『繊細な花』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
バラとかひまわりとか
主役級の花は華やかで美しい
それに対し
かすみ草とかカタバミといった
繊細な花は控えめでそれもまた美しい
何故主役級の花は主役でいられるか
それは脇役とされる花たちがいるから
主役級の花たちを立てて自分たちは主張することなく
ひっそりと佇む
私はそんな花たちが何よりもきれいに思えて好き
繊細な花_58
‘’君が悲しい、と言うならば
私は今すぐにでも会いに行って
強く抱き締めよう。”
そう私が言ったあとの君の表情は
どこか物悲しい雰囲気を漂わせた。
何故そう悲しい顔をするのか
気になって仕方がなかった。
ある朝、散歩をした。
天気が良かったのと、
運動不足解消のためだ。
道端には
小さな青の花が咲いていた。
私はゆっくりとその花を観察した。
しばらく立ち、気づいた。
私は優しさと欲を履き違えていたのだと。
繊細な花
繊細な花は、あの花に憧れた。
あの花は、繊細な花のことを
白くて小さくて可愛いと言った。
繊細な花は、あの花のことを
色がキレイで目立って美しいと言った。
繊細な花は、あの花のようになりたかった。
どんなに背伸びして咲かせても
目立たなくて気付かれない。
可愛いじゃなくて美しく咲きたかった。
繊細な花?
花は全て繊細でしょ。
逆に頑丈な花って?
ひまわりとか?
太い茎が一本どーんって。
いつもおひさま見てて明るい方を見ている子。
繊細な花…
イヌフグリとか?
わたしあの花すきなんだけど名前がちょっとあれなんだよね。
でもすきだよ。
あれ、摘もうとするとすぐに花がポロリと落ちてしまうの。
上手に摘めない。
摘まれることに耐えれない花。
雑草ってけっこう弱い。
摘んでもあまり持たないものけっこうある。
だから、イヌフグリ、かな。
でもいろんなお花があって、色とりどりに囲まれて、わたしたちはいつもしあわせに囲まれてるね。
「繊細な花」
繊細な花はきっと強い心だ。人の心は繊細だ、弱いものだと言う人達がいるけれど、少しのことで崩れ、壊れていってしまうのなら、きっとこの世界には人はいないと思う。みんな、誰だって強い心があるから、生きていくことができている。花だってどんなにぞんざいに扱われようと、強く、美しく咲いている。人の心だって、どこまでも美しく咲いていけるはずだ。
触れれば飛んでいきそうな
触れれば壊れてしまいそうな
綺麗で優しくて自由な君
大事に、大事にしたくなる
#繊細な花
繊細な花、と言われてすぐにピンと来なかったので、
インターネットで調べてみた。
なるほど。
確かにレースのような花弁であったり、
細く美しい花弁であったり、
見事に繊細である。
自然が作り出す儚さと優雅さ、
それでいて生きているという力強さ。
花の美しさは一様ではなく、
沢山あるからこそ心惹かれるものがある。
…………などと書いてみたものの、
私の中には「大胆な花」という項目もない。
「赤い花」や「大きな花」、「夏の花」などと言われればすぐに「あぁ、あれとかね」と思い浮かぶものだが、
「繊細な花」は難しかった。
なんとなく、個人の感性に依存している気がする。
だからかもしれない。
私は自分の感性に従って答えを出す時に
いつも躊躇してしまう。
正解が分からないからこそ、自信が無い。
多数決では多数派にいるように努めたし、
自分の考えが必要な場面を極力避けて、
人間関係も中立を極めていた。
果たしてこんな臆病者で良いのだろうか。
折角の機会なんだし、今は自分の思ったことを書いておこうと思う。
「私は繊細な花と聞いて、昔育てた大菊を思い出した。」
繊細な花
(本稿を下書きとして保管)
2024.6.25 藍
本格的に暑くなる、ひとつ手前。
梅雨時期の、僅かな晴れの平日。
会いたくて来ちゃった、と笑う目元には隠せない疲れ。
少し前なら《疲れてるなら来なきゃいいのに》なんて僕は返すのだろう。
きっと彼もそう思っていたようで。
すぐ帰るよ、と困ったように眉根が下がっている。
きゅう、とあなたと出会って存在を知った臓器が小さく鳴く。
衝動に躊躇わず、一歩半。前に。
僕もです、と小さく意思表示。
本音を言うなら、《僕も会いたかったです》と返したかったけれど、言えず、恥ずかしさから抱きついてみたりして。
胴へと回す腕まで震えるような衝撃。
つい、と目線だけ動かせば、首はおろか、耳まで『繊細な花』のように色付いている。
さらに進めれば、口元を押さえ、何やら呟いている。
出会ってからの年月で知り得た限り、それはどうしても聞きたくて、身を捩るが同じように抱きつかれ、首すらも動かせない。
ぐりぐりと痛いくらいに肩口へ額を擦る様が、本当に今目の前にいるのだと知らせてくれる。
何を遠慮していたのだろう。
きっと似た者同士。
少しばかり先行くあなたが示してくれた通り。
恋しくなれば、会いに行けばいいだけなのに。
猫がそれを踏む
宝石のような眼をギラギラ光らせて、、
ガラスのように透き通ったその花は割れはしなかった。
「繊細な花だから、守ってあげないとね。」いつかの昼下がり母は私にそう言った。
ならば守らなければと、母がそう言ったのだからと守りつづけていた。
その花は様々な色に変化した。透き通った赤、青、黄色、、でもよくどす黒い赤に変わった。
確か初めてその色を見たのは、母が死んだ日。
多分この花は、私の感情を反映してるんだと思った。
――――
母が死んでホントはうれしかった。
僕は母が嫌いだった。
仮面の下を花が僕の代わりに教えてくれる、それにひどく安心した。
母が死んでも、花の世話は欠かさず続けた。
天気のいい日、麦茶でも飲もうと冷蔵庫を開けて、
花から目を離していた時だった。
目を光らせた猫が植木鉢に突っ込んでいくのが見えた、きっと虫でもいたんだろう。
床に散らばる植木鉢の破片と無傷の花。
花を拾い上げる
ガラスのように透き通ったそれは、さらに透き通って
私[僕]をうつした。
繊細なフラクタルたる集まりで光る魚群も花と見えうる
題目「繊細な花」
繊細な花。むつかしい。この系統?のお題しかでないのかな。はんぺんとかでないのかな。
人の心はきっと繊細な花に似ている。
栄養を与えられなければきっと簡単に萎れてしまうだろう。
一見華やかで美しい花も、
誰かの太陽を浴びなければその美しさは消えるだろう。
自分も誰かの太陽になれればいいなと、
私は思う。
繊細な花
花にあまり詳しくない。
でも、ひとつ分かるのは、
花の好き嫌いは、人それぞれであること。
私にとって、繊細な花は、
ひまわり。
ひまわりは、夏限定の植物だけど、
夏になると、太陽に照らされて、
キラキラとしているひまわりを見るのが楽しみになる。
青空の下で、キラキラとしているひまわりを見ると、
自然と元気が出る。
長くて、色も明るくて、存在がとても大きいひまわりは、
私にとって、夏に欠かせないものである。
花は、繊細では無い。
私は知っている。
強くたくましく、したたかだ。
緻密で、計算されている、美しさ。
生き残る力だ。
繊細な花
誰の目にも留まらない、道端の小さな花。
少し触れるだけで崩れてしまうような花。
名前も知られず、育ち咲いては枯れる花。
そんな小さな小さな命でも、
土の中に強く、根を張って生きていた。
繊細な花のように、あの子は突然消えた。
あんなに綺麗で良い子だったのに。
消えるべきは自分だったんじゃないかと思うくらい
なぜ死ななければならなかったのか。
何度考えても答えは出ないけど、
あの子の分も生きなきゃいけないなんて
綺麗事並べて今日も生きてます。
繊細な花
彼は花みたいな人だった。
花と言っても、明るい色の活力があって、日向に咲くたんぽぽみたいな花じゃない。
日陰にひっそりと咲く、どちらかというと暗い色の、でも綺麗で夜月が似合いそうな、繊細で少し触れただけでも壊れてしまいそうな花だった。
そんな彼は、転校生だった。冬の雪の空によく似合う、濡れ羽色、とでも言おうか、そんな色のサラサラな髪が特徴的で、顔も整ってる方だったと思う。
それより印象的だったのは自己紹介だ。
「それとおれ、一年後には死ぬので。」
情を入れすぎないようにね、と彼はなんの変哲もない自己紹介の最後にぽつり、と呟くように爆弾を落としていった。
私の後ろの空いていた席にすわる彼。
正直、やばいやつだと思った。
だって自己紹介で死ぬことをサラッと言う奴、もしくは厨二病。
でもその最悪な第一印象かき消されることになったのだ。
ちょっとおかしいとこもあるけど、普通にいいやつだったし、私と同じ美術部で、よく私の作品を褒めてくれて、移動教室でも一緒にいてくれるし、なんなら休日も遊ぶほど仲良くなってた。
本当に、少し天然っぽいだけの普通な奴だったんだ。
だからかな、彼が最初に、自己紹介の時に落とした爆弾も彼なりのおふざけだったのかなって思っちゃったんだ。
だから、信じられなかった。
彼がいなくなるなんて。
初めに彼がいなくなるって本気で思いだしたのは彼の綺麗な濡れ羽色の髪が抜け始めた頃だった。
彼は抗がん剤でね、って笑ってたけど、内心は恐ろしかっただろうし、私だって怖かった。
それからはどんどんどんどん彼が私の知ってる彼じゃなくなっていった。
そして、今日は彼の葬式。
涙は出なかった。
涙は出なかったけど、隣にいた心地いい温もりがなくなってしまったのが、信じれなくて、また、「この作品は色使いが見たことないくらい斬新でいいね」とか、けなし半分、褒めるの半分ぐらいの部活で描いた絵の評価が聞けると思って。
本当に現実味がなくて、彼の死を受け入れられなかった。
綺麗な、薄い青色の絵の具で百合の花みたいなのを描いてた彼を思い出す。
「これ、おれみたいだろ?儚げ美少年って感じで!」
その時はたしかにね、と苦笑したけど、今ではあの花は本当に君みたいだったと思うよ。
繊細で、儚くて、綺麗で………
あぁ、無邪気に笑う君の姿が、まだ瞼の裏にいてくれる。
泣けなくて、ごめんね。
高嶺の花っていうと、これはまた言い過ぎで、彼はそんなに綺麗じゃないのだけど、、と思ってしまう。悪口とかじゃなくて、これも愛なのだ。彼にはその、彼にしかない褒めどころがあって、それが異常にきらきらしてしまっている。いわば、魅惑の花、そんな感じだと、思う。
他とは違う、何かが極端に偏っているなという感じ。アイデンティティが完全に確立されている感じ。
きっとその中には大人の余裕があって、それらは全て、私がまだ社会に出ていないからこそ、未熟だからこそ好きだと感じてしまう要素もあるだろう。
ただ、ここで何より問題なのは、憧れと愛情を入れ違えないことだ。頭ではわかっている。これは憧れなのだと、憧れでないと、彼に迷惑なのだと。どちらかと言えば…自らを洗脳している。愛情に代わってしまえば、きっと今の関係は崩れ落ちる。培ってきた信頼も、全て。私は高校を卒業するまでの残り1年半、私の気持ちを隠し続けなければならない。それが私の宿命であり、彼の美しく魅惑な、けれど繊細ですぐに零れ落ちてしまいそうな花びらを、守り続けなければならないのだ。
“繊細な花”
月の光を浴び白い花を咲かせる月見草。
月見草は夜空の月に恋をする。
優しく月に照らされ月見草は白い花弁の頬を桃色に染める。
はにかむ可憐な少女のように。
月見草は白から淡いピンク色へと変化して、夜が明ける頃しおれてしまう花。
はかない恋心は一夜限りの美しく繊細な夢。
「繊細な花」