したんだから、後で代償を払うのかもしれないなんて思ってしまうし、まさに今それなのかもしれない。
だって、今の私は、貴方と別れたことを、後悔しているんだから。
脳裏に浮かんだものがいいものばかりだとは
限らない。嫌なことを思い出したり悲しいことを
思い出したりすることもたまにあるけど…
でも良いことやリラックスすることを思い浮かべるのは
その時は少し自分にとってホットする時間なんだなと
思える時なんだろうな……
そんな日が沢山あればいいのにな……
こんな寒い日の夜は脳裏にアイツの顔が過ぎる。
お前がいなくなったのも、今みたいな寒い日の夜だった。
ブロンド色のオールバックで、サイドは刈り上げ。
白の半袖Tシャツをデニムの中に入れてて、上からデニムジャケットを羽織ってた。
スラッとした細身なのにガタイが良くて、何でも似合っちまう。
よく行きつけのダイナーの前に愛車のバイクを停めてタバコをふかしてた。
青い瞳に整った顔。
その甘いマスクに女はたちまちイチコロになった。
だけどお前はそんな女達なんかには目もくれず、
考えるのはたった1人愛した女と俺らダチのことだけ。
普段は物静かで温厚なお前でも、
自分の大事な人が傷つけられたら黙ってはいられず
よく喧嘩して顔や身体に傷をつくってた。
どんなに傷が出来ようと、周りが止めようと、
"お前らが幸せでいてくれるなら、俺はそれで良い"
そう言ってはにかむお前の顔が、
笑顔の向こうにある真剣な眼差しが、俺は大好きだった。
今日はお前が愛したバイクに乗って、
お前が眠る場所に向かう。
よく吸ってたタバコに火をつけ、
お前が好きな真紅の薔薇を手向ける。
あれは3年前の寒い日の夜、ちょうど雪が降り始めた頃。
もうすぐ産まれる我が子のためのおもちゃを買いに行って
その帰り道でお前はお前に恨みを持ったやつが運転していた車に猛スピードで突っ込まれ、それっきりになっちまった。
「なぁ、元気か?
お前がいない街も日々もつまんねぇよ。
お前が愛した彼女は、お前が遺した子供と一緒に幸せに暮らしてるぞ。」
どんなに語りかけたって、返事が返ってくることはない。
「久々にお前の声が聞きたい。また話してぇよ。」
少し返事に期待する。
だが当然ながらそんなことあるわけない。
そして帰ろうと墓に背を向けて歩き出した時。
"おいおい、帰るの早すぎじゃん?"
懐かしい声が聞こえた気がして慌てて振り返る。
すると俺の目の前には自分の墓に腰掛け、
爽やかな笑顔で俺を見つめるお前がいた。
"よっ。"
「は…?」
昔と同じ、白の半袖Tシャツをデニムの中に入れ、
デニムジャケットを羽織っているアイツは
まさに当時のまま。
「こんな寒い日にそんなだと、風邪引くぞ。」
"お前こそ、傘させよ。"
「傘なんて持ってない」
"そんなんだから、長いこと彼女の1人も出来ないんだよ"
「余計なお世話だ」
"俺の女の事、俺の分までちゃんと愛してくれてんの?"
「当たり前だろ。お前が心配しなくても俺らは大丈夫だよ。」
"なら良かった。お前らが幸せでいてくれるなら、俺はそれで良いんだ"
「ったく、相変わらずだな」
"当たり前だろ。俺はいつだってそう思ってる"
「お前のそういうとこ、本当に好きだよ。」
"ありがとさん。あ、俺の彼女によろしくな。まぁ、今はお前のだろうけど。"
「あぁ、恋しがってるからたまには夢にでも顔出してやれよ」
"ハハッ。そうだな、たまにはそうしてやるか。"
「アイツもきっと喜ぶよ。それじゃ、俺はそろそろ帰るよ」
"なんだよ、もう帰っちまうのか"
「お前の彼女と子供とツリーの飾り付けする約束してるんだ」
"おっともうそんな時期か。アイツ、何歳になった?"
「もうすぐ3つになる」
"3つか…。なぁどっちに似てる?"
「綺麗に2人の良いとこ取りだよ。」
"そうか、きっと可愛いんだろうな。おっと、今日は来てくれてありがとう"
「俺の方こそ、わざわざ会いに来てくれてありがとな」
"良いさ。お前が悩んだ時はいつだってお前の背中を押してやるのが俺の役目だからな"
「本当、お前には感謝してもしきれないよ。これからも見守っててくれよ。」
"当たり前だろ。2人のことよろしくな。"
「あぁ。それじゃ。」
アイツに別れを告げて少し歩いた先で後ろを振り返ると、
墓にはアイツの姿はなかった。
俺が見たアイツの姿は脳裏にある記憶がもたらした幻なのか。
…いや、あの感覚は幻なんかじゃない。
「じゃあな、相棒」
そういって俺はバイクに跨り墓地を後にした。
"また来いよ、相棒"
俺の姿が見えなくなるまで見送ったアイツは、安心した表情で旅立った。
アイツの墓には、こんな文が彫られている。
自身の幸福よりも愛する恋人、友人らの幸せを第一に考え、23年の人生を捧げてきた英雄(とも)よ
来世でお前が幸せなら俺達はそれで良い
安らかに眠れ─────
安易ではあるけど…。
落ち込んだ彼女が笑顔になるにはどうしたらいいか必死に考えて、今まで見向きもしなかったものが綺麗に見えてきた。
我ながら単純だけどな。
ぼかしたR↓
小さな身体を抱いて、失われていた身体が戻ってきたかのように満たされた。こんなに落ち着くものなのかと。
強すぎる力で裂かぬように少しずつ進む。
女の香りが強まって、オレの手が甘い声を出させているのかと思ったら一気に欲しくなった。
辛そうだったけど、火照った狂おしげな顔を見るともっと捧げたくなる。ほんと単純だよなぁ。
「ねぇ、私明日、天国へ行くの」
そんな台詞を口にした翌日、君は廃屋の天辺からコンクリートタイルの染みになった。原因は学校のいじめ問題だとネットニュースが垂れ流していた。
だが、私は知っている。君が天国への片道切符を買った、本当の理由を。君はあの人と生きたかったのだ。
テレビのお偉そうな教育コメンテーターより、歳をとっているだけで子供を奴隷の如く扱う教師より、君の涙を「情けない」と嘆いた両親より。
君を救ったあの人は、灰色の紙の上に刻まれた登場人物で、あの日発売の週刊少年誌で非業の死を遂げた。
後追い自殺なんて愚かしいなんて、漫画のキャラクターにリア恋なんて馬鹿らしいなんて、私は言えない。
現実で君を救えなかった私達に比べれば、君が愛した人の方が明らかに生きるべき人間であった。
数日ののち、単行本に収録されたあの話に、読み切りの小話が描き足されていた。タイトルは「ある日の幸福」であった。
住み着いて離れない
離れてくれない
君は孤高で美しく誰よりも強いひと
同時に脆く優しいひと
浮かぶ脳裏にいる君はいつだって傷だらけのまま満面の笑顔で
あまりにも鮮烈で惹かれずにはいられない
これを恋というのでしょう
なぜか分からないが、最近脳裏に浮かぶのは、『死』という言葉。
学校という縛りのある空間がたまらなく嫌で、本来の自分が押し殺されている状況のため、息苦しさが絶えない。
自分から、担任との雑談を求めたり、カウンセリングなどを求めはするものの、学校という空気感がそもそも嫌になる。
息苦しさが絶えず、何度も「死んでしまった方が楽」と思うことがあった。
今は夢を持っているくせに、それを捨ててもいいくらいにどうでもいい。
自分が自分を好きになれず、自己犠牲感が強くなってしまった。
苦しいくせに周りには「大丈夫です、大丈夫です」といい顔ばっかりの自分に飽きてくる。
いっそ死んでしまった方が楽というのも、案外間違いではないのかもしれない。
大体、男性と女性が一緒に働く社会になったにも関わらず、未だに男女差別が生じるのはなぜでしょうか。
同じくらい必死に働いても、女性の給料は男性に比べて低い。
育児は女性の “仕事” だと勘違いされる。
そんな制度、誰が決めた?
女性が男性と同じくらい、生活のために必死こいて働いてんだ。何もかもフェア、それが常識だろーが。
女性が社会的な仕事、男性が育児。それの何がおかしい? 不慣れなことでも挑戦しようと努力してる人は世の中にたくさんいんだよ。少しは応援するって気持ちはねーのかよ。
法律は人のためにある。………………はぁ?
何が人のためですよー、だよ。裁判で罪のない人が「有罪です」って判決下ってみろ。どこが人のためだ? バカバカしい。
人のためだってんなら、人のためになることをしろって話だろーが。
日常生活で誰かしらを助けたら、いい事があるかもしれない。そー思えるようになれや、たわけが。
そもそもな、社会的に苦しい思いしてる未成年者は数多くいんだよ。
そいつら助けようと思う心あんのか?
人の人権を奪うような小賢しいマネ、人が人として生きて行けなくなるような行為をし続けるその度胸、人の心にズカズカ土足で踏み込んで、そいつの気持ち考えられねーような無責任で人外的で、クソみたいなその脳ミソ。よく今まで人傷つけられたな?
やられたらやり返す、そーゆー社会だ。
いいか? 足りねー脳ミソフル回転させてよ〜く読めよ?
やられても、“やり返さない” 。誰ががやるなら、必ず誰がが我慢しなければならない。
そーすることで、守られ救われ、報われることがあんだよ。
脳裏に浮かぶのは
去年の同じお題
ボキャブラリーが乏しく
記憶も薄れてきた
今日この頃
同じお題に挑むのも
悪くは無いけれど
正直
新鮮味も欲しいなぁ
「脳裏」
その夜はいつもより空気が澄んでいる気がした。
スーと息を吸ってフーと吐く。息を吸う度にキリッとした冷たい空気が喉を通り熱を持った肺を冷やしてくれる、月の明かりに透けた紅葉がさらに色づいて見える。
夜の散歩は好きだ、特に秋の夜は心地がいい。心の中に溜まっていたわだかまりがサラサラと溶けてなくなっていくような感じがする。
月明かりと街頭以外に自分を照らすものがないからだろうか。
家にいる時より余程安心感がある。
-このまま月明かりに溶けてなくなりたい-
そんなポエミーなことを考えながらぼーっと歩いているといつの間にか知らない道に出ていた。
少し驚きながら周りを見回すが振り返ってみても全く帰り方が分からなくなっている、完全に迷子だ。
思い耽っているうちに歩きすぎてしまったかな、と考えながらとりあえず来た道を戻ってみることにした。
曲がったりはしていないから真っ直ぐ戻れば帰る方向が分かって来るだろうと歩みを進める、がその考えは直ぐに崩された。
真っ直ぐ行った先には舗装されていない山道ともけもの道ともとれる道に繋がっていたからだ。
道を間違えたかと引き返したが他に真っ直ぐ行けそうな道は無い。最初は曲がり角を覗いては通った記憶が無いか探っていたが一向に手掛かりが掴めず強硬手段に出ることにした。手当り次第に曲がり角を曲がって見ることにした。
のに、どう歩いても最終的に山道の方へと戻ってきてしまう。右に曲がっても左に曲がっても、山道に背を向けて走っても目の前に現れるのだ。
そんなことを繰り返しているうちに段々と気味が悪くなってきた。考えてみれば最初からおかしかった。元々道を覚えるのが得意な自分がいくら考え事をしながら歩いていたとしても来た道を見失うなんてことは普通ないし、家を出てから徒歩で全く知らない土地に着くには全然時間が足りない。そもそもこんなよくある住宅街に山道があるのもおかしい、公園のちょっとしたハイキングコースなんかじゃない正真正銘の山道だ。それが道に迷って引き返したら目の前に現れた、絶対におかしい。
しかしこのまま見覚えのない住宅街を彷徨いていても埒が明かない気がした。気がしたというだけで本当は何とかなったのかもしれない。しかし、動揺していた自分の脳は山道に入ってみるべきだと告げ心はそれに従った。
石がゴロゴロとして不安定な地面となれない少し急な登り坂というダブルコンボに山に入って少ししか経っていないのに息が上がってきた。
軽率に踏み入れたことを後悔してきたが、引き返す気はなかった。戻ってもまた迷路のような住宅街に阻まれるか最悪今度は山から出ることが出来ないような気さえしていたからである。幸い月明かりのおかげで周りが良く見え道は見失わずにすんでいるし、今は前に進むことだけにしようとひたすら足を動かす。道はどんどん狭くなり本当にけもの道のようになってきたが気にしている場合では無い。
どれくらい登ったか、額には汗が滲み息も絶え絶えになってきた時ふと先の方に明かりを見つけた。
自分住んでいる住宅街の明かりかもと嬉しくなり駆け寄るが、期待したものはそこには無かった。
走り着いた先には灯篭が両脇に真っ直ぐ並んだ道があった。今度は舗装された道だったがコンクリートではなく石畳だ。
見るからに異様な光景に進むことを躊躇ったがけもの道は石畳のところに出てからふっと切れてしまっていてそれ以外に進みようがない。山道に入ることを決めた時よりも熟考したが結局石畳の道に進むしかないと思い至った。
スーと息を吸ってフーと吐く、落ち着くためのおまじないだ。緊張と不安でドクドクいう胸を抑えながら不気味としか言いようのない道に一歩踏み入れた。
灯篭の明かりはずっと向こうの方まで続いていた。