「終わらせないで」
宿題の〆切が今日だと気づいたのは
夜10時、冷めたコーヒーを前にした瞬間だった
終わらせないで、この平和な時間を
そう心で叫びながら、手は無情にも
ノートを開き、鉛筆を走らせる
「この問題、何回見ても初対面じゃん?」
自問自答が深夜の静寂を破り
答えの見えない公式に向かって
根拠のない友情を築き始める
終わらせないで、もう少し夢を見させて
いや、ちょっと待って、本当に夢に逃げたい
だけど明日の先生の視線がちらついて
目覚ましよりも早く、心が覚醒する
そして朝、提出されたプリントには
謎の解答と「すみません」の文字が踊る
終わらせないで?
…いや、もう終わらせてほしい。
11/28/2024, 2:51:49 PM