『終点』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
人生の終着点とは一体いつを指すのだろうか。
医者は答えた。
『それは心臓が止まったときだよ』
旅人は答えた。
『世界の美しさを集め終わったとき』
踊り子は答えた。
『演じることから解放されてしまった瞬間かな』
小説家は答えた。
『千の星に還るときだろう』
神は答えた。
『ない。終焉は新たな始まりさ』
人の終わりは誰かに影響を与え、心に生き続けるのだと。
______つまり終着点は体の死? 思い出? 名声からの解放?
それとも輝き? 通過点? あるいは_______
けれど結局、明確に決める必要はない。
その答えはあなたが定め、あなた自身が見つけるべきだ。
[終点]
【終点】
(勇者と元騎士、勇者視点)
私の相棒兼保護者のアルは、騎士を辞め、家族とも絶縁してしまった男。それは私のためだったわけで。何と言うか、重い。負担だと思っているわけじゃないけど。
いくつかの情報に踊らされつつ、私は聖剣を入手した。良かった。喜ぶべきことだ。でも。
「アル。もう一度言ってくれる?」
顔が引き攣るのを感じながら、私はそう問いただした。
「ですから、私の旅の終点はここだと。ここで別れましょう。これ以上は足手まといになります」
最近の私は魔物の群れを撃退しても魔力の枯渇を起こさなくなった。アルが私を抱えて走ることはなくなったし、それ以外でも頼る場面は減っている。
そこに聖剣が加わった。勇者である私とアルの力の差が逆転したわけだ。
「私まだ未成年だよ?」
「あなたくらいの年齢なら、独り立ちしていても不自然ではありません」
「……守ってくれるって、言ったのに?」
みっともなく声が震えた。
「すみません……ですが……」
アルは辛そうな表情で言った。
「私は剣を持って戦う者です。あなたに守られる存在にはなりたくないのです」
私は小さくため息をついた。
「……わかった」
「では、」
寂しげに微笑んだ青年の言葉を聞かずに袖を掴む。
「迷宮に潜ろう」
アルが目を見開いた。
「何を言って」
「聖剣を探してる時に聞いたでしょ? 『迷宮には神の遺物がある』『人の枠を超えた力が得られる』って。アルがその力を手に入れればいいじゃない」
「そのようなことをしている場合では」
「ひとりで魔王に挑めって言うの? そもそも勇者に仲間がいないとかおかしいでしょ」
「もし何も見つからなかったら」
「どうせ国境を越えるための身分証が必要だから冒険者登録しようって言ってたじゃない?」
どちらにしろ、私にはまだ力が必要だ。
修練を兼ねて迷宮の探索をすればいいと言えば、アルもそれ以上反対しなかった。
そして……
「間違いなく『加護の霊薬』だよ!」
スキルで《鑑定》した小瓶をアルに渡す。
「まさか本当に見つかるとは……」
「こんな所まで来た甲斐があったね」
こんな所、とは、世界にいくつかある迷宮の中でも、特に攻略が進んでいないと言われる『宵闇の森の迷宮』だ。入り口が魔王の領域に近く普通の人間はここまで来ない。
「あ、でもそれ……」
「どうしました?」
勇者の私には複数の神から加護が与えられているけど、この薬で得られる加護はひとつ。
「創造神でも戦神でもなく、魔神の加護なの」
この世界で魔神といえば魔法の神。獣の姿をしているらしく、獣神とも呼ばれる。今は滅びたとされる獣人は、この魔神の眷族だったとか。そんな神の加護を得たらどうなるか……
「構いません。それで勇者の隣に立てるなら」
迷いも躊躇いもなくそう言い切って、アルは薬を飲み干した。
結果として。
アルは《獣化》というスキルを得た。黒い狼の姿に変化できるようになってしまったのである。まあ、獣耳が生えるよりはマシか?
アルの金髪は黒髪になり、目の色もルビーのような真紅に変わった。同時に魔力量がものすごく増えた。何せ魔神の加護だから。
闇魔法を使いながら敵を蹴散らす大きな黒狼は、傍からじゃ魔物の仲間割れにしか見えない。
私のために騎士を辞めた男は、とうとう人間まで辞めたわけだ。
後悔はないとアルは言う。
この人が報われるように、ちゃんと魔王を倒さないとねぇ……
ふぁ〜よく寝た、時刻は午前2時。
やはり電車は気持ちいいな、この揺れ心地は赤ん坊の頃を思い出す。
今日は大きな仕事達成出来たし、お疲れ様会で社長や部長からかなり功績を称えられた!これ程やり切った事は無い!
ご褒美の3軒ハシゴもいつもよりも苦ではなかったな。
さてと、このアナウンスは最寄り駅に着いたこ…ろ……
え?
は?
ここは……どこだ!?
ま、まさか終点まで来てしまった!?
まぁよくある事だし、終点から自宅までそう遠くないからタクシーを呼べばなんとかなる。車掌の点検が来る前に電車から降りなくては。
何とか電車から出られた。
ンにしても終点はこんな駅だっけ?最後に来たのが半年以上前だから忘れてても仕方ない。さて、改札を出てタクシーを呼ぶとするか。
<聞き慣れない改札音と暗闇と共に駅を去る。>
駅員すらも居やしねぇや。
駅前の時計台が指す時刻は午前2時3分。
タクシー捕まるかな。
〈使い慣れた携帯を開き、お馴染みのタクシー会社に電話をかける。〉
プルルル、プルルル、プルルル…
プルルル、プルルル、プルルル…
プルルル、プルルル、プルルル…プツッ
お繋ぎになった電話は、電波が届かない所にあるか、電源が…
あれ、おかしいな。今日の分の業務は終了でもしたか?
夜勤の運転手もいるはずだし、前もこれぐらいの時間にかけて繋がったよな。はてさてどうしたものか。
野宿するにも真夏だというのに少し肌寒い。
今日なんて過去最高気温だったのに。
近くのベンチに腰掛けて少し休むとするか。
プルルルル、プルルルル、プルルルル…
見慣れない電話番号からの着信音だな、とりあえず出てみるか。
<貴方をお迎えに参りました。
タクシーが迎えに来ますのでもう暫くお待ちください。>
タクシーなんて呼んだっけな?でも迎えが来るんだ。有難く乗せてもらうとしよう。
あのタクシー会社のオペレーター、いつもは男性の声だったよな?今日はたまたま女性社員なのか?
<約20秒後、短いクラクションと共に夜の色と同じ色のタクシーが車内のライトと行灯前後のライトだけを灯してやって来た。目の前に停ると静かに後部座席のドアが開いた。〉
〇〇までお願いします。
<妙に顔が見えない運転手。バックミラーにすらその顔は映っていない。それにいつもなら目の前に明るく照らされるタクシーサイネージも今日に限って電気がついていない。>
家に帰れるならなんでもいいや。
<車が発進したが街頭も明かりも何も無い、ただあるのはタクシーから発せられる明かりのみ。>
運転手さぁ〜ん、これちゃんと○○に停まるんですかぁ?
<再び酔いが回って来た。運転手は何も答えない。ただひたすら闇に向かって走る車>
<"目的地"にはちゃんとら逝きますよ。お望みかどうかは別ですが。>
目的地に行けるならなんでもいいや。
そういや、運転手に首あったっけな?
酔いが覚めるのか先か、"目的地"に着くのが先か……
そしてここは本当に駅の終点なのか…人生の終点なのか…
『終点』
終点
まだまだまだまだまだまだまだ
まだまだまだまだまだまだまだ
まだまだまだまだまだまだまだ
まだまだまだまだまだまだまだ
まだまだまだまだまだまだまだ
まだ先と思っていると…
とっくに過ぎてる時がある!
もう来るもう来るもう来るもう来る
もう来るもう来るもう来るもう来る
もう来るもう来るもう来るもう来る
もう来るもう来るもう来るもう来る
もう来るもう来るもう来るもう来る
と思っていたら…
まだのことがある…
ややこしんじゃボケ!
いまの俺がいるのは終点なんだろうか。
6歳から始めたサッカーでは、高3の夏に全国優勝まで果たした。サッカーの練習が無い日には友達や彼女と遊び明かしもしていた。傍目に見てもかなり充実した、理想とも成りうる生活だっただろう。
その生活が崩れたのは、ありきたりで自分でも嫌になるが怪我だ。半年ほど本気でリハビリすれば、今までのようにサッカーができるようになるようだったが、俺はそれが嫌だった。俺はもうサッカーをやるつもりはないと宣言しても、家族友達は何度も説得してきた。それも当たり前と言ったら当たり前のことなのだろう。
そうこうしているうちに怠け、だらけているため、俺の体つきは大きく変わり、顔もだらしなくなっていった。そして友達も彼女も離れていった。
それから10年。立派なニート。
だが俺には夢がある。コメディアンだ。
多くの人はこれを終点と捉えるだろう。多くの人、いや俺もか。ここから俺の人生が始まりはしないだろうか。
お題「終点」(雑記・途中投稿)
ネットで「謎の終点駅まで乗ってみた」みたいな記事が(デイリーポータルZだっけ?ロケットニュースだっけ?)にあるけど、地元民にはだいぶ失礼な記事だなと思った。
ど田舎出身だから電車は終点まで乗るもの感あるし。
昔乗っていた高田線?和歌山線?なんか、途中駅より終点の方がよほど都会だと思う。(名前の通りJR大和高田から和歌山駅を結ぶ)
でも喜連瓜破は何があるんだろうとは思う……。有名な大阪難読地名で地下鉄の終点駅だけど。
眠いから続きは明日!
《終点》
乗客全員下車 乗務員交替 方向幕表示切替 列車最後尾がそのまま車両先頭に 軽く清掃 忘れ物発見 再び乗り込む乗客 安全確認 出発進行
『終点』
時々、何のために生きるのか考える。
最終的には皆死ぬ。
大好きなあの人も家族も友達も自分も。
今のところ、答えは導き出せていない。
うと、うと。
瞼を閉じて、考えます。
揺られながら、考えます。
うつら、うつら。
瞬きをいつもより多めに。
瞬きの間に、考えます。
こくり、こくり。
肩を寄せ合って。
頭を預けて、目を閉じます。
起きた先が、どんな場所でも
貴方がいるなら、
まあ、なんとかなるでしょう
私のガラムマサラが終点に向かっていく
ガラムマサラが私を置いていったのでは無い
私がガラムマサラを置いていったのだ
#今日のお題#終点
#涙海の小説※ちなみに実話です
間もなく終点𓏸𓏸駅〜お乗りの際は〜、と流れるアナウンスが私と彼の最後の会話になる。毎回お泊まりデートの日は、彼をホームまでお見送りしてから家に帰る。その度に涙が溢れてしまった。彼は俺がもっと稼ぎよくなったら結婚しようと言ってくれた
けれど
私たちは終わったんだ
もう、これで良かったんだよ。
大丈夫だから、ね、、、きっと
泣かないで
前を向いて歩いてゆこう
1時間の1周旅行
休みの日 なにもする事なかったら
ぼんやり電車にのろう
疲れているのは自分だけじゃないのがよくわかる
ぐるぐる回っているように見える山手線だけど
田端駅が終点
東京タワーがビルの谷間に見えてくると出発点の
品川駅まであと少し
大丈夫
終着駅は
始発駅
そしてここから
はじめればいい
__________________________
終点
曲「終着駅は始発駅」北島三郎
終点
「おはようございます」
「おやすみなさい」
「いってきます」
「ただいま」
始点と終点。
終点は本当に終点なのだろうか。
わたしが思っている終点は
もしかすると別の世界の始点かもしれない。
「おやすみなさい」から始まる世界。
「ただいま」から始まる世界。
きっと、素適な世界が広がる。
今は今からの始まり。
いつでもどこでも、始まり。
さて終点は、どこにあるのだろうか。
終点を知るのは、
一度の人生で一度きりなのかもしれない。
終点を探すのではなく。
始点を楽しむ人生を歩みたい。
今、この瞬間も、終点であり、始点である。
終点とは行き止まり
自分自身が終点になるのは
いやなもの
終
点
は
銀
河
へ
続
く
滑
走
路
「終点」
今日は、彼女と一緒に花畑に行く事にした。
僕は彼女と電車に乗っている。
彼女と色々な話をして盛り上がっていると、
「まもなく、終点の花畑です」
電車内でアナウンスが流れる。
「あっ、花畑だ!」
彼女が嬉しそうに言う声が聞こえ、僕は頷いた。
電車の外を見ると、一面に花畑が広がる。
電車が止まる音がして、僕達は電車を降りた。
花畑は、色とりどりの花が咲いている。
「綺麗ー!来てよかったね!」
彼女は花を見ながら言った。
「そうだね!また来よう」
僕がそう言うと、君は笑顔になった。
「うん!また一緒に来よう!」
彼女が言った。
今日は、彼女とのとても良い思い出になった。
一面に花畑が広がった綺麗な景色を僕は忘れないと思った。
私は行き着いたのだ。この場所へ、
私が主人公であるこの人生の列車の終点にようやく着いたよ。ようやく幕が閉じる、
2024 8/10 終点
終点
終点 終点です
電車は車庫に…
はっとして目を覚ます。
カバンを掴んで閉まりかけの扉から
ホームに飛び降りる。
危なかった。
俺の背後で空の電車が空気だけ乗せて、
車庫へと向かう。
…ここは何処だ?
とりあえず新しい駅だ。
行き交う人?が人間、
いわゆる地球人じゃない気がする。
ある人(なのか?)は尻尾を生やし、
ある人は猫耳、さらにある人は
緑色の肌をしている。
俺はおかしくなったのか?
1人になりたくて、トイレに入った。
男子トイレか女子トイレかもわからない。
そもそも分けられるのだろうか。
バシャバシャと顔を洗う。
顔を上げると、
水に濡れた俺の顔が、
ない。
のっぺらぼうだ。
思わず後ずさる。
「あ、あ、あ…」
おれは、俺は、オレは…
「誰だ?」
#5 終点
お客さん、終点ですよ。降りてくださいね。
……どうしましたか。何か事情でもありますか。
終点にはいつまでも立ち止まってられませんよ。
時も人もあなたに構う暇なんてないんですから。
無慈悲ですか。そうかもしれませんね。
しかしここで止まっていると、置いていかれますよ。
……私はただの一介の車掌ですから。それも冷たい。
あなたのことなんか知ったことではありません。
やめるなら勝手にやめなさい、としか言いようがありません。
……一つ言うならば、これからに少しでいいから期待したほうが楽しいですよ、ということです。
一縷の望みに賭けませんか。どうせこのまま捨てるなら、そっちの方が愉快ではありませんか。
……失礼、出しゃばったことを申しましたね。無責任さは自覚しております。
さ、長話が過ぎましたね。
ご乗車ありがとうございました。
__またのお越しをお待ちしております。