『紅茶の香り』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
紅茶の香りで呼び覚まされる景色がある。
君とよく行った赤レンガ作りの街角のカフェ。
僕はダージリンと半熟のエッグベネディクトを頬張ったんだ。
そしたら君は
「口の周りがヒヨドリの嘴みたいに黄色よ」
って綺麗な歯を見せて笑ってたね。
年下なのに大人ぶっていた君。
愛しさが胸に広がる。
薄霧の秋の穏やかな光。
君と過ごしたひととき。
ティーブレイクに乗って、それらひとつひとつが小さく重なる。
「紅茶の香り」
紅茶の香りと
甘い茶菓子の匂いで
女の子はまた夢を見る
紅茶を飲む動作と
あなたから香る匂いで
男の子は恋の魔法にかかる
紅茶の水面にうつる
この月を見て
いないあなたを思い出す
紅茶苦手な我
困り候
カッコつけて飲んでみて〜♢
とりま飲めん今は
可愛こぶるか♡
ここはポジティブに
利用するぜ♧
ちっこい頃は
カッコつけて飲んでたな♤
昔の自分に負けてた🂱
紅茶の香り
ぐつぐつぐつ 湯を沸かして
ぽとぽとぽと 紅茶をいれる
カチャカチャカチャ お菓子も運んで
くんくんくん いい香り
とたとたとた 席について
もぐもぐもぐ いただきます
『おやつだよ』
10月27日 日曜日
No.1【紅茶の香り】
10月23日–今日もやかんを手に取り自ら罪悪感に飛び込 むティータイムを迎える。
甘酸っぱいレモンティーの香りが、私を甘酸っぱい青春の日々の記憶を抉り出す。
月に一度のあの子とのお茶会。
きつい部活が唯一休みの一日。毎日部活で顔を合わせるあの子とは、その休みさえも一緒に過ごす。満面の笑みで私に話しかけてくれたあの子は私にとって憎い存在でしかなかった。彼女の笑顔に私も笑顔で応じる。「こいつの人生なんかめちゃくちゃになってしまえばいいのに」そんなことを私が思っていたなんてあの子はちっとも思わなかっただろう。
私はただ羨ましかった、、、
私より遅くに始めたバレーでエースになれるあの子が。
運動だけでなく勉強もできちゃうあの子が。
先生にも男子にも女子にも、、みんなに好かれちゃうあの子が。
なぜあんな子が私なんかの底辺の人間と仲良くするのか
私は引き立て役だった。
きっと。そうだった。いや、絶対そうだった。
「私は一番信じたいって思った人を信じて仲良くしてるだけだよ」
泣いて怒る私を抱きしめながら囁いたあの優しい声が今になって思い出される。
何故私はこの言葉を忘れていたのだろうか。
私は気づいてあげられなかった。
今すぐあの子に会いたい。もう一度会って話したい。
一緒にまたレモンティーを飲みたい。
3年前、1人で部屋で毒入りのレモンティーを飲んで自害したあの子と。
––––––そんなわけない。あんな完璧な子が自殺するわけはない。
私は今日も1人暗闇の中でレモンティーを口にする。
罪悪感でいうことをきかなくなった私の手は傷でいっぱい。そして今日も新たな傷が増える。飛び散った血飛沫がレモンティーの中に入る。
涙が止まらないのは何故だろう
あの子がいなくなって私は嬉しい
きっときっとそうだろう。
私は赤の滲むレモンティーを口にした。
甘酸っぱい香りがする。
気づけばやかんを手に頬には涙が流れていた。
今日もまたこの紅茶の香りに包まれて、、、
早朝、二つの桶を持って、湖へ向かった。冬が近づいて、酷く指がかじかむけれどじっとこらえて桶を水面に浸す。
これからもっと寒くなるのだわ。この程度で震えていてはだめよ。
自分を叱咤しながら、澄んだ水が木桶に満たされていくのをじっと待つ。素早く済ませるのなら桶をすべて沈めてしまえばよいのだけれど、一杯に満たされた桶を二つも担いで帰るのは一苦労だから、グズグズしてしまう。なるべく傾斜をつけて、水が満たされてゆく様を惜しむように見ていると、不意に枯れ葉が一枚、眼前の水鏡に落ちてきた。
しん、と静謐な空気をその葉が揺らす。それまで透き通るように凪いでいた湖面に波紋が広がる。ゆっくりと、けれど連続的に。
私が水汲みをしていたのは湖のほとりだったけれど、対岸までその波紋は届いたのではないか、とさえ思ってしまった。
私は枯れ葉の出どころを知りたくて頭上を見上げる。未だ日の出ない空は暗く、はっきりとは見えなかった。が、風に揺れる葉擦れの音から察するに、すぐ上に枝がせり出しているらしい。
この枝から落ちたのね。
ほっとため息を吐き、冷えで赤くなった指先で、静かに枯れ葉をつまむ。葉っぱを桶にいれるわけにはいかない。どうせ家で煮沸するとはいえ、手間は避けたい。
やがて一つ目の木桶は満たされたので、取っ手をつかんで、地面に置く。わずかに水がはねて服に散った。桶が自重で湿った土にめり込むのを横目に、私はもう一つの桶を湖に浸し始めた。これが終わったら家に帰らなくちゃいけない。あの酷く憂鬱な家に……。
待っている間、私は昨日のことを思い出していた。
母様が都へ買い出しに出ているので、昨日と今日とは父様と家で二人きりだ。なぜだろう。以前は父様と二人でいてもちっとも気まずくなかったのに、最近は妙に距離を感じてしまう。父様の方も同じようで、昨日はほとんど会話がなかった。
「少し暗いな。蝋燭を一本増やすか」
「いいえ、大丈夫です」
夕食中に発したその一言だけが口にした言葉だ。
別に父様を嫌っているわけではないのだけれど、誓ってそんなことはないのだけれど、それでもどういうわけか近づきがたい印象を感じてしまう。母様が出ていってから、空気はいよいよ硬くなり、息苦しさが抑えられない。
私がここでゆっくりしているのは、家に戻りたくないからなのだわ。
帰り道に感じるであろう木桶の重さなど、家の空気の重さに比せば、大したものではない。
そのことを自覚するとともに、いよいよ自分が嫌になって目線が落ちる。湖面には、気難しい顔をした寝起きの少女の顔が写る。
そして私はその不機嫌そうな少女に向かって釈明をする。
いいえ、私だってこれが良くないことなのはわかっているの。家族の生活を支えてくれている父様に対して、今の私の態度は適切とは言い難いもの。けれど、ではどうしろというの。実際問題として、私は自室にいるのだし、父様は一階の書斎にいるわ。まさかわざわざ父様の部屋をノックして「すみません、無礼な態度を取ってしまって。父様との距離感をうまくつかめないでいるのです」なんて言うわけにもいかないでしょう。
しょせん私は、日常の大半を父様と同じ空間にはいない。損なわれた関係を修復するには、家にはプライベートな空間が多すぎるのよ、きっと。自室のぬいぐるみが父様に変わりでもしない限り、接する機会なんてほとんどないわ。つまるところ手詰まりなわけ。仕方ないと思うでしょう。
気づけばとう二つ目の桶も満たされていた。中に木の葉の類が入っていないことを確認すると、桶を引き上げて地面に置く。そこまではできた。
けれど、その先ができない。起ち上がって、木桶を二つ提げて、家に帰る。ただそれだけのことが酷く億劫で私はしばらくじっと湖面を見つめていた。
しばらく経った。
にわかに、一帯が明るくなる。
日の出だ。
最前まで暗くて見えなかった湖の対岸も、頭上の木の枝も、その輪郭を取り戻し始める。得体のしれないほど広く感じられていた湖が実はそれほど大きくなく、百歩も歩けば一周できるくらいしかないことが、新鮮だった。
湖面がキラキラと光る。鏡の欠片をまぶしたように陽光を反射して、明滅を繰り返す水面に、私は日常のメランコリの一切を忘れて見入った。食い入るように見入った。
澄んだ湖の底には何匹もの小魚が泳いでいて、背びれがかすかに透けて見える。冬が近づいているからか、思った以上に湖面には枯れ葉が散っていた。向かいのほとりは特に多い。
美しい秋の湖を堪能し終えると、私は立ち上がった。水辺特有の、黒っぽく湿った土が、足元全体に広がっていたけれど、幸い、靴が汚れていることはなかった。
日の出の力を利用して、勢い、木桶を二つとも、むんずとつかみ上げる。水が溢れないように、慎重に歩きながら家路をたどった。
ところが家の煙突を森の中に見つけると、私は自分の高揚がしぼんでいくのを感じた。家にはやはり父様だけがいて、母様が返ってくるのは今日のお昼すぎだ。依然、父様とのわだかまりは溶けていないのだし、憂鬱なことに変わりはない。
おまけに水汲み一つに小一時間は要してしまった。あるいは、父様に怒られるかもしれない。
内心酷く怯えながら、重たい足取りで扉に向かう。ちゃぷりちゃぷりと両腕の水が鳴る。
扉の前で、一呼吸し、努めて平静を装いながら、「ただ今戻りました」とつぶやきながら、足で器用に家の中に入り込んだ。
まず最初に感じたのは、紅茶の香りだった。次いで、父様の不安げな顔を正面に見る。
父様は何かを言おうとして口を開き、私の様子を目で確認すると口を閉じ、また開いて「桶を置いたらお茶を飲んでいなさい」とだけ言うと、そそくさと中に引き返していった。キッチンに一つのティーカップが置かれているのが見えた。
私は桶を置くと、そこに向かい、湯気の立つティーカップにそっと手を当てた。かじかんでいた指先がじんわりと熱くなっていくのを感じる。
しばらくそのぬくもりを楽しむと、私はカップを持ち上げた。
父様は要するに、心配していたのだわ。
私はとうにその事に気づいていた。言葉を交わすのが気まずい。それはきっと私の成長には不可欠なステップなのだろう。父様は、いつか私と素朴な会話ができるようになるのを、じっと待っている。そして言葉の代わりにこうして思いを伝えてくれている。
紅茶の表面には湖で見たのとは違う、明るい表情の少女がいた。
ふう、と細く息を吹きかけて、茶を冷ます。硬い湖面に木の葉の波紋が広がるように、柔らかな匂いが家中の空気に伝播していく。父様の書斎にもきっと伝わっているはずだ。
そうしてしばらくの間、飲むこともせず、私はただ、紅茶の香りを楽しんだ。
貴女は、紅茶の香りがお好きですね。
最近はあまり茶葉にこだわらず飲んでいらっしゃいますね。
久々に、様々な香辛料を煮立てて作る、甘い紅茶を淹れてはどうでしょう。きっと美味しくて、心が落ち着きますよ。
嫌なことも、心配なことも、たくさんあるでしょう。
それでも、貴女はご自分の思うように、自由に生きていいのですよ。
苦しまなければいけないなどと、思わないでくださいね。
作品No.210【2024/10/27 テーマ:紅茶の香り】
香りも大事だけれど
やっぱり
味が大事だよね
リンゴの香りはするのに
甘くない紅茶なんて
私は苦手だし
そう言い訳して
ガムシロップを二個
投入した
━━
【おまけの後書き】
本日、誕生日を迎えました。ラスト二十代です。
紅茶の香りが漂う このほのかな香りが好きだ。
温かい紅茶を飲むと心が落ち着き、温まる
読書をしながら落ち着いた空間で心を癒し、
紅茶を味わってみたいな
朝の冷えた空気のなか
たっぷり沸かした湯をポットに注ぐ
くるくると回る茶葉からゆっくりと
紅い色がにじみでてくる
光の中を立ちのぼる蒸気
そっと蓋で閉じこめて
砂時計の砂が落ちたら
カップに満ちる美しい色
期待をこめて顔を近づけ
吸い込む湯気と華やかな香り
お茶の魔法で身体は目覚め
今日がはじまる
「紅茶の香り」
#493
#紅茶の香り
紅茶の香りは苦手だ。
高校卒業後就職してすぐ家を出た。
会社が準備してくれた寮ではあったものの、会社の目はなく
自由に友達を呼んで毎週末は誰かしらが家にいた。
その頃はまだ若かったこともあり、夜遊びが酷かった。
その時たまたま飲食店で出会ったとある方(以後sと称します)
と仲良くなり、出かけたりsの家に招かれたり逆に、
自分の家に招くこともあった。
だが、男女の友情は成り立たないものだ。
お互いの家に上がる度営みはあった。
営みの後は必ずといってsが淹れてくれる紅茶があり、
当時はその香りが好きだった。
甘く心地の良い香り。
味は苦手だったが、一緒に飲む時間も好きだった。
その時の自分は何を思ったのか、sとの関係を壊したくない、
けど、先に進みたい。そう思った。
そう思った次の日が、自分の背中を押すかのように七夕の日。
その日はsの家に招かれていて営みもしてゆっくりしていた頃
「sが好き」
そう、ぼそっと呟いた。
最初は聞こえていなかったのか返事はなくsは部屋を出た。
部屋に取り残された自分の心臓の音だけがうるさく響いた。
数十分後
「ごめん、付き合えない」
ソファーに座る自分の横に座り、沈黙の中sが呟いた。
断りを言われ、自分は強がったのか
「え、なんのこと?」
と引きつった笑みで言ってしまった。
sに今日はもう帰ろうと言われ沈黙の車内でその日は帰宅した。
数日後
先輩に突然相談をされた。sが浮気しているかもしれない。
その相談に衝撃を受け、名前をもう一度確認した。
まさに、先日自分が告白したsだった。
そう。自分は先輩の恋人に手を出したのだ。
すごく罪悪感に苛まれ、理由をつけその場を離れた。
感情はぐちゃぐちゃ。
夜だったのが救いかの様に泣きながら帰宅した。
ふとキッチンに目を向けると、
sが家に置いていった紅茶が目に入った。
先日の告白を断られたのは、先輩と付き合っているから。
自分はただの遊びだったのだ。
そう思ったら自暴自棄になった。
sに対し先輩との事実確認となぜ遊び感覚で自分を弄んだのか。
それを聞きたかったがために店に向かった。
カランカラン
店の扉を開き、他のお客さんがいる中sを呼び出した。
店の店長さんと仲良かったこともありsとの時間を頂いた。
「○○さん(先輩)知ってますか?」
自分が呟くとsは焦る様子もなく知ってるよと答えた。
悪びれのないsの態度に腹が立ち怒鳴るように問い詰めた。
遊び相手に自分を選んだ理由、
遊びなのに自分に愛を囁いた理由、
先輩との関係はいつからなのか、
様々なことを問い詰めた。
sの態度は変わることなく淡々と答えるのかと思いきや、
開き直りと高笑いしながら返事をした。
「そうだなー、○○とは2年くらい付き合ってるかなー。
でもさ、全然相性良くないんだよねー笑
でも、○○知ってるならわかると思うんだけど顔は可愛いんだよねー笑男なら誰しも可愛い女傍に置いときたいじゃん?
あー、あとなんだっけ?好きとか愛してるって言った理由だっけ?そんなの簡単じゃん笑そう言っとけば女なんてちょろいからに決まってんじゃん笑」
そう笑いながら先輩を貶すかのように顔顔と言いながら自分を罵ってきた。
「あ、そうですか。○○さんがsさんに浮気されてるかもとご相談を受けたので今回こうやって聞かせて頂きましたが、そのような態度なのですね。分かりました。どれだけ自分が馬鹿だったのか理解出来ましたし、○○さんに対しても自分に対してもすごく失礼な人間なんだなと確認できましたのでsさんと縁を切らせてもらいます。さよなら」
人間冷静になってしまえばどんな対応でもできるのだと我ながら思った。
sは、自分が泣きつくと思っていたのか、冷静な態度で返事をした自分に対し呆気にとられあほ面していた。
それを尻目に自分はその場から立ち去った。
後日
自分は、sの浮気を相談してきた先輩に事の発端を全て説明した上で先輩に嫌われる覚悟で謝罪をした。
先輩は、
「そーゆーことね。お互い何も知らなかったとはいえやってしまったものはしょうがないし、sが人間としてクズなのは分かったからもう咎めないし、○○(自分)とはこれからも一緒に
仲良くしたいから仲直りしよ。」
そう優しく言われ泣きながら先輩と和解した。
後々聞いた話、先輩の家にも同じ紅茶を置いていたらしく、
sと別れてすぐその紅茶を捨てたそうだ。
同じく、自分もその紅茶をすぐに捨て、
sが持ち込んだ茶器も売った。
アールグレイ香るビスコッティを焼きながら
君を待ってる秋の夕暮れ
#紅茶の香り
紅茶の香り
上品な紅茶の香りがするあの人。
綺麗な髪をなびかせこちらにほほえみかけてくる
あの人の好きな紅茶はなんだった?
ダージリン?アッサム?それともそれ以外?
もう覚えていない、あの人から香った匂いを探すために、今日も紅茶を飲んでいる。
いつもあの人がいれてくれる紅茶。わたしはあまいのが好きだからって、砂糖をたくさん入れてしまうけど
あの人はそれをいつも優しい微笑みで見つめている。あの人がいれてくれる紅茶が好きです。
匂いを嗅ぐだけで、それだけで幸せになれるの。
いつもありがとう。また一緒にお茶をしましょうね。
ふわっと香る、ダージリン。思わず深呼吸する。
毎朝私が目覚めた時タイミングよく運ばれてくる、この紅茶が好きだ。
私が生まれる前からここにいる執事さん。
もうおじいちゃんと呼んでもいい年齢だけど、その優秀さは全く衰えない。
「お嬢様、おはようございます。本日のお茶はだーじりんてぃーです。」
……カキカケ……
【紅茶の香り】
「ルイン。なにしてるの?」
「これはこれは魔王サマ。紅茶を淹れているところです。よかったら一杯どうぞ。茶菓子もありますよ」
「……紅茶とかお茶ってさー。何がいいのか全然わかんないや。水でよくない?」
「さすが魔王サマ、風情がない、いや実に実利的で現実的な思考でいらっしゃる。そんな貴方は水をどうぞ」
「常々思ってるけど、ルイテン、きみは誰と話しているのかわかってるのかい?」
「我々魔人の頂点にして守るべき存在にして紅茶の良さもわからないお子ちゃま、ってとこですね」
「きみねぇ……」
「では今から紅茶の魅力でもお伝えしましょうか。こちらはアッサムとキャンディのブレンドです。ミルクティーにピッタリでこのクッキーとの相性もよく……」
☆-☆- -☆-☆☆
「ねぇイルさん、紅茶ないの?」
「ア? 水でいいだろ」
「わー出た、これだからきみってヤツは! まったくルインを見習ってほしいもんだ! こんなザックリしたバターたっぷりのクッキーを水で食べろって!?」
「うるせェ俺はお前の執事じゃねェ。紅茶が飲みてェなら自分で茶葉買って淹れてこい」
「ちぇっ、ケチ。あーあ、紅茶の香りが懐かしいや……」
出演:「ライラプス王国記」より ロキ、ルイテン、イル
20241027.NO.86「紅茶の香り」
ー紅茶の香りー
高校の卒業式の後、
友人と近所のデパートの地下にある
レトロな喫茶店に入って紅茶を頼んだ。
「明日から会えないんだね」
頬を流れた
しょっぱい涙のせいか
普段は
ストレートしか飲まないのに
今日は
砂糖の入ったミルクティーが美味しく感じた。
「…ん…、」
「あ、おはよう」
いつもの紅茶の香りに目が覚めた。
寝ぼけ眼のままゆっくりと釣られるようにダイニングに入ると、やっぱりそこには朝から爽やかで余裕をもて余しているかのような隼人の笑顔があった。
「…おれも」
「え?」
「…おれも紅茶、のみたい」
俺が視線をそらしてぼそっと言ったのは、俺の頬が熱を持っているのは、寝ぼけているせいにしておく。
苦手だったはずの紅茶。
隼人と同棲するようになり、いつものように紅茶を飲んで一日を始める姿に憧れたのは内緒だ。
隼人は一瞬驚いたように目を開いたけど、すぐ穏やかな表情になって、かたんと音を立てて椅子から立ち上がった。
なんの意識もしてなそうなのにきちんと伸ばされた背筋に、無駄のない動き。
ああそうだ。昨日は隼人の長くて細くて、でも男らしい手に好きをまたひとつ募らせたんだっけ。
そんなことを思ったのは、その手がふっと伸びてきて、ふわりふわりとおれの頭に触れてきたからだ。
「柚月くん、…ほんときみはどこまで俺を捕えて離さないんだろうね」
「は…?なっ、に、いって…」
「柚月くんは俺が好きなものだから、気になったんでしょ?好きになりたいと思ってくれたんでしょ?」
「っ、ち、ちげえし。紅茶いい香りするし、目ぇ覚めるし、飲んでやってもいいかなって思っただけだし」
「あはは、可愛すぎかな」
「~っ、」
ばか、と小さく呟いて真っ赤に染まった顔を隠すように、引き寄せられたからだを密着させる。
抱き締めながらも、髪を撫でてくるその手には安心してばっかだ。
─紅茶の香り─ #107
(今日もどうしてもからだが動いてくれなくて、さすがにやんなきゃいけないのに、熱はかったら思ってた以上に熱あったので開き直ってアニメの続き見ました(おい)
…いやぁ、こいつ人気高そうだなった思ったキャラに落ちることはまずなかったのに、今回気づいた落ちてた自分がいた。昨日の大泣きの件といい、このアニメ恐るべし)
その香りに誘われて、小さなティーサロンの扉を静かに開けた。
外の喧騒から切り離されたその空間はまるで異国の片隅に迷い込んだかのように静かで、そしてどこか懐かしさを感じさせる。漂う紅茶の香りがふわりと私を包み込み、時間がゆっくりと流れていくのを感じた。
店内にはアンティーク調の家具が整然と並び、壁には色褪せた油絵が飾られている。
落ち着いた光が柔らかにテーブルを照らし、まるで昔の映画のワンシーンにいるかのようだ。
カウンターの奥に立つ店主は、静かな微笑みを浮かべながら私を見つめていた。
「いらっしゃいませ。どうぞお好きな席へ」
その言葉に軽く頷きながら空いた席に腰を下ろした。
店主が微笑みながら、いくつかの容器を手に取りそっと開いて香りを漂わせてくれる。目を閉じて香りを吸い込むと、鼻腔に広がるのは「アールグレイ」のベルガモットの香り。
その馥郁とした香りはまるで心の奥をそっと揺さぶるようで、私は思わずそれを選んでいた。
湯がポットに注がれ、立ち上る蒸気が私の鼻先をくすぐる。
目を閉じるとその香りが過去の記憶を優しく呼び覚ましてくれる。
受験勉強に追われた学生時代、夜遅くまで机に向かう私に母がそっと差し出してくれたのもこのアールグレイだった。
カップを手に包み込むと、ふわりと温かなぬくもりが伝わりどんなに疲れていても心が少しずつほどけていったあの日の夜が鮮明に蘇ってくる。
店主が静かに口を開く。
「紅茶の香りには不思議な力がありますね。ときに、過去の思い出を優しく運んできてくれるのです」
紅茶を口に含み、その穏やかな味わいに心がほっと和む。
過去の自分と今の自分が、カップの中で交わるような不思議な安堵感に包まれた。
母との何気ない時間、言葉では伝えられなかった優しさが今この瞬間にそっと私の心を温めてくれているようだった。
【紅茶の香り】
過去の自分の産物に横転する日が来ようとは…
_(:3」∠)_ビックリシタ
過去よ──私はキミより未来からの連絡が欲しいよ。そうしたら、色んなことが万事解決出来るのに。サーバー接続不可…リトライしても不可、困った。
…ん?これって誰しも皆そうか…。
…テーマに入る前に脱線してしまった。
さて、本日のテーマと向き合うとしましょうかね。
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良いアイデアが煮詰まらない時は、小休憩が大切になる。
ストレッチや昼寝等、気分を変えるのに効果的なものは沢山ある。
中でも手軽なのは、お茶を飲むという事だろう。
お茶に含まれるテアニンには、睡眠の質の向上・ストレスの軽減・脳神経細胞の保護・血圧降下作用・リラックス効果などがある。
緑茶・抹茶・紅茶・烏龍茶など、好きな味で手軽に摂取出来るのでオススメだ。
特に紅茶は、フレーバーの数も多くある為、気分転換に最適だ。
薔薇や金木犀などの花の香りや、桃やりんご、オレンジなどのフルーツの香り。変わり種だと、クッキーやチョコーレートなどの香りもある。
自分の好みに合わせて選べるのが魅力的だ。
折角の小休憩、色々な紅茶の香りを楽しんでみるというのはいかがだろうか。
馥郁たる紅茶でホッとすれば、良いアイディアが浮かんでくるかもしれない。
或いは、ただお茶をするというだけでも、リラックスや幸せを感じて気分転換になるかもしれない。
誰かと飲めば、和やかな縁が結ばれるかもしれない。
お茶の持つ力というのは、計り知れないものがある。
小休憩以外でも是非日常的に、お茶を飲むということを取り入れてみてはいかがだろうか。
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紅茶の香り