『胸の鼓動』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
それは、君と目があった瞬間のことだ。
まさに運命とでもいうかのように、僕の胸が高鳴った。
尻尾を振り、まん丸の瞳を輝かせて、こちらを見つめてくる。
その愛くるしい姿に一目惚れしたんだ。
〝胸の鼓動〟
胸の鼓動
抱き合うと聞こえる心音が
私を癒している
ドッコン...ドッコン...
力強い脈だ
いつまで聞けるのか
あなたの胸で眠りながら
いつ来るかわからない不安を感じながら
必死に今だけに耳を傾けている
いつまで一緒にいる?
ずっとだよ
その返事を、いつまで聞ける?
動悸 動悸…
内側から何がが
優しく沸騰する感じ
何かが私を掻き立てる
いい方へ煽ってくる
うずうずわくわく
どうき どうき
何かを踏み出す一歩。
ドキ ドキ
胸の鼓動。
–胸の鼓動–
夏休み、最後の一週間。
とても大事な一週間、私と彼は宿題を終わらせるため、
一緒にレポートを進めていた。
まぁ、お互い殆ど終わっていたので、間違いや忘れ物が
無いかの確認作業となったが。
朝九時に集まって、大体夜七時前に帰宅する。
集まる場所は、お互いの家だったりファミレスだったり。
楽しく、忙しい日々が六日間過ぎた。
そして、最後の七日目。
その日は彼が私の家に来る事になった。
大体、朝の九時過ぎ辺に、チャイムが鳴る。
「おはよー。」
と、やる気の無い声と共に、眠そうな彼の顔が
インターホンに映る。
〔おはよう。今開ける。〕
軽く返事をして、私は鍵を開けに玄関に向かった。
チェーンを外し、鍵を開けると、彼が猫背で立っている。
「お邪魔します。余裕持ってがんばりましょ。」
家に上げると、彼はやはり眠そうに言う。
思わず、
〔そのトーンで言われてもなぁ。〕
そう言って苦笑いをしてしまう。
彼を居間に案内して、私はキッチンで冷えたお茶を入れる。
…そういえば、ほうじ茶で良かったのだろうか。
そんな事を考えながら、私もお茶を持って居間に向かう。
居間の扉を開くと、早速レポートを広げて、彼は作業を
始めていた。
さっきまであんなに眠そうだったのが、嘘みたい。
〔お茶持って来たよ。ほうじ茶で良かった?〕
私が話し掛けると、彼はパッとこちらを見て頷く。
良かった。
「ありがと。先に始めててごめんね、さっさと終わらせて置きたい所があってさ。」
少し申し訳無さそうに彼が言った。
お茶を机に置き、ノートを覗く。
そのレポートは、私はもう終わらせてあった所だったので
大丈夫。とだけ言う。
〔全然。さっさと終わらせて、ゲーセン行くんでしょ。
気にしなくていいよ。〕
そう言いながら、私もノートを開き、作業を始めた。
「うん。頑張ろう。」
その返事を聞きながら、頷いた。
カリカリと、静かな音だけがする。
外では少し時期外れな蝉が鳴き、室内の静寂を際立たせる。
会話もせず、時々お茶を飲む、ゴクリと喉の音が部屋の中に響く程、静かだ。
私は、ノートをめくりながらに考えていた。
もしかしたら、今の自分の胸の鼓動が、彼に届いてしまうのではないかと。
これだけ静かだと、少しだけ不安に思う。
今、こんなに、ムードも欠片も無い所で、彼に想いを知られてしまったら。
ある意味、一生忘れられない思い出になってしまう。
「大丈夫?何か分からないとこ、ある?」
私の手が止まっていたのが気になったらしい彼が、
近づいてそう聞いてくる。
ドキッとして、私は少し仰け反ってしまった。
不思議そうな彼に謝りつつ、
〔何でも無いよ。大丈夫。〕
とだけ伝えた。
嗚呼吃驚した。本当に、鼓動が届いたのかと思った。
私は不安か安堵かも分からない息を少し吐いて、
また作業へと意識を戻した。
ああ、胸の鼓動がこんなにも大きく
血液の流れる音が耳に煩い
どうして僕は生きているのだろう
こんなに必死に、泥にまみれて
いつか何かを為すために、逃げ延びる
この先に待つものが、光り輝いていると信じて
(胸の鼓動)
貴方だけ、貴方と話してる時だけ胸の鼓動が邪魔をする。
認めたくない…
胸の鼓動 (9.8)
国語のテスト返し。だが鼓動が鳴り止まないのは別の理由がある。しきりに前髪をとかしてみる。
「今日の放課後、時間ある?」
何度も繰り返したそのセリフをおまじないのように唱えて、しかしさらに震える手を強く握った。
ちらっと斜め前を見ると、顔色ひとつ変えずにテストを確認している少年がこちらに近づこうとしていた。慌てて解説を見ているふりをする。
「今回どう?」
「まあまあかな」
「でた、『まあまあ』。絶対いいやつだ。」
ニヤリ、とその笑みが今は苦しくて仕方がない。いいや今日こそ。少し唇を湿らせて口を開いて…
「あのさ——
「うーわお前98点とかキモっ」
他の男子が少年の肩を組んで冷やかす。ムッとして言い返す彼は離れていってしまった。体を熱くしていた勇気はみるみる萎んでしまう。
もう、やめようか。一生伝えずに…
「ごめん、さっきの何?」
バクリと心臓がひっくり返った。申し訳なさげにそばめられた眉毛。影を落とした顔を直視して息が止まる。
ほんと、そういうところだよ。
「今日の放課後、時間ある?」
胸の鼓動は時に速く時に遅く。緊張しているときの胸の鼓動は追い付けないほど速い。でも、緊張はいいパフォーマンスをするためにあると思えば胸の鼓動は速くていいだろう。
胸の鼓動
生と死
胸の鼓動がその分かれ目
生きてるから良いとか
死んだから悪いとか
そんなことはどうだっていい
生きるも死ぬも自分次第
どちらも自己愛
選択はいつだって自由だ
太鼓の音がなる。
それは胸の鼓動と同じように強く激しく打つ。
独特の雰囲気、掛け声、和風な音色。
太鼓の音というのは聞いていて気持ちがいい。
胸の鼓動と太鼓の音は、同じタイミングで"なる"。
それが最高に、楽しい。
_2023.9.8.「胸の鼓動」
胸の鼓動
一昨日6年前に喧嘩別れした友人から連絡があった。
僕から謝罪の連絡を送ったのだが5日間返信がなかった。
だから返事は来ないと諦めていた。
きっかけは僕が原因だった。
こんなに長い間連絡を取らないことになるとは思わなかった。
子供の時の喧嘩と違って、大人の喧嘩はすぐ仲直りができない。
友人から連絡が来た時、胸の鼓動が大きく高鳴った。
嬉しくて涙が出たほどだ。彼も同じだったらしい。
年甲斐もなくガッツポーズもしてしまった。
飛び跳ねてやったーと叫ばなかっただけまだマシだったかもしれない。
小さい頃の僕ならきっとやっていたと思う。
彼から連絡が来てから、失った時間を取り戻すようにずっと連絡をしていた。
彼もきっと僕のように仲直りしたかったのだろう。
彼から返事が来ない期間はとても落ち込んでいたが、連絡が来た今は謝罪の連絡をして本当に良かったと思う。
昔のような関係に戻れるかは今はまだわからないけれど、僕にとって彼はとても大切な友人だ。
少しでも前のような関係に戻れるように努力したい。
何においても受け身の姿勢であった僕だが、今回の件で自分から動き、関係を修復できたのは大きな前進のように感じる。
自分の行動によって悲しい過去も希望のある未来に変えられると分かったからだ。
恵みの雨
雨が降る
地面を叩く
バラバラなリズムは多様性
いろんなリズムが
生きている
※胸の鼓動
近づくだけで
病気みたい
視界に入れれば
心臓が高鳴るし
きみに思考を
奪われる
《胸の高鳴り》
胸の鼓動
それは生まれる前から
死にゆくその時まで
私と共にある
あなたが奏でるリズム
心臓さん
ありがとう
私は、もう走りたくないという気持ちになっていることに気づいた。嫌いなはずの体育でマラソンをしている。6周を終えた頃には息を吸うだけでも肺が痛んだ。なぜなら私は、運動部ではないので体力が格別ある訳では無いのだ。
だから、マラソンなんか嫌いだ。汗をかけば肌がベトベトと湿り、まるで蛞蝓が這っているようでただでさえ下がっている気分が底につきかけていた。気の抜けた頭で走り続けていた所にゴールテープが見えた瞬間、私は最後の力を振り絞って駆け抜けた。少しづつ足の速度を落としていく。私の心臓は、太鼓を連続で叩く時のように力強く血液を全身へ送り出していた。
胸の鼓動が静まる時が待ち遠しい。
お終い
あの日から、胸の鼓動がばっくんばっくんとうるさい。4年も前だし、誰かが言っていた、恋は3年までだとか美人は3日で飽きる、という使い古された常套句がずっと頭をよぎる。しかし、私の彼に対する気持ちはおさまることがない。寧ろ、日に日に好きが更新されていて、「好き」という言葉で片付けるにはもどかしい。この気持ちにしっくりくる言葉があるのなら早く教えて欲しい。
この気持ちは、「推し」じゃない。
そう実感してから、生きているのがつらくなった。つらい、は語弊がある。彼のことを思うと胸が痛い。彼の隣に立ちたい、彼と恋がしたい。これを「夢」「推し」で片付けるなら、世の中のすべての軽い恋は全部夢物語だ。
軽い気持ちの好きならよかった、と思えば思うほどに私の気持ちは重いな、と感じる。こんな重い気持ちをただのファンに押し付けられるのは彼が可哀想だな、とすら思う。
しかし、私のこの気持ちは本物である。
誰がなんと言おうと、夢だと嘲られても、いい年して、と言われても、私は彼が好きなのだ。あぁ、心臓が仕事をしすぎているな。
肩どうしが触れ合う。それだけで心拍数が増える。向こうはすぐに謝ってくれるけれど、わたしはもっともっと当たりたいと思ってしまう。少しおかしいのかな? でもそうしてまで彼に触れたいのは本当のこと。たった一言「付き合ってください」が言えて了承されたなら、もっと回数は増えるしもっと踏み込んだことだってできるのだけれど、やっぱり拒否されるのが怖い。それに、これ以上彼と接してしまったら、わたしは爆散してしまう気がする。少しずつ心臓を慣らしていかないと。とりあえず、おはようを言えるようにならないといけない。
#胸の鼓動
私たちの心は引き裂かれた。
未熟な私のせいで…
叶うことのなくなった夢を、見なくなる日は近いのかな…
別れた後もよく思い出してた。
今ならって期待もした…
あんなにあたたかかった胸の鼓動が、今では冷たく小さくなった…
あなたに会いたい、我が儘を言いたい!でも…
邪魔はしたくはないの。
それだけはしないから。
あなたの笑顔、仕草は私よりもかわいかった。
私はよくあなたの真似をして見せた。
いつも笑っていてくれたあなたの手を、永遠に離したくはなかったのに…
新しい命を迎えました。
とても仲良くやっているの。
私が味わうことのできなかった、ささやかなしあわせが今は目の前にあります。
この胸の鼓動は
楽しくなければ
幸せでなければ
穏やかでなければ
なんの意味もない
//胸の鼓動
ある日の昼下がり。
暑くも冷たくもない何かに触れた。
それが君の指だと気がつくのに
血液は異常なくらいの速さで
全身に行き渡ろうとした。
それに伴い胸の鼓動が聞こえ始める。
いつも変わらぬ速さで時は刻まれ
君の後ろ姿を見送った。
【胸の鼓動】#40