『終わらせないで』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
終わらせないで
ワルツを踊る ショートブレッドのまあるいテーブル お砂糖でできた砂時計 ティーカップの中で踊るミルク クレープ生地のドレス おかしでできた、おかしなお茶会
今年もあと100日なんだって。
というのを聞いて、
それなら、その100日はこのアプリの課題を
忘れずにこなそう。
と決め、遅れることはあるものの投稿しています。
せっかく続いているこの日課。
来年も、終わらせないで続けていきたいと思います。
【終わらせないで】
私の人生の主人公は私じゃなかった。
短編集のように、男女関係なく、いつも惹かれた誰かが私の人生の主人公だった。私はその中の群衆の一人。
ある日、一際大きく輝く主人公が現れてしまった。
心から好きになってしまった。
人間としての好きではなく、恋をしてしまったの。
私はいつもその人を目で追いかけた。彼の見る世界、考えること、全てが素敵だった。
でも、彼には想い人がいた。相手を探ると、かつての私の中の主人公の一人だった。
彼女が主人公の物語は、誰かと結ばれてハッピーエンドになったつもりだった。でも、違ったのね。
ああ、彼女にも彼との新しい恋が始まるのかしら。
二人が主人公なら、きっと素敵な物語になるはずだわ。
だから、泣かないで。群衆の一人なんかの為に。
彼女の昔の想い人、ストーカー化したその人から、二人を庇ってこうなったこと、誇らしく思っているの。
とても痛くて苦しかったけど、この苦痛は勲章よ。
『二人の幸せな物語を終わらせないで!』
叫んだこと、少し粋がった言葉だったわ。恥ずかしい。
「神様…終わらせないで……大切な友人の命を……」
そう言って泣く二人の声が最後に聞こえた。
ああ、なんて幸せなんだろう。私は彼らの人生では群衆じゃなかった。これは物語なんかじゃなかったのね。
舞台の幕は下り、
後書きの最後の1行をなぞる。
エンドロールは最後の1人。
その結末は誰かの意のまま。
観客がいなくなっても、
掠れたペン先を握り続けて。
エンドロールの名前が1人になってしまったとして、
めでたしめでたしはあなたのもの。
“終わらないで”
終わらせないで
『自分の事が好きですか?』って言われたら私はきっと好きとか嫌いとかはわからないけど『頑張って生きてきたなと思ってる』と答えると思う。
生きづらい人生の中で、何度も終わろうとして踏みとどまった私はすごい頑張ってる。
誰かのせいにして、傷ついて、居場所を探して見つからなくて。無理して合わせてみたり、合わせられなくてもがいてみたり、痛めつけられて、痛めつけて。
恵まれてるだけだったら知らなかった世界を知るからこその幸せを知っている。
『後悔ってさ、一生懸命生きた先にあるから振り返ったらあの時ああすれば良かったって思えるんだよ。それって最高に今の自分カッコよくない?』
終わりたくて泣いてた未来の先に、そう笑う私が居ると知ったら泣いていた私は笑うかしら。
終わらせないで、良かった。
10終わらせないで
共依存的な敬愛を貢がれる器、ガワがよかったのだが
中身が耐えられなかった、そんな中倒れて辞めざる負えなくなってしまう
この状況で言われるのが終わらせないでなんて無責任な言葉
たとえ本心から言っている人が居たとしても雑踏のように
見えなくなってしまう届かない言葉に意味なんてなかった
大好きだった人が
大嫌いになって
”大嫌いな関係”のままで終わらせていいの?
好きな人に好きな人がいると知って
「失恋した」って諦めて
”まだ好きなのに”このまま終わらせていいの?
これでいいの?
まだ希望はあるかもしれない
今ならきっと─
「終わらせないで」
久しぶりの投稿でした。
この文にある「大好きだった人」というのは
前いたグループの人の話です。今はハブられた。
この文みたいに戻る気はないです。
ハブるくらいならこっちから願い下げだって
感じです。
明後日から12月ですね〜!
もう1年終わるとは...
クリスマスも楽しみです🎄🎅🏻✨
Happy Birthday to you〜♪
手作りケーキを囲み、家族みんなで歌を歌う。
楽しいひとときよ、いつまでも続けと願う。
神様がいるのなら、このときを終わらせないで…
Y
終わらせないで、無垢な心
終わらせないで、無意味でもいいから、
あなたと私には、かげがえのない灯りだから
君と他愛のない話をして、終わりの時を待っていた。
そんな時、君がこの壊れかけの世界に、ずっと居たいという言葉をこぼした。
だから、どうして君はこの世界にずっと居たいのか、聞いてみた。
心を読めば直ぐに分かるけど、今は。
今だけは、君の口から、彼女の思いを聞きたかったから。
少しばかり静寂が辺りを支配していたが、ぽつり、ぽつりと、君が自身の思いを話し始めた。
*
「私が、ここにいたい理由はね、終わらせたくない…っていうより、……⸺終わりが、怖いんだよ。思い描いた通りに魔法が自由に使えて、この世界で数え切れないほど生きて、大抵のことじゃ死ななくて……そんな状態に、慣れた私が………元の世界に戻ったとき、この世界を作る前だった私に戻れるのか、わからないよ」
そっか、そうだったね。
君は、”絶対”って言葉よりも、”変わる”ことが怖かったね。
少しずつ変わるならともかく、大きく変化することが怖くて……だったらいっそ、”不変”がいいって。
だからこの世界は少しの刺激と、一度出来上がったモノは絶対に変わらない世界なんだよ。
そういえば……元の世界だった頃の、昔の君に怒られたっけ。あの時の俺は、しばらく切れていなくて腰下まで伸びていた髪を、肩口まで切って、君に会いに行ったね。
そうしたら君、俺に会ってすぐ泣きだして、「どうして私に何も言わないで勝手に髪を切ったの!」って、自分勝手に言ってて……今だから言うけどね、その時の君、とっても自分勝手で、俺は君のモノだって主張してて……ちょっとキたんだよね…///
「……⸺ふん!」
⸺痛ァっ!?
ちょっ、ちょっと!?俺の発言に怒ったのは分かったから、いきなり急所に肘打ちしないで!?
「ばーか」
いっつつ、はぁ……ごめん。
「………じゃあ、終わらせないで。私はずっと、この世界をに居たい。この世界の夢を見続けたいの」
……終わらせないことで、君に許されないとしても、俺のこの世界を終わらせるという決断は揺らがないよ。
この世界を終わらせないと、君が死んじゃうから。
「それは、そうかもね。でも…だから、許さない」
…………。
「向こうで……元の世界で、生きてる貴方が謝るまで、許さないから」
⸺!
それは……大変だな。
君が三年待っても、俺が君の前に居なきゃ、その場合の俺は、とっくの昔に死んでるだろうから、その後は好きにしなよ。
「……わかっ、た。好きに…やるよ」
ふふ、分かったらいいんだよ。
⸺もうちょっと話せそうだね…何話す?
「じゃあ……あ。色々レシピ教えて。作りたい」
あぁ、わかったよ。じゃあまずは⸺。
【この思いは、終わらない】
▶28.「終わらせないで」
27.「愛情」人形は夢を見る
26.「微熱」
:
:
1.「永遠に」近い時を生きる人形✕✕✕
---
足の修復が終わり、人形は休止状態から復帰した。
体を起こすと、シブもそれに気づいたようだ。
「やっとお目覚めか」
「ああ、助かった」
「いい。元はと言えば俺の責任だ」
それでだ、とシブはさっそく切り出した。
「結局お前は何なんだ?✕✕✕さんよ」
人形とか言ってたけどよ、
1人になって考えてみりゃさっぱり分かんねぇよ。
洗いざらい話してもらおうか?
そう言ってシブは覚悟を決めた目で、人形を見つめた。
「お前、どこから来たんだ?」
✕✕✕は、目覚めたら人形にまつわることを聞かれる可能性が高いと考えてはいた。だが、自分が眠っている間に壊される可能性も、
目覚めた途端に別れて二度と会わない可能性もあると想定していた。
「それを話すことは構わない。だが他の人間には」
「言わねぇよ。✕✕✕に危害を加えるつもりはない。人間で言うところのケジメってやつだ。分かるか?」
あの情報収集と称して話しかけた夜から始まった縁。
シブは、それを終わらせないで続けるつもりのようだ。
「分かる。人間は知りたがりだ」
「お前もだろう。散々人の家庭のこと質問攻めにしやがって」
「わかった。だが、シブの顔には疲労が見える。日を改めた方が良いのではないか?」
「あー…まぁ町には帰らねぇとな」
「帰りながらでも話はできる。撤収を勧める」
「そうするか」
✕✕✕とシブは野営の撤収作業に取り掛かった。
「✕✕✕を作ったってぇ博士は誰なんだ?」
「博士の詳しい素性や出身地は博士の記憶データには入力されていないので分からない。私が知っているのは博士が遠い国から来たこと、そこでは人形作りが盛んだったこと。そして、この国にあったという技術が私を作り上げる要素になったと」
「技術?何もねぇよ。全部戦争で焼けちまったじゃねぇか」
「そのようだな」
「最初に会った時、旅の目的は世界を見るためって言ってたな。それは本当なのか」
「半分はそうだ。博士は本当の自由が何か知ることを求めていた。私はそれを探すために旅をしている。といっても私が初めて目覚めた時からこの国にいるが」
「それで世界たぁ…ハッ、大きく言ったな」
「そのとおりだな」
「ところでお前、何年この国にいるんだ?」
「目覚めてから35年ほどになる」
「人間にバレたのは俺で何人目だ」
「2人目だ」
「意外と少ないんだな。よっぽど慎重だったか。」
「荷物は全て片付いた。町に戻ろう」
「ああ」
【終わらせないで】
世界の片隅で、誰かの声が消える。
「僕という存在を、忘れないで」
誰の記憶からも消えることが、きっと本当にいなくなることだ。
人生が終わっても、そこで終わりじゃない。
誰かの記憶の中で生き続ける。
fin.
大人になってから、私はよく漠然とした罪悪感や焦燥感を覚えることがある。「もっとやるべきことがあるんじゃないか?」とか「逃げてるんじゃないか?」といったことが脳裏を過り、不健全なまま毎日を過ごしている気にさせられる。まるで夏休みの宿題を終わらせないで8月終盤を過ごしているような、そんな感覚だ。
「出来損ない」「双子の不出来な方」
そう呼ばれるのは慣れていた。私は15年前、この田舎町に生を受けた。その時から隣には、双子の姉がいた。
姉は、頭がよくて、何でもよくできる人で、できないこともあっという間にできるようになる人だった。それに比べて私は、頭は悪いし、鈍臭くて、何にもろくにできなくて、できないことをできるようになるのに人の何十倍も時間がかかる奴だった。
当然私は、周りから疎まれた。両親も、姉ばかりを可愛がって、私にはほとんど目もくれなかった。
姉はみんなに尊敬され、期待されていた。対して私は、誰にも期待されなかった。
学校では無視されたり、暴力を振るわれることもしょっちゅうだった。町中の人間が、ヒソヒソと私の陰口を言い合っていた。だけど、そういうことがある度に、姉は私を庇って、助けてくれた。姉は私のヒーローだった。
私は、姉に劣等感を抱いていたが、同時に憧れてもいた。私はこの町の人間は憎んでいたが、姉を憎むことはなく、むしろ敬愛していた。姉は私にとって、このクソみたいな世界の中で、ただ一つ光る星だった。
「どうして私を見捨てないの?」
一度姉に訊いたことがある。
「他の誰がどう言おうと、私にとってあなたは大切な妹だから。双子なんだもの。私にはあなたが必要なのよ」
姉は答えて、私を抱きしめてくれた。不出来な私でも、必要としてくれる。それがたまらなく嬉しくて、私は少し泣いた。
「ねえ、いつか一緒にこの町を出て、2人で暮らさない?」
高校受験が終わり、姉は町の外のギリギリ家から通える距離の進学校に、私は町内の平凡な学校に行くことが決まった頃だった。姉はそう言った。
「どうして?」と私は問い返した。
「だって、ずっとこんな町にいるの、嫌じゃない?こんな生活、終わらせたくない?」
そう答える姉の顔は、少し苦々しい。姉も、この町の人間を憎く思っているのかもしれない。
町の外へ出るなんて、考えたこともなかった。
町の外へ出たら、何があるだろう。今よりもずっと自由な世界が広がっているだろうか。いろんな出会いがあるだろうか。
考えて、私はこわくなった。もし、姉がもっと自由な世界に出て、いろんな人と出会って、私より大切な人やものを見つけてしまったら。私はもう、姉に必要とされなくなるかもしれない。2人きりの安らぎは、もう訪れないかもしれない。私は外の世界で、独りになるかもしれない。
そんなのはこわい。いやだ。
俯く私の顔を、心配そうに姉が覗き込んでくる。
「私、お姉ちゃんと一緒なら、こんな町でも平気だよ。大丈夫だから。町を出るなんて、言わないで」
そう言いながら、私は泣いた。
姉は驚いて、ひどく困惑していた。想像していたのと全然違う答えが私から出てきたからだろう。
「急に変なこと言ったね。ごめんね。だから泣かないで」
と、必死に慰めてくれる姉の腕の中で、どうか、この閉じられた世界を終わらせないで、と私は願った。
お題『終わらせないで』
夏季補習で学校に登校してきた萌香。
これから三日間空き教室で補習授業が行われる。
教室の周りを見ると、ちらほら同じクラスの人でいれば、クラスの違う全く知らない人もいた。
萌香は空いている、窓際の方へ座った。
予鈴が鳴って、本鈴が鳴り始めた頃一人の男子生徒が教室に入ってきた。
大神「ま、間に合った」
男子生徒の背後に高身長で褐色のクレオパ◯ラに似た黒髪ストレートロングの女性教師が声を掛けた。
女性教師「大神君、遅刻ね。」
大神「カ、カバちゃん!?今日だけ多めに見てぇや。お願いやから」
大神にカバちゃんと呼ばれた女性教師こと樺本(かばもと)は萌香のクラスの副担任である。因みに担当教科は世界史だ。
樺本「ん〜。賄賂(わいろ)次第ね」
大神「はぁ?賄賂?それ教師がしたらアカンやろ」
樺本は鼻で笑う。
樺本「甘いわね。大神君、この学校は賄賂が罷(まか)り通る学校よ!!」
大神「アホくさっ。付き合ってらんねぇ」
そう言って大神は空いている席に座る。
樺本「ちょっとまだ、交渉中よ!勝手に会話を終わらせないで頂戴!!」
夏休み中の静かな廊下で樺本の声が響く。背後から樺本の右肩を誰かが叩いた。
樺本「なんですか!また遅刻者です……か」
後ろを振り向いた樺本の顔が青ざめていく、肩を叩いたのはヒ◯ラーに似た生活指導の教師だった。
彼は校長に夏期講習中、学校の廊下の見回りを頼まれていたのだ。
生活指導「樺本先生、その賄賂について詳しくお聞きしたいので今から、指導室までご同行願います」
樺本「……はい」
樺本は下を向いて生活指導に連れて行かれてしまった。数分後樺本先生の代わりにやってきたのは明日萌香達に補習を行う教師だったという。
End
拓也(たくや)と秋(あき)がいるリビングの空気がピリッとひりつく。
今日、疲れていて互いに気遣えなかったのだろう。そんな日もある。どちらから言い始めたのかなんて覚えていない。
「あぁそうですかそうですか、つまり俺が悪いってことなんですね」
「その言い方何?いかにも私が全部悪いです、みたいなの。これだから本読んでない人は」
「何。本読んでたら偉いワケ?その割りには人の心情読み解くのヘタクソなんだな」
「ゲームばっかりしてる人には言われたくないね」
「は?あれ仕事なんだけど!!」
「そうだったねーごめんごめん」
「その言い方マジでッ...!!」
拓也は怒りで拳を震わせ、奥歯を噛み締める。一方、秋は腕を組んで冷静を装っている。どちらも譲らない状況で空気は最悪だった。
しかし秋の一言で空気が変わる。
「私達別れようか」
「は」
「だから、別れようって」
「なんで」
秋の突拍子もない発言に拓也は返す言葉を失う。秋はそのまま続ける。
「元々、性格だって趣味だって正反対だったもの。喧嘩することだって、こうなることだって分かってた。拓也だって無理して本読むのに付き合ってるよね?」
「別に、それは」
「いつも難しそうな顔して読んでるじゃない。それに一緒にゲームしてくれるような彼女の方が拓也としては楽しいでしょう?」
そこまで言うと、拓也は下を向いて黙ってしまった。秋は一つ溜め息をつき、続けて言う。
「今日はもう寝よう。私も疲れたの」
そう言うと秋は寝室の方へ体を向ける。次の瞬間、黙っていた拓也が秋の腕を掴む。
「...何、私もう寝たいのよ」
「.........なったの」
「何て?もう少しハッキリ言って」
「...俺のこと...嫌いに、なったの...?」
弱々しい声が秋に届く。
「...え?」
「なんで、勝手に決めるの...?なんで嫌いになったの...?俺、やなとこちゃんと直すから......別れたくないっ...」
拓也は秋にすがりつくように腕を掴む。
「何がやだったのっ...?俺...俺ちゃんと変わるからっ......本だっていっしょに読む...ゲーム嫌ならやめるから...だからっ...」
「っ...そういうところ!私は拓也に強制したくないし、拓也自身の趣味を楽しんでほしいのよ!だから私以外の別の人と恋人になった方が拓也だっていいじゃない!」
「やだ......秋といっしょじゃなきゃやだっ...ゲームなんか捨ててもいい...秋が嫌なら仕事だってかわる...ゲーム出来ても、仕事楽しくてもっ......秋がいなきゃやだぁっ...」
拓也はそういうと柄にもなくぼろぼろと泣き出した。
「な、にそれ」
秋はそんな拓也を見て、連れて泣き出す。
「っ...私、拓也がわからない…ずっと何考えてるかわからない......優しかったり、急に怖くなったり、どこか行こうとしたり...もうわからないよ...」
「俺も、わかんないっ...秋のこと、初めて会った時からわかんないよぉっ......だからっ、知りたかった、いっしょに居たかった、なの、にっ...」
秋は自分の目元を袖で拭うと、拓也の顔を見るために頬に触れる。拓也の涙は止めどなく秋の手の甲を伝っていく。
「っ......ごめっ...んなさ...」
秋の手を掴む拓也の手は少し震えていた。
「...ごめんね拓也。酷いことも言ったし、別れようは流石に言い過ぎたね。本当に、ごめん」
「俺も、酷いこと言って...ごめんなさい...」
秋は片手でギュッと拓也を抱き締める。拓也はそっと離し、秋の背中に手を回した。
「今日はもう寝ようか。拓也も疲れたよね」
そう言うと拓也は顔を上げて、こくりと頷いた。
「...秋、ごめん」
「うん、私もごめんね」
そう言うとやっと最悪だった空気が、ぐちゃぐちゃに絡まった糸がほどけたように緩りとした。
お題 「終わらせないで」
出演 秋 拓也
終わらないことは
何一つないから
終わらないということは
自分が先に終わったってことで。
(終わらせないで)
終わらせないで
あなたがいなくなったら、私はこの想いをどうすればいいのかわからないから
だから、あなたの物語はまだ終わらせないで
終わらせないで
私、まだできるよ。がんばれる。
私やればできる子だもん。努力すればまだ伸びるよ。
だから、私の限界を勝手に決めつけないで。
捨てないで、置いてかないで。
「私」という人間を終わらせないで。
吸いこんだ空気が肺をさす。
のどの奥がくっと詰まって、まるで水のなかにいるみたい。
あなたはよその国からきたインベーダー。
話しかけても、ちっとも笑ってくれないわ。
おっきな窓には淡いオレンジ色。
太陽がサヨナラすると、あなたもいなくなってしまうのね。
それでもわたし、泣いてお別れなんてしたくないから、流れた涙は星になってお空へかえる。
わたしはここよって、それが目印よ。
【終わらせないで】