『脳裏』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
適当に描いた木のイラストで、いったい何が解るというのだろうか。
分厚い本とイラストを交互に見やる医療従事者を鼻で笑った。
占いに毛の生えたようなその鑑定に何の意味があるのか、聞いてみたかったが止めた。
どうせマトモな回答など返ってこない。
自分が何をしているのかすら理解していないのだから。
占い好きのこの医療従事者の気の済むまで。
否、飽きるまで。
この無為な時間を過ごすことになるのだろう。
嗚呼、早く帰りたい。
テーマ「脳裏」
螺旋階段を行ったり来たりするように、私はいつまでもあの頃を引きずって生きている。
戻る事ができたなら、何をするだろうか。
けれど、あの頃をもしまた過ごし小さな選択を重ねたとしても、私は私を選んでここに戻ってくるような気がした。
そんな夜の隅っこで、私は今日も今日を終わらせるのだ。
脳裏
脳裏に焼きつく
脳裏に浮かぶ
脳裏をよぎる
改めて脳裏とは一体どんな意味なのか
『頭の中、心の中』
私的に
不安、悪い予感、嫌なもの
これらを思ったり見たときに使う言葉
あまり、いい意味合いで
使った事ないかなぁ
『脳裏』
脳裏によぎる、あの人の姿。
あの人の声。
……忘れない。
脳裏の部屋
少し狭い丸い部屋があり、天井は眩暈が
するほど高い。
壁一面に、引出しがびっしり並んでいて
中はファイリングされている。
48年間で、見聞きし経験してきたことが
ファイリングされている。
ただ、どこに綴じたかを忘れてしまった
もの、または敢えて綴じなかったものも
ある。
そろそろ、空き容量は半分を切った。
データで保存せず、アナログに紙で保管
した、そんな脳裏の部屋。
脳裏
ここはマンションの20階。
おそらく即死だろう。
うちの会社の社長はクズで馬鹿で大っ嫌いだった。
自分は女と酒に溺れてるくせに。
俺らばっかりに仕事を押し付けやがって。
まさに『ブラック』だった。
そんな会社に何十年もいれば
当然我慢の限界だってくる。
だが、金のためにも辞めるわけにはいけなかった。
どうせこんなおっさんを雇ってくれるところなんて
ないだろうから。
―そして今に至る。
ベランダの柵に手を掛け、
飛び降りる準備はできていた。
あとは…
誰かに電話でもしておくか…
そう思い、携帯を手にした。
手にした途端、
プルルルル…
同僚から電話がきた。
「あ、岩崎さん。昨日休んでましたけど、
体調大丈夫ですか?」
どうやらこちらの体調を気遣ってくれたらしい。
「あぁ、大丈夫。この歳になっても無駄に
抵抗力が高いもんでね。」
「無駄じゃないですよ。むしろ羨ましい。」
なぜだろう。
こいつと話していると心が軽くなる。
「…君はさ、死んだほうがましだって
思ったことはあるのか?」
「僕ですか?…ないです。」
「…!」
正直驚いた。
大体みんな辛いとか死にたいとか
思ってるものだと思ってた。
「だって、あんな社長のせいで自分が死ぬなんて
馬鹿馬鹿しいじゃないですか」
彼は淡々と続けた。
「それに、いつかあいつをギャフンと
言わせたいんですよ。だから僕は死にません。
…死ねません。」
「…そうか。
おまえは強いんだな…。」
「なぁに言ってるんですか!岩崎さんのほうが
心も体も眼力も強いでしょ?」
「…眼力は余計だ。」
「あははは!ほんと岩崎さんと話してるときは
楽しいなぁ…!」
「まぁ、元気になったんならまた明日会いましょうね。んで、さっさとあのゴミカスみたいな仕事を終わらせて飲みに行きましょ!」
「…おう。」
電話は終わった。
…空はすっかり暗くなっていた。
あんな社長のために死にません。
…死ねません。
俺は死にたいのに
あいつの言葉が脳裏から離れない。
結局、俺が一番弱いのかな
そして静かに窓をしめた。
速くあいつと飲みに行きたい。
脳裏
いつだって君のことがよぎる
君の泣き顔
引き止めるように僕の服を掴む手
行かないで
危ないことはしないで
私を…ひとりにしないで
叫ぶように懇願する君
そんな顔をしないで
僕の決心が揺らいでしまう
だけど、全ては君のため
君が平和な世界で笑えるために
僕はこの身をかける
某ゲーム二次創作
強さと引き換えに様々な能力・記憶・感情を引き受け共有してしまった、いつの間にか脳裏には色々な自分がいる。
それぞれの想い…愛情・友情・勇気・夢・憧れ・希望・願望・使命・責務・誇り・連帯・嫉妬・羨望・焦燥・悲哀・哀惜・諦め・挫折・怒り・憎悪・殺意。
おかげで本当の自分がよくわからない、自分はどこにいるのだろうか何をしたかったのだろうか。
いつの間にか自分の感情が本当の自分が見えない…視えない…観えない…。
「脳裏」
〜脳裏〜
脳裏に浮かぶ感情
あきらめたい、逃げたい
この気持ちと戦っている
人間辛い事が起きると幸せが来る証なんだ
だから、あと少し踏ん張ろう
弱音を吐いていい、沢山泣いていい
だから後ずさりしないで
レンズみたく
屈折して 反射して
映してるなら
逆さまね 今
浮かんで過った
貴方の表面は
焼き付けるには
光が足りない
(脳裏)
自分の脳裏にある事と自分が起こす言動が違いすぎてたまに嫌になる。
頭では分かっててもどうやったら正解になれるのか分からない。
脳裏を埋める大きく強いヒーロー像、でも現実は体も心も小さくて
(脳裏)
脳裏
最期に脳裏に浮かぶのは…そんな無意味な事が、不意に気になって…最近、同世代の死亡記事が続いているせいなのか…幾つか思い浮かべてみたけれど、結局何も察せない…よくある映画やアニメのように、そういう事が本当にあるのだろうか…
脳裏
焼きついたり
思惑だったり
イメージあたりかな
どれでもいい
どれも残像な気がする
残像だとすると過去になる
その複合体が脳を巡るのこと
思考過程がハッキリしない
説明する形になると
少しずつ形になっていく
言葉にすることは
ある意味では救済なのかもしれない
あなたから死を賜る瞬間が今も私の脳裏に焼き付く。
鋭い切っ先、煌めく刃。私を貫く剣(つるぎ)の柄には力がこもり、その瞳にはなんの光も灯さない。
愛してる、と私にそう囁くあなたの声が遠く消える。
あなたと過ごしたあの日々が硝子のように砕け散る。
出会わなければよかった?
愛さなければよかった?
私を憎み、その手を汚させた罪は私のせい?
すでにこと切れた私の身体に、あなたが二度目の刺突を構える。そこにかつての愛などありはしなかった。
私はもう二度とあなたを愛したりはしない。
愛する人に殺される残酷な結末はもういらない。
最期に見たあなたの涙の意味も…わからなくていい。
だからどうかこの悪夢を悪夢で終わらせて。次に目が醒めるのならば、あなたのいない世界をお願い。
もしもあなたを再び愛した瞬間、私はあなたを憎まずにはいられない。
そして私の心は本当に、壊れて、砕けて、跡形もなく、世界の塵のひとつにしかならないでしょう…。
【脳裏】
可愛い子には旅をさせよ
そんな言葉にならって娘を送り出した
ちょっとした小旅行
おじいちゃんおばあちゃんちへおつかい
多分今頃駅に居て、ドキドキしながら電車を待ってる
電車に乗ったら外の景色を見てきっと感動してる
おばあちゃんにはお迎えをお願いしたから
きっと向こうに着いたら再会に大喜びしてるんだろう
おばあちゃんはきっと甘やかすから
お菓子を貰っていっぱい遊んで、夜はぐっすり眠るんだろう
おじいちゃんは料理上手だから美味しいご飯を作ってくれる
娘はきっと食べすぎちゃうだろうなぁ
明日になったら3人でショッピングに行って
玩具を買って、フードコートでアイスも食べてたりして
でも娘は寂しがり屋だから
帰る頃には二人と離れるのは寂しくて泣いちゃうかも
家に帰ってきて「ただいま!」って
思い出話をいっぱい持って帰ってくる
娘が成長して帰ってくるのがとても楽しみ
娘の旅の光景が脳裏にどんどん浮かび上がってくる
「ふふっ、私も寂しがり屋なんだなぁ」
まだ娘が家を出て、1時間も経っていないのに
もう帰ってくるのが待ち遠しくなってる私
ブーブー
そんな時電話がなった
知らない番号だ
「あなたの娘が車に轢かれた」
電話の内容を聞いて、驚く私
病院に急いで向かう
きっと大丈夫
娘はケロッとしてるはず
「おばあちゃんちに行くの!」
なんて言ってお医者さんを困らせてるかもしれない
娘は無事だと、娘の元気な姿を思い続ける
病院に辿り着き、娘と再開する
そこに居たのは傷だらけの娘
目は開かず、一言も話さない
これは夢だ
きっと今ごろ娘は電車に乗っているのだと
脳裏にいる娘こそ真実なのだと
しかし現実は裏返ることはなく
ただただそこには旅から帰らぬ娘がいた
そして私は理解した
可愛い子には旅をさせても、その終着地は誰にも分からないのだと
脳裏-(11/9)
今年一年、自分は頑張ったと信じて、おひとり様デビューしたかった場所へ行く事にした
色々と情報収集したり、予約したりしている時に、ふと思い出す
当時遠距離だった彼とは、会いに来てくれる度によく行ってたな、と
細かな記憶は薄くなってしまったが、そういえば懐かしいなと脳裏をよぎる
初めてのおひとり様
ワクワク楽しみが大きい
おひとり様もここまで来るとベテランの域だな
#脳裏
頭の裏には
起きて欲しくない未来が映る
これは脳の裏だから?
いいえ
これは過去の裏の裏
「脳裏」
ただ、なんとなく
もう会えないような気がしてる
これまでも会えない時間が長い時もあった
でも、なんとなく
「終わり」という言葉が脳裏に浮かぶ
私はベルセルクが好きだ
ベルセルクの曲を聴いていたら平沢進の虜になった
今日はお昼寝の時にparadeをつけた
1日中何回も何回も聴いていると脳裏に焼き付いて聴いてなくても聴こえてくるようになった
明日は何をリピートしようかなとても幸せだ