『終点』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
終電に乗って海にでも逃げようか。これが僕の終点だ。
終点とは。電車やバス、列車などが最後につく駅や停留所らしい。ただ、移動手段に関わらず、終わりを終点と表すことがある。
人生の終点。人生において、最後につく場所ということだろうか。これは、死を意味する。そう解釈して良さそうだ。いや、本当にそれでいいのか。終点というのはそんなに虚しい言葉だったか。別に、生物の終わり=死という訳ではないのではないか。これは、僕が直感的に感じただけのことである。勿論、人それぞれ受け取り方は違うだろう。それを踏まえたうえで、僕の考えを聞いてもらいたい。
人生の終わり。終点につくと、死ぬのではなく、悟るのではないか。こういう、限られた人にしか響かない表現は嫌いだが、これ以外、表し様がない。ただ、これだけ引っ張っておいて、「悟る」の2文字というのは、悲しいかもしれない。しかし、僕は、終わることを悲観的に捉えていないことを知っておいてほしい。
テーマ:終点
私の人生は楽しいことで溢れていた
思い返し、蘇ってくるのは全て楽しいことだ
でも私は今、難病を抱えている
原因不明、生きることは難しいと判断された
医者は死なせまいとたくさんの工夫をしてくれた
その中で一つのことに気づいた
そして私はある日、医者にこう言った
『私は生きることが難しいんでしょ?
なら、私より生きられる可能性が高い人に工夫を してくれませんか?私はこれでいいんです。』
私の人生は終点だ
お医者様、私のためにありがとう
でも、もう終点まで来ちゃったよ
だから…他の人に時間を使ってください
神様…ありがとう
“私をこの世界で生きさせてくれて”
2024/8/10
終点ねえ…
そもそも始点は?
(終点)
終点
小さい頃から度々乗った電車。
「次は〜○○〜」
アナウンスが流れる。
「降りるよ」
「ついたの?」
「うん」
その駅は、終点だった。
帰り、また電車に乗る。
「始発○○〜」
なんで終点が最初なの?
そんな疑問をもった。
が、眠気には勝てなかった。
結局、聞きそびれた。
今になれば不思議でもなんでもないけれど、
ずっと、終点から電車は出発しないと思っていたから
当時は自分の中でかなり深刻な問題だった。
これも思い出だ。
〚終点〛
人生はすぐ過ぎ去りますね。
最初は時間って長いなと考えても、最後には人生って早いなとまるで、電車のように考えてしまう。
人生は一瞬で見えなくなってしまう事もある。
生きてるだけで凄いよ。
だから、君は選ばれし者。
君は少しの間だけこの世にいる。
彼らに会えたのも奇跡の一つだね。
行き着く先はわからない
何がどう起こってこうなるのか
結局はわからないまま
でも後悔はない
全ては私自身が選んだ道なのだから
「人生の終点」
終点
電車内のアナウンスがなる。
次の駅で終点らしい。
随分と田舎まで来た。
もっと先まで行かれる電車かバスはあるだろうか。
全てを捨ててきたのだ。
絶対に逃げ切らなければ。
都会の方が隠れやすいだろうか。
咄嗟の事で慌てていたため、深く考えず遠くへ逃げた。
海外に渡る事も視野に入れ、私は電車を乗り継いだ。
終点
人生の
終点
誰にも分からない
もし永遠が
あるのなら
到着
なってほしい
このまま見た目も中身も
歳を取りたくないなあ
なな🐶
2024年8月10日1922
終点にたどり着いた時
君は幸せだろうか
それだけが
心配
終着点」の言い換えは?
次の語句の同義語:終着点 - 日本語
結果
最後
決着
終結
結末
締めくくり
目標
目的
「終点」とかけまして
「愛知県西部」と解きます。
その心はどちらも「終わり/尾張」です。
お題:終点
電車の中から
揺られながら
窓の外を
眺めている
次々と人が降りていく
満足するために降りるのか
満足したから降りるのか
アナウンスが流れる
私の終点はここの様だ
降りると同時に
また新しい人が乗っていく
ガタン……ゴタン……ガタン……ゴタン……
連結された隣の車両が時折、大きく揺れている。3両編成の液晶広告も流れない、素朴な昔の車両。
昭和の香りが纏う、旧式の扇風機がエアコンの風をさらに車内に届かせる為に、ゆっくりと首を振っている。
座席も久し振りに座るタイプ、四人が向い合せになり、窓にはとても小さなテーブルも付いている。
車窓を流れる景色は、いつか何処かで見たような、記憶の欠片に似ていた。暫く、海沿いの景色が続いている。反対側の車窓は、新緑に染まる緩やかな山、そして麓にはぽつりぽつりと民家が点在している。
随分、古いタイプの家だよなぁ……昔、何処かで……あっ!祖父が住んでいたところと似ているのか……
いまは過疎化が進み廃墟しかないが、祖父が住んでいた山間地域に似ていた。
まだこんな景色が残っているのか、懐かしいなぁ……たしか、よく遊んでいた従兄弟の友達がいたよなぁ。そうそう、あの青いトタンのスレート屋根に、隣は段々とした小さな水田が……えっ!あそこにいるのは……私たち……
いつからこの電車に乗っているのだろうか。
こんな単純な疑問も抱かないなんて。そもそも、駅に私はいただろうか。
私はどこから来て、そしてどこへ向かっているのだろうか。
恐怖に襲われて、逃げ惑い叫びたくなる状況なのに、不思議とそういう気持ちにはならない。
何故だろう……どこまでも美しい青い海が心を凪いでく。
『終点』
起承転結、完璧な終わり方がある。
どんな物語にも観客がいてそれを見届けるなら彼らの満足いく結末が本当のハッピーエンドだろう。
だから、目の前で悪役とされた彼女が朽ちるのを私は黙って見ることしかできない。
この世界が救われて、平和が訪れた今救う役目であった私は喜ばなければいけない。
けれどそんな事出来なかったから、最後の力を振り切ってこの未来を変える路線に踏み込んだ。
私が望むはこの終点。彼ら傍観者が望んだ結末を変える為に、彼ら自身を消す為に。
用意された最後の台詞を言う。
「この先は平和な世界だ」
【終点】
「終点があるということは、始点があるということだ」
生ぬるい空気を扇風機がかき混ぜる。こめかみから汗が垂れる。雪くんの白い手が、水色のチューペットをぱきんと割る。
雪くんはそのまま、片方を私にくれた。しゃくりと齧れば、喉をすべる氷のかけらがこころよい。
「このループを解消するには、始点が大事だと?」
「そう、始点の前に何があったのか。栞ちゃんは覚えている?」
私はカレンダーに目を向けた。始点は8/29、終点は本日の8/31だ。どちらも真っ白で、予定なんて何も書かれていない。
「8/29には何をしていたの?」
「何って……お葬式」
「誰の?」
「雪くんの」
日焼けした壁には、丁寧に皺をのした制服がかかっている。畳の上にぽたりと汗が落ちて、拭かなくちゃとぼんやり思う。
「僕のお葬式かあ……」
「そうだよ雪くん」
どうせなら、雪くんが死ぬ前にループして欲しかったなと思う。こんな何もかも終わった後に、ループしたって意味がない。
【終点】
ガタンゴトンと揺れながら、電車は人々を運ぶ。
駅を通過するごとに人は減っていき、シートが空いた。
座席に座ると、疲れからか強い眠気に襲われる。
ああ、少しだけ、眠っても……いいかな…………
「お客様、お客様。こちら終着駅となります」
優しく肩を叩かれ、誰かの声で目が覚める。
頭にもやがかかったように思考はぼんやりとしている。
気を抜いたら、また微睡みに落ちてしまいそうだ。
私を起こした声の主は、服装から判断するに車掌だろう。
「お目覚めですか。ではお気をつけてお帰りください」
にこりと笑う車掌に見送られ、降りた直後に扉が閉まる。
最寄り駅を寝過ごしたせいで知らない駅に来てしまった。
親睦会という名の飲み会で遅くなり、今のが最終電車。
ほろ酔いの状態で一時間以上も歩くのは遠慮したい。
とりあえず地上に出るため、エスカレーターに乗る。
改札を通るとき、ピピッ、ピピッとなぜか二回鳴った。
不具合だろうか。振り返って見るも人影はない。
「あの。いま二回鳴りませんでした?」
聞いてみたら、改札横にいる駅員は平然と答えた。
「鳴りましたよ。男性が入っていかれましたから」
それがどうかしましたか、と言いたげに首を傾げている。
「え? 誰もいませんでしたよね?」
重ねて問うと駅員は一瞬困惑し、しかし笑みを浮かべた。
「ええ。誰もいませんでしたけど、男性が通ったんです」
最終電車の着いた終着駅に見えない男性が入っていった?
難解ななぞなぞみたいで意味がわからない。
「まだ電車あるんですか?」「いえ、本日はありません」
駅員は加えて言う。「あなたの終着駅はこちらですから」
余命宣告を受けた。
あと3ヶ月で俺の人生は終点に辿り着いてしまうらしい。
最初は受け入れられなかった。
俺はまだ17歳だ。
憧れのキャンパスライフも、酒の味も知らない。ギャンブルだって1回くらいやってみたかった。
悔しさと恐怖から俺は荒れた。
見舞いに来てくれる友人たちを罵倒し、見舞いの品を床に叩きつけたこともあった。
友人たちは、当然ながら段々俺から離れていった。
ただ一人、彼女を除いては。
俺の病室を訪れるのが家族と彼女だけになった頃、俺は人生の終点をようやく受け入れつつあった。
彼女とは思い出話をすることが増えた。
初めて会ったときに一目惚れしたこと、思いきって告白したときの彼女のはにかむような笑顔、初めてのデートで出かけた水族館、初めて唇を重ねた花火大会の夜…
話ながらいつの間にか流れていた涙を、彼女はそっと拭ってくれた。
ある日、俺は無理を言って外出した。どうしても欲しいものがあったからだ。
夕方になると、いつものように彼女が見舞いに来てくれた。
俺は彼女に綺麗にラッピングしてもらった小箱を渡す。
彼女は驚きながらも箱を開ける。中にはピンクコーラルをあしらったブレスレット。
「付き合って1年のお祝い、できそうにないからさ。先に渡しとこうと思って」
彼女は俺の手を握り、涙を流した。
そして、俺は今、人生の終点に辿り着いた。
未練がないといったら嘘になるが、それでも彼女に出会えただけでも幸せだった。
彼女が棺に入れてくれた翡翠の指輪を嵌めて、俺は人生の終点から彼岸への橋を渡っていった。
終点?
終わりは終わりで
終わりは始まりの始まりかも知らんけど
終点
「さて、自由研究の始まりだ!」
先輩が高らかに宣言する。
「俺らの高校は自由研究ないですよね」
「こういうのは雰囲気が大事なんだよ。自主的に自由研究してもいいだろう?」
ほら早く、と先輩に手を引かれて電車に乗り込んだ。
「先輩って俺の記憶によると今年受験だったと記憶してるんですが」
「うぐ……遊んでる時ぐらいは勉強の話はやめようよ。今日は禁止!」
普段は恐ろしい程に混んでいる車内は、もぬけの空だった。それも当たり前の話だ。俺たちの乗った駅は学園前という、学園の目の前にある駅なのだ。今は夏休み。この駅を使う人間も殆どいなければ、路線自体の使用率も減っている。
俺と先輩は適当な場所に並んで座る。
「あー、いつもこうならいいのにな」
「あれ、君って寮じゃなかったっけ?」
「たまに外に買い物に行く時に乗るんでるよ」
「へえ……学園の中にもスーパーあるのに、物好きだね」
「……まあ、そうですね」
変わり者の先輩に物好きと言われるのは釈然としないが、先輩と行動を共にしているのは物好きと呼ばれても否定出来ないので、頷いておく。
「で、今日はどこまで行くんですか?」
「言ってなかったっけ」
流れていく木々を眺めながら、俺と先輩はいつものように会話をしていく。
「終点だよ。終点。僕、この三年間で行ったことなかったなぁって思ってさ」
「終点!? めちゃくちゃ遠いですよね? だから朝早くに集合だったんですか」
「うん。そうだよ。終点でちょっと散歩してからまた電車に乗ろう」
「……それだけですか?」
先輩が俺を引っ張り回して何処かに連れていく時は、事件が起こりそうな時だ。例えば遺産相続争い中の島だったり、殺人事件の起きた教室であったり。終点で何か事件が起きるのか、或いは乗車中に事件が起こるのか。
「そうだよ?」
「今までの己の行いについて胸に手を当てて考えてみては如何でしょうか。何かあるんでしょう?」
先輩が首を傾げる。
「単に終点まで時間が掛かるから、君と一緒だと退屈しなくて済むので呼んだんだ。君も暇だろう?」
君と喋ると楽しいからね、と続ける先輩が全く恥ずかしそうにしていないので、俺だけ照れるのもおかしな話だ。……おかしな話ではあるのだけれど。
「えっ、君なんか顔が赤くないか!? 大丈夫? 熱中症対策の為に水とか飴とか持ってきたよ!」
わたわたとする先輩に問題ないから落ち着いてと伝える。
「……じゃあ、部室で喋らないことを喋りましょうか。一年の時の夏休み明けの試験にどんな問題が出たか、とか是非聞きたいですね」
「勉強の話は禁止って言っただろ!?」
先輩の悲鳴のような声に俺は頬を緩ませる。先輩の持ってくる事件に巻き込まれるのも楽しくて好ましい。けれども、たまには、こうしてゆっくり過ごすのも悪くはないだろう。