『胸の鼓動』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「鼓動が響く未来」
夜の静けさが辺りを包む頃、明かりを灯した小さな書斎の中で、一人の青年が机に向かっていた。彼の名前はユウタ。小説家を目指す彼は、働きながら夢を追い続けていた。しかし、現実は厳しく、仕事の疲れや生活のプレッシャーが彼を時折打ちのめす。それでも、彼の胸の中には一つの揺るがない鼓動があった。
「自分には何かできるはずだ。」
ユウタはその言葉を胸に刻みながら、キーボードを叩き続けていた。物語の中に描かれる世界は、彼の心そのものだった。夢と現実が交差する物語は、彼自身の人生と重なる部分が多かった。
ある夜、彼は書斎の窓を開け、冷たい風を感じながら立ち上がった。外には満天の星空が広がり、その静けさが彼の心を落ち着かせた。だが、同時に胸の奥でざわつく何かを感じた。
「このままでいいのだろうか?」
今の仕事は安定していたが、彼の心は満たされていなかった。小説家として生きることが彼の夢だ。けれど、その夢を追い続けるには、現実との折り合いをつけることが必要だった。
ふと、彼の頭に浮かんだのは、フランシスという名の男のことだった。ユウタがよく読んだ詩の中に出てくるこの人物は、人生のあらゆる困難を乗り越え、信念を持って自分の道を進んでいた。フランシスの生き様に共感し、彼の強さを自分にも重ねようとしていた。
「彼ならどうするだろうか?」
その瞬間、ユウタの心に一つの答えが閃いた。
翌日、ユウタは仕事の合間に考えていた。今の職場には、確かに不安が広がっていた。会社の存続が危ぶまれ、誰もが動揺していた。だが、そんな不安定な状況の中でも、ユウタは胸の鼓動が強く響くのを感じていた。
「今がチャンスかもしれない。」
ユウタは、仕事と小説、二つの道を選ぶのではなく、両方を融合させる道を模索することに決めた。仕事を通じて現実に触れ、小説を通じて夢を描く。どちらも彼の一部であり、その両方を同時に進めることが、彼にとっての答えだった。
そして、ユウタは新たな物語を書き始めた。仕事の経験を物語に反映させ、そこで感じた現実の重さや葛藤を登場人物たちに託した。彼の物語の登場人物たちも、ユウタのように夢と現実の間で揺れながら、それでも前に進んでいく姿を描いていた。
夜になると、彼は再び小さな書斎に戻り、物語を進めていった。彼の心の中で小さな灯火が燃え上がるように、物語は彼自身の感情を映し出していた。
数か月が過ぎた。ユウタの執筆活動は順調に進み、彼の物語が少しずつ形になっていった。仕事は依然として不安定だったが、それでも彼は迷わなかった。仕事の中で得た経験は、彼の物語に深みを与え、執筆の情熱はむしろ日に日に増していた。
そんなある日、彼のもとに一通の手紙が届いた。それは、小さな出版社からのものだった。彼が送った原稿が認められ、出版の話が進み始めたという知らせだった。
その瞬間、ユウタの心の中で強烈な胸の鼓動が響いた。夢が現実に近づいた瞬間だった。小説家としての道が現実となる兆しが見えた。
「これが、僕の夢への一歩だ。」
彼は静かにその手紙を握りしめながら、これから始まる新たな未来を思い描いた。現実と夢が重なり合う瞬間、それは彼がずっと求めていたものだった。仕事と小説、どちらも捨てることなく、共に歩む道を見つけた彼は、胸の鼓動と共に未来へと踏み出していった。
胸の鼓動
あの高鳴り
高揚感
全身が脈打つような感覚
ドキドキが相手に伝わるような気持ち
宝物を見つけたような興奮
規則的な私を支える音
どれも大切なんだな
胸の鼓動
胸よりも
お腹に手をあてた時に鼓動を感じる気がする
自分のものなのに
自分の意思に関係なく動くそれは
エコーで見た時も思ったけど
別の生き物みたいだった
心臓とか
脳とかって
一生一緒で
生きていく上で最も重要なはずなのに
自分の目で見ることはない
すごく不思議な存在だなって思う
胸の鼓動
うるさい
誰にも聞かれることのない音
あなたと会う度にうるさくなってしまう音
あなたにはこの音が届いていませんか
届いていたら私が隣にいたんだろうな
私の幸せは一体どこにあるんだろう
誰かの音が私にも聞こえるようになりたい
あめ.
No.115『胸の鼓動』
僕はまだ知らない、この胸の鼓動の理由を。
全てを知った時、僕は幸せでいられるだろうか。
胸の鼓動
家ではいつもイライラして当たり散らし、でも外ではだれにでもいい顔をして。こんな父親の一体どこを尊敬しろというのか。
ごめんね、と母の言葉が毎日の救いだ。
粗暴な父だが、何年も書道教室に通っている。意外、というわけでもない。祝儀袋、香典袋、年賀状。要するに、自分の名前を書くときに、整った字を見せたい、という見栄だ。
それ自体は悪いことではないだろう。ただ、この男の本性を知っている自分としては、そんなことにさえも嫌悪感を抱いてしまう。
ある日。
珍しく機嫌の良い彼が、ある冊子を持って帰ってきた。書道教室からのもので、応募したコンクールで金賞を取ったそうだ。まるまる1ページ、彼の作品が載っているらしい。
父が飲みに出かけたあと、母が、見てみて、とその冊子を広げてきた。
一瞬、息が止まった。
掛け軸みたいな縦長の半紙だった。なんて書いてあるかはわからない。はみ出しそうな勢いのある字。いや、暴れるような、といったほうが合ってるか。
何も読めないのに、ずっと見てしまう。視線を外す事ができない。くそっ、なんだろう、この感覚は。あんなやつの作品なのに……。
ようやく呼吸を再開した。同時に心臓が動き出すのを感じる。
いや、違う。この胸の感覚は心臓のものじゃない。
もっと違う何かが、僕の胸を叩いていた。
胸の鼓動は高鳴るばかりで、
状況は何一つ進展していない。
硬直状態が続き、何をしたら良いのか
分からなくなってきた。
◯◯◯が重い口を開き空気を動かした。
空には大きな虹がかかっている。
雨も上がり、そこに咲いている花々が露で揺れていた。
自分の、自分の立ち位置さえ決められた閉鎖空間では
もう、どうすることも出来ない。
どれだけ笑顔で振る舞おうと、
どれだけ八方美人でいようと。
状況は何一つ進展しない。
それが真実なのか、歪められた事実なのかは
『しんでみないと分からない。』
私は刻一刻と過ぎて行く正確さが嫌いです。
私は誰かを傷つける人が嫌いです。
私は私自身が嫌いです。
❧
胸の鼓動
初めて会った時これが運命だと思った
胸の鼓動が止まらなかった
帰ってからもずっとあの人のことを考えていた
その日から2週間経ったくらいに話しかけられた
これはチャンスだから絶対言う
友達になってくれませんか
めっちゃ笑いながらいいよって言ってくれた
友達になってから1ヶ月
2人で出かけた
たくさん喋ったし、めちゃくちゃ楽しかった
勇気を振り絞って言ってみた
話したいことがあります。聞いてくれませんか?
心の準備ができた瞬間に
ちょっと待って俺から言わせて
びっくりした、まさか止められるとは
でもここは自分から伝えたい
だめ、俺が言うの!ちょっと黙ってて!
言いすぎたかも。するとめっちゃ笑い出した
笑った姿がちょーかわいい。思わず抱きついてしまった
好きです。結婚してください笑
ちょっと笑いながらになってしまった
返事はもちろんよろしくだよ。賛否両論あると思うけど
頑張ろうね
この日はずっと胸の鼓動が止まらなかったけど、
一生忘れることない大切な思い出になった
夜、どこからか体中に響く花火の音
音の方向を見上げると空いっぱいの花火が開花して周りをカラフルに明るく照らした。
どどーんという音が響き体中を振るわせる。
花火を見てる間だけは花火で楽しかった子供の時から積み重なった記憶も混ざってワクワクする。
私の鼓動がトクトク私だけが聞こえる音。
生ぬるい生クリームみたいにベタつく暑さの中で花火が響く音。
そしてまた花火の記憶が積み重なっていく。
この音が指し示すのは
幸か不幸かそれとも……
(私は第三の道が好きで
二択だったら三択目を作る
そうやって生きてきた気がする
果たしてそれが正しいのかはわからないけれど
答えは無限大にある
人の数、星の数ほどあると信じたいから)
その選択肢が私を変えた
見える世界を変えた
そしてこの音が聞こえる方に
また歩いていくんだと思う
胸の鼓動
聴診器を毎日何人にあてるのか数えた事がない。数えたくない。もっと問診や他の事に時間をかけて話さないと見落とすのではないかと内心ドキドキしている。
似たような症状は多い。見分けをつけないと長引いて患者さんが辛い想いをする。そして、クレームと叱責を受けたりと待ち時間まで長くなり更にプレッシャーが…。
目の前にいるのは人で言葉ひとつで気に病んだり恨まれたり喜んだり泣いたりする。疲れてくると機械的になりやすい。それが悪循環になる。何故、近くのクリニックへ行かない。この辺のクリニックは優秀だぞ。最近は紹介状なしは別料金を設定しているが、それでも、一度かかってしまうと近くのクリニックへ行くように言っても予約外で来たりして受付も困ったりする。誤解が起こると大声を出してくる。元気あるじゃないですか…。
聴診器から聞こえるそれぞれの鼓動や脈動はいつも人の身体は不思議だと思わせる。
誰も病気にならない世界をやはり目指したい。
そうしたら、医療従事者はいらなくなるのだるうか?
期待と不安で今日もドキドキする。
高校生の時に交通事故に遭った。
胸がドキドキした。死んだかと思った。だが生きていた。生きていることが当たり前ではなかった。今を大切に生きようと思う。自分も沢山の人を助けたい。
正反対でよく似てるぼくたちだから
胸の鼓動を合わせるように
ひとつひとつリズムを刻みながら
ゆっくり歩んでいくんだよ
ぼくらひとりじゃ生きられないから
君の胸の鼓動が
僕の鼓動と共鳴して
泣いたり笑ったり
やわらかな振動に変わるんだ
ねえ君の鼓動を
内緒話のように聴かせてよ
君がこの世界に在ることの証を
ーあかしー
貴方はなんとするか その拍動をなんとするか
命の輝きか 熱量か 現実的な生命活動か
それとも忌々しい障りとするか
どうでもいいどれでもいい
それでもいい でもそうであってほしい
こだまは消える 叩けど響かず
うるさくて仕方ないとしても
できれば大切であればいいなと私は思う
【胸の鼓動】
今、この胸の鼓動が
貴方に聞こえませんように
と、祈った
詩(お題)
『胸の鼓動』
胸の鼓動
ときに交差点の信号機
ときにお祭りの笛、太鼓
喜怒哀楽の自動車を
あやつるように走らせて
夢に恋に向かわせる
ピーヒャラ、ドンドン、踊りましょ
高まる音はわがままに
遠慮をしてちゃ、夜が明ける
胸の鼓動
それは人間のすべてであり
それは感情の支配者だ
せめて、今夜だけ
暴君になって、騒ぎましょう
息を切らせてアスファルトを蹴り上げるA子。
祖父の容態が急変したと病院から連絡を受けたのだ。
待って、お願い、いかないで。
走れば走るほど心臓は早鐘を打ち、それと同時に益々焦る気持ち。
大きくて真四角の白い建物が、ぽっかりと口を開けて彼女を待っていた。
そこでほんの少しだけ立ち止まり、ゆっくりと呼吸を整える。
よし、行こう。
早足で病室まで一気に駆け抜ける。
今は階段の方が少しでも早く行けるような気がして、エレベーターの到着を待つ短い時間ですら惜しかった。
「おじいちゃん……!」
扉を開き、祖父の名を叫ぶ。
果たしてそこに居たのは看護師と医師、そして脈拍を伝える無機質なモニター。
弱々しく、それでも不規則に鼓動を打っている。
鼻の奥がツンと痛くなり、堪えていた涙が一気に溢れ出す。
生きている。私が来るのをずっと待っててくれていたんだ。
しわくちゃで大きなその手をギュッと握り締める。
「……ありがとう」
ピー……と呼吸の終わりを告げる音がした。
胸の鼓動
心臓が一際大きく脈打ち、心臓から全身へ熱い血液が巡り、じんわりと体を温める。
放心状態の脳がこの大きく、そして早く鳴り続ける鼓動が耳元からではなく自分の胸から聞こえている音だと時間を掛けて理解していき、やがて脳と胸の鼓動が正常に戻り全てを理解した俺は、画面に大音量で悲鳴を上げる顔面蒼白の化け物の顔が映し出されたスマホを持ち主である友人の顔面に向かって思いっきり投げつけた。
ドクドクと脈打つ鼓動がどんどんはやくなるのがわかる
あまりにもはやく、そして大きい鼓動は
聞こえているのかもしれないと不安になる
ドクドク、ドクドク
ドクドクドクバクバクバクバクバクバク
いつしか鼓動は鳴る音を変え、
身体中の至る所から冷や汗が湧き出ている
バクバクバクバクバクバクバクバクバクバク
““ガタッ””
隠れていた机の脚を、ぶるぶると震えていた私の足が蹴った
あ、。
見上げると、あいつの、不気味な顔がすぐそこにあった
ゃだ、っ
︰胸の鼓動
結局俺には恨みつらみしか残ってなかった。綺麗な話を書けるアンタはいいな。羨ましい。汚い自分が浮き彫りになるから見たく無かったんだ。羨ましい。認めたくない。でもやっぱり綺麗なんだよ。綺麗なものを否定するなんて俺にはできない。悔しいさ、お前の感性が羨ましい。羨ましいんだ、だから書いてくれ。お願いだからこんなクソみたいな俺の話なんざとっとと忘れてくれ。ぶっ潰して粉々にしたくなる。重症だろ、分かってんだよ。
誰か俺が間違ってると言ってくれ。「お前がおかしい」と言ってくれ。碌でもないやつに育っちまったよなって自嘲して笑った、その顔をまた見たい。いなくならないでくれ。お前の自嘲もお前の自虐も俺はずっといいなと思ってた。
暴力は好きだ、クソだし。暴言は良い、傷つくし。ブラックジョークって楽しいよな、苦しくて惨めでよ。慰めは好きだ、ムカつくし。
お前は俺のこれを個性だと言った。俺のこれを弊害だと言った。俺のこれをアイデンティティだと言った。お前は俺を否定した。お前はお前自身を否定した。否定という名の肯定をして、肯定というものの中身を捨てた。
あの日見た朝日は綺麗だった。お前の話を思い出した。あれだけ綺麗な話を書けるお前が羨ましかった。
お前は拾い上げたものを口に入れて「美味しい」と泣きながら笑った。俺はそれがゴキブリを食ってるように見えた。写真を眺めて同じように泣きながら笑った。俺はそれがゲロ袋を抱えてるように見えた。お前の矛盾したところが羨ましかった。
傷口に塩を塗るように嫌味を言ったらお前は傷ついた顔して曖昧に笑った。ああ俺は本当にクソ野郎になったさ、お前がちゃんと傷ついてくれたのが心底嬉しかった。今までの散々な言い方からしてこんなことうわ言にしか聞こえないだろうが、お前の傷をお前が認識したことが嬉しかった。「自分の痛みに気がついてあげて」なんて優しい意味だけだったらどれほどお前に優しくあれただろう。お前に俺と同じ痛みがあることを自覚してほしかった、ずっと。なあ、俺はあんとき確かにお前の傷口に触れられたんだ。膝を抱えたお前の。
俺だけをクソ野郎にしてくれ。お前は何も悪くない。お前を羨ましく感じた俺が全部悪い。俺が話しかけなきゃお前は黙ってなんとなくやり過ごしたままでいられただろう。引きずり出されることはなかっただろう。だから全部俺になすり付けてくれ。そんなことお前ができないことも知ってんだ、知ってて言ってたんだ。「できないよ」って震え声が聞きたくて。
このときばかりは己のことを恨んだ。もしこんなんじゃなかったら素直に抱きしめることができたんじゃないかとか、背を撫でられたんじゃないかとか。ふと考えて、手をおろした。俺はそれをされたら心底軽蔑するからできなかった。違う、お前の傷口を広げた手で撫でるなんて、そんな虫がいい話あるわけないと思った。塩を塗り込んでと言われたなら、喜んで撫でられる、の――――に?
もう、塩は塗り込めない。できない。嫌味を言うことも、皮肉ることも、傷口を広げることも、もうできない。一瞬でもお前のことを抱きしめたいと思ってしまった。思っちまったら、無理だろ。傷つけるなんて。
でも傷つけないと、お前どうせ優しくされたらムカつくだろ。ムカつかないのか? ムカつくのは俺だけか? 聞いたらお前笑うだろ。知ってんだ、どうせ笑った顔見せてくれることくらい。そんで全部「いいよ、いいよ、大丈夫だよ」って心底柔らかい声で言うことくらい。
お前の感性が羨ましい。綺麗なものを見て素直に綺麗だと目を輝かせて、せっせとメモ取ってんのが羨ましい。「ねえ見て!」って素直に共有してくるところが羨ましい。良いものは良いと素直に言えるところが羨ましい。いつでも誰にでも公平であろうとするお前の優しさが羨ましい。誰にでも親切であろうとするところが羨ましい。言葉遣いが綺麗なところだって羨ましい。感受性が豊かでいろんなとこに心を向けてるところも羨ましい。誰のことを恨まない清く正しく美しい、お前のことが羨ましい。笑って泣いた、お前の顔があまりにも綺麗だったから、心底
お前みたいに素直に言ったとして? そんなんお前「それならそうと早く言ってよ! 嫌いになんてなるわけないよ」って笑うんだろ。だから余計言いたくないんだ。 お前からの優しさなんて素直に受け取れない。素直なお前の優しさなんて、俺には。
羨ましい、羨ましかった、羨ましかったさ。なあ、でも「羨ましい」より「好きだ」のほうがしっくりくるんだ。全部置き換えたらお前のことが好きで好きで仕方がない、みっともねぇ俺が残ってんだ。好きだなんて在り来りでチープな感情だろ。好きだからなんだよ、俺がしてきたことは消えない。ああクソ、クソだ、心底クソみたいな心地なのに嬉しいんだ。俺はずっと好きだったんだ。ずっと好きだったんだよ、クソが。