お題『終わらせないで』
夏季補習で学校に登校してきた萌香。
これから三日間空き教室で補習授業が行われる。
教室の周りを見ると、ちらほら同じクラスの人でいれば、クラスの違う全く知らない人もいた。
萌香は空いている、窓際の方へ座った。
予鈴が鳴って、本鈴が鳴り始めた頃一人の男子生徒が教室に入ってきた。
大神「ま、間に合った」
男子生徒の背後に高身長で褐色のクレオパ◯ラに似た黒髪ストレートロングの女性教師が声を掛けた。
女性教師「大神君、遅刻ね。」
大神「カ、カバちゃん!?今日だけ多めに見てぇや。お願いやから」
大神にカバちゃんと呼ばれた女性教師こと樺本(かばもと)は萌香のクラスの副担任である。因みに担当教科は世界史だ。
樺本「ん〜。賄賂(わいろ)次第ね」
大神「はぁ?賄賂?それ教師がしたらアカンやろ」
樺本は鼻で笑う。
樺本「甘いわね。大神君、この学校は賄賂が罷(まか)り通る学校よ!!」
大神「アホくさっ。付き合ってらんねぇ」
そう言って大神は空いている席に座る。
樺本「ちょっとまだ、交渉中よ!勝手に会話を終わらせないで頂戴!!」
夏休み中の静かな廊下で樺本の声が響く。背後から樺本の右肩を誰かが叩いた。
樺本「なんですか!また遅刻者です……か」
後ろを振り向いた樺本の顔が青ざめていく、肩を叩いたのはヒ◯ラーに似た生活指導の教師だった。
彼は校長に夏期講習中、学校の廊下の見回りを頼まれていたのだ。
生活指導「樺本先生、その賄賂について詳しくお聞きしたいので今から、指導室までご同行願います」
樺本「……はい」
樺本は下を向いて生活指導に連れて行かれてしまった。数分後樺本先生の代わりにやってきたのは明日萌香達に補習を行う教師だったという。
End
11/29/2024, 8:01:49 AM