『終わらせないで』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「残り半年も持つか…。」
ある日、僕は余命宣告を受けた。
「今日から宜しくね。」
記憶に残る中で一番古いものは、施設に預けられた日だった。孤児院の院長先生に出迎えられたのを覚えてる。
「ここでは皆家族よ。」
まるで絵に描いたような、優しさがそこにはあった。でも、それはすぐに地獄へと変わった。
この孤児院は、劣悪な環境下にあった。職員達は所構わずに酒を飲み、煙草を吸った。泣いたり、喧嘩をすると、黙るまで暴力を振るわれた。だから、ここの子供達は目が死んでいた。幸いな事に、僕は幼いながらに不幸耐性がついていたらしい。そのおかげで、ある程度の事には動じなかった。
「アンタの親は、アンタが嫌いだから捨てたんだよ。」
酷く酔っ払った職員が、僕にそう言った。その時、少しだけ胸が痛んだ気がした。
中学を卒業すると、孤児院から解放された。しかし、長年の暴力からか、僕は孤児院を出てすぐに心臓発作で倒れた。目が覚めると、病院に居て、余命宣告を受けた。
僕の命は、後何日持つのだろうか。病室の天井を眺めながら、そう思った。自分でも不思議だ。ずっと僕は、死にたいんだと思っていた。でも実際は、まだ生きたいと願っている自分が存在している。一人が寂しいと感じる自分が居る。
「まだ、終わらせたくないな。」
ふっと溢れた言葉は、自分のものとは思えぬ程、弱々しかった。
僕はこれから毎日祈るのだろう。終わらせないで、まだ生きさせて。と。
終わらせないで
辛い
やめたい
死にたい
助けて
誰にも届かない
届けれない言葉
そう一言手を伸ばせれたらよかったのに
出来ない、意味ない、その言葉
きっと○者には喋れない言葉
「その命終わらせないで」
「きっといつか幸せになるよ」
「さっさと辛い事から逃げよう」
「頑張れ」
そんな言葉は聞き飽きたさ
そんな自分が選ぶ言葉は
現状維持
さあ、自分に向けてどうぞ
「この現状を終わらせないで」
病だから、休めれる
病だから、逃げれる
病だから、許せる
、、
一番よくないだろう
でも今はあまり辛くないんだ
( ○にはお好きな言葉を入れてください。
死者でも、医者でも、愚者でも、敗者でも )
「やだ、やだやだ」
何があなたを殺したんですか。
私のせい?ねえ、私のせいにしたい?
ほんとうに嫌いになっちゃうよ。
あなたを愛してるのに。
あなたは私を人殺しにするんだ。
なっちゃった、なっちゃったねえねえねえなんで。なんで。なんでなんで。わたし、私。
暗い部屋で煙草の匂い。
私、あなたの煙草の匂いにだけ慣れた。
ほかは嫌い、全部嫌い。きもいしくさい。
あなただけが許せる。あなただけを愛してる。
晴れた日は頭が痛くなる。
私半袖は着たくない。あなたもそうでしょ。
ねえ、色違いで買おうよ。
私が買うから。ねぇ、いやだ?
好き
すきすきすきすきすき。すき!ぎゅーってして、
ぎゅー ギシ
そんなこと望んでない。
なんで死んだんだよ、クソ野郎。
私を置いてった。
私を置いてった。
私を置いてった。
ゴミ。
きもいしくさい。
好きなのに。なんなの。
・終わらせないで
終わらせないで
行かないで 行かないで
消えかける小さな影
このまま消える?もう終わり?
そんなのイヤ 叫ぶ私が言う
輝きが消えないのなら
まだ終わらないよ
終わらせないから
続くの 続けるの
私が私でいるかぎり
《終わらせないで》
手が悴んでよく動かない。キッチンの蛍光灯がやけに眩しい。体がだるい、眠い。マグカップとグラスを洗ったら寝てしまおうと思い、水ですすぐ。今日は誰かを家に上げていた気がする。あの人は白湯を飲んでいたっけ。なんだか頭に霧がかかっているみたいに、ぼーっとする。布巾で拭いて食器棚に戻そうとした。が、マグカップを床に落としてしまった。ズシャッと嫌な音を立てて割れてしまったそれを拾おうと右手を伸ばした。なんだか、ぬるぬるして上手く掴めない。血だ。そう気づいたら痛みで力が入らなくなってしまった。どうやって片付けようかと考えながら、カップの破片を眺めていた。思い出してしまった。これは、私の罪、今までの罪がバレてしまう。いわば、証拠だ。これを片付けなければ、私は捕まってしまうだろう。誰に?警察か?とにかく、隠さなければと思ったらすぐだった。破片を一気に鷲塚みシンクに叩きつけた。蛇口をひねれば水が流してくれる。これで大丈夫。用が済んだし今日は寝よう。ふらふらとした足取りで寝室に向かうと、ベットの横にあの人が倒れていた。なんということだ。1番の証拠が、罪が目の前にあるではないか。これではまずい。そうだ、お風呂に持っていこう。お湯につけておけば、捨てやすくなるはずだ。急いで、それに触れる。肉が裂けた。痛い。パニックに陥りそうになりながら、もう一度触れてみる。よく見るとそれは、さっきの破片だった。さっき捨てたのに。水に流すだめではだめだったことを学んだ私は、それを口に入れた。こうすれば、私以外には見えない。気づかれない。目が覚めた。日光が眩しくて、目を閉じる。ふざけるな。せっかく、あいつを殺せたのに。罪を隠せたのに。誰にもバレずに、うまく行っていたのに。夢で終わらせないで
終わらせなくていい理由を教えてください
終わらせないと始まらないこともある
終わらせないことに躍起になっている
人達の言動に
私はついていけない
それなら私は
自分を終わらせる選択を選ぶ
【終わらせないで】
今まで死なないでいたのはこの為だったのかと思う瞬間
なにも映せなかったこの瞳が
光を宿したのが嫌でも解る
今この瞬間を逃して過去にしてしまえば
この先何も残っていないのではないかと
勘繰ってしまうような高揚感
過ぎゆく時を止めるために息を呑む
それなのに残酷にも目の前のきみが生きろと叫ぶから
留めていた時が吐き出されて歓声に変わる
どうか僕がきみを捉えられているこの時間を
終わらせないで
2024-11-29
貴女の生を自ら終わらせることを選ばなかったのは、今世の貴女の決断の中でも最大級に良い手でした。
自死しても生まれ変わることはできますが、その行いは魂をひどく磨耗させます。なぜなら、貴女が現世に取り残していく人々のことを、貴女はひどく傷つけることになるからです。
これから、その終わらせることの無かった生を、存分に楽しんで生きてください。
それが俺たちからの、いちばんの願いです。
紙を折りたたんだ
黄昏の光線に照らされた
皆の横顔
(例のソシャゲもサ終するってさ)
指の影が液晶に落ちる
私達の記憶と体温
なだらかに続くおしゃべりみたいな
祈り
『終わらせないで』
終わらせないで
ねぇ、嘘だよね…此処でさよなら、なんて…ずっと待ち続けて、やっとこのチャンスが巡って来たのに…
夕方の帰り道、不図視線を上げると、あの人の後ろ姿が…隣には、誰かが寄り添っていて、親しげに並ぶ影法師が伸びている…
未だ、漸く私の存在を知って貰ったばかりなのに…始まった物語は、これから、紡がれる筈なのに…
神様、お願い…この恋を終わりになんて…
終わらせないで
今、描いている絵がなかなか終わらない
いつも一番良いところを、
描きすぎて壊してしまう
あの時に終わらせておけば、一番良かったな、
あれ以上、描き加えなきゃ良かった
あの時より、さらに良くしなきゃ、
なかなか、あの一番良かった時を超えられない
ここをこうしたら、
もっともっと、きっと良いものが…
前より更に良くしたい、欲が止まらない
ハアハア言い出す、なりふり構わず
独り、欲望のおもむくままに
苦しみもがく
やめられない、終わらない地獄
だが、これが良い。
終わらせないで
この時間を。
終わらせないで
この人生を。
終わらせないで
この全てを。
終わらせてしまったらもう二度と
戻ることはないのだから。
【終わらせないで】
楽しい会とか、友達との旅行とか、
終わってしまうから始まらないでと思うことがある。
終わらせないためには始めなければいい。
楽しみだから始まってほしいのに終わらせないために始まらないことを願うなんてジレンマ。
欲張りな人間だなあ。
(終わらせないで)
「終わらせないで」
宿題の〆切が今日だと気づいたのは
夜10時、冷めたコーヒーを前にした瞬間だった
終わらせないで、この平和な時間を
そう心で叫びながら、手は無情にも
ノートを開き、鉛筆を走らせる
「この問題、何回見ても初対面じゃん?」
自問自答が深夜の静寂を破り
答えの見えない公式に向かって
根拠のない友情を築き始める
終わらせないで、もう少し夢を見させて
いや、ちょっと待って、本当に夢に逃げたい
だけど明日の先生の視線がちらついて
目覚ましよりも早く、心が覚醒する
そして朝、提出されたプリントには
謎の解答と「すみません」の文字が踊る
終わらせないで?
…いや、もう終わらせてほしい。
作品No.242【2024/11/28 テーマ:終わらせないで】
※半角丸括弧内はルビです。
冬柚希(ふゆの)が、俺の手を摑む。ひんやりと冷たい手だった。
「終わらせないで」
その一言を冬柚希が発した瞬間、俺の意識は覚醒した。
「夢……か?」
そう呟いてから、当たり前だ、と気が付いた。冬柚希はもう、いないんだから。
わかっているのに、手には、冬柚希の冷たい手の温度が残っていて、俺は現実味のない場所にいるような気がしてしまう。
冬柚希に会いたい。冬柚希の元にいきたい。
何度そう願っただろう。
「冬柚希は、それを願ってないんだろうな」
あの言葉は、そういう意味なのだろう。それでも俺は、多分繰り返すのだと思う。
己の命を、自ら終わらせる——最愛の人が望んでいない行為を、この先も。
『終わらせないで』
今日もあいつは暴君みたいに言いたいことだけ言って去っていく。
残された者のことなど何も考えていない。
あいつは自分のことを正義の味方か何かと勘違いしていて、いつでも自分が正しいと思っている。だからこんな馬鹿げたことができるんだ。
「じゃあ俺はこれで」
名を名乗るほどの者じゃないんで。と後に続くような態度であいつは去った。俺のばあちゃんを背負って、重い荷物を何段もある長い階段の上まで持って行ったんだ。
そんな必要はなかった。ばあちゃんは階段の下を歩いてはいたが、階段を上がるつもりはなかった。なぜなら最寄りのスーパーも家も階段の下にあるんだから。
階段の上にあるのは街が一望できる展望台と、神社と数軒の家だけだ。
「ばあちゃん、俺が荷物運ぶからそこで待っとって」
「すまんな、キヨシ」
「いいんだって。いつでもあいつの尻拭いは俺の仕事だからさ」
俺はばあちゃんの荷物を家に運ぶと、来た道を引き返してばあちゃんを背負ってまた家に帰った。俺の腕力ではばあちゃんを背負って荷物まで持って階段を下りることはできない。
あいつは本当に話を聞かない。「結構です」と言っても、これくらい平気だとかなんとか言って勝手に世話を焼く。それが相手のためになるならいいんだが、大抵は余計なお世話なんだ。
それでも自ら誰かのためになることをしようと思うのは凄いことだと思う。凄いんだが、ちょっとあいつは斜め上をいく。
ばあちゃんを家に届けると俺はあいつを追いかけた。あいつの行く先は見当がつく。長年腐れ縁をやってないからな。
「マコト! 何度も言っているがうちのばあちゃんの荷物を階段の上に運ぶのはやめてくれ」
「困ってるお年寄りがいたら助けなくてどうする」
いつもこうだ。助けたつもりがかえって邪魔をする。そして自分が正しいと思っているから俺の話なんか聞かない。何度言っても変わらないんだが、いい加減迷惑だとどうにかして伝えたい。
「そう言えばさ、担任の山本が結婚するらしいぞ」
「あっそ。興味ない」
「キヨシは本当に他人に興味がないな」
そんなことを言われたって、担任の結婚など興味を持てない。そんなことより、俺のばあちゃんのことをそろそろ覚えてほしい。他人に興味がないのはどっちだと問いたい。
「俺帰るわ」
「なんだよキヨシ。じゃあなんで来たんだよ」
なんで来たって、ばあちゃんのことを言うためだろ。
「ばあちゃんの──」
「そう言えばさ、山口さん駅前のパン屋でバイトしてるらしいぞ」
なんで来たんだと聞いたくせに、俺の話を遮ってまでくだらない話に勝手に変えたことに、今日はいつも以上に苛立った。
「あのさ、勝手に話を終わらせないでくれるか?」
「あ、ごめん、そんな怒るなよ」
「お前が話を聞かないからだろ! いい加減にしろよ。うちのばあちゃんは階段の下に住んでんだから、勝手に階段の上まで荷物を運ばれたら一人で下ろせないんだ! 何度言ったら分かるんだ! いつもいつもお前のせいで俺が尻拭いしてるんだぞ!」
今日は特別に虫のいどころが悪かった。こんな言い方をするつもりはなかったが、言ってから気付いても遅い。
「悪い」
俺はそれだけ言うとマコトを置いて走って家に帰った。
それからマコトは誰も助けなくなった。
「キヨシくんが言ってくれたんだって? うちも困ってたんだよね。勝手に勘違いして物片付けられたりして」
「そうか」
同じクラスの山本さんと石田さんが話しかけてきた。俺もそれは知っていた。彼女たちの部活は天体観測で、街灯がないプールの近くに望遠鏡を運んだことがある。マコトはそれを部室に戻すのだと勘違いして勝手に望遠鏡を片付けてしまった。それが何度もあった。
マコトの姿が見当たらなくて、屋上に向かうとやっぱりいた。いつも白い歯を見せて笑っているマコトが、今日は膝を抱えて顔を伏せている。
俺は黙って隣に座った。
「俺ってさ、迷惑かけてただけなのかな? 誰かの助けになりたかったんだ」
「うん。知ってる」
「キヨシ、ごめん、迷惑かけて」
「迷惑だけじゃなかった」
確かに迷惑をかけられたことはある。だけど俺は他人のことを考えて一歩踏み出せるマコトのことを尊敬している。誰にでもできることじゃない。
「迷惑以上に被害があったか?」
「いや、そうじゃない。マコトの行動力と正しいと信じる気持ちは格好いいよ」
「そんなことない。俺は全然見えてなかったってことだ。もう終わりにするよ」
「終わらせないでよ。俺が尻拭いしてもいいからさ。世の中から善意が消えたら悲しいだろ?」
俺が憧れたマコトという男は、そんなことで挫けたりしない。いつも真っ直ぐに自分の信じた道をいく奴だ。マコトにはいつでもそんな男でいてほしかった。
「これからはちゃんと相手が望むことをする」
「そうだな。それは大事だ。うちのばあちゃんのことだけどさ……」
「分かってる。もう階段の上に荷物運んだりしない」
「ならいい」
これからもマコトは間違うかもしれない。だが俺の話を聞くようになった。だから間違ったら俺が違うと言ってやればいい。
いや、俺も一歩進みたい。マコトのように迷いなく人を助けられる人になりたい。俺も進む時が来た。大丈夫だ、隣には見本となる奴がいるんだから。
(完)
どうして私は、自分の幸せを自ら壊してしまうような行動をとってしまうのだろう、心境になってしまうのだろう。
それでも私は、心の片隅でまだ思う。
まだ終わらせたくない、まだ終わらせたくない。
私の心の激情が過ぎ去って、その想いがインクの染みのように心全体に広がって、また穏やかになればいいのにと思う。
まだ、君と笑いたい。
また、君と笑いたい。
-終わらせたくない
今はまだ終わらせたくないんだ。
君と繋がってるこの状況が
きっと、人生1番幸せだから。
2024.11.28.終わらせないで #10
《いつもあってないようなもの》
朝はあるのに、帰って来てみるといつもない。
そう、ない。
なんでだろう、時間帯を変えてみるとそれでも
ない。いつもない。そんなのいつもあってないようなもの。
だから私は言うのです。
「勝手に食べないで、私のワサビの柿ピー!」
でもいつもない。だから帰り際に買って帰った。
でも何故かそういう日はある。
うまくいかないもんだなぁ、、、
お題: 終わらせないで
死にたい、と思ったことは正直何回もある。ただ、死ぬ勇気が無かったから今生きている。
(終わらせないで)